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仙台2-2横浜FM リーグ最小失点1位vs2位の対峙らしく、堅守をぶつけ合った前半。だが後半の流れは一転して撃ち合いの様相に。故・松田直樹選手の因縁も浅くなかったこの一戦は、勝敗付かずのドロー終劇。だが、この日の本当の首位攻防劇は、試合終了後に待っていた。

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 第20節の試合日となった8月4日は、故・松田直樹選手の命日でもある。早いもので、あれから1年。そして、この日に組まれていた一戦は、横浜FMサポーター・関係者から観れば「松田直樹選手が、横浜FM在籍最終年の2010年に、最後にゴールを決めたユアテックスタジアム仙台において、彼の命日に試合が組まれた」という一戦でもあった。

 

 その故人の一周忌という事もあり、キックオフ直前は黙祷の儀。横浜FM側の選手は、喪章を腕に撒いてこの一戦に臨んだ。

 
J1第20節、ベガルタ仙台 vs 横浜Fマリノスの一戦は、そんな色合いの中でキックオフを迎えた。前半。流石にこのカードは、リーグ最小失点1位と2位の対峙らしく、お互いの堅守の特徴を見せ合い、共にゴールを許さなかった。横浜FMは、12戦無敗の礎となっている、中盤での厳しいプレッシングによって、仙台の攻めの繋ぎを寸断。対する仙台も、中盤で失ったボールからの横浜FMの攻め込みを、最後は自陣ゴール前で、体を張って死守する意気込みを見せた。
 
この前半の特徴は、「如何に相手にチャンスを創らせないか」という点にあった。中盤での潰し合いの結果、前半のコーナーキックのシーンが一つも産まれなかった事からも、それが伺い知れる。
 
前半の序盤こそ、仙台のペースで試合に入る事ができ、いくつかのチャンスが産まれた。だが、次第に試合のペース感覚を掴んできた横浜FM側に「守備のリズム」が産まれ、仙台はだんだんと、攻撃のリズムを創れなくなっていった。そしてそのまま、前半は終了する。
 
スコアレスで迎えた後半。
 
5分。梁勇基のスローインから、ウイルソンの侵入によって獲得した、この日両チーム通じて初めてのコーナーキックのシーンあたりから、試合が一気に動き出していく。双方に一気にスイッチが入り、「先制点を奪って試合の主導権を」握りたいがために、ここが勝負どころと、前半の潰し合い・守り合いから一転、今度は攻め合いの様相へと、この一戦の空気の色が変わっていった。
 
そして、後半12分に、横浜FMの左サイドバック・DFドゥトラの負傷により、金井貢史がピッチに入った直後。仙台が獲得した、この日2つ目のコーナーキックから、待望の先制点が産まれる。
 
1つ目のコーナーキックと同じく、メインスタンド側から蹴り入れた梁のボールは、ファーサイド気味で、少しゴールから遠いところにポジショニングしていた、左サイドバックの内山俊彦の頭を捉えた。彼の渾身のシュートは、その軌道付近に何人も選手が居たにも関わらず、誰にも当たる事なく、一直線に、横浜FMゴール右隅へ。これが決まり、仙台としては実に一ヶ月ぶりの先制点となった。
 
後半14分。仙台1-0横浜FM。
 
この一ヶ月、喉から手が出るほど欲しかった先制点。それがようやく産まれ、さぁここから畳み掛けを、、、、と思っていた矢先。得点を挙げた内山が守る、左サイドバックのポジションのスペースが狙われていたかのように、20分。中村俊輔の左足から、まるでフリーキックばりの美しい楕円の軌道を描いた同点弾がそこから産まれた。そして、そこから僅か5分後の25分には、ほぼ同じ位置から、今度は右サイドバック・DF小林祐三の挙げたセンタリングを、先ほどDFドゥトラに代わって入った金井貢史に、豪快なヘディングをフリーで撃たせてしまった。これが決まり、僅か5分間の間に、仙台は逆転を許してしまう。
 
後半25分。仙台1-2横浜FM。
 
先制点を挙げ、本来なら仙台ペースで試合を運ばなければならなかったはずが、その先制点を挙げたDF内山の守備ポジションを起点とされ、あっと言う間に2失点。必ずしも内山に全ての非がある訳ではないとは思うものの、中村俊輔のキックの精度を考えれば、ここにはやはり、朴柱成を置いておきたかったところ。だが、体調不良でベンチ入りもしていなかった選手に期待する「レバタラ」は、サッカーの世界では御法度。むしろここは、中村俊輔選手の高精度なシュート技術を褒めるべきだろう。
 
だが、2失点目のシーンにおいて、小林祐三の挙げたセンタリングの先に居た金井にマークが付ききれず、ほぼフリーでヘディングを撃たせてしまったのには課題が残る。
 
あれでは、まるで「仙台の菅井ばり」のゴールシーンではないか。菅井の得意とするゴールシーンを、この日は金井にヤラれてしまったという印象が拭えない。
 
先制点を奪い、畳み掛けるつもりが、逆に畳み掛けられてしまった瞬間だった。
 
流石に、この逆転劇を受け、指揮官もすぐに動いた。菅井を下げて関口を投入し、事態の打開を図る。更には、疲れの見え始めた太田を下げて柳沢を投入し、チャンスメークに期待した。
 
