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まだ、試合の流れが見え切っていない前半9分。プレー中に、不意に左足を痛めてしまったウイルソンの交代退場を余儀なくされるアクシデントが発生した。これにより、攻撃のゲームプランは修正を余儀なくされてしまい、仙台としては、予想以上に名古屋の猛攻にさらされ続ける事となった。
攻撃の要のレアンドロ・ドミンゲスを負傷離脱で欠き、かつ、守備の要のダニルソンを出場停止で欠く名古屋だったが、こちらもウイルソンを試合開始早々に欠く事態に陥った事により、攻め手を欠く窮地へと追い遣られた。まだ、始めから「ウイルソンが出場できない」と判っている状況なら、準備のしようもあるだろうが、こういう状況下では、如何に選手層の厚さがモノを言うかで、チームとしての総合力が問われる。その点において、仙台は、ウイルソンの代役として送り出した柳沢では、完全に、ウイルソンと同じプレーが出来る訳ではなく、やはり、選手たちの攻撃の意識に、多少の迷いやズレが生じているのが見てとれた、試合序盤だった。
また、その影響もあったのだろうか。この一戦では、仙台の選手が総じて、無用なパスミスをやってしまうシーンが散見され、その度に、ピンチを招いていた。名古屋にとってみれば、仙台の大駒・ウイルソンが退いた事により、その攻撃の勢いに油を注いだかのような雰囲気になっていった。
それでも、前半こそ、シュート4本を記録した仙台だったが、後半に入っても、苦境を修正できず、状況を改善するどころか、ますます「悪化」していく。シュートを打つまでに居たらず、攻撃は閑散。パスミスを繰り返し、慌てて自陣へ戻る事の繰り返し。ウイルソン1人が抜けただけで、ここまで窮地に追い遣られるのか?と、目を疑いたくなるほどであった。
そこで、状況を鑑みて「割り切った」指揮官は、後半20分。野沢に代えて角田を投入。これは、誰の目にも明らかなメッセージだった。
「この試合、守り抜く。」
攻撃オプションの野沢を下げてまで、守備オプションの角田を投入。またこの采配は、梁を、元々の定位置だった2列目に彼をシフトする事も出来るため、攻撃力を極端に落とさずに済む効果も得られた。
かくして、その「采配」は、見事に的中する。名古屋の攻撃の精度の低さに助けられた側面も否定は出来ないが、この一戦で発生したアクシデントや、アウェイである事の状況を鑑み、無理に勝ち点3を狙いにいくよりも、勝ち点1を持ち帰れる可能性のほうに比重を置いた。
終わってみれば、仙台の狙い通りに無失点を達成。後半だけでも、名古屋のシュートが12本で、仙台が僅かに2本だった事を思えば「よくぞ失点せずに済んだ」というのが、正直な感想である。
こういう試合で、無失点を貫いて勝ち点1をしっかりと拾えた事に、大きな意味がある。これまでの仙台は、「勝てない試合」を、尽く「負ける試合」にしてきた。安易に先制点を許し、せっかく追い付いても、またすぐに勝ち越し点を奪われる。いちど、先制点を許してしまえば、そこからの逆転勝利は非常に難しいのが、今季の仙台だ。試合の最後の1秒まで勝利の可能性を残すには、0-0の時間を長く維持する必要がある。そのための、角田オプションだった。
名古屋からしてみれば、ポスト直撃弾や、枠を僅かにそれた決定機など、悔やまれるシーンが多々ある事だろう。名古屋としては、「勝てる試合を落とした」事となり、仙台としては、「負けてもおかしくない試合で勝ち点1を拾った」事となった。
これで、4試合で無敗となった。確実に、5連敗の苦境からは脱出している。ウイルソンの怪我の程度が心配ではあるが、次の柏戦に向けては、最低限の中3日あるため、もしウイルソンが起用できなくとも、準備のしようはあるだろう。
次節の柏戦へ向けては、ウイルソンの動向に関わらず、勝利に期待したい。ウイルソンが先発出来るに越した事はないが、ここで無理をしては、残りの試合に影響が出る。むしろ柏戦は、ウイルソンが万全でないのであれば、他の好調な選手を先発起用しべきだろう。
残留を決めるためには、おそらく、残り試合の全勝の必要はないだろう。もちろん、全部勝てれば、それに越した事はない。が、今節のようなアクシデントは、今後も発生する可能性はある。それを加味した上で、あと、2勝(残り5試合中)出来れば、ほぼ残留は確定ではないだろうか。
だが、残留が決まる瞬間まで、絶対に気は抜けない。
それは、チームも、サポーターも同じ事だろう。まだまだ、安心出来るような状況ではない。
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