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中断期間明けの2試合を、0-0、3-3と推移している仙台。地道に勝ち点を1ずつ積み上げ、どうにか11位~12位を維持してはいるが、いつの間にか、降格圏に沈んでいたガンバ大阪に、順位で抜かれていた。たった2試合で降格圏から脱出出来たという事を裏返せば、たった2試合で降格圏に沈む事もあり得る。現在、16位に居るヴァンフォーレ甲府とは、たったの勝ち点3差だ。”危険水域”をなかなか脱し得ない仙台、今度こそ、中断明け初勝利を掴みたい。
J1第17節、FC東京-仙台の一戦は、味の素スタジアムで開催される。長いシーズンの折り返しとなる一戦、区切りという意味でも、是非勝って、長いシーズンの折り返しを迎えたい。
中断明けの2試合を引き分けとしてはいるが、内容は上向き。柏戦では堅守で無失点を記録し、名古屋戦では、久しぶりにセットプレーから2点を挙げ、赤嶺のスーパーな先制点と併せて3点を記録。名古屋に食い下がられて惜しくもドローとなったが、勝負強さが戻ってきた感もあり、自信を以て次節に臨める状況にある。
前節はようやく、ウイルソンと梁勇基が戻ってきた。やはりこの2人が入ると、攻撃の「圧」が違う。また、前線が、赤嶺とウイルソンの”二枚看板”になると、ボールを持ったときの攻めの期待感が全然違う。結果、名古屋戦では、敵陣奥深いところでフリーキックを獲得し、そこからのセットプレーで2得点を挙げた。また、この時の得点者が、右サイドバックの菅井(先発)、そして、左サイドバックの二見(後半7分に、負傷の石川直と交代で投入)という点も見逃せない。今後は、セットプレーの際のマークが分散し、相手が守りにくくなる。更には、この2人の頭にドンピシャリで合わせた、梁のセットプレー精度の復活にも注目したい。あんな精度でのフリーキックを見せられた相手は、仙台に、「自陣内でのフリーキックを与えたくない」と思うようになり、こちらの攻撃に対するマッチアップのシーンでも、躊躇いを植え付ける効果がある。結果、攻撃のフィニッシュであるシュートで終われるシーンが、今後は増えていく予感もある。
さて、今節の対戦相手であるFC東京。現在9位だが、仙台との勝ち点差は、たったの2。勝てば、順位でFC東京の上に行ける。そのFC東京は、今季新加入フォワードのエドゥーが出場停止。ただFC東京は、フォワードの駒の層が厚く、エドゥーを欠いても、渡邉千真や平山相太といったハイタワーな選手が控えており、決して戦力ダウンとは見て取れない。仙台としては、あまり、相手の戦力減については考えないほうが良いだろう。(相手の戦力減で勝てるなら、闘莉王もケネディも居なかった名古屋にだって勝てたはずである。レドミ一人に仕事をさせてしまうようでは、仙台もまだまだ、である)
その他、FC東京のベンチメンバーには、東慶悟、羽生直剛といった、先発してもおかしくない「即戦力」が並ぶ。1人くらい先発メンバーの駒が欠けても、彼らは、それで大きく困る事はないだろう。
この一戦で仙台が狙いたいポイントが一つ、そして注意すべきポイントが二つある。まず「狙いたいポイント」は、可能な限り、敵陣でアタックする回数を増やす事。これは、敵陣でのプレー時間の事を言っているのではなく、カウンターの類で構わないから、シュートで終わる、或いはサイドからクロスを入れるといった、チャンスの数を多くつくる、という事である。
ウイルソンと梁が先発復帰した仙台なら、ボールを持ったときの攻撃性は、それだけで相手の驚異だ。攻める回数を増やす事で、必然的に、得点機会も増す事になる。但し、一遍通りの単調な攻撃はNG。カウンターや、ドリブルや、サイドを剔る、楔のキラーパスを入れるなどのバリエーションを繰り出さないと、相手のゴールは割れない。
その反面、「注意すべきポイント」の一つ目として言いたいのが、「点が欲しいときの遅攻はNG」という事。仙台にとって、過去も現在も、遅攻は不得手な戦術だ。その遅攻を余儀なくされるシチュエーションこそ、「相手が先制点を獲り、攻撃に余裕を与えてしまう展開」である。
