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若手選手の起用が多かった鹿島。だが、若さがある分、試合にノせてしまうと、手が付けられない心配もあった。その事を、筆者プレビューでは「フレッシュさを前面に押し出して伸び伸びとしたプレーに期待できるところ」と表現した。
それが、悪い意味で「当たってしまった」ような気もする。
鹿島は、試合の序盤から、ガンガンと前へ攻勢に打って出て来た。以前の鹿島のプレースタイルとは思えない、チャレンジングな姿勢を感じた。だが、それもそうだろう。あれだけ若い選手起用で構成した先発なら、血気溢れるプレーも滲み出てくる。その勢いに、仙台は、前半のほとんどで圧されっぱなしだった。
アタッキングサードへボールを運ぼうにも、帰陣の速い鹿島のディフェンス陣が、仙台の想うような攻撃展開を許してくれない。ここで、いつも思っている「仙台の攻撃は、他のチームと較べてもワンテンポ遅い」という課題が首をもたげ、アッサリと鹿島ディフェンス陣に包囲される。仕方なく、ボールをバックパスで返し、仕掛け直しをするハメに。
前半は、その繰り返しのようなものだった。結果、前線で孤立するウイルソンによる、仙台のファーストシュートが放たれたのは、前半の40分を廻ってから。この日最大の決定機は、右サイドのハーフウェイ付近から、渡辺広大がロングフィードで放り込んだボールが一気にウイルソンへと繋がり、シュートを放てた場面だった。
この日初めて、公式に記録されたシュートだった。だが結局、このシュートシーンも鹿島GK曽ヶ端に阻まれ、前半が終わってみれば、シュート数の記録は、このシーンによる1本だけだった。
前半の31分に喫した失点が、仙台に重くのし掛かったまま、迎えた後半。
前半の反省から、後半は運動量が上がり、パスが繋がって、前半よりは攻撃的に行けるようになった。だが、鹿島は前半のうちにリード出来た事で、守備面で、前半よりも落ち着いた試合運びをしてきた。仙台の唯一の脅威カードであるウイルソンは元より、試合終盤に投入された赤嶺までもが、厳しいマークに遭い、仕事をさせて貰えなかった。
どうしても追い付きたい仙台だったが、後半45分に、勝ち点1の希望すら打ち砕かれる追加点を鹿島に許してしまった。
鹿島に許した2得点は、共に、塩釜FC出身の遠藤康の記録だったが、そのアシストは、2点目ともダヴィ。彼の突破力が、この日の仙台2失点の起点だった。
だが、この日の2失点はともかく、無得点、いやそれ以前に、なかなかシュートで終われない展開が長く続いてしまった事のほうに、前節の新潟戦以上に、危機的な臭いを感じる。
少なくとも仙台は、鹿島の守備陣を崩す事が出来なかった。前半40分のウイルソンの決定機がモノになっていれば、また展開は違ったかもしれない。だが、あそこで追い着けたとしても、後半はまた鹿島の攻勢の餌食となり、後半45分間のどこかで失点し、結局は敗戦していた可能性は、決して低くないだろう。それに、そういった展開は、前節の新潟戦で、既に味わっている。
どうして、こんなにもシュートで終われないのか?
理由は、以外にも簡単なところにあると感じている。
一つは、鹿島のディフェンス陣の足があれだけ速いにも関わらず、仙台の攻撃展開のスピードが上がらなかったから。守る相手よりも速く攻めなければ、攻め切れる(=シュートで終われる)はずも無い。
それなのに、「シュートで終われそうにないから」と言って、何度もボールを下げ、攻撃を仕掛ける意識を自ら捨てていた。
半ば強引にでもシュートで終わるシーンを作れば、少なくとも「あの仙台の選手はまたシュートを撃ってくるかも」という注意喚起を、相手に植え付ける事ができる。しかし、前半の40分までに公式なシュート記録が成されなかったような試合展開では、鹿島には逆に「仙台はシュートをほとんど撃って来ない」と思われ、気持ちの面で、余裕を与えてしまったかもしれない。
この時点で、既に、「勝ちたい」という気持ちの面で、負けていた様な気もする。
そしてもう一つの理由は、攻撃に臨機応変性が全く観られなかった事だ。
「何とかの一つ覚え」のように、パスを繋いで相手を崩す事しか考えられないようなサッカーばかり。相手があれだけ前へガンガン攻めて来ているのだから、相手の裏を狙うロングボールを出して味方を走らせたり、また、せっかく左サイドバックにロングスロワー・二見が居るのに、結果的に、彼がロングスローでチャンスを創れた数は、新潟戦のそれと較べても数えるほどしかなかった。記憶では、前半のうちに1本、その機会が有ったか無かったか、くらいである。
ガンガン前へボールを入れるサッカーは、一見、「縦ポンサッカー」とも揶揄され、パワープレーの時くらいしかお目に掛からない事が多い。だが、90分を通した要所でコレを行い、相手のクリアがタッチラインを割れば、スローインのチャンスが得られる。この位置が、相手ゴールに近い位置であればあるほど、二見のロングスロー攻撃が活きるはずだ。
なのに、その「強み」さえ、仙台は、この鹿島戦で見せる事が出来なかった。
そんなに、「縦ポンサッカー」が嫌いか?
綺麗に相手を崩せなければ、シュートを撃ちたくないか?
「綺麗なサッカー」をやって、「華麗に散りたい」のか?
たぶん、サポーターは、そんなサッカーなんか、始めから求めてはいない。
もちろん、そういうサッカーを目指して、そして「その」サッカーで、結果を常時出せるようになるのが理想だ。
しかし、世の中、そんなには甘くない。
もっと、泥臭いサッカーをやって、得点機を一つでも数多く作り、そして、その中から、一つでも多くのゴールを奪う、地べたの土に顔を擦り付けてでもゴールを奪う姿勢で臨まなければ、J1クラスの強豪からゴールを。そして勝利を奪う事なんて、出来ないんじゃないのだろうか?
「1年は長い。まだ時間はある-」
と考えているようなら、その時点で、J2降格は決まっているかもしれない。
昨年、屈辱の13位でフィニッシュした仙台だったが、皮肉にも、前節の第1節・新潟戦を終えた時点の順位も、同じ13位だった。
今季のJの神様は、「仙台は、昨年と同じ立ち位置から今季をスタートしなさい」と言っているのか?そんな偶然も手伝って、筆者は余計、「昨年から続くリーグ戦の連敗」を気にし続けている。
確かに、監督が変わり、布陣が変わり、先発で起用されるメンバー構成にも変化があるから、それに対する「慣れ」は必要だし、それに時間が掛かるであろう事も判っている。
だが、現在の仙台の戦い方を観ると、そういう「目に見える要因」が、勝てない原因だとは、筆者には、とても思えない。
この低迷の原因を、「新しい事に対する不慣れ」と捉え、それが改善されるまで我慢するのか。
それとも、この低迷の原因を、「泥臭さへの嫌悪」と捉え、チーム全体的に、気持ちの面から叩き直して次に臨むか。
テクニカルな面に固執し過ぎて、メンタルの大事なものを見失うな、仙台。
その「姿勢」を誤れば、一昨年のガンバ大阪のように。
その「姿勢」を誤れば、昨年のジュビロ磐田のように。
明日は「我が身」だ。これは決して、他人事じゃない。
「気持ち」を入れ替えろ。全ては、そこからだ-。
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