訪問者数:

ページビュー:

新潟1-0仙台 今季初の3連敗。アウェイながら前半は試合をコントロールできていただけに、後半に突然降り注いだ"試練の雨"に、対応出来なかったのが悔やまれる。ワンチャンスをモノに出来なかった仙台。ワンチャンスをモノにした新潟。その差は、小さいようで大きい。

トラックバック(0)
■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村

 お互いにリーグ戦2連敗で迎えた今節。共に欲しかった勝ち点3。試合は、アウェイながら前半のゲームをコントロールできていた仙台が、後半に突然降り出した雨の影響を受け、双方にミスが連発してしまい、その中で与えたフリーキックのチャンスを、レオ・シルバに決められてしまったのが、そのまま新潟の決勝点となった。

 
後半の雨が、恨めしかった。

 お互いに、シュート数こそ少なかった前半。決定機こそ数は少なかったが、試合をオーガナイズできていたのは仙台のほうだった。練習試合で角田を怪我で欠く事態を受け、この日は久しぶりの4-3-3布陣。アンカーには富田が入った。が、角田ほどの安定感はなく、何度となくディフェンスが崩れかけそうになるも、相手のミスもあり、また、選手全員が守備の集中を切らさなかった事もあり、前半はなんとか無失点で凌げていた。

 
富田がもう少し、アンカーとしての対人守備の強さがあれば、4-3-3は、今節のように角田を欠いたケースでのオプションとなりそうだ。ただ、こればかりは仕方ない。無いものは強請れず、手持ちの駒で、守備と攻撃のバランスを考えた結果の4-3-3、富田アンカーだったのだろう。そして、前半こそ、なんとかその「ゲームプラン」は維持できていた。
 
だが、迎えた後半。いきなり降り出した大雨が、ピッチコンディションを劇的に変化させて行く。開始から数分程度は、ピッチが濡れた程度で、ボールがスリッピーになったくらいでしかなかったが、次第に、ピッチのあちこちに、掃き切れないほどの水分が溜まるようになってくると、ボールの転がりを予測できなくなってきた。
 
こうなってくると、攻撃練習の成果もへったくれもない。願わくば、「一般的な夏場の通り雨」のように、数分も待てば、雨雲が通り過ぎて、やがてピッチ状態が回復してくる事に期待したかった。が、昨今の異常気象には、そんな「通念」など当てはまらなかった。
 
後半の時計が進むにつれ、その勢いを増す雨足。その強さは、中継映像にもはっきりと雨粒が見て取れるくらいに酷いものだった。
 
おそらく、この一戦を、スカパーでテレビ観戦していた諸氏は、インターネットで雨雲の動きをもチェックもされていただろう。そして、後半の真っ最中に、新潟市の上空を、非常に小さくて、かつ、強い雨雲が通過する様子を確認された事だろう。
 
その雲の流れの速さの加減から、「この雨雲が抜けるのは、試合が終わってからだな」と予想が付いた。とても、試合で残った時間内での天候回復は、望めそうにもなかった。
 
もはや、予定していたゲームプランは通用しそうにもない。こんな状況下では、パワープレーでもなんでも仕掛けて、1点を先にとり、それを最後まで守りきったほうが勝つ。そんな単純な構図の展開になるであろう事は、誰の目にも明らかだった。
 
だが、ベンチメンバーを見ても、そんな起用の仕方が出来るのは、センターバックの渡辺広大くらいだった。
 
インターネットでチェックしていた雨雲の動きを恨めしく睨みつつも、試合の映像に目を戻すと、お互いにミスの応酬で時間が過ぎていた。双方、死にものぐるいでボールに食らい付く。致命的なミスをしたほうが負ける。そんな雰囲気が漂い始めた、後半30分。それまで、新潟の攻勢をなかなか跳ね返せず、自陣でただただ、相手ボールのクリアしか出来なかった仙台に、自陣内で痛恨のファウルを新潟に与えてしまった。
 
ピッチ状況、相手のホームである事、試合の流れを考えると、自陣のどこかでファウルを犯してしまう危険性は常にあった。だが、出来るだけそれをやってしまわないように気をつけていた。。。。はずだったが、とうとう、後半30分に、それを与えてしまった。
 
