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【ACL予選第5節】ブリーラム1-1仙台 予選敗退濃厚の中でみせた、選手たちの意地。試合終了間際の「ラスト1分・劇的中原弾」は、全員で掴み取った、勝利に値する「勝ち点1」だった。劇的過ぎる幕切れの様相は、ホームユニだった事を含め、まるで、「ユアスタ劇場」そのもの。臨んだメンバー構成と結果を思えば、果てしなく大きな自信を掴んだ一戦となった。

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 掲示された、後半アディショナルタイムは4分。そのうちの3分を過ぎようとしていたとき、仙台の選手全員の気持ちが乗ったボールが、中原の足からシュートという形で放たれ、そして、劇的な1点を挙げ、奇跡的に勝ち点1を獲得してみせた。

 ACL予選第5節、ブリーラム vs 仙台の一戦は、敵地・ブリーラムスタジアムで開催された。直近のリーグ・川崎戦で受けた、衝撃的な敗戦の余韻を引き摺る余裕もなく、すぐに現地からタイへ乗り込んだチーム。現地での調整を早く始める事で、現地の気候に慣れる時間を作る事が出来た。

 
この時期のタイは、日本の真夏並みの暑さと聞いていた。それだけに、連戦で疲労の濃い選手は帯同せず、フレッシュなメンバーを大量に遠征させて臨んだ一戦となった。
 
筆者が個人的に希望していた「和田選手の先発継続」こそ適わなかったが、彼もしっかりとベンチ入りし、この日も、後半の要所で交代出場。また、武藤・蜂須賀ら若手もしっかりと先発出場し、貴重な経験を積む事が出来た。
 
試合自体は、高温下である事、アウェイである事を考慮し、守備重視の堅い試合展開。但し、攻撃的に行くところはきちんと攻撃的に行き、チャンスは作ろうとしていた。
 
だが、ブリーラムの鋭い出足のプレッシングに遭い、なかなか前を向いて攻撃に移れず、出し所を探してはボールを最終ラインに戻してしまったり、攻撃が中途半端に終わってボールを失い、そこからカウンターの逆襲を喰らうパターンが、いつもより多かった印象。それでも、必死に打開しようと、ウイルソンがピッチ内を縦横無尽に走り回り、時には下がってボールを受け、攻撃の起点になろうとした。
 
前半のうちにスコアが動く事は無かったものの、アウェイでハーフタイムを0-0で折り返すのは、決して悪くない状況。やっているほうも、見ているほうも、気持ちを切り換えて後半に臨んだ。
 
迎えた後半。
 
仙台は、前半の流れのまま後半に入り、相変わらずブリーラムのプレッシングが厳しい中、攻撃の機会を伺いつづける展開。だが不運にも、"その刻"は訪れてしまう。
 
後半7分。相手に与えたフリーキックのピンチ。ピッチ右エンド手前、少し距離はあったと思うが、そこから斜めに放り込まれたボールに、オスマル・バルバ・イバネスがドンピシャリで反応し、仙台から、待望の先制点を奪っていった。
 
後半8分。ブリーラム1-0仙台。
 
絶対に与えてはいけなかった先制点だった。思えば、センターバックのオスマル・バルバ・イバネスは、2月26日のホーム戦(ACL予選第1節)でも、仙台が彼から奪ったPKのチャンスをモノにして先制点を奪ったのに、その彼が、今度はセットプレーから得点を奪い、1-1のドローに持ち込まれてしまった。つまり、また「彼の得点」だった訳だ。
 
FKから供給されたボールも秀逸で、キーパーも飛び出しを躊躇うような、絶妙な角度と位置だった。あれでは、林も手の出しようがなかっただろう。
 
そして、悪い状況は更に続く。あちらの"5番"オスマル・バルバ・イバネスに得点を許したと思ったら、今度は、こちらの"5番"石川直樹が負傷してしまい、交代を余儀なくされる。
 
それでも、どうしても点が欲しい仙台は、その石川を下げ、和田を投入。左サイドバックの蜂須賀をセンターバックに置き、和田を左サイドバックに入れて、負傷交代と、攻撃の駒の投入を、同時に"処方"した。
 
ピッチに放たれた和田は、元気そのものだった。こういう舞台で起用してこそ、若手の経験の糧となる。出来れば先発で使って欲しかったが、連戦である事、アウェイである事から、「まずは守備をしっかりと」という判断が、この日は蜂須賀先発という選択肢だったのだろうと思えた。
 
