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試合が終わった時、仙台の最終ラインには、田村も、菅井も、そして長期離脱中の上本ももちろん居なかった-。
第13節、川崎フロンターレ戦。関口と上本の長期離脱を受け、太田と角田を同ポジションに置いて臨んだ一戦だったが、いざ試合が始まってみると、遜色は無いと感じられていたメンバー構成においても、やはり"急造布陣"の感は否めず、どこかぎくしゃくしていた。
試合が終わった時の最終ラインは、左から内山、鎌田、渡辺、角田。なんと、先発していたはずの田村も菅井も、試合が終わった時には、ピッチの上に居なかったのである。
だがそれも、仕方のない事情があっての事だった。内転筋を痛めながらも強行出場した菅井は、後半14分までが限界で、本来ならそこに置きたいはずの田村は、ハーフタイムでまさかの体調不調により、後半の頭から内山に代わっていた。そのため、この日に急造センターバックで出場した角田を、止むを得ず右に廻し、まだ完調ではなかった渡辺広大をセンターバックに入れて、急場を凌ごうとしていた。
まさに、スクランブル布陣。仙台の堅守の土台だった、最終ラインのメンバー構成が、試合中にここまで目まぐるしく代わる事になろうとは、夢にも思わなかった。
試合も全体を通して、これまで仙台が貫いてきた「前線からの攻撃的な守備」はなかなか機能せず、川崎の華麗で素早いパスワークに翻弄され、また、急造だった最終ラインのメンバー構成の影響もあってか、いつもは強気で高めに設定していたはずの最終ラインも、ズルズルと下がり気味に。そのため、余計に川崎の攻勢を呼び込んでしまい、前半20分の先制点献上へと繋がってしまった。
前半20分。川崎1-0仙台。
それでも仙台は、その僅か4分後、波状攻撃のこぼれ球を富田が豪快なミドルで同点とし、試合をイーブンに戻す。
前半24分。川崎1-1仙台。
「さぁここからが勝負だ」と思っていたが、ハーフタイムで、田村がまさかの体調不良を訴え、急遽、左サイドバックは内山に交代。試合勘の問題もあり、ベテランとは言え、言いようのない暗雲が漂い始める。
だが、そんな心配を、後半開始まもなくの9分に、ウイルソンがエリア外からの美しいループシュートで、チームを逆転に導いてくれた。
後半9分。川崎1-2仙台。
しかし、本当に、しかし。
いつもなら、ここからは「仙台の必勝パターン」でもある「前掛かりになってくる相手の裏を使って、有効に加点しての大勝」という構図を、この日は描く訳には行かなかった。
ウイルソンの逆転弾から、僅か5分後。菅井の内転筋が限界に達し、交代を余儀なくされる。だが、右サイドバックを出来る田村はハーフタイムで下がっており、ディフェンダーとして連れてきた駒は、センターバックの渡辺広大のみ。このため仕方なく、角田を右サイドバックへシフトし、完調目前の渡辺広大を緊急投入する事態となった。
最終ラインのメンバー構成が大きく変わってしまい、連携を確認しようとしていた矢先の、交代から僅かに2分後。その隙を突かれて、またも川崎の華麗なパスワークに翻弄され、完璧に守備網を崩されての同点弾を献上してしまった。
後半16分。川崎2-2仙台。
目まぐるしく変わる守備布陣が影響し、安定しないディフェンス網。それでも、富田とウイルソンの美技が効いて、この時点でもまだイーブンを保っていた。
この後、松下に代えて、Jリーグ戦初デビューとなる、奥埜をここで投入し、事態の打開を図る。武藤の投入でも良かったのではと思われる交代だったが、こんな大事な局面でのデビュー登壇を経験した事は、彼の今後の大きな財産となるだろう。
