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仙台に「ユアスタ劇場」があるなら、広島には「ビッグアーチ劇場」があるのだろう-。
J1第25節、広島-仙台の首位攻防戦となった一戦は、広島・森崎のミドルによる先制点に、仙台・赤嶺の豪快ヘッドで追い付くも、自陣ゴール前の混戦を広島・高萩に押し込まれて決勝点を奪われ、そのまま敗戦、2位に後退する事となった。
試合前から、不安定な空模様に見舞われた。試合開始前や、試合中も、雨は降ったり止んだりで、ピッチコンディションにも影響。その分、ホーム側で「このピッチを知っている」広島のほうに分があった事だろう。ただ、負け惜しみを言う訳ではないが、この試合をコントロール出来ていたのは仙台だった。
前半は、お互いに首位攻防戦とあって、お互いの出方の様子を伺うような堅い展開。無理に攻め込む事はせず、まるで始めから「勝負どころは後半」と申し合わせがあったかのように、静かな出だしとなった。それでも、徐々にお互いにギアを1段づつ上げ、持ち味を発揮して行く展開となったが、結果的に前半はスコアレスで折り返す事となる。
迎えた後半。試合は、予想外にいきなり動いた。2分。左サイドの高い位置で朴柱成がボールを失うと、そこから広島のカウンターを受ける。朴柱成が上がっていたため、左サイドにスペースが生じ、そこを埋めるために角田が左サイドへポジションを変えた事から、ボランチの定位置にスペースが生じてしまった。
そこを森崎和幸に使われ、ここからミドルを撃たれる。しかしその軌道は、林卓人には余裕で見切れるものだった。通常なら、難なくキャッチ、或いはカットできる程度のもののように思われた。
だが、ここで不運な出来事が。森崎和幸の撃ったシュートが、なんとシュートコース上に居た上本大海の右内足に当たってコースが変わり、林卓人の虚を突く格好となってしまい、仙台のゴールネットが、あっさりと揺れてしまった。
後半3分。広島1-0仙台。
およそ、カウンターからミドルによる得点など、広島の持ち味らしからぬ攻撃パターン。もちろん、止められる可能性は充分にあった。だが、一つの不運が、広島に味方してしまった格好での先制点献上の場面となった。
だが、この試合は首位攻防戦。最低限でも、無得点で終わる事は許されない。その後の仙台は、梁が絶好の位置でのFKを惜しくもバー直撃で逸機したシーンを経て、同点弾の場面を迎える。
ピッチ中央で、角田からのキラー性の縦パスを、オフサイドギリギリのドンピシャリなタイミングで抜け出し、一気にチャンスを創る事に成功した太田。そのままドリブルで広島陣内右サイドへ持ち込み、ゴールライン間際で折り返しのクロス。これに、ゴールハンター・赤嶺が豪快にヘッドで合わせて同点とした。
後半25分。広島1-1仙台。
これで、試合が果然と面白くなった。只でさえ、試合が動き出していた後半に、お互いに1点づつ取り合い、「次の1点」が重要な意味を持つ展開に。蒸し暑い中でも運動量が上がり、見応え満点の内容に推移していった。
こうなってくると、どちらに追加点が産まれてもおかしくない。そして、それを制したのは、オープンな展開でお互いにスペースを与えまくり、あとは技術や気持ちの差が勝負の分け目となるような展開の中、これを制したのは広島だった。
仙台陣内で、広島がゴールを伺う。左サイドから逆サイドに流れたクロスは、右ウイングバックの石川へと流れ、そこからシュートを放たれる。これには林卓人も片手1本で反応し、はじき返したのだが、はじいたその先には、不運にも、詰めていた2シャドーの一角、高萩洋次郎が。高萩、これを体勢を崩しながらもボレーで叩き付け、これが仙台ゴールのバーを叩きながらも、ネットを揺らした。
後半33分。広島2-1仙台。
仙台はこの後、2失点目の直前に投入された関口に加えて、柳沢を投入。最後はボランチの富田を下げてまで中原をピッチに投入するなど、攻撃的な選手を立て続けに送り込んだが、最後まで同点弾を挙げる事は出来ず、そのまま敗戦となった。
この結果、再び広島に順位で抜かれて2位に後退。この日、アウェイで横浜FMに逆転勝利した浦和に勝ち点で並ばれる状況となった。
