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J1第32節 vs C大阪戦プレビュー 5年前の11月22日は、C大阪とJ2優勝を争っていた。今年の11月22日は、C大阪とJ1残留を争っている。5年前は、仙台が勝った。今年も、仙台が頂く。場所も同じユアスタ仙台。チケットもほぼ完売。最高のサポート環境下で、ウイルソン完全復帰。崖っぷちのセレッソ、迎撃準備完了。

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 リーグ戦が3週間も空いたおかげで、負傷離脱していたウイルソンが練習に完全合流。残留決定に向け、鬼の手元に金棒が還ってきた感のある好情報に、セレッソ戦での活躍を期待しないサポーターは皆無だろう。

 ところで、この一戦に向け、どのメディアでも取り上げている事だが、5年前の2009年11月22日も、セレッソ大阪との対戦カードがあった。当時のカテゴリーはJ2。舞台も、今節と同じユアスタ。あの刻は、セレッソとのJ2優勝を争う状況下での直接対決というシチュエーションだった。そしてこの一戦では、89分に、「パックン」の愛称で親しまれた朴柱成選手の豪快なヘッドで、決勝点をもぎ取って勝利。嫌がおうにも、「あの刻の感動を、もう一度」のフレーズを使いたくなる。(が、使わない。)

 
因みに、5年前の2009年のこのセレッソ戦の翌節には、アウェイながら、徳島戦が組まれていた。そう、今年の対戦カードも、セレッソ戦の翌節は徳島戦。単なる偶然なのだろうが、人は、偶然の中に運命を感じる動物だ。5年前は、セレッソ戦・徳島戦と2連勝し、この年のJ2優勝へと繋がった。今年は、是非ともセレッソ戦・徳島戦と2連勝を決めて、J1残留へと繋げたい。
 
あくまでも参考情報としての掲出とするが、2010年のJ1再昇格以降、仙台は、セレッソに公式戦で一度も敗戦を喫していない。11戦戦って、5勝6分無敗と、いわゆる「好相性」の相手に分類されている。
 
但し、この11戦全てが1点差以内の拮抗したゲームでもあった。しかも、セレッソを相手に2得点出来たのは、11戦中、たったの2回。一番多かったのは、1-1のスコアレ(おっとと、、、)ドロー。もし今節の一戦においてもドローゲームならば、セレッソには致命的なダメージを与えられる反面、自らの残留圏確保へ向けての不安要素が増大してしまいかねないので、あくまでも、勝利を目指したい。
 
ただ、これまで何度も書いて来ているが、過去のデータは、過去のものでしかない。相性というものは、不都合な方が勝手にプレッシャーを感じて頂ければ良いものと考えており、好都合な方としては、その「過去の実績」に、決して胡座をかいてはいけない。ともすると「セレッソには、ここ数年、負けた印象がないので、今回も良い結果を・・・」といった風潮がなびいてしまいかねない。
 
特に今年は、その「相性」が、尽く覆された印象の強い年でもあった。広島戦しかり、清水戦しかり、大宮戦しかり、神戸戦しかり、である。
 
この一戦での勝利は、来季のJ1残留へ繋げるために、どうしても必要な試金石だ。決して、セレッソとの好相性を裏付けるのが主目的ではない。勝って初めて「やっぱり相性良かったね」と言えるように、一戦必勝の想いで、選手と共に、戦いたい。
 
反面、セレッソは、もはや断崖絶壁の縁に立たされている。この一戦で仙台に敗れれば、他会場の結果次第で来季のJ2降格が決まるとあって、間違いなく、その目の色を変え、必死の想いで挑んでくる。FWフォルランを鳴り物入りで獲得した "ビッグクラブ" は、まさかの1シーズン2度の指揮官交代と、FW柿谷の海外移籍、そして、相次ぐ主力選手の負傷離脱という不運にも見舞われ、完全に予想外な順位で、ここまで推移してしまった。
 
もし、今季のセレッソのシーズン最終順位を当てるくじがあったとすれば、それを「予想」できた人は、間違いなく億万長者になっているだろう。
 
だが近年、「まさかあのクラブが」というJ2降格劇は、後を絶たない。広島しかり、FC東京しかり、磐田しかり、ガンバしかり、だ。このうち、FC東京、広島、ガンバはなんとか1年でJ1に返り咲いたが、今年は磐田が苦しんでいる。既に自動昇格圏の2位以内を逃し、あとはプレーオフ進出による3枠目しか、その道が残されていない。しかも、前節のJ2では、プレーオフ争いのライバルの山形を相手に、ホームで無得点敗戦を喫した。対する山形は、この勝利で3連勝とし、一気にプレーオフ圏へと浮上してきた。プレーオフ争いの中では、一番、勢いがあるチームと言えるだろう。
 
・・・ん?どこからJ2の話になった? 話を元に戻そう。
 
気になる今節の戦い方だが、布陣については、2トップの一角はウイルソンが先発復帰の見込み。ウイルソン欠場の穴を埋めてくれた武藤は、勝負どころでのファースト・チョイス、としての重要な役割を担う。
 
右サイドバックについては、最近は菅井の疲労の程度を鑑みての村上の先発起用もあったが、3週間も空いた今節なら、菅井の先発でファイナル・アンサーだろう。
 
左サイドバックについては、引き続き石川の先発が最有力であるが、1年に渡るリハビリから復帰した蜂須賀のベンチ入りがあるか否かが、気になるところである。
 
戦術面では、もはや、今季のラスト3試合は、揺るぎないものになるだろう。最終ラインを引き気味に設定し、守備的に試合に入ってのカウンター狙い。しかも、ボールを失った直後は、前線の選手が素早くファースト・ディフェンスをこなし、敵の攻撃の圧の「ガス抜き」を行い、その間に陣形を整える。この戦い方で、悪夢の5連敗以降、地道に勝ち点を積み重ねてきた。今更、変えようがない。
 
セレッソ側で気になる存在は、弱冠19歳のFW南野か。U-19日本代表の中でもズバ抜けた能力の持ち主で、今季もリーグ戦では2得点をマーク。こういう選手が、いわゆる「ラッキー・ボーイ」になったりするのが、サッカーの怖さである。もしユアスタのピッチに立つような事があれば、決して侮れない。
 
おお、そうだ。「ラッキー・ボーイ」になりそうな存在という意味では、仙台にも、ハモン・ロペスが居る。今夏に加入以降、戦術面・連携面でなかなか仙台のサッカーに馴染めなかったが、ここへ来てそれも克服出来てきたようで、途中出場からの存在感はハンパないものへと昇華。前節・ガンバ戦では、柳沢の劇的同点弾のお膳立てをするなど、ラッキー・ボーイ的な役割を果たした。セレッソ戦でも、おそらくベンチから「オレを使え」オーラを、アツく、発し続けるに違いない。
 
この一戦、勝てば17位のセレッソに勝ち点差7とし、J1残留にリーチが掛かる。反面、万が一敗れれば、そのセレッソに勝ち点差1まで縮められ、降格圏の16位まで順位を落とす可能性もある。サッカーのリーグ戦では、「直接対決は勝ち点6にも相当する」と良く言われるが、今節、まさにそれを体感する「デスマッチ」となりそうだ。
 
試合中は、シュートを打つ度、そして打たれる度に、一つしかない心臓がキリキリと悲鳴を上げそうな。観る者にとって、生きた心地のしない90分になりそうな一戦は、11月22日(土)の 17:00、ユアスタ仙台にてキックオフ。
 
満員御礼のユアスタの空気が、ベガルタの選手の足を動かし、セレッソの選手の背筋を凍らせる-。



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