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4万5千人を越える大観衆、容赦ないブーイング、後半から激しく降り注いだ雨、そして、ホームで勝利を挙げようと意気盛んに攻め込んでくる相手。シュートの雨霰。
仙台のACL参戦初アウェイとなった、 江蘇-仙台の一戦は、現地時間の19:40にキックオフとなった。
試合のレポートの前に、今回の相手となった 江蘇舜天についての情報を少し。中国スーパーリーグの中では、一昨年4位、昨年2位という成績で、今期初のACL出場権を獲得したチームとの事。また、一昨年に4位になった、その前の年は、14位と低迷。
ACL初出場である事も含めて、まるで、仙台と同じような歩みを進んできたチーム。順位の推移まで酷似しているあたり、何かしらの命運のようなものを感じた人も、決して少なくは無かった事だろう。
そんな相手のホームへ、鹿島戦の終了直後から成田へ移動し、離陸2時間遅れで日本から出発したチームは、厳戒態勢の中のスタジアムへと移動。何もかも初めての経験。あるのは、ウイルソンが中国チームでの昨年のプレー経験がある事と、G大阪時代から5年連続でACL出場を経験してきた、佐々木勇人のプレー経験だけ。当然、彼らから、中国のチームのプレーの特徴や、事前のスカウティングなどにより、可能な限りの情報収集は行っていたはず。
そして、守備陣に負傷者続出のこの状況下で、指揮官が採った先発布陣は、非常に目を見張るものがあった。
4-3-3で頭から行くであろう事は、誰しの脳裏にもすぐに浮かんでいたであろう。しかし、今節のその顔ぶれに、仙台というチームの「もう一つの顔」が見て取れた。ジオゴをアンカーに、梁とヘベルチの中盤。トップの3人は、ウイルソン・武藤・佐々木勇人。手薄なサイドバックには、新進気鋭の蜂須賀孝治の名前があった。
だが、試合の流れは、前節(ACL第1節)に敗戦を喫している、ホームの江蘇側の勝利への執念に、終始、圧され気味の展開となった。ピッチの状態、曇り、20.5℃というサッカーには程よい気候と環境の中、前半のスタートからは、江蘇の猛攻を耐えしのぐ時間帯が続いた。
それでも、失点を我慢していると、徐々に仙台のペースになってきた。時間の経過とともに、相手のスピードと攻撃パターンへの慣れが産まれてきて、落ち着いて試合をコントロールできるようになってくる。時折、思い出したように中盤でパスを繋ぎ、ダイナミックに江蘇側ゴール前でパスワークを行い、最後は佐々木勇人のシュートシーンも。これは惜しくもゴール左に逸れたが、4-3-3の布陣で、決定機まで持っていけるだけの連携が、試合を重ねる毎に、どんどんと深くなっていくのが感じられるシーンだった。
ただ、この日は、相手の攻撃の圧力があまりにも高く、仙台としては、守勢に回らされる時間帯が長かった。それでも、フィールドプレーヤー全員が、体を張り、バイタルエリア内で自由にボールをコントロールさせない、粘り強い守備を展開。シュートを打たれても、最後は体を投げ出してこれをブロックし、前半のアディショナルタイム1分の経過まで、ただの1本も失点を許さなかった。
迎えた後半。
試合会場は、予想だにしない環境へと変貌していった。前半にはなかった、いきなりの豪雨の中、後半キックオフの笛が吹かれる。前半とはまったく違う空模様の変化も、ACLの洗礼という事なのだろうか。こんなに気象条件が目まぐるしく変わるのは、国内のJリーグでも珍しい。それでも、試合は行われる。
後半に入り、各々の選手は、試合のリズムを既に掴んでいるように思えた。ピッチ条件は大きく変わってしまったが、それを差し引いても、この屈強なチームを相手に、前半の45分間という経験をしただけでも、大きな勉強になっただろう。
