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前半12分。獲得したコーナーキックから、拍子抜けしたように、渡辺広大の豪快ヘッドによる先制点が決まり、アウェイ連戦の2戦目を、幸先の良い状況に持ち込めた仙台だったが-。
J1第21節、コンサドーレ札幌 vs ベガルタ仙台の一戦は、札幌が後半アディショナルタイムに劇的な決勝点を挙げ、首位・仙台を下して、今季3勝目を挙げている。
前半の終了時点で、札幌0-1仙台。ほぼ理想的な展開で、この一戦を折り返した。中2日のアウェイ連戦の状況下において、リードで試合を折り返せるという有難い展開を得られたものの、この試合の後半に、アウェイ連戦の影響と試合運びの不味さが顔を出し、終盤に2失点を喰らい、悔しい逆転負けを喫している。
前半の展開は省略させて頂き、この試合のポイントとなった、後半の入りからのレポートとさせて頂きたい。
札幌は、後半の入りから、少し遠目からでも、積極的にミドルを放って来る展開。仙台を相手に1点ビハインドとしている事から、チャンスメークのきっかけ作りとしては妥当な判断。仙台としても、体力のあるうちに2点目を獲るべく、札幌陣内でチャンスを見つけては、果敢にゴールを狙った。13分のカウンター攻撃から産まれた、柳沢の惜しいシュートなどのシーンもあり、「2点目の可能性」は、決してゼロではなかった。
だが、ミドルシュートなどの積極的な攻めが功を奏し、コーナーキックを獲得できる展開が続く札幌の前に、仙台が得られた2点目のチャンスは、決して多いものではなかった。
20分、仙台はカウンターを仕掛けるも、出し手のパスの判断も、受け手の動き出しも遅く、相手にカットされてカウンターが不発に終わるなど、なかなか決まらない2点目に、手蔵森監督も業を煮やしたか、22分。ここで、ウイルソンに代えて赤嶺を投入する。
(ここで、ウイルソンを安易に下げた事に疑問を持った人も多かったと思う。筆者のその一人だった。ウイルソンは3日前のFC東京戦からの連続出場となり、おそらくここが限界だったのだろう。だが、疲れていても、一発で仕事ができるウイルソンを残し、むしろ柳沢を下げて欲しかった。ウイルソンから赤嶺へのチェンジでは、彼らのコンビネーションの良さが活きるはずもない)
対する札幌は、24分。砂川に代えて内村を入れ、ここから布陣を3バックにして、中盤に人数を掛けてきた。この後の札幌は、左右をワイドに使う攻撃展開を見せ、仙台の守備陣を揺さぶる作戦に出てきた。そして、この作戦は、見事にハマる事となったが、詳細については後述する。
仙台としては、カウンターを仕掛けても、札幌の帰陣も速く、なかなか効果的なフィニッシュにまで持ち込めない。また、シュートを撃てても、枠外やキーパー正面だったりして、精度に欠く展開が続いた。
29分、柳沢を武藤に代え、総攻撃の体制へとシフト。ここからは、札幌の厚い中盤 vs 疲労で足が止まり始めた仙台との対決の様相となっていく。
36分、札幌は、カウンターから内村のキーパー頭上を越すループを放つ。これには流石に肝を冷やしたが、運にも助けられ、ゴールポスト左に跳ね返されて、失点を免れる。
ただ、このシーンに象徴されるように、仙台は、完全に前がかりで、裏のスペースがガラ空きだった。特に、左右のサイドの裏は、相手に「自由に使って下さい」と言わんばかりの状態。試合終盤でもあり、オープンな展開の中で、2点目を狙っていた中での事でもあり、ある程度は止むを得なかったかもしれない。
