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【ナビスコ杯予選第7節】仙台4-0磐田 とうとう越えた、カップ戦での"磐田の壁"。前半の太田の豪快ダイレクトボレー先制弾を皮切りに、後半、怒濤の3得点。守っては、前田・駒野にU-23の山田ら代表選手を封殺し、4得点・無失点の完勝を飾り、同大会予選を、堂々突破。決勝トーナメント進出の切符を掴み取った。

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 相手チームに、負傷者の続出があろうとなかろうと、それで「攻撃の手綱を緩める」ような仙台ではなかった-。

 

 ヤマザキナビスコカップ、予選Aグループ第7節。ベガルタ仙台 vs ジュビロ磐田の対戦は、仙台が、持ち味の堅守と攻撃性の高さをみせ、前田・駒野ら日本代表級の選手を擁するジュビロ磐田を、見事な完封で退き、同大会の決勝トーナメント進出を決めた。

 
この一戦を迎えるにあたり、「負傷離脱や出場停止から、主力選手が続々復帰している仙台」と「負傷者・体調不良者を多数抱え、助っ人選手であるチョ・ビョングクやロドリゴ・ソウトすらも起用できない、苦しい台所事情の磐田」という、あまりにも対照的なチーム事情が、この一戦での仙台の勝利を予想するに難くない材料となっていた。
 
ただ、磐田としては「引き分けでも良いから勝ち点1さえ積めば、決勝トーナメント進出が決まる」という好材料もあった。このため、昨年から更にパワーアップした仙台の攻撃を封じ込める作戦として、直近のリーグ戦で仙台の対戦相手の浦和が採ってきた策である「最終ラインを引き気味にしてブロックを固める」事も、戦術としての選択肢ではあったと思う。
 
だが、磐田としては、センターバックのチョ・ビョングクが離脱中である事に加えて、直近のリーグ戦で、GKの八田が指を負傷してしまい、この試合では第三GKの竹重を先発起用するといった、守備陣のメンバー構成に不安を抱えていた事もあり、磐田の指揮官である森下仁志氏の判断は、「引き分けを狙って引き分けられるほど甘くはない。だから、攻撃的に出て行く」というものだった。幸いにして、日本代表の前田や駒野は健在であり、また、U-23日本代表候補の山田大記も先発起用には問題ないため、「攻撃的に行く」事には不安は無かった事だろう。
 
しかし、逆に言えば、「攻撃的に行くしかなかった」、そんなチーム事情だったとも言える。
 
いずれにせよ、仙台としては、願ったり適ったりの状況だった。浦和戦のように、相手に引かれてしまったのでは、どうしても、ある程度攻めあぐねてしまうところが出てくる。仙台の特徴を最大限に引き出すためには、出来れば、相手に「前に出て来て貰ったほうが良い」事には違いなかった。
 
そして、磐田は、チーム事情も含めた結果として、やはり、試合の序盤から積極的に攻撃を仕掛け、あわよくば先制点を奪い、試合の主導権を掴もうと、やっきになって攻め立てて来た。
 
前半。
 
キックオフから20分くらいまでは、磐田側の攻撃の意識が高く、立て続けにコーナーキックを取られる、少し苦しい展開が続く。11分に初めてのコーナーキックを与えると、14分・18分にも立て続けにコーナーキックを取られる、苦しい展開。また、磐田のFW・山崎亮平に、完全に裏を取られてしまい、あわや失点という大ピンチもあったが、ここは仙台の守護神・林卓人が、鬼の形相で立ちはだかり、山崎のシュートを見事にカットして事無きを得るなど、守備への集中の高さは健在だった。
 
そんな「磐田の時間帯」を、何とかやり過ごすと、20分。仙台にこの日、ようやく初めてのコーナーキックの場面が訪れた。右エンド奥のコーナーポストから、梁が蹴り込んだボールは、ファーに居た渡辺広大が折り返すも、一旦はゴールから遠ざかっ、、、、、たと思った、その瞬間。
 