後半の開始後、少しは前半よりも攻撃的にいけるようになった。得点機こそなかなか訪れなかったが、これだけの選手変更があっても、守備と攻撃のバランスを決して崩す事なく、終始、組織的で安定的なサッカーを貫くことが出来るようになっていた。その事が、今後の今期の戦いにおいて、どれだけの大きな意味を持つかは、サポーター諸氏なら十分にお判りのはずである。
そして、迎えた19分。ここで、大田と赤嶺を投入し、布陣を従来の4-4-2へ戻すと、大田の切れ味鋭いドリブル突破が、ピッチを所狭しと炸裂する。相手の疲れもあり、中盤で空き始めたスペースは、太田の「独壇場」と化していく。しかし、ホームで絶対に負けられない江蘇の守備網の前に、どうしても、フィニッシュへと繋がらない展開が続く。そして、ホームで絶対に勝ちたい江蘇の気迫が、時間を追うごとに再び息を吹き返し、最後の時間帯は、仙台の防戦一方となってしまった。
だが、その江蘇の猛攻を、今期ここまで無失点試合が一つもない仙台の守備陣が、己の体を投げ打って、相手にゴールを許さない。僅か3日前の鹿島戦で、2失点に絡んだ渡辺広大。新加入の石川直樹。サイドの田村と蜂須賀。そして、GKの林卓人。最終ラインの選手が、「点が取れないなら点をやらない」と叫ばんばかりに、次々に襲い掛かってくる江蘇の猛攻を、研ぎ澄まされた集中力と、落ちない運動量で、相手のボールを次々にクリアしていく。
そんな中でも、何度か、あわや失点の大ピンチも。しかし、最後は、仙台の鬼神・林卓人が、相手との1対1をも制すビッグセーブを見せ、失点の芽を紡ぎ続けた。
最後の得点への期待と、そして相手の高さに対応するための、両方の意味をこめて、指揮官は、武藤に変えて中原を投入するも、中原の高さを活かす攻撃展開にはなかなか持ち込めず、そのまま試合は終了。スコアレスのドローとなった。
国内のJリーグでもなかなかお目に掛かれない、これだけの完全アウェイ条件下での厳しい一戦。仙台としての、初ACLアウェイ戦が終幕した。
勝利という結果こそ付いて来なかったが、いつ失点してもおかしくない、猛攻の雨霰の中、これだけの厳しい試合を、無失点で乗り切ったことは、本当に大きな経験となるはずだ。ACL出場の経験は、間違いなく、国内のJリーグの戦いにも活かされる。その経験値は、普段の練習試合とは比較にならないくらいの価値を持っているだろう。
例年、ミッドウィークのACL予選の試合中継は、他のチームの頑張りを、「もう一つの日本代表」という意味で、画面を通じて応援してきた。
しかし、今年はそれが、我らが仙台の試合として応援できる。平日開催の国外試合という事もあり、現地参戦はなかなか適わない中、映像を通して確認できた、100名足らずの仙台サポーターの姿は、例えその数は少なくとも、志だけは大きく持って、現地スタジアムへと入られた事だろう。現地応援、本当にありがとう。そして、大変お疲れ様でした。頭が下がる想いである。
今期の公式戦の、ここまでの4試合において、未だ1勝も挙げられていない仙台。だが、決して内容が悪い訳ではないし、例年の恒例行事でもある「夏場になかなか勝てない」というのともまた意味合いが違うように感じられる。
現在の仙台は、更なるポテンシャルアップを目指し、現在は、今までの殻を脱ぎ捨てている、昆虫で言うところの「サナギから成虫になるための脱皮」の最中なのだろう。脱皮の最中は無防備で、なかなか思うような結果が出ずに、戸惑う事もあるかもしれない。が、脱皮の作業が完了したとき、どれだけパワフルで、かつ、美しいサッカーを披露してくれるようになる事だろうか。
カブトムシの様に、勇ましい鎧と角を纏って。
アゲハチョウの様に、美しい羽ばたきで大空を舞って。
今期、初勝利の瞬間は、決して遠くはない。そんな気がしている-。
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