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神戸側の「勝ちたい」「点を獲りたい」という気持ちが、90分を通して見えた一戦だった。シュート数、神戸の19本に対して、仙台の9本。倍以上のシュートを撃たれ、その内容を見ても、必ずしも首位の貫禄が漂うような展開では無かった-。
J1第17節、神戸-仙台の一戦は、前半19分の赤嶺の決勝点を最後まで守りきった仙台に、勝ち点3が与えられる事になった。試合の展開は、戦前に大方において予想された通り、ミドルレンジからのシュートが、雨霰のように飛び交う展開。他のチームと違い、撃てそうな距離・角度・体制になると、躊躇わずに積極的に撃ってくる、神戸攻撃陣。ただ、必ずしもその精度は高いものとは言えず、時折見せられた、ゴールバーやポスト直撃のシーンに加えて、あわや失点というような、もの凄い枠内のシュートを、GK・林卓人が、鬼の形相で跳ね返し続ける展開が続いた。
浴びたそのシュートの数、前半だけで11本。仙台の5本に較べて、倍以上のシュートを撃たれながらも、仙台の守備陣は耐え続けた。
そんなシュートの雨霰の中、前半19分に訪れた、得点チャンスのシーン。左サイドでボールを持った梁が、中央の角田へパスを出すと、そこから斜めに切り込み、角田からの折り返しを要求。それを「感じた」角田が、絶妙のタイミングで、走り出していた梁へ、見事な楔のパスを出す。これが見事に通り、あっと言う間に神戸ディフェンス陣の裏を取った。
これに呼応するかのように、逆サイドに流れていた赤嶺。梁からの、見事な「GKとDFの間を突く」ラストパスの供給を受けると、これを、ただ押し込むだけだった。
前半19分。神戸0-1仙台。
久しぶりにこの単語を使うが、まさに「電光石火」の如く。思えば、約10日前のナビスコ杯予選第7節のジュビロ磐田戦でも、赤嶺は、ウイルソンとの「あ・うん」の呼吸で、磐田の堅い守備陣を切り裂き、ウイルソンの先制弾をアシストしていた。そして今節の神戸戦では、梁との呼吸が合い、この日の先制点、そして、決勝点となる、貴重な得点を挙げた。
試合の流れ「だけ」を観れば、明らかに、神戸のほうが優勢だった。その状況は、仙台が得点を挙げる前も、そして、得点を挙げた後も変わる事は無かった。考えてみれば、神戸はリーグ戦で3連勝し、ナビスコ杯を入れれば、公式戦で4連勝中。その勢いを、この一戦にぶつけて来ていた。
いつ失点してもおかしくない、苦しい展開。セカンドボールは尽く神戸に渡り、次から次へとパスを繋げられ、立て続けにシュートを許す展開。ただそれでも、仙台は「先制点を挙げた」という優位性を最大限に活かし、神戸の攻勢を、落ち着いて受け止め続けた。
その闘いぶりの中に、昨年までの「堅守・仙台」を見て取る事が出来た。1試合でマルチ得点をなかなか挙げられない中においても、虎の子の1点を最後まで守りきり、ウノ・ゼロで勝ちきる戦い方。もしくは、試合終盤までスコアレスで堪え忍び、終盤のワン・チャンスで得点を奪う勝ち方。
どちらも、「昨年までの仙台の勝ちパターン」だった。
今季、ここまで、驚くような得点力、そして得失点差を挙げている仙台。1試合で4得点という試合の数も、片手の指を全部使うほどだ。そんな驚きも、シーズンの半ばに差し掛かり、少しはそんな状況に感覚が慣れ始まっていたのであるが、そんな中で訪れた、今節の、「この勝ち方」。それは、「俺たちは、この戦い方をベースにして、J1をのし上がって来たのだ」と言わんばかりの内容だった。
