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パスサッカー。
言うのは簡単だが、実際にやるとなると、やはり難しい戦術である。
今回の等々力陸上競技場も、ピッチの芝の状態は最高に見えた。J-GREEN堺での練習の成果を出すには、申し分ないピッチ環境と思えた。
実際、この試合の入りから、仙台は、横パスの繰り返しで相手陣内へのジリジリとした潜入を図り、いざ、相手の守備にギャップを見つけては、そこへ楔の縦パスを送り込む。それが攻撃のスイッチとなり、人数を掛けて、難易度の高そうな、狭いエリアでのパスワークを披露。チャンスは、数多く創った。だが、最後の精度に泣き、この試合でも、やはり得点は奪えなかった。
前半の時間が半分を過ぎるあたりまでは、仙台ペースで試合が運べているようにも思えた。ただそれは、最終ラインからゆっくりとボールを持ちあがって、攻めの機会を伺うポゼッションを意識しているが故のもの。ポゼッションしているのだから、試合のペースを握れて当然。だが、その事と「得点を奪えるかどうか」は、全くの別物だ。どんなに試合の主導権を握っていても、カウンター一発で相手に失点を喫する事もある。それが、サッカーというスポーツの面白いところでもあり、怖いところでもある。
そしてやはり、この一戦でも、川崎のカウンターから、最後は相手のゴール前での冷静な判断と、その早さから、仙台は失点を喫してしまった。
前半35分、仙台のパス交換を川崎にカットされ、ここからカウンターを受ける。最後は、FWの大久保と小林のコンビネーションで崩され、小林の反転からの素早いシュートで、仙台の逆サイドネットを揺らされてしまった。
前半36分。川崎1-0仙台。
この試合の序盤から、川崎は、仙台のボール廻しをインターセプトする意識が高かったように思われた。そこからミスが出て失点しなければ良いが、、、と脳裏をかすめていたが、悪い予感というものは、当たるものだ。
もっとも、ボールを奪われたからといって、そのまま失点に繋がるとは限らない。最後は、シュートを撃つ選手の技量次第。川崎のFWは、その技量を持っていた、という事である。
後半に入り、仙台の選手には、明らかに、シュートで終わる意識が強く植え付けられていた。おそらく、ハーフタイムでの指示だったのだろう。ボールを繋いで崩すイメージの強かった仙台の「攻め手」が、速攻系にシフトしていた。当然だろう、1点のビハインドを追っているのだ。早い時間帯に追い付きさえすれば、まだまだ逆転も狙える時間帯。ピッチ上の選手にも、スタンドのサポーターにも、諦める様子を見せる人は、誰一人としていなかった。
だが、仙台にとっての「悪夢」は、ここからが本領だった。
後半23分、決して調子が悪いようには見えなかった赤嶺を中原に代えて、ターゲットを明確化。そこへボールが集まるかと思いきや、その中原が、接触により鼻血が出てしまったようで、ここから数分の間、中原はピッチの外に出るしかなかった。出血ではやむを得ない。しかし、以前にも、渡辺広大がコンタクトを入れ直すためにピッチの外へ出ている隙に、失点してしまった記憶が蘇った。
そして今回は、中原がピッチを出ている間に、カウンターのピンチを受け、これを猛然とブロックに入ったGK林卓人が、なんと、一発退場の判定。レッドカードを受け、ピッチを後にする羽目に陥った。
やむを得ず、ウイルソンを下げて、桜井を投入。赤嶺も既に居ない事から、1点ビハインドにも関わらず、先発2トップがピッチから姿を消すという緊急事態へと、状況は一変した。
これで与えたPKを難なく決められてしまう。
後半31分。川崎2-0仙台。
ホーム&アウェイの一発勝負(二発?)である試合で、よもやの2点先行を許す展開。一人少ない仙台。ピッチ上のFWは、途中投入の中原だけ。4-4-1で、中原にボールを集める以外に攻め手が無くなった仙台。やはりその中原も、高さでは良く競り勝っていたが、攻撃の人数が足りなければ、中原へのマークも、当然に厳しくなる。
