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仙台1-2奈良 J2でもJ3でもJFLでもない地域リーグのクラブによって、仙台は「奈良クの底」へ突き落とされた。先制点を活かす事も出来ず、最後は元仙台の岡山一成に決勝点を奪われ、今季の天皇杯は、逆転負けという結果であっけなく終焉。リーグ戦再開へ向け、ダメージの大きすぎる結果に。

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 まず、この一戦に向けて発表された先発メンバーをみて、己の目を疑った。

サブメンバーに一部の組み替えはあったものの、先発メンバーの構成は、前週のプレシーズンマッチ・新潟戦(以下、PSM)と、何ら変わりが無かったからだ。仙台の絶対的主力であるはずの、ウイルソンや赤嶺の名は、ベンチメンバーにも無かった。

 再開するリーグ戦を一週間後に控え、そろそろ先発メンバーを、リーグ戦と同じ構成にして、試合勘も含めての調整の時期にあったはずなのだが、指揮官の選択は、PSMの延長線上のそれ。もっとも、それで、カテゴリーが4つも下の相手に対して勝ち切れれば、別に文句の言いようもないが。

 
一抹の不安を覚えつつ、例年よりも早い時期の開催となった、今季の天皇杯の緒戦を迎えた。
 
対戦相手は、あの岡山一成やシュナイダー潤之介が在籍する奈良クラブ。J2でもJ3でもJFLでもない、関西の地域リーグに所属するクラブだ。だが、「J1の仙台」は、「カテゴリーが4つも下の相手」に対して、結果的に、無惨な逆転負けを喫してしまった。
 
試合を簡単に振り返ると、前半33分に柳沢の得点で先制点を挙げる事に成功。だが後半、追加点のチャンスを尽く逸し続けた仙台に、厳しい結果が待っていた。後半30分。ディフェンスのミスからボールを失い、綺麗に崩されて失点を許すと、後半41分。なんとフォワードとしての選手登録だった岡山一成に、カウンターから、見事過ぎる決勝弾を許してしまった。
 
指揮官の判断と選択は、おそらく「このメンバーでも、充分に勝利を狙える。ウイルソンと赤嶺は、リーグ戦に向けての情報の隠蔽と、戦力の温存」という事だったのだろう。
 
だが、相手を舐め過ぎてはいなかったか?
 
敗戦する事には何の意味もない、天皇杯という、国内最大のカップ戦の緒戦。それを、こんな情けない形で、相手に「ジャイアントキリング」的な勝ち方を許すなど、およそ考えられなかった。少なくとも、赤嶺とウイルソンはベンチに置くべきで、この一戦を「一週間後のリーグ戦を見据えた強化試合」として扱うべきだった。
 
ある意味では、「結果にかかわらず、戦力の底上げの一環。もちろん負けるつもりはない。」という意味合いもあっての起用選択だったかもしれない。だが、リーグ戦の谷間ならまだしも、長い中断期間の末に訪れた、公式戦ホーム連戦において、疲労感の全くない、かつ、絶対的主力であるはずの赤嶺とウイルソンを、全くベンチにすら置かないというのは、到底に考えられない選択だった。
 
どんな相手であれ、打てる手は全て打ち、緒戦から相手を全力で倒しにいくべき姿勢こそ、今の仙台に求められる姿ではなかっただろうか?
 
試合後のネットでの情報や、翌日の各紙面には、「奈良クラブのジャイアント・キリング達成のニュース」が舞い踊っていた。筆者の想いとして、「仙台は、必ずしもキリング達成の相手と観られるほど、ジャイアントなチーム」とは思っていない。J1に在籍しているというだけで、そのチームを倒してジャイアントキリングと言われてしなうなら、来年以降も、仙台相手なら「ジャイアントキリングを達成できるチーム」は、量産される事だろう。例年、仙台の天皇杯での苦戦、いやそれどころか敗戦は、もはや「伝統の域」に達している。
 
それにしても、岡山やシュナイダーには、素直に「おめでとう」を言いたい。彼らからしてみれば、愛着ある古巣のクラブを相手に、しかも、当時のホームスタジアムで、勝利を収める事こそ、悲願以外の何物でも無かったはずだ。
 
その気持ちを、この日の試合後の仙台サポーターは判っていた。懐かしい、岡山やシュナイダーの選手チャント。彼らの悲願達成を、古巣の仲間として称える姿は、ごく自然のものであった。
 
そういえば、この一週間前に、ほぼ1軍の戦力をPSMに投入してきた、新潟はどうだったか?と言うと、福井県代表のサウルコス福井を相手に、8-1と、情け容赦ない勝ち方で、駒を順当に3回戦へ進めていた。大人げなく、PSMにエースの川又を投入してきた新潟だったが、ある意味では「PSMは、天皇杯に向けた調整試合」とも観ていた。そして新潟は、充分過ぎるほどの結果を出し、弾みを付けて、再開するリーグ戦へ臨める事となった。
 
新潟が、PSMでほぼ1軍を投入してきたように、仙台は、この天皇杯で、ほぼ1軍を投入するべきだった。結果が伴わなかったからこそ、より一層、それを強く感じる一戦だった。
 
振り返れば、PSMと天皇杯という、公式戦2戦において、「選手層の底上げと主力の温存」以外の意味を全く感じない起用法と、そして、連敗という散々たる結果。少なくとも、PSMでの主力温存は理解できたが、それもこれも、選手起用も含め、この天皇杯に全力で挑んで、勝利を掴んで欲しかったからに他ならない。
 
結果として、赤嶺とウイルソンは、公式戦での試合勘を取り戻す事なく、いきなりリーグ戦に臨まねばならない。コンディション的には申し分ない状態で臨めるかもしれないが、これでもし、リーグ戦でいきなり敗戦でも喫そうものなら、PSMと天皇杯で、赤嶺とウイルソンを「温存」した意味など、全く無い。
 
振り返れば、リーグ戦4連勝で迎えた中断期間中、ナビスコカップ・PSM・天皇杯の合計5戦の戦績は、なんと1勝4敗。それも、勝利したガンバ大阪戦以外の4戦全てで複数失点を喫している。対する得点力も、5試合平均1得点と、決して向上している訳ではない。
 
延岡まで出張ってミニキャンプを敢行した結果が、この有様か?
 
こんな状況で、リーグ戦は本当に大丈夫なのか?
 
今から、不安で胸がいっぱいである。



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