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仙台2-1C大阪 ナビスコカップ敗退のショックを払拭するような、見事なまでの快勝劇。久々に "伝家の宝刀" セットプレーからの得点を2発も繰り出し、守っては、渡辺広大や関口ら「先発復帰組」の集中高いディフェンスで、C大阪の攻撃を、終盤のPK1失点に抑えた。広大先制点、菅井決勝点は7得点目。チーム5連勝で、4位に4差と肉迫。勢い、更に加速中!

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 C大阪の主力欠場を受け、少なからず、こちらが主導権を握れる展開になる事は、ある程度は予想していた。

 
しかし、いざ蓋を開けてみると、その予想を大きく上回り、仙台は、相手の攻撃の芽を徹底的に潰す、玉際の強さを見せつけてくれた。運動量も、期待以上に豊富で、比較的、観ていて安心できるような展開だった。
 

 流れの中でこそ得点は奪えなかったが、前半のうちに、次から次へとC大阪ゴールを急襲する流れの中から、何本もコーナーキックやフリーキックを獲得。そのうち、右コーナーキックから、2得点とも産まれる事になる。

 
1点目。梁がニアへ放り込むと、柳沢がこれを頭ですらし、C大阪ゴール前でワンクッションが入る。この先に渡辺広大が詰めており、豪快に右足で蹴り込んだ。
 
前半21分。仙台1-0C大阪。
 
2点目。再び梁がキッカーを務め、今度は、C大阪ゴール前のPKポイント付近にボールを送ると、そこへ寄ってきた角田が、ゴール左隅へダイレクトでシュート。ボールの軌道が枠の左へ逸れたか?と思われた瞬間。そのボールの軌道に対して斜めに、左側から、菅井が走り込んで来て、ボールの軌道の角度を変えるシュートを放つ。これを一度はGKに弾かれるも、更に詰め寄った菅井の足元に、ボールが跳ね返ってきた。菅井、これをそのまま、ほぼ条件反射的に蹴り込む。
 
前半40分。仙台2-0C大阪。
 
この後、後半になってC大阪は、どういう訳か、前線1トップを張っていた、怖い怖い播戸竜二を下げてしまい、小松塁を投入して来るも、C大阪の攻撃力の回復状況に変化なし。
 
試合の終盤になって、ようやくエンジンが掛かってきたC大阪の攻撃に若干手を焼くようになり(ディエゴが投入されてから、若干バランスが悪くなったように見えた事も影響していたかもしれないが)、その結果、自陣PA内で、関口が小松を倒してしまったとの判定により(この判定も、自由南ゴール裏で見ていた有志の話によれば、完全に主審のジャッジミスとの事だった)、PKを献上。これを小松に悠々と決められ、残すところあと3分+ロスタイムという状況に追い込まれる。
 
後半42分。仙台2-1C大阪。
 
しかし、C大阪は仙台を相手に、得点を挙げる時間が遅すぎた。結局このまま、試合はタイムアップ。仙台は、驚異のリーグ戦5連勝を達成し、勝ち点を47に伸ばし、5位の座を更に安定的なものとした。
 
この試合に向けては、どちらもカップ戦の敗退から、どう「立ち直るか(※立て直すかではなく、立ち直るか)」がポイントと読んでいた。
 
ここで、敢えて「立て直すか」と表現せず、「立ち直るか」と表現したのには理由がある。
 
こういうタイミングで迎えた試合は、おおよそ、精神面で引き摺ってしまう事のほうに懸念が生じやすい。つまり、技術や戦術云々のテクニカル面の問題ではなく、気持ちの問題。メンタル面の問題が、試合の行方を左右してしまう事のほうが大きい。
 
その点において、仙台は、この試合をホームで戦える事のアドバンテージに加えて、選手の負傷離脱、出場停止など、「ナビスコカップ敗退による物理的な影響」が無かった事が大きい。
(※鎌田の出場停止は、リーグ戦によるもの)
 
対するC大阪は、ACLの敗退、そして、今節の仙台移動と、アウェイ連戦だった事や、主力メンバーのキム・ボギョンをACLによる負傷で欠き、更には、日本代表の清武も怪我の影響で起用できなかった。それでも、播戸竜二というベテランFWの存在は、確かに怖かったが、ターゲットがはっきりしている分、仙台としても、ディフェンスのポイントを絞りやすかったに違いない。
 
そして、なんと言っても嬉しいのは、この試合で先発復帰を果たした関口が、筆者も期待させて頂いた通り、運動量を豊富に繰り出しての攻守貢献をしっかりと果たしてくれた事。
 
今季、ゴールが挙げられなくとも、やはり関口は、仙台に無くてはならない選手である事を痛感させられた。あのスピードに追いつける選手は、日本代表級でも、そうそう居ないだろう。
 
なお、ナビスコカップのレポートのサブジェクトにて、次のように書かせて頂いたのを覚えているだろうか。
 
「これがカップ戦で良かったと思えるように、リーグ戦での更なる飛躍に期待したい。」
 
今、改めて思う。あの敗戦が、ナビスコカップで、本当に良かった、と。
おかげで、リーグ戦の連勝に弾みの付くような「犢鼻褌の締め直し」に成功しただけでなく、敗戦からの立ち直りの成功例としても、良質な経験を積んだと思う。ある意味で、「勝ち点3/一勝」という、数字的な成果に留まらない、大きな大きな勝利を手にしたのではないだろうか。
 
今節、優勝争いの渦中に居る上位4チームのうち、名古屋と横浜FMが敗戦を喫した。試合のダイジェストを見る限り、共に、とても「らしくない」試合をしてしまった上での敗戦の様相。いよいよ、優勝争いのプレッシャーという「見えない敵」が、彼らを襲い始めたのだろうか。
 
下を見れば、順位争いで一番気掛かりだった鹿島も、トップ4の一角を占める柏を相手に、ホームで敗戦。確か柏は、カシマスタジアム初勝利だったようにも思う。この結果により、下位の鹿島とは6差。その鹿島を抜いた広島とも、5差を付けている。
 
優勝争いに首を突っ込み、終盤戦の厳しさを味わっている上位陣の背後に、ヒタヒタと、もの凄い勢いで迫りつつある、我らが仙台軍。これを自動車レースに例えるならば、快走するトップ集団の背後に、「スリップストリーム状態」で追走しているかの様相だ。
 
残り、6試合。そして天皇杯。
 
上位陣との対戦では、ガンバ大阪との直接対決を残しているものの、そのガンバ大阪を含めて、第一クールでは全て負けていない相手との対戦。もちろん、第一クールとときのように、調子良く勝てるという保証はどこにもない。しかし、明らかに、現在の仙台の勢いは、シーズン序盤のそれを上回っている。
 
この勢いを保ったまま、残り6試合。いったい、どんな結果が、私たちを待ち受けているのだろうか。
 
留まる事を知らない、現在の勢い。この勢いが、決して「ブラフ」ではなく、本物である事を証明するためにも、内容を伴っての勝利を、一戦一戦、続けなければならない。
 
そしてもちろん、私たちにも、選手たちにも、慢心は一切ない。冷や水は、ナビスコカップで十分に味わった。それを知った以上、目の前の一戦に集中する事の大切さを忘れる事は、絶対に無い。
 
ACLの文字が脳裏をチラ付き始めた昨今だが、それを意識し始めた途端に、勝てなくなる可能性もある。今はまだ、今のこの状況を、もう少し愉しみたいじゃないか。
 
フォルツァ!ベガルタ。
 
私たちは、後押しを惜しまずに、どこまでもついて行くぞ-。
 



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