そんな「仙台の裏」を、札幌は見逃さず、強かに狙い続けた。サイドにボールをワイドに散らし、効果的なクロスを挙げ続けた札幌。仙台は、攻めていた中で失ったボールを取り返すための上下運動を繰り返しているうちに、運動量が落ち、札幌の出足に付いていけなくなっていった。
そんな展開の中で訪れた、33分。右サイドからのクロス供給をブロックできず、そしてまた、そのクロスの受け手に対するマークすら付ききれなかった。そんなシーンでなら、相手に自由にフィニッシュを撃たせるのも当然だった。
後半34分。札幌1-1仙台。
2点目を狙っていた仙台だったが、それを奪えないうちに、とうとう試合終盤に追いつかれる、最悪の展開。もうこの時点で、筆者の目には、2点目を奪いにいく体力が残っているようには見えず、このままドロー狙いでも止む無しかと思われた。
だが、追いついたチームには、当然ながら、逆転を狙うだけのモチベーションが産まれる。その勢いすら、仙台には止める術が無かった。
40分。最後の交代で、関口に代えて中原を投入し、この後半初めてのコーナーキックのチャンスを活かそうとしたが、札幌の執念のブロックの前に、ここでもゴール成らず。
試合終盤に向けて、お互いが失ったボールを拾ってのカウンターの応酬となったが、仙台はもう、カウンターからフィニッシュに持ち込むだけの体力が十分に残っておらず、ミスを連発する展開だったのに対し、日程面で有利だった札幌は、最後まで運動量が落ちる事は無かった。
そんな展開なら、訪れるチャンスの数は、必然的に札幌のほうに多く傾く。仙台から奪ったボールをすばやく前線に運び、左右に散らしてクロスを供給。あわや逆転という危ないシーンが続き、それを耐え続ける仙台。
そして、迎えた後半アディショナルタイムは4分。その4分まであと10秒というあたりで、札幌が左サイドへボールを展開し、そこから上がったクロスを掻き出そうと、渡辺広大が足を伸ばした瞬間。目の前に転がってきたボールをキャッチしようとした林卓人の脇をすり抜け、痛恨のオウンゴールを献上してしまった。
後半AT4分。札幌2-1仙台。
この試合は、早い時間帯で先制点を挙げられたにも関わらず、体力的に有利な時間帯のうちに、2点目を挙げられなかった事が全てだった。もちろん、選手には2点目を取る意識はあったと思う。だが、後半は体力面で厳しい時間帯が訪れる事は判っていたはずで、後半の途中から札幌が3バックに布陣変更をしてきたのに対し、仙台としては、目ためには「無策」にも思える対応。追加点を奪えないなら、追いつかれる前に、せめて、昨年まで培った、引き気味に守備を固めるサッカーへシフトチャンジしても良かったかもしれない。そうすれば、1-0で勝ち切れた可能性は十分にある。
せっかくの先制点を、戦術的に活かす事ができず、最下位の札幌を相手に、痛恨の逆転負けを喫した仙台。日程的なものや、体力面での厳しさという要因もあっての事だが、そんな事は、戦前に判っていた事である。体力のあるうちに、もっと積極的に2点目を狙いにいくべく、運動量を惜しまずにしかけるべきだったと思うし、もしそれで2点目が奪えずに体力を消耗した時間帯に突入したと判断すれば、そこからは守備ブロックを固めてカウンター狙いのリアクションサッカーに切り替えれば良かっただけの事。
それなのに、この日の後半で取られた策は、いつもと同じように、ただ漫然と、時間帯に合わせて攻撃的な選手を投入するだけの采配。追加点が欲しい事ばかりに神経が集中してしまい、この日、何度も破られたサイドのケアについては、皆無に近い状況だった。
つまり、札幌を相手に、あまりにも真っ当に試合を運びすぎた嫌いを感じた訳である。
本当に優勝を狙うチームなら、もっと、状況に合わせた駆け引きや、大胆な采配が必要だと思うのは、筆者だけだろうか?
