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試合の前日に「富田負傷」の情報が入ったとき、相当に厳しい試合展開を予想した。ただでさえ、鎌田の出場停止で角田をセンターバックに下げざるを得ない状況下で、富田を失うという事が、いったいどういう意味を持つのか。このチームを長く観てきた人にとっては、それが痛いほど判る事だろう-。
J1第18節、名古屋-仙台の一戦は、守備陣の中央の選手構成を大きく変える事を強いられた仙台が、終始、苦しい試合展開を余儀なくされ、「名古屋の高圧な攻撃に対する専守防衛」を第一とするような戦い方で臨んだ試合となった。
富田の負傷離脱を受け、この日にドイス・ボランチを組んだのは、ボランチのバックアッパーとしても定着してきた松下と、そして、普段はサイドバックのバックアッパーとしてベンチ入りする田村が、この日はボランチのコンビとして先発。田村は元々、ボランチの選手だった事もあり、松下とのバランスを上手にとっていた。必ずしも、「今節の仙台のボランチは穴」とは言い切れない、素晴らしいカバーぶりだった。
ただ、相手が強豪・名古屋という事もあってか、この日は、いつものような高い最終ラインを敷かずに、いつもより少々低めの設定。その分、名古屋のサイドからの攻勢を呼び込みやすい展開とは成ったが、不慣れな選手で組んでいる中央の守備ブロックを破綻させないためには、ある程度は仕方のないやり方だったかと思う。
仙台の戦い方としては、いつものように「高い位置でボールを奪っての攻撃展開」ではなく、「奪う位置が低くても、そこからのカウンターを狙う」パターンを趣向。繰り出せる運動量の懸念はあったものの、ハイタワーかつスピーディな名古屋の攻撃陣を防ぐための手段として、ある程度は割り切った戦い方を選択するしかなかった。
それでも、決して「ノー・チャンス」では無かった。流れの中からの得点が難しいのであれば、セットプレーからの得点チャンスがある。今節は、それを体現してくれたかのようなシーンから、この試合の幕が上がった。
前半。
4分、この日最初のコーナーキックから、梁が蹴り込んだボールは、中央の渡辺広大の頭にドンピシャリで合うも、このシュートは、惜しくもバーの上を越える。
26分、この日、ボランチとして先発した田村の見事なスルーパスに合わせて右サイド抜け出した梁が、名古屋のペナをえぐり、最後は太田にニアマイナスのラストパス。これを太田がシュートも、名古屋GK・楢崎にコースを阻まれて得点ならず。
対する名古屋は、左サイドの金崎から何度も良質なセンタリングが供給され、仙台としては、あわや失点というピンチなシーンが続くも、最後は体を張って、ケネディや永井にフィニッシュを撃たせず、我慢の展開が続く。更に永井は、そのスピードを活かし、左にも右にも顔を出して、何度も仙台の両翼の裏を突き続けるも、中央でブロックを組み、スペースを与えない仙台の守備の前に、ゴールを奪えない展開が続く。
前半のうちに、両選手の顔に、腕に、そしてユニフォームに。滝のような汗が、べっとりと粘り付いているのが、映像を通してはっきりと確認できた。
それもそのはず。この日の公式記録では、気温27.8℃、湿度80%と、夏真っ盛りな状況下だった。体力も、前半のうちに相当に奪われていた事だろう。
スコアレスのまま、迎えた後半。
18分、中盤左エリアでボールを持ったウイルソン。左サイドからの梁が斜めに入り込んできたのに合わせてスルーパスを供給し、一気にチャンスメーク。逆サイドには太田が詰めており、さながら「前節・神戸戦の前半19分の赤嶺得点シーンの再現」かと思われたが、ここは人数を掛けて守った名古屋に阻まれ、ここでも得点成らず。
見どころの最後のシーンは、後半アディショナルタイムに訪れた。この日、ケネディと何度も「競り合った」角田が、そのケネディへ集まって来るボールを渡すまいと、ここでも競り合った結果、落下時に右腕から落ちてしまったらしく、ここでなんと、骨折のアクシデント。この時点で、既に3人の選手を送り出してしまっていた仙台としては、一人少ない状況下で、スコアレスも止む無しと、残りの時間の消化を狙う。
ところが、3分と掲示されたアディショナルタイムが、その時間帯にもプレーが何度も途切れ、時計が6分を指す展開に。しかし、試合終了間際にフリーキックを得た仙台が、ここでラストチャンスを迎える。だが、ここでもゴールを割る事ができず。そのまま試合は終了。