主観的には、非常に悔しい敗戦。上位3チームによる「優勝争いのカオス化」に貢献する格好となってしまった。
だが、本当の優勝争いは、ここから始まるのだろう。
落ち着いて考えてみれば、広島のエース・佐藤寿人には、実に、1本もシュートを許していない事に気が付く。これは大きな材料である。この一戦を他チームが研究してくれれば、「どうすれば佐藤寿人に仕事をさせないか」という課題に対する、一つの例題として、大いに利用してくれるに違いない。
更に言えば、この日、広島が仙台から奪った2ゴールは、どちらも「運絡み」のものだった。もちろん、勝利を掴むためには、運も重要な要素である。だが、広島のストロングポイントを抑制し続け、与えた決定機は僅かに7本のシュートのみ。それも、広島の持ち味である、華麗なパスワークによって相手を崩し切ってのゴールというシーンは、この試合では皆無なのだ。
つまり広島は、実力を出し切って収めた勝利ではなく、運に味方されての勝利だった訳である。そしてそこには、この日、大挙して集まった24000人を越える観衆の「仙台に勝ちたい」という気持ちも乗り移っての事だろう。
確かに、勝つためには、こういう「運を味方に付ける」事も、時には必要になる。だが、そういう勝ち方は、得てして毎試合できるものではない。
今回は、広島に譲った。だが広島としては、内容的には完全に「自分たちのサッカーを仙台に封殺された」事を忘れてはいけない。
むしろ、今節の戦いでは、仙台が太田の飛び出し→赤嶺のゴールという、自分たちの持ち味をきちんと発揮して奪った1得点のほうが、遙かに、広島の勝利よりも重要な意味を持っている。残り9試合に向けた展望としては、広島の「運にも助けられた2得点」よりも、仙台の「実力を発揮して奪った1得点」のほうが明るい材料だ。
今節、広島に破れはしたものの、試合の内容を観て感じた。
「広島は、やはりまだ本調子に戻っていない。必ず落ちてくる」
「仙台は、結果が出なかっただけ。残り9試合で必ず延びる」
今の仙台の現状を考えれば、「内容が良くても結果が出ない」という展開は、そうそう続くものとも思えない。
基本的にはやはり、内容で勝る者が、最終的にリーグ戦を制するものだ。そこには、カップ戦のような、不運な敗退など存在しない。あるとすれば、最終節に、複数のチームに優勝の可能性が残っていて、最終節のたった1試合で決着が着くような展開の場合のみだ。
残り9試合。まだ、そんな展開になるには早すぎる。
大丈夫。
仙台としてやるべき事は、この敗戦を引き摺らず、むしろサッパリ忘れるくらいの気持ちで、平常心で次の一戦に臨む事である。
むしろ怖いのは、浦和のほうだ。とうとう勝ち点で並ばれてしまい、今現在、勢いは、広島の上を行っているだろう。
考えてみれば、広島も浦和も「ペトロビッチ・サッカー」で、ここまでのし上がってきたチームだ。今節と同じような戦いを、仙台は、10月にホームで浦和とする事になる。だが「次」は仙台が貰う。
こんなに「前向きになれる敗戦」というのも珍しい。
残り9試合。きっと仙台の選手たちは、目の色を変えて試合に臨んでくれるに違いない。
この敗戦が、逆に、仙台のラストスパートの "ワンウェイ・スイッチ" が入るきっかけとなる事だろう。
次は、浦和との一騎打ちが10月に待っている。それまでは、浦和に順位で抜かれないように、結果に拘って勝ち続けなければならない。仙台にとっては少々厳しい注文となるが、決して出来ないプロジェクトでもないはずだ。自信を持とう。
客観的に観ても、非常に面白くなってきた、今期のJ1優勝争い。
主観的には、悔しい今節の敗戦となったが、元々、私たちはチャレンジャーだ。そしてそのチャレンジのチャンスは、あと9回も残されているのだ。
チャレンジしようじゃないか。
この状況を愉しもうじゃないか。
ここまで積み重ねてきたサッカーは、今期の「結果」を出すに相応しい内容のものだ。
自分たちのやって来た事を、最後まで信じて戦おう。
そして私たちも、仙台のサッカーが今期のJ1で再び猛威を振るう事を願って、必死に応援するのみ、である-。
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