■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村
にほんブログ村
滅多に観られない、仙台の「撃ち合い」。それがこの一戦で、顔を出した。J1第32節、ホーム・セレッソ大阪戦は、晩秋の澄み渡った晴天の下、すっかり日も暮れた17:00にキックオフとなった。
前半2分。いきなり試合が動く。右サイドのウイルソンの突破をトリガーとし、一気に仙台攻撃陣が攻め入る。最後は野沢が、豪快に右足で叩き込んで先制。
前半3分。仙台1-0C大阪。
仙台の勢いは、これで止まらない。前半16分。獲得した右コーナーキックから、今度は赤嶺が豪快に頭で叩き込んだ。
前半17分。仙台2-0C大阪。
前半だけで、2得点のリード。どれだけ大きいアドバンテージになるかと思いきや、脳裏には、あの「浦和戦での苦戦」がプレイバックしていた。2-0から2-2に追い付かれる悪夢。同じ展開は観たくない、と思ったのも束の間。2点差を付けられたC大阪側の猛攻が始まり、ここからは、仙台の防戦一方。撃てていたシュートが全く打てなくなり、前半38分に、C大阪のFW杉本に失点を許してしまい、前半を2-1で折り返す。
迎えた後半も、仙台は劣勢を立て直せず、前半からの勢いそのままに、C大阪の猛攻を受け続けていた。後半21分に、太田に代えて武藤を投入するも、流れを押し返す事は出来ず、とうとう後半27分に、2失点目を許してしまった。
後半27分。仙台2-2C大阪。
時間帯の差こそあるが、得点の経緯や試合の流れは、浦和戦に酷似。2点差という絶対的なリードを活かせないのが、今の仙台のウィーク・ポイント。相手に超攻撃的なスイッチが入ってしまうと、もう止められないのである。
それでも仙台は、前節のG大阪戦で1アシストの活躍を見せた、ハモン・ロペスを後半33分に投入し、事態の打開を図る。この采配は見事に的中し、投入から10分後、ハモン・ロペスの豪快なミドルシュートが、C大阪の夢を打ち砕く、3点目を決めてみせた。
後半43分。仙台3-2C大阪。
ハモン、仙台移籍後初ゴール。当然、ピッチ上の選手も、ベンチの選手も、そしてサポーターも、このゴールを大いに歓迎し、祝福した。
だが、それで勝てないのもまた、今年特有の「仙台クオリティ」。今季、何度も相手に決められている「後半アディショナルタイムの失点」の悲劇が、この日も、仙台を襲った。後半AT+2分。右サイドのカカウに振られたボールに対し、すかざす仙台守備陣がシュートコースのブロックに入ろうとした。だが、一瞬、カカウのシュートのほうが早く、放たれたシュートは、無情にも仙台ゴールのネットを突き揺らした。
後半AT+3分。仙台3-3C大阪。
しかし、掲示された後半アディショナルタイムの4分を過ぎても、チャンスはまだ残されていた。立て続けに拾った、2度のフリーキックのチャンス。1度目こそ跳ね返されてしまったが、素早くこれを前線に送り直し、2度目のフリーキックを獲得。時計は既に、96分を経過していた。おそらくこのプレーが、ラストチャンス。
野沢の蹴り入れたボールは、DF石川のヘッドを捉え、C大阪ゴールに豪快に突き刺さった。一瞬、総立ちになるスタジアム。だが無情にも、これはオフサイドの判定となり、幻のゴールとなってしまった。
このまま試合は終了。結局、3-3という大味な展開となり、勝ち点1の痛み分けとなった。明らかに、勝ち試合を逃した一戦。勿体なかった。
それでも、残留争いにおける貴重な勝ち点1を手にした。いや、それ以上に、残留争いのライバルとの直接対決において、相手のC大阪に「勝ち点3を許さなかった」のが、一番の収穫だっただろう。
もし、この一戦でC大阪に勝ち点3を許せば、残り2試合で、C大阪に勝ち点1差に詰められるところだった。他会場の結果次第では、降格圏への転落すら有り得ただけに、この一戦では一度もC大阪にリードを許さず、課題を多く残しながらも、貴重な勝ち点1を積んだ事は、素直に評価されるべき結果である。
そして他会場の結果をも受け、今節終了時点での14位の維持が確定。降格圏の16位・大宮との勝ち点差を3に広げ、他力ながら残留にリーチが掛かった。
3得点も挙げながら勝てない試合など、誰も納得できるはずもない。だが、ハモン・ロペスが得点を獲った時点で、守備固めで村上を投入するなど、指揮官としては、やれるだけの事はやったと思う。その上で、C大阪のカカウに、スーパーなゴールを決められてしまってのドロー劇なのだ。それを思えば、「ハモンのスーパーゴール様様」であり、あれが無ければ、今頃は、この3連休を、失意のどん底で過ごさなければならなかったに違いない。
この一戦のプレビューで、「ラッキー・ボーイ」の存在について書いた。仙台はハモン・ロペス、C大阪は南野と予想したが、ハモンのラッキーボーイぶり、そして、想像以上の活躍に、今季の残り2戦のみならず、来季の有力な主力戦力としての期待が大きく掛かる。ハモンのシュートのタイミングやセンスは、仙台の既存選手は持ち合わせていないものだ。あの位置、あのタイミング、そしてあの弾道とパワー。どれを取っても、従来の仙台らしさはない。また、ウイルソンとも違うタイプのものだ。正直、他のクラブに引き抜かれやしないかとドキドキものである。
そして、今季、ハモンと同じように、C大阪へ途中加入したカカウについても、噂通りの存在である事を確認した。さすが、元ドイツ代表である。フォルランでなく、カカウが今季の始めからJリーグに来ていたら、また展開は違っていただろう。
いずれにせよ、仙台は、C大阪に負けずに済んだ。残り試合数、そして勝ち点差を考えれば、仙台としては、充分に「勝ち試合」であり、C大阪としては「負け試合」である。
次節、残留を決められるかどうかの本当の大一番である、ホーム・徳島戦。本当なら、この一戦までに、残留を決めて置きたかったところだが、サッカーの神様は、そう甘くは無かった。
それでも、残留へ向けた最高のモチベーションで臨めるのは、むしろ好都合か。降格圏に埋もれ、もがき苦しむC大阪からもぎ取った勝ち点1に、どういう意味を持たせるのか。それを、徳島戦で確認したい-。
■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■ にほんブログ村 |