よって、先制点を与えてしまっては絶対にいけない。先制点を与えてしまうと、相手は無理に攻めてくる必要がなくなり、必然的に仙台は遅攻を余儀なくされる。引いた相手ほど、仙台にとって苦しい戦いを強いられる。むしろ、相手が点を欲しがって前掛かりになってくれるほうが、仙台にとっては戦い易い。だからこそ、仙台にとって重要なのは「先制点」だ。
そして、「注意すべきポイント」の二つ目として、一つ目よりももっと重要なのは、「先制点を獲ってからの展開」である。現在の仙台は、先制点を奪ったあとの2点目が遠く、相手に逆転への勇気を与え続けてしまう。下手に先制点を前半の早い時間に獲ってしまうと、2点目が遠い仙台としては、追いつこうとする相手の攻撃の圧力が上がるのを防ぐのに精一杯になってしまい、逆転負けを喫するような展開すら、悔しいが十分に考えられる。
むしろ、0-0のまま試合終盤へ突入し、ギリギリの時間帯で決勝点を挙げる展開のほうが、よっぽど勝利に近いのではないか?とさえ思えてしまうくらいだ。それなら、試合終盤に1点を挙げれば勝てる。だが、もし先制点を早い時間帯に「獲れてしまった」ときは、むしろ「仙台にとってのピンチ」ぐらいに状況を認識し、2点目を獲るための攻撃の圧力を上げる必要がある。そのくらいの勢いを持たないと、相手の「何としてでも追いつかねば」という勢いに負け、逆転されてしまう事も、充分にあり得る展開である。
何度でも言う。
いまの仙台にとっての最大のピンチは、「早い時間帯に先制点が獲れた時」だ。
前節の名古屋戦も、前半19分という早い時間帯に赤嶺が先制点を挙げておきながら、その後に2点目を挙げるのが遅かったため、後半13分に、田口に同点弾を許してしまった。ハーフタイムで名古屋が小川と玉田を投入して来た事に対しての対応が甘く、カウンターが機能しなくなったため、得点機そのものを失ってしまったのが「敗因」だ。結局、武藤を投入したのは、田口に同点弾を決められてから。もし、同点に追いつかれる前に、先に武藤投入の手を打っていれば、試合の展開はまた違ったものになっていただろう。
この展開からも判るように、仙台は、「追いつかれる前に、2点目を奪いに行くための判断」が甘い。いつも1点差で逃げ切れるほど、J1は甘いリーグではない。1点目を獲れたら、2点目を獲る事をすぐに考えないと、いつまでも経っても連勝など不可能。中断明けのプレビューで「4連勝など忘れたほうがいい」と書いたのは、こういう理由もあるからである。1-0で勝てる試合など、そう何度も続けられない。安定的に勝つためには、2-0や3-0くらいで勝つ試合を増やさないといけないのだ。
ただ、今の仙台の状況なら、決して難しい事ではなくなって来ているはず、とも思っている。
大事なのは、「仙台の現在のチーム状況をきちんと把握して、適切な試合運びが出来るか」である。特にこの夏場は、ペース配分も考えないといけない。だがそれは相手にも言える事であり、夏場の戦いは、常に「この暑さを、味方に付けるか敵に廻すか」が、勝敗を分けるポイントになっている。
例年、仙台は、夏場が過ぎて涼しくなった頃に復調するが、今季は、それでは「遅い」のだ。夏場に疲弊し、秋口に復調する頃には、勝ち点で残留争いのライバルに水を空けられている可能性だって、充分に有り得る。
今年は、この夏場に、既に「残留に向けた正念場の戦い」が始まっている。
「さぁ後半戦、ここから仕切り直し-」とか考えているチームがあれば、確実に、今季のJ1の戦いを舐めてかかっている。そういうチームは、最終的に、J2降格の憂き目に遭うだろう。
少なくとも、我らが仙台は、そういうチームであって欲しくはないし、そういうチームでは無いと信じている。
さて、今節の結果や如何に-。
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