そのボールの軌道の先には、MF15・太田吉彰が構えていた。これを太田、トラップする事なく、ダイレクトボレーで右足一閃。豪快に撃たれたその軌道は、綺麗な放物線を描き、磐田ゴールの上部へ、GK竹重の反応の許さない高さに突き刺さった。
 
前半22分。仙台1-0磐田。
 
それまで、磐田に圧され気味だった仙台が、この一発で、ガラリとムードを替える事になる。初めてのコーナーキックで先制点を挙げたかと思えば、そこからは、仙台が逆に、コーナーキックやフリーキックを立て続けに獲得する展開。前半のうちに追加点こそ成らなかったものの、試合の流れ・主導権は、完全にホームの仙台へと傾倒していった。
 
迎えた後半。
 
ハームタイムを挟んで折り返しても、試合の流れは仙台に傾いたままだった。特にこの日は、相手がジュビロ磐田という事もあってか、「元・ジュビロ」である太田の、鼻息と頑張りは、あまりに凄すぎるものがあった。
 
そして、その太田が、前半にゴールを決めた勢いそのままに、後半の追加点となる攻撃の起点ともなり、磐田の戦意を確実に削いでいった。
 
9分、ピッチ中央で太田が頭で繋ぐと、そのボールの先に居た赤嶺が、「触るか触らないかの絶妙なスルーパス」を、自身の後方に居たウイルソンへ供給。その流れがあまりにも速かったため、磐田の守備陣の反応を許さず。狙い通りに「磐田の裏」へ抜け出し、前を向いてドリブルを始めたウイルソン。慌てて戻る磐田の選手のブロックが届く前に、ウイルソンは狙い澄ましてGKの脇を抜く、技ありシュートを放つ。これがキッチリと決まり、待望の追加点を挙げた。
 
後半10分。仙台2-0磐田。
 
こうなると、もう仙台の攻撃は手を付けられなくなる。「2点目の起点」となった太田が、今度は得意の右サイドへ流れ、そこからクロスを供給すると、それをウイルソンがヘッドで流した。そして、その先には、磐田キラー・赤嶺真吾の姿が。少々、不意を突かれた格好でのパス受けとなったが、赤嶺はこれを落ち着いて「腹トラップ」し、ボールを落として、落ち着いて磐田ゴールへ流し込んだ。
 
後半23分。仙台3-0磐田。
 
この3点目で、試合は完全に仙台の独壇場となった。磐田としても、2点目が入った直後に、MF山本脩斗を下げてDF千代反田充をピッチに送り込み、そのまま前線へ置いて、半ばパワープレーを仕掛け、状況の打開を図ってきたが、名古屋の闘利王じゃあるまいし、そんな付け焼き刃な苦肉策が通用するほど、今の仙台は甘くはなかった。
 
何とか、仙台に一矢報いようと、無理矢理攻め込んでくる磐田のボールを奪うと、そこから一気にカウンターを仕掛け、何度も磐田ゴールを脅かし続けた。磐田も食い下がり、最後の力を振り絞って運動量を上げ、パスを繋いで仙台ゴールに襲いかかってくるも、3点のリードを持った仙台イレブンの足は軽く、また、集中が切れる事はなかった。
 
最後は、この日途中出場となったMF8・松下年宏のコーナーキックが、ニアの渡辺広大のダイビングヘッドを呼び込み、豪快な4点目が決まった。
 
後半33分。仙台4-0磐田。
 
もはや完全に、仙台の勝ちパターンな展開。今季、これまでも仙台は、4得点の大勝という試合を何度も繰り広げてきたが、この日は、まさにその展開を、まるでビデオテープの再生(ちょっと"例え"が古くて恐縮ではあるが)のように、この日も"再現"してみせてくれたのだった。
 