時間の経過と共に、敗戦色が濃厚になっていった。
重たい空気が、アウェイゴール裏にも漂い始める。だがそれでも、諦めるサポーターは、誰一人として居なかった。
それでも、時間だけが虚しく過ぎ去り、掲示された後半アディショナルタイムは4分。
「せめて、アウェイゴールの一つでも、、、、」
仙台の猛攻が続く。この大会の決勝トーナメントのルールがアウェイゴール方式である以上、1点でも奪い取れば、状況は全く違ってくる。
そして迎えた、後半47分。中原、太田と繋がったボール。太田は5月ラストマッチのアウェイ浦和戦でも得点を挙げている。この試合でも、運動量豊富に動き回り、攻守に貢献してくれた。
「決まってくれ、頼む」
選手の、サポーターの期待を乗せたボールは、後方から走り込んできた松下のところへ。これを、文字通り「ねじ込んだ」松下。
次の瞬間。ボールは、川崎ゴールの中に転がり込んでいた。
後半48分。川崎2-1仙台。
歓喜の坩堝と貸した、アウェイゴール裏。1階席も2階席も区別なく、誰しもが、隣同士のサポーターとハイタッチを交わした。
「この瞬間に立ち会うために、今日、ここに来たのだ」
誰しの脳裏にも、その一言がよぎっていたに違いない。
その後も、少し長めに試合は続いたが、程なく終了のホイッスルが吹かれた。
2-1で破れはしたものの、2-0で終わるのとは第二戦に向けた状況が大きく違う事が、何より嬉しい。2-0で敗れてしまっては、第二戦は3点差を付けての勝利が必須なのだが、2-1とした事で、アウェイゴールルールが適用され、第二戦では、
「1-0での勝利、もしくは2点差以上での勝利」
で、準々決勝を勝ち抜けるレギュレーションであるからだ。もし、第一戦とは逆に、仙台2-1川崎であるならば、そのまま延長戦となる。それでも決まらなければ、PK戦だ。(レギュレーションが違っていた場合には、ご容赦下さい)
まさしく、首の皮一枚で繋がっている状況。だが、2-0で終わっていれば、その首の皮すら危うく、事実上の消化試合となっていただけに(3点差で勝つつもりなら消化試合ではないのだが)、可能性を残したという意味で、このアウェイゴールをもぎ取った意味は、果てしなく大きい。
もっとも、これを活かすも殺すも、第二戦の采配次第である。
誰がどうみても、「1-0で勝つサッカー」を目指す以外に、道は感じられない状況だ。もし、第二戦で1点でも川崎に許してしまったら、その時点で、3点以上が必要になってしまう。
ここから先は、第二戦のプレビュー(カップ戦なのでプレビューは本来お休みですが、第一戦に続き、第二戦もプレビューを掲載します)で書かせて頂くとして、手倉森監督の名采配に、期待を寄せたい。
・・・・
第一戦終了後の帰り道、興奮冷めやらぬ頭で、試合を振り返っていたら、知らない駅にたどり着いた。
「あれ?武蔵小杉駅じゃない」
どうやら、JR南部線の隣の駅「武蔵中原駅」へ向かう集団の後に付いてしまっていたようだった。落ち付け、自分(失笑
まぁ、都内のホテルへの移動に、特段の影響は無かったのだが。。。
約3週間の中断が明け、戻って来た、私たちの「日常」。だが、そこで求めているものは、普段の生活では到底味わえない、スペクタクルな「非日常」だ。そういう意味では、第一戦でGK林が一発退場し、まさしく「orz」な精神状態に追い込まれた事も含めて、スペクタクルな非日常そのものである。
日常の中の、非日常。
私たちは、それを、サッカーに求めている。
止められない。止められる訳がない。
第二戦では、是非とも、準決勝への勝ち抜けの瞬間を、皆さんと共に、共有させて頂きたい。
6月30日、ユアスタでお会いしましょう。
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