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戦前。ある程度は「攻め合いになる」とは予想はしていたものの、ここまで壮絶な撃ち合いになるとは、とても想像だにしていなかった。
シュート数、仙台18本に対して、神戸15本。
コーナーキック数、仙台13本に対して、神戸8本。
得点こそ2-1のリザルトだが、お互いにもっと得点が入ってもおかしくない展開。だがそんな撃ち合いとなった一戦は、前半からお互いのアクシデントにより、修正を余儀なくされる中での試合運びとなった。
試合の序盤から、お互いにコーナーキックの多い展開。仙台としては、「注意はしていた(仙台・手倉森監督)」はずの神戸フォワードの田代に、そのコーナーキックから、よもやの先制点を許す、苦しい展開での幕開けとなった。
これで、4試合連続の先制点献上。大宮戦・川崎戦と続けて逆転勝利を収めているとはいえ、ここまで先制点献上を繰り返すと、流石にもう逆転勝利は厳しいかも、、、、という悪い予感が脳裏を過ぎるのも、無理からぬ発想である。
そしてそこへ、負傷した菅井から田村への交代(前半24分)という予想外なトラブルも重なり、後半の攻撃のカードを、ここで1枚使ってしまうアクシデントも発生した。
しかし、その6分後には、今度は神戸側が、田代の負傷により交代を余儀なくされる。ところが、ゴールを決められた田代に変わって入ってきたのが、なんと都倉。田代にしろ都倉にしろ、仙台としてはJ2時代から苦手なタイプのフォワードだっただけに、相手の戦力ダウンとは感じられない交代劇だった。
だが、それでも勝利を目指さなければならない仙台。むしろ逆に、「先制点を許しても逆転できる力が、俺たちにはある」という自信さえ漲っているように思えた。それだけ、仙台の選手のプレーからは、先制点を献上した喪失感のようなものは、一切感じ取れなかった。
しかもこの日は、どういう訳か、センターバックの鎌田の攻撃参加が異様に目立った。普通に前戦で攻撃参加している、見慣れない選手。背番号は「2」。あれ?鎌田?そういえば、今日は何度も攻撃参加している?と、目を疑った人は多かった事だろう。
そして、積極的な攻撃参加を見せた鎌田も含め、その「ゴールへの想い」は、前半のうちに、結果となって顔を出す。
41分。左サイドに流れた、梁からの高精度クロスは、ポジションを調整しながら待ち構えていた赤嶺の頭を、正確に捉えた。頭を思い切り振って撃ったシュートは、そのまま神戸ゴールネットへ。赤嶺の2戦連続弾が決まった瞬間だった。
前半42分。仙台1-1神戸。
前半終了間際に産まれた同点弾は、後半の勝ち越し点への大きな期待へと繋がった。
迎えた後半。前半と同様に、ガツガツと攻める手を緩めない仙台。チャンスと観るや、ウイルソンは次から次へとシュートの雨霰。もう少し味方への繋ぎも見せて欲しいと言いたいくらいにシュートを撃った。
しかし、決まらなかったウイルソンのシュートも、相手に脅威を与えるには充分だった。後半だけで、実に11本ものシュートを放った仙台は、その効果によって、後半だけでコーナーキックを7本も獲得。試合も終盤に差し掛かると、神戸の運動量が落ち始め、ますます押せ押せのムードになっていった。
だが、ゴールが決まらない。終盤には、太田に代えて負傷明けの武藤を、赤嶺に変えて中原を投入し、スピードと高さをリフレッシュして臨んだ。だが、それでも決まらない。
それでも、一心にゴールを目指してシュートを放ち、そこから得た右コーナーキック。時間は後半44分。蹴るのは、もちろん梁。彼の蹴り入れたボールを、中央で松下が角度を変えた。その先には、セットプレーでゴール前に詰めていた、あの鎌田の姿が。
その鎌田。一度、右足でボールを空中でコントロールすると、そのボールを落とさずにそのまま、後ろ向きで、豪快なオーバーヘッド。あまりに珍しい、鎌田のバイシクルプレー。
「入れ!」
きっと、シュートを撃った瞬間の鎌田は、こう思っていた事だろう。
次の瞬間。神戸ゴールのど真ん中に、鎌田の撃ったシュートが突き刺さっていた。
後半45分。仙台2-1神戸。
試合終了間際の勝ち越し弾に、喜び溢れかえるスタジアム。劇的過ぎる逆転シーン。足を痙らせながらも、味方の祝福を受ける鎌田。あまりにも見事なオーバーヘッド。あんな美しいシュートシーンは、欧州のチームのプレーでも、そうそうお目にかかれるものでもない。
この時に、ふと思った。優勝するチームというのは、こういう劇的な勝ち方が出来るチームでもある、と。そして、この仙台というチームには、こういう劇的な勝ち方が出来るだけの潜在能力が備わっているのだ、と。
終わってみれば、両チーム合わせて33本ものシュートが飛び出した乱打戦。心半分、こういう撃ち合いになる事を予想し、また期待していたが、実際にそうなってみると、決して心臓には宜しくない事が判った。
やはり、出来れば、先制点を獲って、きちんと主導権を握って90分を終えたいものだ。
だが、残り8試合。まだまだ劇的な展開は、私たちを待ち受けている事だろう。この日、アウェイながら名古屋に競り勝った広島も、後半ロスタイムに、センターバックの森脇のセンタリングが、ラッキーにそのままネットを揺らすという、こちらもまた劇的な勝ち方をした。広島もまた、劇的な勝ち方の出来るチームだ。
思えば、今節は、仙台も広島も、センターバックの選手が試合終了間際に劇的な決勝弾を挙げるという演出だった。やはり、最後まで今季の優勝を争う相手は、広島なのだろうか。いやいや。今節、ホームでガンバ大阪に5失点大敗を喫した浦和も、まだまだ怖い存在だ。連勝でのし上がってくる力量は、充分にあるはず。仙台としては、絶対に気の抜けない戦いが続く。
しかし、もうここまでくると、あとは自分たちのサッカーを信じて、残り試合を突っ走るしかない。気を抜く時間など、物理的に存在しないだろう。泣いても笑っても、あと8試合。2ヶ月しかない。
「8試合、全部勝っちゃうぜぇ~!」
試合後のインタービューで、鎌田が、声を裏返えさせながら放った一言だ。よく、こういう事を言ってしまうと、それが逆の言霊(いわゆる"フラグ")になって、そこから未勝利街道が始まってしまうから言わないほうがいい、というジンクス、或いは都市伝説のようなものがあると言う人も居るが、今の仙台からは、そういう雰囲気は一切感じない。むしろ、サポーターみんなの気持ちを、鎌田が代弁しただけのようにすら思える。
サッカーというスポーツ競技である以上、目の前の一試合一試合の勝利の積み重ねである事には違いない。だが、優勝するチームには、独特の勢いや、流れというものが存在する。そういう空気を、今、持っているのは、仙台と広島の2チームではないか。もちろん、3位の浦和も充分に怖い。だが、5年間ホームでガンバに勝てていないというジンクスを、今年も破れなかったどころか、5失点もして屈辱の大敗を喫するあたり、優勝するチーム独特の雰囲気を纏っているとは言い難いのも、また事実だ。
やはり、最後まで、広島との壮絶なデッドヒートを繰り広げる事になるのか。それならそれで「望むところ」である。
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