終わってみれば、4得点・無失点の完勝劇。それも、磐田に許したシュートは、公式で僅かに3本だった。そのうち、前半の4分までにシュートを2本許していたため、残りの86分間(前後半のアディショナルタイムも含めれば、実質、90分以上)において、許したシュートは、公式に1本という計算になる。
 
「そういえば、磐田には日本代表の前田が居るんだよな、さっぱり目立たなかったけど」と思った諸氏もおられると思う。それもそのはず、である。前田にボールが入る前に、中盤でボールを奪取する名手ボランチが、仙台にいるからなのだ。彼の名は、MF17・富田晋伍。
 
4得点も産まれたこの試合のヒーローインタビューにおいて、「お立ち台」に呼ばれたのは、得点を取った4選手でも、そのうち3得点に絡んだ太田でも無かった。照れくさそうにインタビューに答える富田だったが、彼がこの試合の「陰の立て役者」である事は、疑いの余地もない。彼が中盤で睨みを効かせ、敵から尽くボールを掻っ攫う活躍があるからこそ、磐田の前田を「消す」事に繋がり、シュートを3本に抑え、無失点勝利を達成出来たのである。
 
かくして、仙台は、ナビスコカップでの"磐田の壁"をとうとう乗り越えた。昨年も、一昨年も、磐田の壁に阻まれ、悔しい敗退を強いられてきただけに、その溜飲を下げるような快勝劇は、まるで「一つの資格試験に合格した、受験生の気持ち」とも言えるだろうか。
 
そして、この日の他会場の結果も含め、仙台は予選リーグA組2位となり、決勝トーナメント進出が決まった。逆に磐田は、得失点差に泣き、勝ち点12で並んだC大阪・仙台に僅か及ばず、同大会の予選敗退が決定した。
 
磐田は、予選1試合を残した段階では、「唯一、勝ち点12で同組では単独の首位」だったチームだ。得失点差もC大阪と同じ+3とし、仙台の+2よりも一つ多かったため、他会場の結果に関係なく、シンプルに「引き分け以上で予選突破」という、最も勝ち抜けに近かったチームだったのであるが、終わってみれば、アウェイとはいえ、仙台に4失点の大敗を喫した事に加えて、C大阪が鳥栖を相手に、5得点の大勝を収めた事から、得失点差で仙台・C大阪に大きく水を空けられてしまい、万事休す。マラソンに例えれば、ゴール寸前で、後方から迫ってきた選手に、一気に抜き去られたようなものだろうか。
 
僅か1試合で、状況は大きく変わる。その事を、肌身で感じ、思い知った試合でもあった。
 
この日は、誰が良かったとかいう、特定の選手を挙げるのは難しい。ゴールを決めた選手も、アシストした選手も、無失点に貢献した守備陣も。みんなが、少しずつ、己の役割に徹して「仕事をした結果」の大勝劇である。どこかの某巨大スポンサーの後ろ盾を得て、豊富な資金で、有望な個性の強い選手をたくさん擁するチームとは、訳が違う。
 
これが、「組織のサッカーの強み」なのだ。一人一人の個の力は小さくても、それを上手に組み合わせる事で、大きな結果を産み出す事ができる。まさに、今季ここまでの仙台は、それを、地で体現してくれているかのようである。
 
これでまた、今季の楽しみが一つ増えた。目下、リーグ戦でも首位をひた走る仙台が、今度は、ナビスコカップの予選をも突破。もちろんこちらでも、狙うはファイナリストの座。そして、その先の、J1初タイトルである。
 
逞しく成長したチームは、今季の私たちの夢を、どこまで膨らませてくれるのだろうか。或いは、もしかしたら、夢ではなく、現実のものとなるのだろうか。
 
どこまで膨らむ、この期待感。
 
決して楽なはずのない、厳しいJ1での闘いにおいて、少しずつではあるが、着実に、"てっぺんへの階段" を登り続けている仙台。その足音が、また少し、大きく聞こえた気がする。
 



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