そこに、仙台としての「今季への自信」を伺い知る事が出来る。例え、相手が超攻撃的であったとしても、それを耐え凌げるだけの守備力を、ここ何年かで、着実に育て上げてきた仙台。今季の、爆発的な得点力の陰に隠れて、少し忘れかけていた部分もあったが、この日は、それを思い起こさせてくれるような、強かな堅守ぶりを発揮し、最後まで、神戸攻撃陣にゴールを割らせなかった。
神戸FW・都倉の、バロテッリばりのミドルレンジも。そして、後半の頭から投入されてきた、弱冠19歳ながらチーム得点王でもある、小川慶治朗の、キレのあるプレーにも。更には、この日が試合復帰戦となった、元ガンバ大阪・橋本英郎にも。
神戸の、現状のプレー内容を見れば、とても12位に沈んでいるチームには見えない。事実、リーグ戦は3連勝しており、この勢いは、いましばらく止まりそうにもない。恐らくは、7月中には、中位のチームをゴボウ抜きにして、あっと言う間に順位を上げてくる可能性もあるだろう。
ただ、今節のこの一戦では、仙台に軍配が上がった。例え、3連勝で勢いに乗っているチームとの対峙であっても、しっかりと勝ちきれる力量がある事を、私たちに見せ付けてくれた。
この一戦で、リーグ戦の前半戦を終了。目標としていた勝ち点35を達成し、昨年に優勝した、柏レイソルの同時期の勝ち点「34」を上回った。これは、明らかに優勝ペースの数字である。
ただ、私たちは、まだ何も手にしていない。
早速の試練として、やっと復帰して来た鎌田を、次節の名古屋戦では出場停止で再び欠く事になっている。それに、J1として臨んだ7月のリーグ戦の舞台では、この日の勝利が初めてである。本当に「7月にも強くなった仙台」と言われるためには、簡単に負けるような試合をする訳には行かないのだ。
本当に厳しい戦いは、ここからやって来るだろう。梅雨が明け切らず、本格的な夏はこれからである。ここを凌げるかどうかで、優勝争いの戦線への生き残りが左右される。
ここまで来ると、もはや、目の前の目標は「来季ACL」ではない。あくまでも、今シーズンのJ1優勝、そして、今季年末の日本開催・クラブワールドカップへの出場権だ。(今季のACL出場チームが全て敗退したため、CWCの開催国枠は今季のJ1優勝チームに与えられる。昨年の柏レイソルは、この枠でCWCに出場した)
その目標へ向け、今はまだ、その長い道のりの半分を消化したに過ぎない。
振り返れば、勝ち点2差で、広島がピタリと追走して来ている。まるで、モータースポーツで言うところの「スリップ・ストリーム」のようだ。一瞬の気抜きを見せれば、あっと言う間に追い抜かれる事だろう。
首位というポジションは、その「眺望」こそ良い反面、常に、正面切ってアゲインスト(向かい風)を受け続ける立場でもある。18チームの先頭に立って、今季のリーグ戦を牽引する、この重圧に耐える力量、そしてメンタルを持たなければ、その座を失うのは時間の問題だ。
しかし、ここまでのチームの闘い振りを観る限りにおいては、その「資格」は、有していると思う。願わくは、2位との勝ち点差を常に3差以上とし、1試合では首位陥落の無いポジションをキープしたいものである。
そのためには、マルチ得点で圧勝するばかりが、サッカーではない。時には、こういう勝ち方も必要なのだ、と。それを思い出させてくれるような「辛勝」の一戦だったが、見方を変えれば、「以前の仙台に観られた、これまでの仙台らしい勝ち方」でもある一戦だった。
爆発的な得点力を見せる仙台も、虎の子の1点を守りきる仙台も。どちらも、私たちが必死になって応援するチームの姿であり、勝ち切ってみせてくれるための、手段の一つである。
どんな闘い振りも。今季は、全てが頼もしく見えて、仕方がない。
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