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仙台1-0横浜FM リーグ戦に続き、ナビスコ杯も開幕戦勝利。得点ウイルソン。GK六反、古巣相手の仙台デビュー戦でPKビッグセーブの大活躍。リーグ戦からメンバーを9人も入れ替えてきた横浜FMを退け、幸先良いスタートを切った。

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 この試合の見所は、大きく2つ。一つは、野沢の見事なアシストからのウイルソン豪快裏抜け出し弾。そしてもう一つは、後半に与えたPKを見事にセーブし、またその高精度なキックでサポーターを沸かせた、GK六反の大活躍だった。

 

 ウイルソンの得点シーンを振り返る。前半25分、中盤で梁→野沢と繋がったボール。野沢はこれを、高精度に横浜FMの "守備の裏" へ送り込んだ。これが見事に、同じくその "裏" へ抜け出したウイルソンの胸トラップへと繋がる。一気に得点機を迎えた仙台。ウイルソンはこれを冷静に、叩き付ける様に、右足でシュートを放つ。GK飯倉の脇を抜け、ボールは横浜FMゴールの左サイドネットを揺らした。

 
前半26分。仙台1-0横浜FM。
 
ウイルソン、今季公式戦3得点目。仙台在籍3年目だった去年の成績の落ち込みを取り戻さんとする勢いそのままに、在籍4年目の今年、再び、そのストライカーぶりをみせつけてくれている。
 
また、ウイルソンのゴールをアシストした野沢の高精度なボールの配給も見事だった。リプレイ映像でも、野沢の右足から繰り出されたボールが、トップスピードで走り込むウイルソンの胸を、ドンピシャリで捉えている様子を確認できた。
 
幸先良い先制点を受け、更にその攻撃の勢い増す仙台。対する横浜FM側には、時折危ないシーンを作られるも、仙台の堅い守りがこれを阻み、横浜FM側にフィニッシュまで持ち込まれる展開は限定的。流石に、リーグ戦からメンバーを9人も入れ替えてきたせいか、どこかしらぎこちない攻守が目立った印象でもあった。
 
そして驚いたのは、ウイルソンのゴールシーンの他にも。昨年まで横浜FMに在籍し、今季から仙台の一員となったGK六反の、そのパントキックの精度の高さ。狙ったところへ、低く、そして速く。ゴールキックがあそこまで高精度だと、もはやそれはゴールキックではなく、実質、フリーキックである。これで、前線にハモン・ロペスが先発で張っていようものなら、ゴールキックからハモンへとボールが繋がり、それを更に前線へポストし、そこから一気に得点機というシーンにも期待できそうだ。
 
リーグ戦では、GK関が先発の座を張り続けているが、うかうかしていられなくなった。
 
迎えた後半。
 
横浜FMは、ブラジルU-21代表経験もある、今季加入のアデミウソンを早々に諦め、後半9分に、こちらも日本代表経験のある斉藤学を投入。J2愛媛で開花したドリブラーは、現在は "ハマメッシ" の代名詞で横浜FMの次代を担う存在。今季のリーグ戦2試合でもフォワードで先発を張っているが、この日はカップ戦という事でベンチスタートだった。
 
だが、伊藤翔とアデミウソンの2トップで仙台の堅守を打開出来ないと判断したのか、後半の早い時間帯で、アデミウソンを斉藤学にチェンジしてきた。
 
斉藤学のドリブルにより、仙台ディフェンスの中央が掻き乱され始まる。どうにか仙台の堅い守りをこじ開けたい横浜FMは、斉藤のピッチインを機に、その攻勢が高まる。
 
斉藤が投入されてから、その9分後の後半18分。とうとうその斉藤に中央を切り崩され、仙台PA内へと侵入を許す。これを止めに掛かったDF鎌田が、斉藤を倒してしまったとして、ファウルの判定。横浜FMに、PKを献上してしまった。
 
ボールを蹴るのは、鎌田のファウルを誘った斉藤ではなく、フォワードのコンビの相棒だった伊藤。対峙するは、昨年までチームメートだったGK六反という構図。
 
仙台ゴールの左隅へ、スピードあるボールを蹴り込んできた伊藤のボールを、「たまたまです。1/2の確率で、思いっきり右に飛んだだけ」と謙遜する、GK六反のパンチングで枠外へと弾き、PKのピンチを見事に救った。
 
ガッツポーズで咆哮する六反。その六反の元へ集まる仙台イレブン。スタジアム中が、このPKビッグセーブ劇に、その度肝を抜かれた。
 
このシーンの直後、次のリーグ戦を睨み、早めに梁とウイルソンを下げ、茂木とハモンを投入。対する横浜FM側も、三門を下げて藤本を投入し、守備の枚数を減らしてまで攻撃の枚数を増やしてきたものの、その攻撃力が格段に向上するような様子も見られず、仙台は終盤に、奥埜を下げて金園にチャンスを与える余裕まで見せる。
 
最後は、掲示された後半アディショナルの3分もあっと言う間に経過し、試合はそのまま終了。仙台、リーグ戦に続き、ナビスコカップでも開幕戦勝利を収めた。
 
リーグ戦と平行して開催されるナビスコカップでは、リーグ戦での出場機会の少ない選手を積極的に起用し、その戦績はあまり重視されない事もしばしば。実際、この一戦でも、横浜FMはリーグ戦から選手を9人も入れ替えてきた。対する仙台も、5人を入れ替えて臨んだ。
 
だがこの一戦では、1-0で勝ったという戦績以上に、仙台としては収穫の多い内容だった。
 
ウイルソンの今季公式戦初先発、そしてゴールという結果。
GK六反の鮮烈な仙台デビュー。
昨年暮れに大怪我から復帰した蜂須賀の先発試運転。
同じく武井の先発試運転。
出場停止明けの野沢の試合感磨き。
蜂須賀先発により、連戦の最中に、菅井を休ませられた。
 
そして何といっても、勝利という結果と、リーグ戦の先発陣に与えた危機感と競争意識。仙台はこの一戦で、あらゆる収穫を挙げ、リーグ戦へとその勢いを繋げる結果をも手にした。
 
よもや、昨年末の主力大量流出による「今季残留への危機感」から、これだけの「上位躍進への期待感」へと昇華する事態に成るとは。今季は、リーグ戦だけでなく、ナビスコカップにも期待を寄せる事が出来そうだ。
 
まだまだ、シーズンは長い。が、ここまで今季公式戦3戦中、2戦をホームで戦い、その期待感溢れる戦いぶりを生で確認できた事で、今季のベガルタの躍進を垣間見るサポーターは多いに違いない。筆者も、当然ながらその一人である。
 
連戦は続く。次は、中3日でリーグ戦、アウェイ清水戦湘南戦だ。息を吐く暇のない連戦となるが、チームとして準備は出来ているだろう。
 
「チームの勝利と躍進は、我の活力」
 
そう想い、ホームスタジアムに足を運び、またテレビの前で釘付けになって、届くと信じて選手に声援を送るサポーターの姿こそ、この地にプロサッカーというスポーツ文化が根付いている証だ。
 
逆境に負けない勇気を、私たちサポーターに与えてくれる選手に、チームに、そして共に歓びを分かち合えるサポーター仲間の存在に、大いに感謝したい-。
 
#初掲載時、次節の対戦相手を誤って「清水戦」と記載してしまいました。訂正のうえお詫びします。なお、記録のため訂正前の文言は本文中に残しておきますのでご了承下さい。



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