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大宮から、「カムさん」こと村上和弘選手の期限付き移籍加入がリリースされた。
2006年に仙台を退団して以来、8年ぶりの仙台復帰。また、完全移籍で出て行った選手が、現役で仙台に再加入するのはこれが初めて。(以前、中原が1年だけ新潟に移籍したが、あの時は期限付き移籍であり、"本籍"は仙台のままだった)
”ショージ”の愛称で呼ばれていた同選手は、以前の仙台在籍時代でも、人気を博した類の選手だった。2006年末、サポーターに惜しまれながらも戦力外となり、川崎へ移籍していった村上は、川崎で3年、大宮で5年目を迎えていた。
現在、仙台はサイドバックの選手を中心に、守備陣の負傷離脱が続いている。蜂須賀も石川大徳も石川直樹も完全復帰には至っておらず、菅井直樹も、前節の試合で負傷退場を余儀なくされた。あまりにもサイドバックの人材に事欠き、今節の大宮戦のサイドバック起用に、指揮官が頭を悩ませる事態に陥っている。
そんな中、「あの」村上選手の移籍加入が突然にリリースされた。噂すら立たなかったこの移籍話は、おそらく、菅井の受傷を受けての緊急的なものだったに違いない。残念ながら、契約の関係上、村上は今節の大宮戦には出場出来ないが、次節以降でのサイドバック先発起用にメドが付いた事から、従来のサイドバック陣が、負傷から復帰するまでの間のピンチヒッターとなってくれるだろう。
もっとも、8年もの間、2つのJ1チームで準主力級の活躍を続けて来た選手だ。仙台としては、単なる穴埋め的な起用に留まらず、その経験を活かし、戦術的な起用も考えているだろう。守備的なポジションならどこでもやれるとの事なので、試合の流れによって流動的な起用が観られるに違いない。
サポーターの中には、この移籍話に、諸手を挙げて喜ぶ諸氏も。懐かしい顔が還ってきたというだけでなく、苦しい現状の救世主的な意味合いも強い。当然ながら、来たからにはそれ相当の「結果」に期待させて頂きたい。
そして、改めて。
「おかえり、村上選手!」
それからなんと、今週は、鹿島から野沢選手の獲得までも発表された。「100%鹿島産」の野沢は、鹿島ジュニアユースからの叩き上げで、日本代表にまで上り詰めた選手だ。2012年に1年だけ神戸に完全移籍したが、神戸のJ2降格に合わせて鹿島へ完全復帰している。
だが、この頃から鹿島は積極的な若手起用へシフトしていき、今季は先発出場なし、途中出場も8試合に留まっていた。
明らかな「主力外し」の憂き目に遭っていたところを、ハモン・ロペスの移籍手続きがままならない仙台が、触手を伸ばして獲得した、と言ったところだろうか。
普通に考えれば、これだけ「鹿島色」に染まった選手の完全移籍の話は、なかなか難しいもの。ただ、2012年に神戸へ移籍した経緯(これも出番を求めて)や、仙台には、元鹿島の平瀬アンバサダーや、先輩格の柳沢も在籍。当然、「仙台ってどんなところ?」と、情報は仕入れた事だろう。平瀬や柳沢の存在も、野沢の移籍決断の後押しになっているに違いない。
守備陣に負傷者が続出し、攻撃陣はその迫力に欠ける仙台にとって、村上と野沢の獲得は、タイミングを見計らった適材適所の選手獲得と言えるだろう。いや、本当に適材適所かどうかは、これからの数試合を観てからでないと判断出来ないか。
いずれにせよ、移籍ウィンドウの開く夏場は、外国人選手にとっても、日本人選手にとっても、活躍の場を求めて戦う場を変えるチャンスでもある。そのタイミングで、前述の2選手が仙台に来てくれた事に感謝したい。
だが、本来であれば、チームが万全な状態で、かつ成績も充分に残せているなら、こんな移籍話そのものが無かったに違いない。このタイミングでこの2選手を獲得した、その意味。当然ながら、そこには「残留争いからの脱出」というテーマしか存在しない。
