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仙台1-2横浜FM 前半のうちに同点として折り返すも、後半ATに被弾して万事休す。中村俊介の高精度CKから簡単に2発もヤラれては、勝てる訳もなし。被セットプレーでの集中力欠如は、疲労から来るものか。それ以前に、仙台のウィークポイントだった「プレッシングに弱い」部分を、しっかりと突かれてしまったのが起因。休もう。リフレッシュだ。今はそれしかない。

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 後半のアディショナルタイムは5分と掲示され、決勝点を奪うには、充分な時間があった。だが後半は、終始押されっぱなしの仙台にとって、その5分は、被弾の危険性を伴う時間帯でもあった。

 
J1第22節、仙台-横浜FMの一戦は、前後半を通して、中村俊介の高精度コーナーキックから放たれた、豪快なヘディング2発から簡単に2失点してしまい、前半に菅井が押し込んだ同点弾の甲斐もなく、リーグ戦2連敗で、8月の戦いを終える事となった。

 前半こそ、どうにか試合を創れていた。横浜FMに、前半のうちに与えたコーナーキックから先制点を許したものの、31分の菅井の同点弾により、1-1のイーブンで試合を折り返す事は出来ていた。

 
だが、試合の内容は、決してイーブンではなかった。相対した横浜FM側は、助っ人外国人のラフィーニャも、日本代表の斉藤学も居なかったが、代わって出場した選手も含めて、敵地ながら豊富な運動量で、仙台に対し、仙台のやりたいようなサッカーをさせてくれなった。
 
ボールが全く落ち着かない展開。気がつけば、観ている側も、息を止めて、或いは固唾を飲み込んで、試合に見入っていた。選手の年齢層が高い、オジサンチームだとばかり思っていたが、蓋を開けてみれば、以外にもその運動量は豊富で、敵地・ユアスタながら、ピッチをところ狭しと駈けずり回っていた。
 
対する仙台はと言うと、横浜FMの豊富な運動量に翻弄され続け、試合の主導権を握るどころでは無かった。ボールを拾っても、そのボールに、マリノス側の選手が厳しいプレッシングを仕掛けてくる。何とかキープしようとする仙台だったが、元来、こういうプレッシングには、滅法弱い。清水にも、鳥栖にも、こういうサッカーをされてしまい、自分たちのサッカーをやらせて貰えなかった。
 
まさか、そんなサッカーを、平均年齢層の高さではリーグ屈指のマリノスにやられてしまとうとは。
 
迎えた後半。選手交代の判断こそ、相手よりも先んじて手を打ち続けた。だが、野沢が入っても、赤嶺が入っても、柳沢が入っても、試合の流れを引き寄せるには至らなかった。
 
気がつけば、前半のうちに撃てたシュート5本に対し、後半は、僅かに4本しか撃てていなかった。普通、前半よりも後半のほうがシュート数は上がるものだが、今節は、それすらも許されない展開。つまり、横浜FMは、それだけ、仙台の攻撃の芽を潰し続ける事に執着してきたのだった。
 
そして、迎えた後半アディショナルタイム。前半に与えたものと同様の、右コーナーキックの場面。キッカーは、前半と同じく、当然のように、元日本代表の中村俊介。前半のうちに、同じシチュエーションから被弾していた仙台にとって、ある意味では「守るイメージ」が出来上がっていたはず。だが、中村俊介の精度の高さが、その上を行ったのだろうか。「どフリー」で打たせてしまったヘディングは、前半の失点シーンと同様、豪快に、そして綺麗に、仙台ゴールのネットを揺らした。
 
その瞬間、厳しい流れの中からも、なんとか1-1からの勝ち越し点の希望を抱いていた、ユアスタ全体の空気が、一気に、秋空のそれに変わった。
 
厳しい残留争いの渦中において、あってはならない「連敗」を喫し、仙台の夏は終わった。
 
試合運び、パスワークの精度、そして、セットプレーの精度。どれを取っても、仙台は勝ち目の無い相手だった。よくぞ、4月のアウェイ対戦で勝てたものだ。
 
だが、流石に、昨年リーグ戦2位、そして、天皇杯優勝の強豪チームだけはある。その底力を如何なく発揮し、横浜FMは、リーグ戦を3連勝とし、勝ち点を33に伸ばした。
 
前節に敗戦を喫した神戸も、今節にしっかりとC大阪に逆転勝ちし、順位を6位に伸ばした。今節に敗戦を喫した横浜FMも、仙台から奪い去っていった勝ち点3を積み上げ、賞金圏を狙える10位に、急浮上した。
 
1つの勝ち負けで、順位が大きく変動する、今季のJ1リーグ戦。その激動の渦に、すっかり飲み込まれてしまっている仙台。大事な夏場の戦いを、僅かに1勝で終えてしまった仙台にとって、おそらく今季は、最後まで残留争いの渦中から抜け出せない可能性を多分に有している。
 
だた、悲観的な思いばかりしていても、何も良い事は産まれないのもまた一理ではないか。
 
不幸中の幸いにして、残留争いのライバルも、一応に勝利を逃した。順位も、前節の12位から、得失点差で抜かれた清水と同じ勝ち点25で、13位をなんとか保っている。「連敗などしようものなら、一気に順位は下がるだろう」と予想していただけに、奇跡的な状況で推移している。それだけ、下位のチームは、どこも苦戦しているという事なのだろう。
 
そういう意味では、今季の残留争いにおいて、まだ、首の皮は繋がっている。
そして、ここからリーグは2週間空く。
 
いま、仙台にとってやるべき事は、「まず、休むこと」ではないだろうか。
 
1勝を挙げるのに、どれだけのパワーを必要とするかは、選手も、コーチ陣も、そしてサポーターも、身を以て知っているはずだ。
 
まずは、お互いに、休もう。リフレッシュしよう。
 
今の仙台に足りないものは「休息」に違いない。
何をやっても巧く行かないときにやるべき事は、「何もしないで休む」事だ。
心身をリフレッシュしてから、改めて、何を為すべきかを考えよう。
 
仙台にも、まだ「チャンス」は残されている。
それを活かすも殺すも、自分たち次第だ-。



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