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ホーム開催のカップ戦を挟んだ事もあり、リーグ戦ではアウェイ連戦となった今節。湘南のホームへ乗り込んだ仙台は、終始、湘南の厳しいプレスによる牙城を崩すのに手を焼き、決定機そのものの数が少ない展開を強いられた。
前半こそ、湘南はその前評判通り、豊富な運動量を駆使し、仙台の持つボールへの、激しくかつ厳しいプレッシングを実践。このため仙台は、アウェイでの戦いでもある事から、まずは「ミスからの失点」をしないようにするべく、ゲームプラン通り「粘り強く守備をしっかりする(渡邉監督)」ところから入る。
湘南も厳しいプレスを仕掛けているチームだが、それは今季の仙台も同様。湘南にボールが渡るやいなや、その瞬間から守備が始まる仙台。常にインターセプトする眼を光らせている、主将・ボランチ富田の "刃" に引っ掛かる湘南ボールは、後を絶たなかった。
水曜開催のカップ戦を挟んだため、お互いに中3日の連戦。それも、お互いにホームでカップ戦1勝を挙げた者同士の対戦とあり、中3日でも、試合の序盤ではそれを感じさせない、運動量豊富なマッチアップが随所で展開。連戦だからといって、運動量を控えめにするような感じは全く無かった。
前半。
仙台は、中盤で湘南に攻撃を潰される展開が続き、湘南陣内での攻撃をフィニッシュさせる事がなかなか出来ず、かつ、CKすら取れない。逆に、湘南のほうがホームの勢いを繰り出し、大胆に攻めてくる。だが、30分前後にCKを立て続けに取られるも、精度が低く、ピンチには至らない。
また、この日リーグ戦初先発のウイルソンも、好調を維持して今季初リーグ戦先発に臨んだが、そのウイルソンに効果的なボールがなかなか入らず、ウイルソンを活かし切れない。それでも、34分にドリブルからシュートを放つも、これは枠外。
それ以前に仙台は、先発の菅井が試合中に足を痛め、前半17分という早い時間帯に、蜂須賀との交代を余儀なくされた。
リーグ屈指の "右の飛び道具" を欠く事になった仙台は、益々、湘南のハイプレスを打開する手立てが無くなっていった。双方、得点が動かないまま前半を終える。
迎えた後半。
仙台に、"仕掛ける意識" が見え始める。この日、ペナルティエリア内での仕事が目覚ましいFW金園が、積極的にシュートを放つ。ようやくCKも取れるようになり、チャンスメーク。野沢と梁で分担して蹴り込むも、湘南DFアンドレ・バイア始め、湘南の守備陣もしぶとい。仙台がアッタッキングサードでボールを持っても、すぐに体を寄せてくるため、自由にシュートを打てない。結果、打っても枠外。
対する湘南も、仙台陣内まで攻め入っても最後の精度を欠き、やはりゴールが遠い。
後半の半ばを過ぎたあたりから、双方に疲労の色が見え始め、足が止まり始める。状況打開のため、早め早めに攻撃の駒を投入してくる湘南に対して、前半のうちに、菅井の負傷対応で交代枠を1枚使っている仙台は、後半のベンチワークが鈍い。後半26分に、茂木に替えて奥埜を入れたあとは、最後までベンチが動く事は無かった。
後半も中盤の時間帯を過ぎ、選手交代で状況の打開を図る両チーム。だが双方、ベンチワークによっても試合の流れが大きく変えられる様子も観られず、次第に中盤の展開を省略し、大味にパワープレー気味へとシフトしていく。
だが、その両者の戦いぶりを観ていた者にとって、この一戦からは、得点の臭いを感じ取れる事は無かっただろう。仙台としても、茂木を奥埜にチェンジしたものの、双方が「負けたくない」オーラを燦々と放出し、自陣ゴール前で、体を張って守り通す。
相撲に例えれば、「ガブリ四つ」や「睨み合い」と行った感じの展開か。
掲示された後半アディショナルタイム3分も、あっと言う間に消化し、そのまま試合は終了。
試合終了時点での枠内シュート数(今季からスカパー放送にて掲示)も、湘南・仙台それぞれ僅かに2。お互いのシュート数こそ、仙台の9、湘南の10と、決して少なくない数字ではあったのだが、その殆どが枠外で、ノーチャンスだった。
1週間で3連戦とはいえ、仙台としては、前節柏戦が金曜開催だったため、中4日→中3日と、他のチームよりは若干有利だった。が、この日は「連戦の影響」というよりも、今節の湘南の様に、鬼プレスなチームを相手にしたときの攻撃の組み立て方に課題の残る一戦だった。
反面、守備面においては高評価か。"攻撃陣も参戦" しての全員守備は、他の上位陣にも退けを取らない堅さを見せている。リーグ戦ここまでの3試合だけではあるが、仙台は、3試合での失点が僅かに1。これは、3節終了時点での同率1位である、浦和・広島と同じ成績だ。仙台としては、目指している「堅守賢攻」の「堅守」については、その形は出来つつある。
ハードワークによって、お互いの中盤を潰し合う展開を強いられるチームとの対戦は、これからも有るだろう。そういうときに、どういう攻撃の手を打てるか。ミドルシュートの意識や、パスワークの精度を上げてスペースをもっと突いたり、サイドをもっとワイドに使う、或いはセットプレー獲得を狙い、ドリブルで仕掛ける回数を増やすなど、まだまだやれる事はあるはずだ。
だがまずは、シーズン序盤で迎えた、こういう「似た者同士の対戦カード」において、アウェイながら無失点を達成し、貴重な勝ち点1を持ち帰れた事に対して、チームと選手に、労いを伝えたい。「勝てないなら勝ち点1を確実に獲る」のは、もはや最低限のミッションだ。それが出来るチームは、リーグの上位に留まるだろうし、それが出来ないチームは、下位に堕ちていく事だろう。
次のリーグ戦は、代表戦の影響もあり、1週のお休みを挟んで、もう4月の対戦となる。この間、ナビスコカップ予選の週末開催という、例年はあまりお目に掛からない日程を消化する事になるが、チームの戦力底上げも大事な仙台にとって、今季のナビスコカップは消化大会ではない。
主力選手の試合勘維持のために使うか。それとも、控え選手の経験蓄積のために使うか。今度のナビスコカップ・アウェイ名古屋戦のメンバー構成からも、眼は離せない。
今季公式戦4戦で、未だ無敗の仙台。得点こそまだ少ないが、シーズン序盤に堅守から入るのは仙台の伝統であり、水物である得点力への心配は、まだまだ時期的に早い。
今は、次戦への期待を心に秘めて、その刻が来るのを待つしかない。
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