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日程面で相手より好条件とはいえ、ウイルソンを出場停止で欠くこの一戦で、よもや、ここまでの完勝劇を拝めるとは、夢にも思っていなかった-。
J1第10節、名古屋-仙台の一戦は、豊田スタジアムにて、19:00のキックオフ。この日の仙台は、ウイルソンを出場停止で欠き、更には、負傷の影響により、石川と菅井も帯同を見送られていた。好守の主力を3人も欠く事態ではあったが、それを感じさせない見事な試合運びで、2得点・無失点の完勝を呼び込んだ。
対する名古屋は、リーグ戦ここ3戦を未勝利とし、この間の失点も3試合で6つもあり、名古屋の守備に綻びが出ている事は、ほぼ間違いなかった。"正しく攻略"すれば、充分に勝機はあると見込まれる相手。だが不調とはいえ、好守にタレントを数多く抱える名古屋のポテンシャルは決して低くなく、我慢する時間帯は、決して短くはないだろう、との予想はしていた。
いざ。その"蓋"を開けてみると、仙台の戦い方は、今季ここまで拘ってきたポゼッションサッカーは、いったん横に置き、最終ラインを少し低めに設定し、ボールを相手に持たせてのリアクションサッカーを選択していた。つまりは、堅守速攻型のカウンターサッカーだった。
「もう一つの原点回帰」
そんなフレーズが、試合を観戦中の筆者の脳裏を過ぎった。主力メンバーの負傷完治と共に、布陣を4-3-3から4-4-2に戻して、自分たちのサッカーの「原点」を取り戻していた仙台は、この日はさらに、「堅守速攻」という、もう一つの原点を取り戻していた。
もっとも、堅守速攻型サッカーが、どんな相手にも通用する訳ではない。例えば、前線からのハイプレスなサッカーを趣向する新潟や鳥栖あたりには、おそらくは通用しないだろう。引き気味で守る事、それ自体が、ディフェンスでのミス・即・失点への大ピンチという構図となってしまう事が予想に難くないためである。
しかしこの日は、不調な名古屋を相手に、その"猛威"を奮いまくった。相手にボールを持たせて引き気味に守り、ある程度相手が攻め込んできたところで人数を掛けてボールを奪い、或いはミスを誘い、そこからスピーディーにカウンターを仕掛ける。そんな、まるで"教科書通り"とも言えるようなリアクションサッカーが、この日はものの見事にハマッた。
引き気味に守る仙台の牙城を崩せず、中盤でボールをこねくり回し、アタッキングサードに入っては仙台の"包囲網"に遭い、ボールを失ってカウンターを受ける。名古屋からしてみれば、そんな展開の繰り返しだった。
今節の名古屋のサッカーを観ていて、思った。
「やはり、ポゼッションサッカーを標榜するには、パスの出し手と受け手の呼吸合わせや、その技術の正確性に、相当な自信がないと通用しないんだな-」
そういう意味では、仙台のポゼッションサッカーも「まだまだ登山の途中なんだ」と、人の振り見て我が振りを再確認するに至った。
展開されているサッカーの内容からしてみれば、もはや、先制点は時間の問題とも思えた。そしてその"予感"は、何のサプライズもなく、普通に的中する。
前半27分。相手から奪ったボールを、センターサークル付近で赤嶺がホールドすると、名古屋最終ラインの両サイドはガラ空きだった。そこへ、太田が飛び出すのを確認すると、赤嶺は迷わず、太田の"仕事場"右サイドへ、ロングパス。慌てて戻る、名古屋守備陣の焦りを余所に、赤嶺からのボールを受け取った太田は、中央で「オレによこせ!」と言わんばかりに手を挙げてアピールする角田の姿を捉えると、そこへセンタリングを供給。
角田、これを、相手ディフェンスと競り合いながらも、その打点の高さで勝り、シュートを放った。飛んだコースが良く、名古屋GK・楢崎は一歩も反応できず、待望のゴールが仙台にもたらされた。
前半28分。名古屋0-1仙台。
名古屋在籍時代の偉大な先輩選手から、得点を奪う事に執念を燃やしていた角田。見事な「有言実行」の先制点だった。控え目ながらも、快心のガッツポーズをみせたその姿は、ACL江蘇戦での出場停止の鬱憤を晴らしたかのようだった。
それでも、その江蘇戦では、菅井が挙げた先制点を守りきれず、逆転で敗戦とされてしまっていただけに、必ずしも、この1点で勝利を手繰り寄せられる自信は、まだ無かった。それは、選手にも、サポーターにも言える事だったのではないだろうか。
先制点を獲られた側としては、当然、ギアを上げて得点を奪いに仕掛けてくる。それをどう「いなす」かも、仙台が勝利に近づくための課題だった。また、「前半で良い試合をすると、後半は相手に修正されて、全く別物の悪い試合をしてしまう」という悪癖も持っている仙台。決して、油断は成らなかった。