だがその交代は、あくまでも「3得点目を意識」したものであり、「3失点目をケア」したものとは言えなかった。気になっていたのは、本来ならボランチの位置で睨みを利かせていたはずの角田をここに置けず、この日にJデビューの奥埜を置いた事。そして、その角田を、急造で右サイドバックに置かざるを得なかった事。本来ならここは、菅井か田村のどちらかがケアし、相手に左サイドから容易にセンタリングを上げさせないはずのポジションだった。
そしてその心配は、現実のものとなってしまう。
中央で、中村憲剛が持っていたボールに体を寄せていた奧埜だったが、ここで止め切れずに、がら空きの左サイドに居た、新卒2年目の19歳・福森へパスが通ってしまう。右サイドバックの角田は!?と一瞬思ったが、最終ラインの定位置に鎮座していた。いつもなら、この終盤の大事な局面では、運動量を駆使して、菅井か田村がマークに付き、決して楽にセンタリングを上げさせる事など無いはず。もし、菅井か田村が付き切れて無かったとしても、スピードスター・関口が居れば、充分にケア出来たはずだった。
だが、この日は、"どの選択肢"も無かった。川崎の新人2年目の左サイドバック・福森から、仙台ゴール前で構える矢島へ目掛けて、正確なセンタリングが供給されてしまい、そしてこれを、矢島が、川崎の今季エースストライカーらしく、しっかりと決めてきた。
後半AT3分。川崎3-2仙台。
ここから同点を狙う時間と余力は、仙台にはもはや、残って居なかった。
4月のナビスコ杯での対戦に続き、同じ相手に、同じ場所で、続けて3失点を喰らっての敗戦。仙台サポーターとしては、非常に悔しい気持ちを持ったと共に、盟友・川崎と、お互いに主力選手を欠きながらも、最後まで目の離せない撃ち合いを演じる事が出来た点については、嬉しく思うところでもある。
しかし、リーグ戦としては、初の3失点敗戦。いくら急造の守備陣だったとは言え、やはり、控え陣の経験が不足している事は否めない。選手層そのものは厚くなってきているのだから、今度は、今節のような、急激な選手の入れ替わりがあった場合でも、最低でも勝ち点1は持って帰れるような采配として欲しいものである。
もっとも、ベンチワークとしては、最大限の努力はしたと思う。ただ、最後の1枚のカードは、奥埜のJデビューとして使うのではなく、ある程度、公式戦出場に慣れていた武藤を起用し、関口ばりの守備貢献として欲しかった事が、筆者の個人的な希望ではあった。
だが、終わったものは仕方が無い。
悔しい、今季リーグ戦2敗目を喫したが、幸いな事に、ここからリーグ戦は、代表戦の影響で、3週間の中断期間に入る。そして、この間に開催されるナビスコ杯2試合まで、まだ10日もある。苦しい時に、良いタイミングで建て直しを図る時間があり、しかも、ナビスコ杯2試合にも、丁度良いタイミングで臨む事ができる。
もう、事ここに至っては、「ナビスコ杯はナビスコ杯で決勝トーナメント進出を狙う」と言った"二兎"を追う必要も無いと感じている。ナビスコ杯は、あくまでも「リーグ戦再開を見据えた練習試合」という位置づけで充分ではないか。
突き付けられた、"試練"。
ただ、その課題を克服するだけの充分な時間と、それを確認するための絶好の機会も、併せて与えられた。これを十二分に活かして、中断開けから、また仙台の快進撃を見せて欲しい。
初夏の様相も漂う、5月下旬。気温も上がり始めるこの頃から、仙台は毎年のように、調子を落とし始めている。だが今年は、決してそんな姿を拝みたくない。ここで踏ん張れるかどうかが、今季の優勝争いの行方を大きく左右するだろう。
もちろん、サポーターとしては、どんな時でも、全力で応援する。
苦しい時期を一緒に乗り越えてこそ、何かを達成した時の喜びの共有感も、ひとしおなものだと、判っているから。
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