仙台、絶対絶命の大ピンチ。そして、蹴ってきたのは、レオ・シルバ。攻守に献身的な新潟の強力助っ人は、しっかりとボールの軌道を、仙台ゴールの枠内右隅へロック・オン。仙台GK・関の反応を許さず、そのままボールは、無情にもネットを揺らした。
 
後半32分。新潟1-0仙台。
 
仙台、痛恨の失点。そして、ここから、慌てるように、それまで「温存」してきた手駒を、立て続けに投入。後半37分には、フォワードの武藤に変えて、センターバックの渡辺広大を投入。それも、武藤のフォワードの位置にそのまま入れた。パワープレーで点を取り返すという、ベンチの決意だった。
 
だが、刻、既に遅し。
 
仙台が入れてくるボールを、ただ単にクリアし続ければ良いだけの状況になった新潟は、先制点を仙台からもぎ取った勢いで、そのまま最後まで逃げ切った。攻め立てる仙台は、試合終盤に、武藤に変えて投入した渡辺広大の頭に合わせるフリーキックのチャンスを得るも、渡辺の撃ったヘディングシュートは、そのまま新潟GKに、難無く正面で阻まれてしまった。
 
試合終了のホイッスルが鳴ったあたりから、雨の勢いが弱まり始め、何事も無かったかのように、雨雲は、新潟上空から消え去っていった。
 
仙台にも、ワンチャンスなシーンが2つほどあった。菅井が詰めて撃ったシュートが、サイドネットを揺らしたシーン。そして、フリーキックのシーンで、渡辺広大の頭に合わせたシーン。だが、結局はどちらもモノには出来なかった。
 
対する新潟は、フリーキックで得たワンチャンスを、見事にモノにした。
 
仙台のシュートシーンは、「どフリー」で撃てているような場面でも、枠を外す場合が多い。他のJ1チームの同様な展開と比較すると、そのシュートの精度の悪さには、いらだちさえ感じる事もあるくらいだ。
 
ただでさえ、枠に飛ばないシュート。それを、この試合の前後半を通して、僅かに5本では、得点など決まるはずもない。
 
それに、今節の突然の大雨のように、こういう「想定外な事態」への対処が、仙台はあまりにも準備不足だ。ひとたび、こういう逆境に見舞われると、途端に「打つ手」が無くなってしまう。
 
仙台は、決して「強いチーム」じゃない。むしろ、J1の中ではまだまだ、弱小なほうに入るだろう。
 
他の「強いチーム」なら、失点してから動いても、打つ手はあるだろう。だが、仙台は、決して「強いチーム」なんかじゃない。戦力として、相手に劣る部分を、努力と知恵でカバーしなければ勝てないのだ。
 
その点において、仙台は、後半の戦い方は、後手に回り続けた。新潟は、前半に痛んでしまった成岡を早々に諦め、 前半7分に、田中達也を投入してきた。そして、非情にも、その 田中達也を、後半29分に下げてしまったのだ。新潟は、3人目の交代が88分だったため、実質、GKを入れた10人が、ほぼ90分を戦い抜いた。前半の早い時間帯に負傷者が出てしまっても、残った選手の頑張り、そして、ベンチの非情な采配で、執念で勝利をもぎ取っていった。
 
今の仙台に、そんな厳しさがあるか?
どこか、試合運びに対する甘さがあるのではないか?
 
新潟は、例年、どんなに主力選手を強豪チームに引っこ抜かれていっても、残った選手や、獲得する選手の工夫で、毎年、どうにか戦績を残してきている。敵ながら、天晴れである。
 
対する仙台は、この夏に獲得したハモン・ロペスが、ウイルソンを欠いた試合にさえ、ベンチに入れていない。せっかく獲った野沢が、なぜかベンチスタート。膠着した試合展開で、相手よりも先に試合を動かそうとする勇気の無さや、ゲームプランの引き出しの無さなど、どこをとっても、新潟に敵わない。
 