試合後の監督インタビューで、「金崎と永井は、名古屋のストロングポイント」と、手倉森監督が語った。実際、左サイドからは金崎が。右サイドからは永井がチャンスメークに勤しみ、中央で構えるケネディにボールを集めようとしていた。そこを角田が、体を張って止め続けてくれたお陰で、最後まで、名古屋にゴールを割らす事を許さなかった。要所では、闘莉王も前線に上がってきており、守備で体を張る事をサボれば、きっと失点していたに違いない。そのくらい、名古屋の高圧な攻撃を受け続けていた。
双方、勝ち点3を狙いたかった一戦は、スクランブルなメンバー構成を強いられた仙台が、いつも以上に守備的な意識を高く持ち、ポゼッションこそ名古屋に許したものの、体を張ったディフェンスで、最後まで名古屋に勝ち点3を与えず、勝ち点1を分け合う結果となった。
仙台としては、スクランブル的なメンバー構成。アウェイでの対戦。高温・高湿の気候。相手は一昨年の覇者・名古屋。そんな中で、仙台の選手は、少なからずも勝機を産み出し、「勝ち点3は諦めていない」というメッセージを、私たちに発信し続けてくれた。
結果として、試合の終盤に角田を肘の骨折で失い、広島には、勝ち点・得失差で並ばれ、総得点の差で、首位を明け渡してしまい、2位に後退となった。
だが、「ものは考えよう」だ。あの名古屋を相手に、今シーズンはリーグ戦2試合を通して1点も与えず、勝ち点4を奪い取った。その代償としての「角田の負傷離脱」は確かに痛いものはあるが、次節は、その角田の抜けた穴は、出場停止から戻ってくる鎌田で埋められるだろうし、ボランチは、田村・松下に加えて、梁もここを務める事が出来る。決して、埋まらない穴ではないと思っている。
ただ、少しだけ気掛かりなのは、この試合の前日に、練習で富田が負傷してしまった事か。情報によれば、靱帯損傷との事で、その程度が気になる。願わくば、軽いものであって欲しい。今季の前半戦の好調さは、富田・角田のドイス・ボランチの安定性が、その要因として、決して小さくなかった。この2人無くして、この夏場を凌げというのは、やはり、少々、酷な感じを受けなくもないのである。
しかし、起きてしまったものは、仕方がない。
この状況を受け止めた上で、残った選手が、負傷離脱した選手が戻ってくるまで、今の位置をキープし続けなければならない。
幸い、ここからリーグ戦は、2週間空く事に加えて、ホームでの試合が多めに設定されている。ナビスコ杯の決勝トーナメントもあり、連戦ではあるが、ここから8月いっぱいまでのアウェイが、「8/8 FC東京戦@ナビ杯、8/11 札幌戦@リーグ21節、8/25 大宮戦@リーグ23節」と、割と近場での開催となる。8月になれば、今だ調子の上がらない関口のコンディションも戻るだろうし、富田の負傷の程度によっては、先発復帰の可能性もある。それになんと言っても、上本大海が戻ってくるだろう。角田も、骨折は膝ではなく肘であるため、比較的早期に練習への復帰もあり得る。足の負傷と違い、コンディションの維持に問題はないため、不幸中の幸いとも言える状況にある。
今、「ここ」を我慢しさえすれば、負傷した選手が、少しずつ戻って来てくれる事だろう。それまでは、私たちの応援の力で、選手の頑張りを、少しでも後押ししたい。
今、大事なのは、「首位を奪い返す」事ではない。9月の広島との直接対決までに、広島との差を広げられないように、しぶとく勝ち点を稼ぎ続ける事である。
広島とて、決して楽な試合ばかりではない。今も、仙台との差は「ハナ差」程度の、総得点差での首位浮上だ。決して、「首位に立っているという実感」は、まだ無い事だろう。
広島との首位争いを続けるために、今やるべき事は、負傷した選手の早期復帰を願いつつ、そして、代わりに先発で頑張る選手を鼓舞し、励まし続ける事である。
ここからはしばらくは、ホームの試合が多い。であれば、私たちに出来る事もある。一人でも多くスタジアムに駆け付けて、選手の足を、私たちの声で動かそうじゃないか。
この苦境を、選手と一緒に乗り越えてこそ。
見えてくるものがあるのではないだろうか。
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