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仙台2-0新潟 両者が渇望した先制点は、仙台にもたらされ、更に、カウンターからの幸運なPK獲得による追加点を奪っての快勝。前半の苦しい時間帯を乗り切った先の後半に、耐えたチームへの"ご褒美"が待っていた。新潟から、リーグ戦では実に10年ぶりとなる勝利を奪い取り、今季2度目の3連勝を達成。

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 前半の新潟の出足の良さ、そして、仙台の守備へ苦心が、試合序盤のペースを新潟に奪われてしまっている事を表していた。

 
この試合に向け、新潟は、韓国代表のチョ・ヨンチョルこそ先発してきたものの、U-22代表で2人が離脱した上に、ブルーノ・ロペスが累積警告で出場停止。正GKの東口も負傷離脱で居ない。だが、実際には、この4人の穴をほとんど感じさせないくらい、新潟の試合開始直後の出足は、素晴らしいものがあった。
 

 特に、MF23・田中亜土夢は、FKなどで豪快な、しかも正確に枠に来るシュートを撃ち続けて来ており、非常に驚異的だった。球速のあるブレ球を、正確に枠に飛ばされ、その度に、林のスーパーセーブに何度助けられたか、判らないくらいだった。

 
対する仙台は、3日前のナビスコカップで負傷し、この試合を回避した関口の「運動量豊富なディフェンス力」を欠いた事から、新潟のサイドからの攻撃の組み立てを安易に許す展開が続き、主導権を握るまでには行かない、苦しい流れを強いられていた。
 
前述した、田中亜土夢のシュートや、新潟2トップのミシェウとアンデルソンが絡んだ攻撃は、最後の精度の点を除けば、いつ失点してもおかしくない空気の色を持っていた。
 
息を飲みながら、見守り続けた前半。だが、こういう展開は、決して今に始まった事ではない。相手の攻撃を受け止め続け、相手側に隙が産まれるのをじっと待ちながら、こちらの攻撃の機会を伺うという、この試合運びの流れは、言ってしまえば「仙台の勝ちパターン」そのもの。このまま失点さえしなければ、後半のどこかで、必ず得点機を迎える事は判っていた。
 
そう思いつつ、前半をスコアレスで折り返し、勝敗の行方は後半へと持ち越される。
 
そして、迎えた後半。出だしこそ、前半の続きのような雰囲気ではあったが、そこから5分も過ぎたあたりから、前半はなかなか噛み合わせの宜しくなかった、中盤のパスワークが冴えを見せ始め、効果的なフィニッシュで終えるようになる。
 
そんな展開の変化の中で、迎えた後半12分。右サイド後方で、中央の梁からボールを受けた富田が、新潟ゴールの左サイドに待ち構えていた赤嶺へ目掛けて、正確なセンタリングを供給。これを赤嶺がヘッドで折り返すと、その先には、我らがセカンドストライカー・菅井直樹が頭から飛び込む姿が。このシュートは惜しくもGKにブロックされるも、その溢れ球が、再び赤嶺のところへ。これを右足で、豪快に蹴り込むだけだった。
 
後半13分。仙台1-0新潟。
 
前半の試合ペースを見る限り、決して、仙台優勢とは言い難かった。しかし、後半は見事に立て直し、相手を完全に崩しきっての先制弾。赤嶺、リーグ戦・4試合連続となる、今季11得点目。一気に、今季の得点王候補に名乗りを挙げてきた。
 
これで、俄然に雰囲気の良くなった仙台。少々疲れの見え始める時間帯ではあったが、足が止まるどころか、前半以上に運動量が上がり、新潟の中盤をズタズタに切り裂いてのチャンスメークが出来るようになってきていた。
 
こうなると、もう仙台の独壇場。勝ち星に見放されている新潟の選手も、必死に追い付こうと攻め上がってはくるものの、もはや、中盤のスペースをケアするだけの注意力と体力は残っておらず、リスクを犯して仙台のゴール前に攻め込んだ「その裏」を、太田が右サイドを飛び出して、カウンターに撃って出た。
 
そして、太田が早めに供給してきたセンタリングを、新潟の田中亜土夢が、うっかりエリア内で、左腕で触ってしまう。
 
笛を吹いて、ペナルティスポットを指す松尾主審。PKの判定。その場に倒れ込む、田中亜土夢。
 
前半、あれだけ、彼の驚異的なFKやシュートに、何度も失点の危険を感じ続けてきていただけに、まさか、その田中のハンドで、PKを獲得する事になろうとは、夢にも思わなかった。
 
