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浦和0-0仙台 「勝てない」事を悔しがるよりも、「負けない」事を自信の拠り所とする事を学んだ一戦。スリッピーなピッチコンディションの中、終始、体を張った守備で失点を許さなかった選手に、賞賛の拍手を。「3試合未勝利」ではない。「4試合無失点、かつ、11試合無敗」なのだ。

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 浦和のシュート数が9本なのに対して、仙台のシュート数は5本。前半だけをみても、浦和は3本、仙台は1本-。

 
「シュート数だけ」をみれば、どれだけ決定機の少ない、面白くない試合なのだ、と思う諸氏も居る事だろう。だが、決してシュート数だけでは見て取れない、激しい攻防が、この試合では数多く見受けられた。
 

 雨の影響を否応なしに受けたこの一戦は、ホームの利と、残留争いのプレッシャーを背負って、序盤からどんどん仕掛けてくる浦和と、それをしっかりと受け止め、我慢の守備をし続ける仙台、という構図で始まった。

 
共に、雨で濡れるピッチに苦しみ、出したパスが転がるところと、水たまりのために止まるところが散見。双方、普段ならあり得ないようなパスミスを繰り返すも、それが決して技術的なものの影響ではない事は、この試合を観ている者なら、誰しもが判っていた。
 
強力な個の力ベースではなく、組織的な連携による攻守を戦術の礎としている仙台にとって、ピッチコンディションの悪さは、それだけでハンデを背負っているに等しい。その上、今節はアウェイ。しかも、場所は埼玉スタジアム。浦和を相手にして、3万人の赤いサポーターの、地鳴りのような声援を敵に廻し、どこまで自分たちのサッカーを崩さずにやり抜けるか。それがこの一戦の課題となった。
 
だが、結論から言えば仙台は、最後までその「気持ちと持ち味」を失う事なく、残留争いの渦中で苦しみを味わい続けている浦和に、歓喜の刻を許さなかった。
 
前半40分の浦和カウンターのピンチも、後半10分の朴柱成の負傷交代のピンチも。仙台の選手は、決して運動量を落とす事なく体を張り、仙台ゴールを守り続けた。
 
「運」もあった。浦和が放ってきたシュートがバーに嫌われ、危うく難を逃れたシーンもあった。
 
反面、今節の得点への期待は、正直言えば、それほど高いものではなかった。だが、こういう試合は、1年間を通じて、何試合かあるものだ。気候やコンディションに左右され、自分たちのサッカーを発揮し切れない、もどかしい試合。しかし、攻撃面ではその影響を多分に受けたが、守備面では、決して「仙台がこの順位に座っている理由」を壊す事はなかった。
 
終わってみれば、3試合連続の、スコアレスドロー。
 
だが、今節の浦和も含めて、川崎・広島といった、J1屈指の「個の攻撃力」の高いチームを相手に、なんと3試合も連続で無失点を達成したのだ。最後に勝利した福岡戦(リーグ戦・10月15日)から数えれば、4試合連続の無失点。勝てない事を嘆く前に、まず、この事実をきちんと評価して、今後の展望を考えるべきだと思う。
 
9戦未勝利の苦しい時期が続き、その後のアウェイ名古屋戦を0-1で勝利してからというもの、そこからは11戦無敗を継続中。この事は、目の前の1勝に一喜一憂する事とはまた別な次元の凄さがある。
 
そして、仙台の凄いところは、決して「守備一辺倒」ではない事だ。ちゃんと攻撃力についても、期待できる選手が多く在籍している事が、攻撃と守備のバランス維持に寄与している。この戦力のバランスを絶妙に取り、負けないサッカーを展開出来ているのが、手倉森監督の手腕の凄いところでもあるのだ。
 
自信を、持とう。
 
私たちの応援するチームは、簡単に負けない、強さと逞しさを携えているのだ。例え相手が、どんなに高い攻撃力を持っていようと、それを我慢して耐え続けられる守備力があるのだ。そして、相手の隙あらばいつでも攻撃に撃って出て、得点の臭いをプンプンさせるような、期待度バツグンのアタッカーが成長して来ているのだ。
 
3試合連続の無得点など、一向に、気にする必要なし。
 
むしろ、次節のガンバ大阪戦でも無失点を貫き、こちらは1点、もしくは2点を獲って、完封勝利を収められるのではないか?と、今から期待に胸を膨らませているくらいである。
 
これは決して「高望み」でも「叶わない願い」でも、何でもない。
 
相手が、あの遠藤を擁するガンバ大阪であっても、もはやここまで来れば、仙台は仙台の強みを存分に発揮して、次節も無失点試合を狙い、そして、達成するだけ、である。そして、もしかしたら、得点が入って、勝利できるかもしれない。
 
これだけ「負けないサッカー」を貫けていれば、13試合無敗を達成する事もできると思う。9戦未勝利のトンネルの時期以前は、12試合連続で無敗を記録したのだ。どうせなら、自らのこの記録を塗り替えて、今季を終えようではないか。
 
そして「その先」には。ACLが、待っているのかもしれない。
 
それも、「J1で4位」の意味する、ACL出場権獲得の可能性ではなく、12月も続く、天皇杯の勝ち進みにより、元旦の決勝戦に登壇する事により、自力で、その権利を得る可能性も十分にあるのだ。
 
今節の浦和戦を終え、残された、リーグ戦の2戦。この2試合では、もちろん、4位フィニッシュを目指す戦いであると共に、12月の天皇杯を見据えた戦いでもある。
 
その天皇杯に向けて、勢いを付けるためにも、残ったリーグ戦2試合は、何がなんでも、無敗で乗り切りたいのだ。
 
私たちの今季のサッカーシーンは、元旦まで、終わらない。その意気込みで、残った公式戦に臨もう。
 
元旦の、決勝戦へ-。
 
そこが、私たちの「今季のゴール」だ。
そして、来季の扉を明ける、第一歩でもあるのだ。
 



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