ただ、残念ながら、今週に移籍加入が発表された2選手は、今節の大宮戦には出場は不可。2選手とも、早くとも来週から出場可能となる見込みである。よって、今節までは、現有戦力で凌がなくてはならない。
当然、求むるは勝ち点3のみ。今節の対戦相手となる大宮は、仙台と同様に、中断期間明けの3試合を2分1敗とし、勝ちきれない展開が続くも、新加入のムルジャや、今季も大宮在籍のズラタンは健在。大宮は、広島に3点差を付けられながらも、新加入ムルジャの活躍で、その3点差を追いついて勝ち点1をもぎ取った。また、ズラタンは3試合連続得点中。そんな力量、今の仙台には無い。
13位という中途半端な順位が、現在17位の大宮との勝ち点差が「5」しかない事を覆い隠してしまう。全く安泰ではないポジションのまま、じわじわと順位を下げ始まっている仙台。中断期間前の4連勝の「貯金」は、中断期間明けの3試合未勝利で、とっくに使い果たしてしまった。「債務不履行」に陥る前に、なんとか、勝ち点3の貯蓄を続けなければならないのだが。
2試合連続で3失点と、守備崩壊中の仙台。今節は、控えながら好調を維持している、渡辺広大の起用が予想される。というか、起用して欲しい。角田とのセンターバックコンビとなるのか、或いは、守備力向上のため、角田をボランチの位置へ「戻す」という案も浮上中。フレッシュな広大に加えて、角田の鉄壁性がボランチの位置で発揮できるとなれば、対・大宮攻撃陣の防御態勢としては、期待度充分。出来れば、鎌田の代わりに上本大海をも先発起用して欲しいくらいである。
注意点としては、今季の大宮は、4-4-2と3-4-3の使い分けをしているところ。使い分けがうまく出来るのなら、仙台にとっては脅威となる。現状の仙台にとって、マークのズレは致命傷レベルだ。前節のFC東京戦では、決定的なクロスやシュートを、マークのズレなどから、ほぼフリーで撃たせてしまった事が、前半だけで3失点の原因。当然、大宮もこの試合は研究している。夏場だからと言って、守備で奔走できないチームは生き残れない。90分のペース配分?そんな綺麗事、聞きたくもない。75分間で守備に奔走して0-0で凌ぎ、ラスト15分で、交代投入された選手が1点をもぎ取って勝てば良いだけの事だ。
つまり、こういう夏場での戦いこそ、泥臭く、割り切って1-0勝利を狙うべきなのだ。1試合で、2点も3点も安定的に獲れないチームは、1-0でしか勝てない。そういう試合は、年間で何度もやってくる。特にこの夏場は、理想とするサッカーなんか通用しない。今の仙台は、特にその傾向が強い。
夏場のサッカーで、「理想」を追い求める無かれ。
「美しく散る」サッカーなんて、観たくもない。
「泥臭く生き残る」サッカーこそ、夏場のサッカーの本懐だ。
攻撃で、パスを繋ごうとしてミスを侵し、カウンターを何度も喰らうようなサッカーを、いつまでも後生大事に続ける事に、何の意味があるのか。
ボールを奪ったら、一撃必殺。
ボールが繋がる事を信じて、味方は必死に攻め上がるべし。
そして、ボールを失ったら、全力で戻るべし。
1試合の間に、必ず何度か、得点機はやってくる。その時に点を獲れなければ、0-0で終わって勝ち点1をしぶとくもぎ取る。獲れれば、あとは必死に守り抜く。
夏場の戦いは、むしろ、途中交代で入った選手のほうが大変だ。走れなくなった先発選手の分まで、攻守に奔走しなければならない。それも、時間限定、でだ。
持っている力を、許されたプレー時間の中で100%発揮しなければならない。たとえラスト5分からの出場でも、そこから100%の力を出し切って、勝利に貢献して貰わなければならない。
勝利に向かって必死にプレーする選手を、サポーターは心から応援するだろう。
夏場のサッカーは、どのチームにも酷なものだ。
だからこそ、他のチームよりも必死にならなければいけない。
生き残るぞ、仙台。
順位なんか、忘れろ。
勝ち点なんか、忘れろ。
全ては、目の前の1勝のために-。
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