このボールを、キッチリと、新潟GKの反応の逆を突いて、ネットを揺らした梁。翌日の新聞報道によれば、赤嶺や太田にPKを譲るつもりだったらしいが、2人とも蹴りたがらなかったらしい。どうせなら、赤嶺が蹴っても面白かったかもしれないが、普段からPKを蹴った経験がないと、自信は無いのかもしれない。
 
後半30分。仙台2-0新潟。
 
この時点で、もはや新潟に、リーグ屈指の失点の少なさを誇る仙台を相手に、逆転する力は残っていなかった。
 
そして仙台は、最後に、武藤をピッチに送り出してくる余裕まで見せてくれた。何度かベンチ入りが続いたルーキーは、なかなか巡ってこない出番に痺れを切らしていたと思うが、この日にスタジアムに詰めかけた16,000人を超えるサポーターは、彼の出番を信じて待ち続けてきた。そして、この日。
 
「これは、武藤、出てくるぞ」
 
筆者周辺のサポーターも感じていた、その予想は、現実のものとなった。後半44分、先制点を挙げた赤嶺に変わって、ピッチ上に登場。このとき、スタジアムは期待の渦で、雰囲気が最高潮に達していた。
 
Jリーグのデビューの舞台となった、このピッチ、この瞬間。武藤はきっと、自分に向けられている期待の重さと、その高さを、肌で直に感じ取ったはずだ。
 
そして、得点こそ叶わなかったが、後半ロスタイム4分を含めての、約5分間。武藤は、その持ち味であるスピードという武器を活かし、積極的にボールに絡んでいった。
 
久しぶりに感じた、期待度高いルーキーが、ボールを持ったときの、会場全体に溢れる、期待満々の、あの雰囲気。毎年味わえるとは限らず、ここ何年かは、ルーキーがその年にピッチに立つ事のなかった仙台だったが、この日は、明らかに、サポーター全体が武藤に寄せる期待の高さが、スタジアム中に充満していた。
 
心待ちにしていた、武藤のJリーグデビューからの5分間も、あっという間に過ぎ去り、仙台の快勝を告げるホイッスルが鳴り響く。
 
この瞬間、仙台の、今季2度目の3連勝が確定すると同時に、暫定ながらも5位に躍り出た。翌日の、鹿島-名古屋戦の結果如何にも依るが、一時期の順位の落ち込みを思えば、よくぞここまで立て直しできたものだと関心させられる。
 
そして気が付けば、あのアウェイ名古屋戦から、5戦無敗の4勝1分。ナビスコカップを含めた連戦状況だった事も含め、見事なまでの回復力である。
 
次節、最高潮の雰囲気を携えて、現在首位争いを繰り広げている、横浜FMとの対決の地・日産スタジアムへ乗り込む。
 
失点では、リーグ屈指の2チームが激突する、このカード。いったい、どんな展開が私たちを待っている事だろうか。今から、楽しみで仕方がない。
 
今節の勝利を以て、勝ち点が41へと伸びた仙台。毎年、勝ち点30台後半が、残留ラインの目安と言われていただけに、8試合を残してのこの状況は、残留を勝ち取ったというよりも、上位争いへの参画を伺う、中位の実力のチームの雰囲気そのものだ。
 
だがまずは、やはり、勝ち点40を超えて、ほぼ今季のJ1残留が達成されたであろう事のほうを、素直に喜びたい。その上での、残り8試合。1位から4位までとの勝ち点差を考えると、まず4位以上は難しいようにも思われるため、やはりここは、現実的に5位フィニッシュを目標としたいだろうか。
 
ただ、仙台のすぐ下には、勝ち点で肉薄しているチームがわんさかと居る事も忘れてはならない。例え、J1の終盤戦の中で好順位に付けているとはいえ、私たちはまだまだ、挑戦者の姿勢で臨む事を忘れてはならない立場だ。
 
その謙虚さを失わなければ、今しばらく、チームの好調さも継続するに違いない。
 
そして、ナビスコカップも、そして天皇杯も。
 
リーグ戦でのこの好調さは、これら別大会にも、雰囲気を持ち込めるはず。そのために、武藤をここでデビューさせた事の意味は、限りなく大きい。
 
まだ、ほとんど出番の廻ってこないディエゴと共に、カップ戦での仙台の躍進ぶりに、期待せずにはいられない。
 
上がって行け、仙台。思うがままに-。
 



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