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いよいよ再開したJリーグ。待ちに待ったこの一戦は、結論から言えば、スコアレスドローで決着。本当に、柏との対戦カードは、1点差、もしくはスコアレスドローが多い。J1復帰後、スコアレスドローはこれで4回目とか?ただそれでも、「今回のスコアレス」は、得点シーンという醍醐味を除けば、再開したリーグ戦に向けて、今後の戦い方のヒントに成り得た、収穫多い一戦だったと思っている。
キックオフの19:00を待ち侘びていたところ、なんと、雷雨の影響で1時間遅れの報。予定が1時間もズレてしまった事で、選手のモチベーションや集中力への影響も懸念されたが、いざ始まってみれば、その心配は杞憂だった。
水含みのピッチ状態を考慮し、試合の入りで仙台が選択した戦い方は、ロングボール主体で柏を自陣に押し込めるものだった。これがハマり、ピッチ状態を憂慮しながらもパスワーク主体だった柏の「ノッキング」を尻目に、仙台は、次から次へとチャンスメーク。ここのところ公式戦で、その活躍が台頭してきた八反田が先発した事もあり、仙台の攻撃は「活き活き」としていた。また、ロングボール主体だけかと思いきや、右サイドが開くのを見れば、そのスペースへボールを配球し、太田を走らせる。太田が右サイドを突破してクロスを供給するたび、仙台の選手は最低3人はエリア内へ進入し、フィニッシュチャンスを伺うシーンが散見された。
正直、観ていて「面白い」と感じられる内容の前半だった。前半のシュート数こそ「3」と少なめだったが、その数字には表れない決定機の創出を、仙台は出来るようになっていた。
アウェイでの戦いあるうえに、ウイルソンも、梁も居ない。期待のハモン・ロペスも、Jへの登録が間に合わなかった。雷雨のために、ピッチ状態は水含みで最悪。その影響で、キックオフが1時間も遅れてしまい、集中を欠かれてしまいかねない状況だった。だが、これらの「逆境」をものともせず、仙台は、前半の入りを、非常に良い形で臨む事ができた。
だが、せっかくの決定機の創出も、相変わらずフィニッシュの精度に課題の残る仙台の攻撃陣。良い攻撃を展開するところまでは出来ても、最後に「しっかり仕事」の出来る選手に乏しい仙台にとって、前半スコアレスという結果は、良くも悪くも「予想された範囲内」のものだった。
迎えた後半。柏は、前半の不出来に腹を据えかねて、後半の頭から狩野健太を投入してきた。すると、前半にノッキングを起こしていた攻撃陣が、途端に活性化。まるで、一定以上の回転数を得られると途端にそのパワーを産み出す、自動車のエンジンの仕組みで言うところの「ターボ」効果が現れてきたかの如くだった。
これには、仙台も堪らず。増した柏の圧力に、自陣で耐える時間が長く続き、シュートを撃つどころか、敵陣へボールを運ぶ事すら適わなくなった。後半の時間が進むにつれて、ピッチ状態も回復が進み、柏が本来やりたかったパスワークが機能するようになってきた事も手伝っていた。元々、彼らのホームだ。本来のピッチ状態なら、彼らのほうに分があるのは明白。仙台は、試合終盤へ向けて、選手交代で状況打開を図る他に選択肢は無かっただろうか。
だが、期待のハモン・ロペスの登録が間に合わなかった事に加えて、この日は梁の帯同もなし。ベンチに居るFWは、「FW登録の」鈴木規郎と武藤雄樹。敵に脅威を感じさせるだけの選手をベンチに置けなかったのが悔やまれる。
結局、後半15分に鈴木規郎を、後半26分に武藤雄樹を投入しただけで、状況に変わりはなかった。武藤が入ってからは、元気な武藤の攻撃参加によって、ようやく後半にフィニッシュシーンを創出できるようになったものの、その前に投入した鈴木規郎は、単なる交代要員的な役割しか果たせず、柏の攻撃をスポイルさせるまでには至らなかった。あれなら、先に武藤の投入でも良かったのではないか?と思えるくらいだった。
ともかくも、前目の攻撃の選手2人を交代した仙台。だが、3人目となると難しかった。相手の柏の攻撃に耐えるためには、せっかく無失点で凌いできた守備陣のバランスを崩したくはない。1点でも獲ってリードしているなら、守備陣の枚数を増やして逃げ切る選択肢もあっただろうが、得点はスコアレス。入れるなら攻撃的な選手。せいぜい、太田を佐々木に代えるくらいしか選択肢が無かっただろうが、気温が低かったせいで、運動量にはさほど影響しなかったのだろう。太田の運動量も最後まで落ちなかったため、様子を見る時間帯が長く続いた。
対する柏も、3人目の交代の判断は難しかったようだ。結局、お互いが「3人目の交代を我慢する展開」を見据え続け、そのまま試合は終了。Jリーグ再開戦の緒戦は、0-0のスコアレスという結果に終わった。