この試合で、もし、角田や富田がピッチ上に居てくれれば、今日のような試合運びでも、勝てた可能性はあるだろう。だが、今は、彼らはまだ戻ってきていない。そして、それを補うだけの采配があったとも思えない。
この一戦に負けた事は、結果論であり、悔しいは悔しいのではあるが、むしろ逆に、「このタイミングでの敗戦」は、状況に応じた試合運びの不味さという現実を直視するには、ちょうど良かったのかもしれない。
いずれにせよ、ここが今季の「底」と、筆者は感じている。
来週からは、角田と富田が全体練習に戻ってくる。残る今季13試合を、彼らも含めて戦える事は、心強い大きな材料だ。だが、彼らが次節の柏戦から完全復帰するとは限らないし、また誰かが負傷で離脱しないとも限らない。
その時に置かれた、状況・状況で、勝ち点を獲るためには、時には、大胆な布陣変更や采配も辞さない覚悟が必要だろう。だが、成長過程の仙台にとっては、まだまだそんな引き出しは多くない。今節の逆転敗戦を見れば、如何に現状の仙台が「引き出しの少ないチームか」が見て取れる。
しかし、この逆転敗戦で、一気にチームの意識が変わり、見違えるような回復を見せてくれる可能性があるのも、仙台というチームの特徴だ。毎年、夏場は厳しい戦いを強いられているが、必ずどこかで、ターニングポイントとなる試合を、勝ち試合なり負け試合なりで経験している。一昨年なら、アウェイの大宮戦。昨年なら、アウェイの名古屋戦が、それに該当する。
今節のアウェイ札幌戦こそ、負け試合ではあるが、この敗戦をどう捉えるかによって、今後の展開が大きく違ってくるだろう。この一戦を、「単なる1敗」と捉えるようなら、今後も、まだまだ厳しい局面での失点や敗戦を受ける覚悟が必要だが、逆に、この一戦を「気持ちややり方を見つめ直す良い機会」と捉えてくれるなら、ここから目覚しい回復にも期待できそうである。
そして筆者は、後者の展開となる事に期待する。
角田と富田が戻って来る・来ないに関係なく、状況に応じた、正しい試合運びの判断は、常に必要だ。今節の仙台の敗戦は、中2日だからとか、アウェイだからとか、体力面で厳しかったからとか、角田や冨田が戻って来ていないからとか、そういう表面的なものじゃなく、あくまでも、
「2点目を奪いに行く時間帯と、1点を守りに入る時間帯のメリハリと見極め」
そして、
「札幌の終盤の猛攻をどう凌ぎ切るか」
という、戦術的なものに対しての明確な指示と采配に欠けた事に尽きると思う。
札幌は、決して弱いチームじゃなかった。その事は、セレッソ大阪や名古屋を倒した事からも判る。
・・・まさかとは思うが、札幌に対して「負けが込んでいるチームだから、ただいつも通りに試合を運べは勝てるだろう。中2日で研究する余裕もないし」なんて考えは、持っていないと信じたいが。
それに、あまりにも早い時間帯での先制点となった事から、畳み掛けるような2点目を、早い時間帯に奪う意識に欠如したか。そして、2点目を奪えない展開なら、割り切って1点を守り切る意識の切り替えが希薄になっていなかったか。
敢えて、厳しい言葉を選べば「札幌をナメてなかったか?」となる。もちろん、最下位に沈んでいる札幌が、首位に居る仙台を相手に、勝ち切るのは相当に厳しい事だっただろう。だが、彼らはそれをやってのけた。それを実らせたのは、勝ちたいと思う、試合終盤の執念と、そしてそれを後押しする、後半途中からの3バックへの布陣変更の采配だった。
もし、札幌の石崎監督と立場が逆だったとしたら、手蔵森監督は、同じような采配をしただろうか?
この問いに対しては、筆者個人としては「否」の答を選択する。
監督就任5年目とはいえ、厳しいJ1の戦いの中で優勝争いをするには、本来なら、まだまだ経験不足の監督としか言いようがない。だが、そんな監督でも、2004年からコーチとして仙台に参画し、サポーター・選手と一緒に成長してきた、大事な仲間だ。
刻には、厳しい事を言わせて貰いつつも、出来る事ならば、手蔵森監督の下で、J1のタイトルを掴んで、サポーターと一緒に、喜びを分ち合いたい。
大丈夫。きっと、この敗戦から、仙台は立ち直る。この敗戦を糧に、きっと、同じ状況下に追い込まれた場合にも、今度は、キッチリと勝ち点を奪う采配を見せてくれる事だろう。
そう信じて、今は、この "我慢の刻" を、今しばらく辛抱する事としたい-。
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