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福岡0-3仙台 松下、全3得点に絡む大活躍。左サイドからの崩しが効き、福岡の甘いディフェンスを次々に切り裂いた。松下自身の2得点に加えて、ルーキー・武藤のリーグ戦初ゴールも飛び出し、クラブJ1初となる、快心の6連勝を達成。4位に2差の5位と肉薄し、ACL圏へ、また一歩、前進。

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 先発メンバーの中に、エース・赤嶺も。そして、大黒柱・梁の名前も入って居なかった今節-。

 
それでも仙台は、3得点・無失点の快勝を収めた。相手が最下位の福岡だったとは言え、試合序盤の20分間の、福岡の意気込みの高い出足や集中力の前に、一時は、先制点を奪われる気配すら漂わせていた。
 

 しかし、そこで簡単に崩れないのが、今の仙台の強さなのかもしれない。

 
持ち前の堅守の意識を高く保ち、決して、福岡に対して、主導権を渡してしまうようなゴールを許さなかった。それが良く現れていたのが、前半14分に福岡に与えた、自陣ゴールほぼ正面でのFKの場面。重松が蹴ってきたボールは、壁を綺麗に越えて、仙台ゴール手前でバウンドするように襲い掛かって来たものの、これをGK林が、右足一本で好セーブ。重心を左に傾けながらも、残していた右足で何とかこれを跳ね返し、事無きを得る事が出来ていた。
 
試合の序盤は、ここらあたりまでが福岡のペースだった。しかし、前述のこのファインセーブあたりから、徐々に仙台が、本来の"地力"を発揮し出し、奪われかけていた主導権を引き寄せ始める。
 
そして、前半20分。この試合の主役が誰なのかを決定付ける場面が訪れる。
 
福岡が最終ラインで廻していたボールに対し、関口が、狙い澄ましたように喰い付くと、これを見事に奪取。虚を突かれた福岡ディフェンスが慌てるのを尻目に、一気に左サイドをえぐってPA内にドリブルで持ち込み、ここから、ほぼ横一直線に、シュート性のクロスを放った。これを福岡GK神山が辛くも弾くが、その溢れ球がなんと、詰めていた松下の正面へ。
 
これを松下、落ち着いて、福岡ゴールへ流し込む。
 
前半21分。福岡0-1仙台。
 
この試合の主役は、俺たちだ!そう言わんばかりのゴールシーンだった。福岡のディフェンスの甘さ、関口の切れ味鋭いスピードと突破力、そして、常に溢れ球への反応を意識する姿勢。それらの要素が見事に噛み合い、仙台に、良好な時間帯での先制点をもたらした。
 
ここからは、完全に仙台ペース。仙台は、先制点の起点となった左サイドを中心に、正面、そして右サイドとバランス良くボールを廻して、相手を揺さぶり、相手を焦らす事を意識して、試合を運んだ。前半終了時点で、仙台のシュート数は僅か2本だったが、2本目のシュートで先制点を叩き出した事もあり、無理にシュートで終わらず、相手にボールを渡さない事を意識した試合運びで、前半を折り返す事に成功する。まさに、試合巧者だった。
 
後半に入ると、福岡は、劣勢の状況を打開すべく、ハーフタイムでMF中町を投入。後半20分には、前半で豪快なFKを蹴ってきた重松を下げて、高橋泰を投入してきたものの、試合ペースは、依然、仙台に在った。
 
そして迎えた、後半22分。左サイドで朴柱成が、相手ディフェンダーとの競り合いで、ラッキーな競り勝ちを収めると、福岡ゴール前へ、狙い澄まして、高精度なセンタリングを供給。そこへ走り込んでいたのは、前半の先制点と同様、松下だった。
 
ドンピシャリで、朴柱成のセンタリングに頭で合わせ、福岡ゴールの右サイドネットを豪快に揺らした。
 
後半23分。福岡0-2仙台。
 
代表帰りで疲労色の濃かったと思われる、梁の代役として、先発出場した松下だったが、この日は、鹿児島実業高校での同級生でもある赤嶺を累積警告で欠き、更には、地元の鹿児島から、両親を始め、親戚ご一行が揃って松下の応援に、福岡まで駆け付けていた事もあり、彼のモチベーションの高さは半端では無かった事だろう。
 
ここまでの2得点は、その期待に十二分に応える、快心のものとなった。が、彼の活躍は、これだけに留まらなかった。
 
後半35分に、太田に替わって投入された、ルーキー・武藤。先週の天皇杯で、自ら奪ったPKを決め、仙台加入後の公式戦初得点をマークしていた若武者は、リーグ戦でもその信頼の高さを発揮し、2点先行のこの有利な状況の中でも、3点目を決める大事な仕事を任される形で、ピッチに送り出された。
 
そして、そこから僅かに2分後。
 
左サイドに張っていた、この日2得点の松下が、武藤の要求に応える形で、鋭いセンタリングを、PA内の武藤に供給。これを、落ち着いて胸でトラップしたかと思った瞬間。振り向きざまに、左足でシュートを放った。
 
試合後の本人のコメント曰く、「ゴールの枠は見えていなかった」との事だったが、感覚だけで、GKとゴール枠の「僅かで狭いコース」に狙いを定め、素早くこれを撃った事で、相手GKの虚を完全に突き、反応を許さなかった。
 
武藤、先週の天皇杯に続き、リーグ戦でも初得点。その、シュートを狙う姿勢やプレースタイルは、本人も目指している「目標は佐藤寿人選手」の如く。本当に、あの佐藤寿人が仙台に戻ってきたかのような、抜け目の無いシュートシーンだった。
 
梁が居なければ、松下が決める。
赤嶺が居なければ、武藤が決める。
 
誰が出ても、同じように試合をコントロールし、ゴールを決められる。こんな台詞は、試合前のプレビューでなら、期待と希望の意味で書く事もあるが、今回は、結果という形でお届けするに至った。
 
試合はこのまま、仙台が、主導権を福岡に渡す事なく終了。仙台が、クラブ初となる、J1での連勝記録を6とし、4位・横浜FMとの差を2に縮め、ACL圏への突入へ、また一歩近づいた。
 
本当に、おらがチームなのか?
あまりにも強すぎないか?
 
そんな、素朴な疑問も沸いてくる。だが、これは、決して夢ではない。私たちが必死に応援し、こよなく愛する我らが仙台軍は、私たちが期待する以上の成長を見せている。
 
今節は、確かに、福岡のディフェンスの甘さという要因も手伝っての快勝劇だった。だが、そこをしっかりと突き、それを結果に、ダイレクトに結び付けられるかどうかが、J1で上位争いに生き残る、最大のファクターでもある。
 
J1での上位争いともなると、相手は、簡単にミスなどしてくれない。だからこそ、その相手の「少ないミス」を自分たちのチャンスに換える意識の高さがないと、なかなかゴールは産まれないものだ。今節、そういう部分から、しっかりと3得点を産み出した、我らがチームを誇りに思い、賞賛の拍手を。
 
残り、リーグ戦5試合。そして、天皇杯。
 
どこまで続く、この快進撃。まだまだ、止まりそうにもない-。
 



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