この結果を、どう観るかは、サポーター一人一人次第だ。「勝ち点3を逃した」とも「勝ち点1を拾った」とも言える一戦。前半の攻勢のうちに先制点を挙げれていれば、1-0で勝ちきれる展開に持ち込めた可能性は多分にある。反面、柏の後半の攻勢を凌ぎきった活躍を観れば、負けずに済んだという見方も出来る。
いずれにしても、結果は0-0。勝ち点は1に留まった。だがこの一戦からは、勝ち点の大きさ以上に、結果として、今後の戦い方のヒントに成り得た。昨年からポゼッション主体の戦い方に挑戦している仙台だが、この一戦では、ピッチ状態を鑑みてのロングボール主体を選択。結果的に、今節はこれが功を奏した。
しかし、このロングボール主体の戦い方は、何も「オプション」としてだけ利用すれば良い、というものでもないはずだ。むしろ筆者は、これを、仙台の主戦術として、普段から取り入れても良いのではないか、とさえ考えている。ポゼッション主体の戦い方については、戦い方の引き出しを増やす意味や、試合の中での選択肢(つまりオプション)を増やす意味でも、今後も練習を重ねて、じっくりとモノにすればいいだろう。(それ以前に、そもそも、ポゼッション戦術を目指すに適した選手層でない事は、このチームを長く観てきたサポーター諸氏であれば、誰しもが判っている事である。本気になってやるなら、J2陥落をも覚悟のうえで、獲得する選手や育成する選手(特に攻撃的選手)を見定め、我慢しながらリーグ戦で経験を蓄積させるところから始めなければならない。と考えている)
ロングボール主体の戦い方は、仙台がJ2の時代から、いや今でもJ2のチームの多くが取り入れているであろう、シンプルな戦術だ。天皇杯のように、格下のチームが格上のチームと対戦する際にも、「とにかく敵陣でのプレー時間を増やせば、何かが起きるかもしれない」と、半ばオプション的に採用される事の多い戦術でもある。またそれ以前に、90分の戦いにおいて、どうしても1点が欲しいときに、試合終盤のパワープレーで使われるケースも多い事から、「困ったときのロングボール頼み」的に観られる事も多く、どうしても「窮地の際に使う手段」というイメージが強い。
このため、まがりなりにもJ1に所属するチームが、ロングボール主体の戦い方を主戦術とする事には、異を唱えられる方も多いだろう。だが、今の仙台にマッチングし、結果を残せる戦術であるなら、例えそれがロングボール主体の戦術だろうと、躊躇う必要はないはずだ。
またそれを、割り切って、その戦い方に磨きを掛けても良いのではないか?
そうなると当然、前線で収まりの良い選手や、ポストプレーの得意な選手を獲得したくなるので、今後はそういう選手の獲得を目指せば良い。
戦術がシンプルなだけに、極めれば、奥の深い戦い方が出来るようになる可能性はある。J2の舞台において、ロングボール主体の戦術のチームで、その能力を開花できずに埋もれている選手を発掘できるかもしれない。
つまりは、「仙台は、他のチームと同じ事をやっていてはダメだ」という事だ。他のチームが「ロングボール主体なんて古くさいし、高校生でもやれるし、そんなのパワープレー用の戦術だ。J1向きじゃない」とバッサリ切り落とすなら、仙台は敢えてそれを拾い上げ、磨きを掛けても良いのではないだろうか。
他のチームと同じ事をやっていたら、いつまでも経っても、仙台は優勝争いの常連にはなれないだろう。他のチームと同じ事をやるという事は、それが出来る選手(もしくは将来性の見込める選手)の獲得を、他のチームと争う事になる。当然、お金や、設備や、地域的優位性の面で優れたチームには適わない。
仙台のJ2時代に、どれだけ勝利を収めても、「チャレンジャーの精神で臨む」という気持ちを公言していた選手が多かった。だが近年、それを口にする選手は激減。ここ2~3年は、記憶にすらない。
J1に長く在籍している事で、挑戦者たる気持ちを忘れたか?
何度でも言う。
他のチームと同じ事をやっていてはダメだ。
只でさえ、来季からは、シーズンが前後半に分かれての2季制になるのだ。当然に、「シーズンを通しての安定的な強さ」よりも、「よりリスクを覚悟で得点に挑戦する強さ」のほうが、前季優勝、或いは後季優勝に繋がる。つまりは、こうだ。
・シーズン前半の17試合は、カップ戦の予選リーグである
・シーズン後半の17試合は、カップ戦の予選リーグである
・どちらかの予選で「1位通過」すれば、スーパーステージ或いはチャンピオンシップに進出して、年間優勝の可能性が広がる
となる訳だ。当然、各チームも、この来季からのレギュレーション変更に併せて、来季へ向けて戦い方を考えているだろう。今シーズンが終わってから、来季の事を考えていては、遅いのだ。
今季はズバリ。J2陥落さえしなければいい。
個人的な目標は、「来季の前季優勝」だ。ウイルソンとハモン・ロペスを軸に、開幕ダッシュを決めて、仙台に、念願の初タイトルを。
今節の「勝ち点1」は、その目標へ向けた、大きな1歩だ。
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