こんな事では、次、いつ新潟に勝てるのだろうか。
 
ワン・チャンスをモノに出来ない仙台-。
 
その「甘さ」は、色々なところの綻びが、その要因として積み重なっている気がする。
 
今季の戦いは、かなり早い時期から、残留争いの臭いを感じていた。だからこそ、かなり早い時期から、「負けたらJ2転落ぐらいの気持ちで、一戦必勝の想いで」と、筆者は言い続けてきた。だが、こんな筆者の小さな意見など、チームに届くはずも無い。
 
残留争いから抜け出すチャンスは、中断期間開け後、いくらでもあった。だが、中断開け後の9試合で僅か1勝では、「残留争いの仲間に入れて下さい」と言っているようなものだ。
 
1勝する事の難しさは、判っているつもりだ。
だが、その逃した1勝の重みは、ここから先も、どんどんと増してくる。
 
今季、ラスト11試合。
 
ここまで、中断期間開けの9試合で1勝しか出来なかったチームが、ラスト11試合で、いったい何勝出来る?
 
そう考えると、背筋が凍る思いだ。
 
しかも、目の前に横たわっているのは、ここへ来て3連敗という事実のみ。
 
3連敗。
3連敗。
3連敗。
 
聞きたくない現状。
言われたくない現状。
 
3連敗。
3連敗。
3連敗。
 
だが、そこから目を背ければ、これからも「連敗」するだろう。
 
数字の上では、次節にも敗戦すれば、16位への転落が待っている。
今節、残留争いのライバルは、最下位の徳島を除いて、全チーム、勝利してしまっているのだ。つまり、「仙台の一人負け」となってしまったのだ。
 
そして、負けた相手は、新潟ではない。自分たち自身にだ。
 
いい加減、甘さを棄てろ。
 
ウイルソンが居ても居なくても、関係ない。勝てるときは勝てるし、負けるときは負ける。おそらく今節、ウイルソンが居ても、新潟には勝てなかっただろう。
 
勝つには、試合に臨む意識を変えなければダメだ。
 
サポーターは、みな少しずつ、自分の人生の一部を削り取って、仙台の応援に費やしている。そこには、義務はない。だが、みな、己に責務を感じてやっている。
 
チームが勝たなくては、J1に残留していなくては、サポーターの活きる力に繋がらないのだ。
 
ホームのみならず、アウェイに参戦しているサポーターが、どれだけ、自分の人生の一部を削り取って、或いは犠牲にして、参戦していると思うのか。
 
魂を見せろ、仙台。
新潟に有って、仙台に足りないものは何だ?
 
そこに気が付かなければ、あっと言う間に、降格圏へ転落だ-。
 
それでいいのか?仙台!



■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村

最近のブログ記事

J1第24節 vs 鳥栖戦プレビュー 出場停止からウイルソンが、怪我から角田が復帰し、3連敗からの立ち直りを目指す仙台。今夏の劇的監督交代の余波残る鳥栖だが、エース豊田の決定力を始め、鳥栖の持ち味である豊富な運動量をベースとした、前線からの執拗なプレッシングは、仙台が最も苦手とする相手の特徴。今季3位と躍進の鳥栖から、残留争い渦中の仙台が勝ち点3を得るのは至難か。状況によっては、勝ち点1でも良しとする強かさが肝要。焦るな。焦れるな。
 今季初の3連敗を喫して迎え…
新潟1-0仙台 今季初の3連敗。アウェイながら前半は試合をコントロールできていただけに、後半に突然降り注いだ"試練の雨"に、対応出来なかったのが悔やまれる。ワンチャンスをモノに出来なかった仙台。ワンチャンスをモノにした新潟。その差は、小さいようで大きい。
 お互いにリーグ戦2連敗で迎…
J1第23節 vs 新潟戦プレビュー 充分な休養期間を経て臨む、晩夏・初秋の再起戦。対戦相手の新潟には、今季公式戦2戦2敗と不相性も、お互いに優位性は感じられない状況での相対となる。共にリーグ戦では連敗中の新潟と仙台。重苦しい雰囲気を払拭するのはどちらか。
 新潟とは、今季、既に2度対…