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大分0-1仙台 「無失点勝利」のゲームプラン完遂。得点力の無さを「原点回帰」の堅守で補い、久しぶりに「仙台らしい勝ち方」で勝ち点3を挙げた。勝利最優先で臨んだこの一戦で、内容よりも、まずは勝った事のほうが肝要。菅井の今季初得点のシーンは、やはり「なんでそこにおまえが居るんだ」だった。仙台のセカンドストライカー、いよいよ覚醒か。

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 前半42分。大分側エンドでの仙台の攻撃シーンで、左サイドの蜂須賀からパスを貰った、中央の赤嶺がタメている間に、それまでなかなか攻撃参加を見せなかった菅井が、スルスルと、前線へ駆け上がった。

 その「飛び出し」に、オフサイドぎりぎりのタイミングで、絶妙なラストパスを供給した赤嶺。そのボールは、見事に、走り込んできた菅井の足元へ収まった。これを菅井、ワントラップで持ち替え、利き足ではない左足でシュート。ボールを持ってからシュートまでが速く、相手GKも、詰めてきたDFも、菅井のシュートをブロックできず。ボールはそのまま、大分ゴール枠へ吸い込まれていった-。

 
前半43分。大分0-1仙台。
 
この先制点まで、仙台は、試合を圧し気味に進め、得たコーナーキックも6本を数えた。つまりそれだけ、攻めきるサッカーを展開できていた。この他、良い位置でのフリーキックも得ていた。だが、相変わらず、それらのセットプレー得点機のどれも、肝心のゴールには結び付かず。得点をなかなか挙げられないまま、前半終了が近づいていた矢先の、待望の得点シーンだった。
 
願ってもない時間帯での先制点。この日のゲームプランは、仙台としての原点回帰となる「堅守を取り戻して、無失点で勝つ」だった。更に、筆者としては「2点目を高望みせず、無失点を貫いて1ー0での勝利で充分OK」と考えていた次第だった。
 
何より、勝つこと。勝って、連戦の続く次の試合への、自信とすること。
それが、この試合で求められている「課題」だった。
 
前半の中においても、時折、ミスから大分のカウンターを受け、ピンチを迎えたシーンもあった。その最たるものが、17分。蜂須賀の安易な横パスがルーズボールになり、それを大分の選手に、全速力で奪われてしまった。一気に迎えた、大分の選手とGK林卓人との、1対1の対決シーン。だがこの勝負は、常に冷静沈着な林卓人の貫禄勝ち。相手の足元のボールを、見事なタイミングの読みで、股に挟んで掻っ攫い、事無きを得た。
 
あのピンチを決められていたら、おそらく、勝ちきるのは難しい展開になっていた事だろう。もしそうなっていたら、蜂須賀は自信を喪失し、次節からの試合出場にすら影響が出ていたかもしれない。
 
だが、そうさせなかった、林卓人のビッグセーブで、蜂須賀は安堵の気持ちを味わえた。
 
「味方のミスは、全員でカバーする」それも、仙台のチームコンセプトの一つだ。その事を、蜂須賀は改めて認識した事だろう。こういう経験をする事で、「次は絶対にミスできない」という、強い意識が植え付けられ、更なる技術向上、判断力の向上、そしてプレーの質の向上へと繋がっていく。本当に蜂須賀は、ルーキーイヤーながら、良い経験を積めていると思う。サポーター全体が、蜂須賀の先発出場機会が重なる度に、彼の経験と成長を見守っている。
 
迎えた後半。
 
この日の仙台は、前線からのプレッシングも良く効いていた。暑さの中で厳しかったとは思うが、大分の選手のポゼッションの質を考えれば、相手のミスを誘いやすい、前線からのプレッシングは、正しい戦術だったと思う。問題は、それが90分を通してやり切れるかどうか、という点だった。どこかで運動量が落ちれば、それをきっかけに、大分の猛攻に晒され始める可能性もあった。
 
よって、本来であれば、短期連戦の最中という事もあり、早めの選手交代策というのも考えられた。だが、手倉森監督は、後半の39分まで、先発メンバーのままで試合を運んだ。
 
これだけの蒸し暑さの中、しかも連戦の真っ最中に、この時間帯まで選手交代をせずに試合を運ぶのは、異例とも思えた。だがこれは、この試合を勝ちきるための、苦しい決断でもあった。
 
その理由は、「試合終盤で、選手交代で時間を使うため」だった。つまり、早めの交代としてしまうと、試合終盤に、選手交代で時間を消化する対策が獲れなくなるから、交代を我慢した、という事であった。
 