その後、太田を下げて佐々木勇人を投入し、前線を更に活性化させる。相手は先制点を奪っている事で、次第に、その攻撃の出足が鈍くなって来ていた。得点が欲しい仙台としては、その隙を見逃さず、最後は、右サイドバックに入っていた田村を下げ、事実上の3バックとし、フォワードの中原貴之を投入。過去、何度も"終盤の劇的弾"を叩き出してきた彼に、最後の望みを託す事となる。
 
掲示されていた、後半のアディショナルタイムは4分。その4分のうち、もう3分が過ぎようとしていた時だった。
 
中央でボールを持ったウイルソン。右サイドにぽっかりと空いていたスペースに、センターバックに入っていたはずの蜂須賀が、攻撃のためライン際を上がって来ていたのをウイルソンが見付けると、その先のスペースへ、ボールを展開。そこから蜂須賀、ペナルティエリア内でパワープレーを仕掛けていた渡辺広大目掛けて、クロスを供給。そこに、まんまと「吊り出された」相手GKが、味方ディフェンダーと交錯する形で、前へ出て来てくれた。
 
その結果、相手GKと渡辺広大が競り合って溢れたボールは、すぐ傍で張っていた、中原の元へ。
 
おそらく、この試合最後のチャンスとも思えた、空前の得点機。中原はこれを、トラップせずに、体制を低くして、抑え込むように、右足でダイレクトにボレーシュートを放った-。
 
もし、この試合が「一つのドラマ」として再現されるとしたら、このボレーシュートを撃ったシーンは、間違いなく、「スローモーション+心臓音で演出されるクライマックスシーン」として構成されるだろう。
 
中原の放ったシュートは、選手全員と、スタッフ陣と、現地に乗り込んだサポーター100名余りと、そして、喰い入るようにテレビ中継にかじりついて見ていた、居残り組サポーターの祈りを、全て吸い上げたかのように、綺麗に、ブリーラム側ゴールネットのセンターを揺らした。
 
あまりにも、あまりにも劇的な同点弾。歓喜の輪を作る、仙台陣ベンチ。この得点直後、勝ち越し点を急ぐブリーラムの攻めに、一瞬ヒヤリとはしたものの、そのまま試合は終了。皆の期待を一身に背負い、ピッチに立った中原が、その期待通りに活躍してみせた。まさに、"終盤の劇的弾"請負人だ。思えば、J2時代のアウェイ広島戦でも、後半ロスタイムに劇的な決勝弾を叩き込むなど、「中原と言えば劇的弾」の印象を持っているサポーターは、少なくはないだろう。
 
このような"劇的弾"が産まれる雰囲気は、ユアスタのそれに近いものがある。そういえばこの試合は、ホーム用である1stユニの着用で臨めた事や、前半後半の攻撃のエンドの向きも、ホームの時と同じ「前半は右へ、後半は左へ」だった。
 
そこへ来て、中原の劇的同点弾とくれば、差し詰めこの一戦。「出張・ユアスタ劇場」とでも命名出来るだろうか。
 
いずれにせよ、この1点によって、仙台はブリーラムとのグループE・同率2位を維持。他会場にて、首位のFCソウルが、最下位の江蘇を破った事から、仙台は、この日の一戦に敗れれば、その時点で予選敗退が決定しただけに、最終戦に予選突破の望みを繋げた事は、今後のモチベーションにも大きく寄与する。
 
若手に経験を積ませ、なおかつ、結果も出す。そんな理想的な展開はなかなか得られないものだが、この日は、その両方を掴む事が出来たと感じた一戦となった。
 
ACLは次節、ホームで江蘇と、予選最終節を戦う。勝って勝ち点を9に伸ばせれば、勝ち点でFCソウルとブリーラムの両方に抜かれる事は無くなるため、2位以内が確定し、予選突破が決定する。
 
今後は、ゴールデンウィークが絡んでの連戦となるが、次に繋がる結果が出ている事で、選手の体も"軽く"なる事だろう。そんな選手が更に活躍できるよう、少しでも、声援でその背中を後押しして行きたい。
 
仙台、ACL初参戦で、いきなりの予選突破となるか。
いやが上にも、その期待が高まる。ここまで来れば、予選突破という「欲」を出しても構わないだろう。
 
だが、またすぐリーグ戦もやってくる。今度はホーム鳥栖戦だ。ACLを闘っているからと言って、J2降格に対する"免罪符"がある訳ではない。結果を出さなければ、そういう憂き目だって充分に考えられる。あくまでも、別な大会。別な戦いの舞台だ。
 
だが、サポーターとしては、次も、必死になって応援するだけである。
頑張れ、ベガルタ。チームの頑張りは、私たちの頑張りの糧でもある-。



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