だが、迎えた後半では、それこそ「仙台の思う壺」な展開が待っていた。なんと、名古屋・ストイコビッチ監督は、前半の4バックから3バックにシフトし、中盤の枚数を増やして攻勢を仕掛けてきたのだった。
リスクを侵して得点を奪いに来るその姿勢は評価できるが、仙台に与えた先制点が、サイドのスペースを使われてのものだっただけに、更にそのスペースを仙台に与えてくれるような布陣変更。仙台側からしてみれば、どう考えても「そのスペースを活かさない訳には」行かなかった。
そして、あまりにも素直に、その予想から、待望の追加点が仙台にもたらされる。
後半12分。またもカウンターを仕掛ける展開から、やはり、右サイド深いところまで太田が持ち込む。「今度はクロスを上げさせまい」と、名古屋ディフェンスが2枚も付いて来たが、太田はそこから、完全にフリーで待ち構える梁へ、戻すようにパス。牽き付けられたディフェンス2枚は、完全に置き去りにされた。
その梁へ、ボールが入るのを見た柳沢。相手ゴール前のディフェンス2枚の間へ飛び込むと、そこへ梁から、「決めてくれ」と言わんばかりの、速くて低い弾道のセンタリングが供給される。これにドンピシャリで、豪快なダイビングヘッドを仕掛けた柳沢の頭を捉えたボールは、それこそ「弾丸」の如く、名古屋ゴールのど真ん中を射抜いた。名古屋GK楢崎の頭上を掠める、豪快で痛快なゴールシーンだった。
後半13分。名古屋0-2仙台。
これで、いよいよ後が無くなった名古屋。もはや「定番」とも言える、闘莉王の前線固定で打開を謀って来た。これにより、ようやく名古屋の攻撃の圧が上がっては来たものの、仙台の堅い「蓋」をこじ開けるまでには至らず。ただ、名古屋の仕掛けから撃たれたシュートのうち、3~4本は、バーやポストに当たって難を逃れたものもあり、この日は「運をも味方に付けて」の試合運びとなった。もっとも、こちらのシュートも、2本くらいは、やはりバーやポストに嫌われており、「おあいこ」な部分は多分にあった。
お互い、失点を免れた部分については、運的な要素も手伝ったものの、仙台が決めてみせた2得点は、運など関係なく、100%仙台の実力によるもの。仙台としては、以前からの持ち技である堅守速攻が、今節の名古屋相手にはハマると考え、それを貫いての完勝となった。江蘇戦で味わった、チームとしてのACLの予選敗退の悔しさと、そこに出場出来なかった角田の想いと、江蘇戦の一発退場の影響で、この日は出場できなかったウイルソンの代役として出場した、柳沢の想い。
ACLの経験は、間違いなく、この一戦に活かされていた。そう言っても過言はないと思える、素晴らしい内容での完勝劇だった。
終わってみれば、シュート数は、名古屋の12に対して、仙台の19。また特筆すべきは、名古屋に与えたコーナーキックが僅かに1本という点であり、この事は、名古屋に「攻めきらせる前にボールを奪えていた」事の証明でもある。それだけ仙台は、高さで定評のある名古屋に、その高さを活かしたセットプレーのチャンスを与えなかったのである。
仙台の堅守速攻型サッカーは、間違いなく、「大事な引き出しの一つ」だ。その事を、今節の内容で、改めて確認する事が出来た。今後も、同じ戦い方が通用するとスカウティング出来た相手には、有効な手段と成り得るだろう。
だが、それが通用しない相手も、当然ながら存在する。そういう相手には、また別な戦術が必要になる。仙台が今季目指しているポゼッションサッカーも、その一つだ。
常勝軍団に成り得るには、まだまだ道のりは遠い。名古屋戦に勝ったからと言って、次の相手に、同じ手が通用するかどうかは・・・・
・・・・と、ここまで考えて、はっと気がついた。
次節は、現在首位に躍り出ている、大宮をホームに迎えるのだ。ここで、大宮の連勝記録と無敗記録を止めてこそ、仙台の名を再び、Jの舞台に轟かせる、絶好の好機ではないか。
名古屋戦に勝利した勢いを以て、今月唯一のホーム戦である、次節の大宮戦を迎えよう。但し、相手は別物。如何にして、あのノバコヴィッチとズラタンに仕事をさせないか。手倉森監督始め、首脳陣のスカウティング力が試される一戦となる。
今節の名古屋戦の勝利は、果たして、5月反攻のスタートラインと成り得るのか。それを証明するためにも、大宮戦の行方は重要なファクターだ。
今から気持ちを切り替えて、いざ、大宮戦へ-。
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