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前節・名古屋戦で勝ち取った「勝ち点1」の意味を忘れてしまったかのような、ホームでの敗戦劇だった。
試合当日。朝もやの立ち篭める仙台には、次第に陽が強く射し始め、キックオフの時間には、20℃に達していた。寒暖差の激しいこの時節は、「早朝」と「日中」の気温差が、体感温度の調整を、より難しくさせる。また、同じスタジアムに居ても、日陽に居るサポーターは暑そうにしているが、日陰では、冷え込むような空気感。どのJ1会場よりも早くキックオフされた一戦は、5試合ぶりに相手に先制点を許す展開で始まった。与えたフリーキックから、柏DF渡部に頭を合わせられて失点。対する仙台としては、シュートチャンスに持ち込む事すら難しい展開を余儀なくされた。
1点を追う仙台は、前半の終わりが見えてきた39分に、ようやくその機会が訪れる。この日、ウイルソンの代役として出場した武藤が、梁からのパスを受け、そのままドリブルで勝負。最後は左足で柏GKのサイドを抜き、起死回生の同点弾を上げた。
前半39分。仙台1-1柏。
武藤、ウイルソンの代役を見事に果たす活躍。が、この日の仙台は「ここまで」が精一杯だった。
せっかく追い付き、迎えた後半。前半の終わり際に同点に追い付けた勢いもあり、前半よりはシュートで終われるシーンが増えてきた。ただ、決定機は創れるものの、シュート精度の悪さから、得点機にまでは至らず。こうなると、選手交代で状況を打開したくなってくるが、この日は、いつもならベンチに居る、ファースト・チョイスの武藤が先発している関係で、攻撃陣の手駒は、柳沢・中原・佐々木の3選手となっており、あとは角田、菅井、藤村の守備陣となっていた。
この日の選手交代の1番手は、疲れの見えてきた村上に代えて、攻撃オプションとしての意味合いも込めての菅井投入。これには、誰しもが違和感なく受け入れられただろう。だが、それでもなかなか得点に至らず、ドローによる勝ち点1獲得の選択肢が現実味を帯びてきた、後半40分。2番手は、目を疑うような選手交代だった。
後半41分。太田に代えて、佐々木を投入。
「え?角田投入で逃げ切るんじゃないのか?」
こちらはウイルソン欠場。相手にはレアンドロ。前半のうちに同点に追い付けていたが、90分まであと5分を切ったところまでに勝ち越し点を奪えず、このままなら「1-1でドロー、勝ち点1を獲得」が、残留争いにおけるセオリーかと思われたが、指揮官の選択は、なんと「勝ち越し点を狙う」ものだった。
既に、オープンな展開となっていた事もあり、決勝点が取れる可能性は、確かにあった。その状況を受けての佐々木投入だろう、とは思った。
だが、その判断は、後半アディショナルタイムに訪れた悲劇によって、結果として「賊軍」と化してしまう事になる。
自陣左サイド、かなりピッチ中央に近いところで、相手に与えたフリーキックのピンチ。ここからのセットプレーにおいて、なんと、この日に散々マークをしてきたはずのレアンドロに、痛恨の勝ち越し点を許してしまった。このシーンでレアンドロをマークしていた梁も、必至に跳ね返そうと体を伸ばしたが、ボールは無情にも、レアンドロの足元へ。それを、高精度なシュートで、仙台ゴールの右隅へ決められてしまった。
後半AT2分。仙台1-2柏。
結果論ではあるが、守備オプションとしての角田を投入せずに、結局は、後半アディショナルタイムに失点を喫しての敗戦となってしまった。
この采配には、どうしても納得が行かない。角田を投入してもなお、レアンドロに失点を許したのであれば、まだ諦めも付く。だが、角田投入で「守り抜いて勝ち点1を獲得する」という選択肢ではなく、佐々木を投入して「勝ち点3を獲得する」という選択肢だった事が、結果的に、被セットプレーでの守備に「穴」を作ってしまった感が拭えない。
1点を獲って勝てていれば、また評価は違ったかもしれない。が、納得できない采配はこれだけではなかった。この日、頑張って走り回り、1点をとって終盤まで可能性を繋いでくれた武藤が、足を攣らせてしまった様子があったが、3枚目の交代は、その武藤ではなく、赤嶺を下げるという選択だった。そして、ここで投入したのも、角田ではなく、攻撃オプションの中原だった。
「え?下げるのは武藤じゃないのか?」
と、誰しもが、目を疑ったのではないだろうか。結局武藤は、最後までピッチに立っている事が出来たが、むしろ、交代してあげるべきだったのではないか?せめて、3枚目の交代こそ、「ごくろうさま」の意を込めて、武藤に代えて角田だったのではないだろうか?
結局、「勝ち点3」という二兎を追った結果、「勝ち点1」という一兎すら失ってしまった格好となってしまった今節。前節の名古屋戦で、角田を投入して勝ち点1を強かに持ち帰った指揮官の采配とは思えず、愕然とする他、無かった。
その後、他会場の結果として、残留争いのライバルチーム中、大宮と清水が敗戦。C大阪もドローで、甲府のみが一人勝ちで川崎から勝ち点3を獲得。つまり、仙台としては、勝ち点1の積み上げでも、ライバルに1差を付けられたはずであり、そのチャンスを、みすみす逃した事になる。
ラスト4試合。残り試合数が減る毎に、勝ち点1では済まされない状況に、どんどんと追い詰められてくる。それであるが故に、勝ち点3よりも、勝ち点1をしぶとく積み上げていくべき時期には、しっかりと、勝ち点1の獲得をしておきべきなのに。
いまこの時期に、残留争いの渦中にいるチームとしては、勝ち点1すら落とせないのは誰の目にも明らかだ。それを、名古屋戦では見せてくれた指揮官だったが、ホームの大声援が、逆に、プレッシャーになってしまったのか。勝ち点3への渇望に喉が乾き、角田投入オプションという手札を暖めたまま、ゲームオーバーを迎えてしまった。
渡邊監督。あなたは、今季の残留に、監督生命を賭けられるか?
サポーターの中には、試合を観に行きたくても、行けない人が居る。苦しい日常生活を送る中で、ベガルタの活躍こそが、唯一の楽しみになっている人も居るんだ。そういう人たちの存在を、肌で、感じられた事はあるのか?そういう人たちに対して、もしJ2降格の憂き目にあった場合に、どういう言い訳をするつもりなのだ?
残留争いにおける、勝ち点1の重み。そこが本当に判っていらっしゃるのなら、せめて、角田投入のオプションで、守り抜く意志を示して欲しかった。
次節、アウェイ・ガンバ大阪戦。優勝争い渦中の、最強最大のボスキャラの居る敵地へ、ウイルソン無しで乗り込む事になる仙台。この一戦で負けるような事があれば、一気に、今以上の苦境に立たされる。
現地に駆け付けるサポーターと共に、是非とも、「最低、勝ち点1」の結果を持ち帰ってきて欲しい。
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