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この日の仙台は、連戦の疲れからか、前半は体力のある時間帯にも関わらず、運動量は少なく、攻めも単調で、見ているほうは非常にストレスの溜まる内容で推移した。攻め手のほとんどは、無理な中央突破の試みばかりで、そこで安易なパスミスを繰り返し、そこからカウンターの逆襲を受ける事の繰り返し。
そんな流れで、ボールを失って相手に受けたカウンターを、角田がファウル覚悟で止めた結果、鳥栖にFKを献上。ペナルティエリアの外ギリギリの位置からのセットプレーを、キッカーの藤田に決められ、この日も「早い時間帯での先制点」を相手に許してしまう、苦しい展開で幕を開けた。
前半15分。仙台0-1鳥栖。
その後も仙台は、攻撃の流れを変える事が出来ず、そのままハーフタイムを折り返す。
後半に、攻撃をどう立て直すか。前半のうちに痛んだ富田は、中2日で江蘇戦が控えている事もあり、無理はさせられない。それ以前に、富田のところはもう研究し尽くされている様子もあり、富田がボールを持つと、そこへ、厳しい寄せが次から次へと襲い掛かってくる。
その富田を前半で下げ、後半は頭から、若武者・武藤雄樹が投入された。
その采配は、ズバリ的中する。武藤の運動量とスペースへ飛び出す動きは、仙台の攻撃を一気に活性化させ、サポーターのアドレナリンの分泌量を倍増させてくれた。上下運動を繰り返し、「前を向いて、スペースでボールを受け取ってゴリゴリドリブル」するその姿勢は、明らかに、先発メンバーには見られなかった、攻撃の意識の高さを体現したものだった。
その武藤の活躍が実ったのが、後半8分。ボランチの位置に下がった梁から、縦の位置に居た赤嶺へボールが入ると、そこから攻撃のスイッチがON。赤嶺は、左に居たウイルソンへ渡すと、その更に左サイドを、武藤がトップスピードで駆け上がり、ウイルソンからのラストパスを要求。そこへ、絶妙のコースで、武藤の前のスペースへウイルソンがボールを供給すると、武藤はこれをエリア内へ深く切り込み、そこから左足を振り抜いてシュートを放った。このボールは惜しくも、鳥栖ゴール右ポストを叩いたものの、そのこぼれ球に赤嶺が反応し、これを押し込む事に成功する。
後半9分。仙台1-1鳥栖。
武藤の切れ味鋭いドリブルや、トップスピードでボールを受けるその動作は、間違いなく、仙台の攻撃のアクセントになっている。もっと、彼の活躍が見たい。武藤が、勝利試合の立役者として試合後にホームで村林いずみ嬢にインタビューされる日は、決して遠くはなさそうだ。得点の記録こそ赤嶺だったが、9割はもう武藤の得点のようなものだろう。
その後、江蘇戦を見据えた指揮官は、早め早めの交代策で、攻撃の活性化と主力の温存を両立させる選択肢を採る。太田に代わって入った松下は、積極的にシュートを放ち、ウイルソンに代わって入った柳沢の動きも良かった。だが、試合はこのままドローで終劇。結局、昨年から続く「対リーグ鳥栖戦のドロー」を、2から3に延ばす格好となった。
狙い通り、豊田に仕事をさせない事には成功したものの、中盤の中途半端な攻撃からボールを失い、そこから失点を喫するという「最近見られる傾向」は、今節も続いた。今節の失点こそセットプレーからのものだったが、そのセットプレーは相手のカウンター攻撃を止めるため、角田がファウル覚悟で止めて与えてしまったものだけに、実質、オープンプレーから失点したようなものでもある。
ただ、本当の課題はそこではなく、今季になってから続いている、1試合の得点力の無さにある。
今季の仙台は、公式戦で、3得点の試合を1つも挙げておらず、2得点の試合も僅かに4試合に留まる。にも関わらず、完封した試合は僅かに2つ。これは、1-0で勝つ事すら無理だ。
更には、「前半の得点力」が、今季はめっきり落ちている。リーグ戦だけ見ると、8試合中の得点11のうち、前半の得点は、僅かに2しかない。それも、ホームで柏に勝った試合の、松下のスーパーミドル(前半5分)と、アウェイでC大阪と引き分けた際のオウンゴール(前半32分)だ。とても、組織的な力で採ったものとは言えない。
守備の面では、これだけの負傷者が相次いでいるにも関わらず、1失点で凌げている試合が多いので、以外に守備面は、健闘をみせている。
よって、あとは、攻撃の面で、毎試合のように、2点・3点とコンスタントに獲れるようにならなければ、なかなか結果は付いて来ない。
その部分を補えるのが、今節に獅子奮迅の活躍をみせた、若武者・武藤雄樹選手の存在ではないか、と考えている。
ACL江蘇戦は、予選グループの突破を左右する、大事な一戦ではあるが、是非とも、武藤をここで先発に使って欲しい。また、鳥栖戦ではベンチ入りを回避した和田も、是非起用させたいところ。
プレビューでも書いたが、今節のリーグ・鳥栖戦と、ACL・江蘇戦は、中2日の連戦である事から、「2日間のハーフタイムを挟んだ1試合と捉えるべき」と認識している。
そして、「前半の90分」で、武藤の活躍をみてとる事が出来た。
「後半の90分」は、どう考えても、武藤が主役になるべきだろう。
正直、今は、結果については、過度の心配はしていない。今は、武藤や和田など、若手にどんどんと経験を積ませる時期だ。そういう意味で、ACLブリーラム戦や、今節の鳥栖戦は、貴重な経験の場になった。
江蘇戦も、彼ら若手の育成の場として、大いに利用したい。
但し、江蘇戦は、「勝つ」事が、絶対条件だ。
そして、この試合に「勝つ」ために、彼ら若手の力を、積極的に活用するべきなのだ。
江蘇戦の先発2トップは、もう、武藤を軸に、中原か柳沢のどちらかの組み合わせを試したいくらいである。
この鳥栖戦の経験を、無駄にせず、このまま江蘇戦に臨みたい。鳥栖戦の後半のような戦い方を、江蘇戦にそのまま持ち込めば良いだけの事だ。
最近、「前半の出来」が良くない仙台、だが、江蘇戦そのものを「後半90分」と捉えれば、期待度は一気に加速する。
勝って、仙台の歴史を塗り替えよう。
そして、その舞台となったピッチに立っているのは、武藤であり、和田であり、その他の多くのサブメンバーであって欲しい。
彼らが、次代の仙台を担うのだ。
仙台の歴史を塗り替えるには、彼らの活躍が必要なのだ。
是非、武藤や和田に注目してやって欲しい。期待は、裏切らないと思う。
今節の赤嶺の得点を産んだ、この勢いが、江蘇戦に繋がる事を信じて、キックオフが30分遅くなったこの大事な一戦も、馳せ参じたい。
それまでの「中2日のハーフタイム」を、有意義に過ごし、「来るべき瞬間」を心待ちにしている。
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