だが、「訪れた2点目のチャンス」は、以外な形から展開された。最終ライン付近でボールを貰った梁が、前線で飛び出すタイミングを伺っていたウイルソンへ、絶妙のタイミングで縦方向のロングフィード。そのタイミングがあまりにも良すぎ、ウイルソンはそのボールを収めて一気に横浜FMゴールに向かって攻め込む事が出来た。堪らず、そのウイルソンへ体を寄せた、日本代表・DF栗原勇蔵だったが、判定はファウル。決定機のウイルソンを倒したとして、仙台にPKが与えられた。
 
仙台、起死回生の同点チャンス。このPKを、ウイルソン自身がキッチリと決め、試合終盤の土壇場で、状況をイーブンに戻す事に成功した。
 
後半42分。仙台2-2横浜FM。
 
それにしても、1点目のコーナーキックの精度といい、2点目のウイルソンへの絶妙なフィードといい、本当に梁のキックの精度には脱帽する。もし勝っていたとすれば、この一戦の敢闘賞は、間違いなく梁選出の一択だっただろう。
 
その後、2点目を挙げたウイルソンに代えて中原を投入し、セットプレーなどでの決勝点にも期待が掛かったが、最後まで決勝点が産まれる事はなく、試合はそのまま終劇。仙台としては、7月14日のアウェイ名古屋戦以降、公式戦4戦連続でのドローとなった。
 
勝たなければ、首位浮上の芽どころか、3位の浦和に勝ち点で並ばれる可能性もあった今節。またしてもドローという結果に終わり、ドラマティックなシーソーゲームの様相を呈した後半の内容を愉しめた、その一方で、夏場の戦いの厳しさを改めて実感した。
 
だが、この日の「本当の首位攻防劇」は、この一戦が終わった、その30分後に。それは突然と訪れた。
 
仙台-横浜FMの試合終了から遅れる事30分。別会場で開催されていた、広島-清水の一戦において、試合終盤まで、広島が1点リードで清水を追い詰めていた。更には、清水側に退場者が出ていたにも関わらず、後半の35分・39分に、清水が高木俊幸と大前元紀の2発で逆転に成功。そのまま清水が、なんと10試合ぶりのリーグ戦勝利を飾り、その時点で8戦無敗だった広島を叩き伏せていた。
 
どこかで観たような光景。そう、昨年の仙台が、15戦無敗の名古屋を相手に、アウェイで、実に10戦ぶりに勝利を収めた試合と、状況が被っているのである。
 
この日、広島側に油断があったかどうかは判らない。だが、「○○戦無敗の好調チーム対○○戦未勝利の不調チームの対戦」では、得てして、こういうドラスティックな展開が発生する事がある。こちらのカードでは、どうみても「広島優勢」だった訳だが、やはりサッカーは、やってみないと判らない。その事を、改めて痛感した日でもあった。
 
そして、仙台と勝ち点・得失点差で並び、総得点で仙台を僅かに上回っていた広島が「敗戦を喫した」という事は、すなわち、この日のドローで勝ち点1を積み上げ、得失点差を維持した仙台に、首位の座を明け渡すという意味を持っていた。
 
仙台としては、ここ一ヶ月の間の勝利すら無いものの、地道に。本当に地道に、勝ち点1を積み上げて来た結果、3節ぶりに、首位に返り咲く事が出来たのだった。
 
これには流石に、驚きを隠せなかった。スタジアムからの帰り道で、携帯で他会場の試合経過をチェックし、清水が逆転している事を確認した瞬間、思わず「清水逆転!」と叫んでしまったのは、何を隠そう、筆者自身である。
 
筆者の周辺に居たサポーターが、一様に、携帯やスマートフォンで得点経過を確認し出したのは、想像に難くないだろう。
 
完全に「棚からぼた餅状態」で転がり込んできた首位奪還ではあるが、勝てない時期にも「しっかりと勝ち点1の積み上げ」という、最低限の結果を残し続けてきたからこそ、この日の首位返り咲きとなった訳である。同じような展開が、リーグ終盤戦に起こり得ないとは、誰にも言い切れない。きっと、こういう展開が、今後も私たちを待ち受けている事だろう。
 
なかなか勝てず、ストレスの溜まる展開が続く中においても、「負けない事の大切さ」を再確認したこの日。
 
横浜FMと勝ち点1を分け合った一戦ではあったが、この日の仙台-横浜FMを、きっと、故人・松田直樹氏も愉しんでくれた事だろう。彼が横浜FM時代に、最後にゴールを決めたこの地に、もし本当に故人の魂が誘われてきたのだとしたら、この日の試合終了後に訪れた「首位奪還劇」は、もしかしたら、彼のささやかな悪戯、、、いやいや、彼からの贈り物だったのかもしれない。
 



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