これは、1点を先行しているが故に、採れる策だった。試合終盤で、如何に時間を使い、相手に得点機を与えずに逃げ切るか。そういうベンチワークも含めての「堅守」だったと言えよう。
 
その後、後半39分にようやく、赤嶺を武藤に代え、5分後の44分に、梁を松下に変え、最後はアディショナルタイム2分経過後に、太田に代えて佐々木勇人を投入。選手交代の時間間隔も、絶妙だった。暑さで苦しいピッチ上の選手たちを、適度な時間間隔で小休止させるには、39分、44分、そして47分というタイミングは、必要にして充分だったと思う。
 
次節まで中2日しかない事を思えば、本当は、もっと早くに主力選手を下げ、疲労の蓄積を抑えたいところだったはずだ。だが、次の試合の事を考える采配よりも、まず、目の前の試合に、確実に勝つ采配を選択した、この日の手倉森監督の判断には、最大限の賞賛を送りたい。
 
或いは、もしかしたら、選手交代後の守備バランスが崩れて、そこから要らぬピンチを招く恐れを考慮して、という事も要因としてはあったかもしれないが。
 
いずれにせよ、虎の子の1点を、最後まで守りきって、公式戦7試合ぶりの勝利を挙げる事に成功した。その決勝点は、なんと、仙台のセカンドストライカー・菅井の、今季初得点だった。それもその得点シーンは、彼の攻撃参加の特徴でもある「なんでそこにお前が居るんだ」シチュエーション、そのものだった。あの得点シーンまで、菅井は、前戦に攻撃参加するのを我慢し、先守防衛に努めていた。それも、「まず失点しない」というゲームプランのため。それをベースにしつつ、要所での攻撃参加とした事により、大分のディフェンスの意識の「虚」を突けた格好とも言えるだろう。今季、菅井にまだ得点シーンが無かった事も、大分のスカウティングの網をかいくぐれた一因のような気もしている。
 
また、今季は赤嶺になかなか得点が産まれていない事も、仙台の得点力低下の一因ではある。だがしかし、セカンドストライカー・菅井が今季初得点を決めた事により、彼の「覚醒」にも期待が持てるようになった。それをアシストした赤嶺にも、何らかの「ヒント」が与えられたようなような気もしている。
 
次節までの時間は少ないが、ホーム開催である事、そして何よりも、勝って帰仙できる事が、選手たちにとっては、一番の疲労回復剤のはずだ。
 
結果論だが、これで、湘南戦・大分戦と、2戦で無失点を記録。相手の現在の順位や、その礎である、得点能力の無さを考えれば、決して手放しで喜べない記録ではある。だが、「俺たちはどことやっても失点しない」などと言う、明らかな誤解さえしなければ、2戦連続の無失点という記録そのものが、今後の堅守性向上への自信へと繋がる事は、充分に考えられる。
 
そのためには、今節の蜂須賀のような、ミスから失点のピンチを招くようなシーンを、できるだけ創らない事。本当の意味で「失点しないチーム」というのは、小さなミスすら厳しく反省し、その経験を次に活かし、チームとしてのディフェンス力を、皆で高めていけるチームである。
 
仙台の得点力は、まだまだ発展途上にあると言えるだろう。だがその反面、守備力は、チームとして長年培ってきたものがベースにある。今季の後半は、そこを磨き直し、1-0で勝つ試合を増やす意識で臨んでも良いかもしれない。
 
盛夏の入り口で、更なる上位浮上のきっかけを掴んだような気もする仙台。今節の、この大分戦の戦い方、そして掴んだ1-0の勝利という結果が、今季の仙台の向かうべき方向性を示しているような気もする。
 
最後に、この点にも触れておきたい。
 
もう既に各メディアで大きく取り上げられているが、大分との対戦が、10年ぶりの対戦であったこと、そして、前回の対戦が、あの「J2降格が決定した2003年のアウェイ対戦、あのときと同じスタジアム」だったという事。また、あの試合では、今日の私たちの指揮官である手倉森氏が、当時は大分のコーチだったこと。
 
結果として「あの日のリベンジ」は適った。ただ、あくまでもこれは、一つの歴史の一幕に過ぎない。大分にリベンジを果たすために、これまで、選手もサポーターも頑張ってきた訳ではないだろう。だが、10年という刻は、実に長かった。当時、仙台に在籍していた選手も、もう菅井と中原だけしか残っていない。その菅井が挙げた唯一の得点が、決勝点になったというのも、何かの因縁かもしれない。
 
感慨深い想いはあるが、終わってしまえば、仙台の歴史の1ページだ。
 
私たちサポーターには、すぐにまた「次の1ページの目撃者となる役目」が待っている。
選手と共に、歴史を刻もう-。



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