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「あと1分!」
後半22分の鎌田の先制スーパーボレー弾で先制点を挙げ、1点先行で迎えた後半のアディショナルタイム3分。その2分を過ぎようとしていたとき、自陣でのクリアボールを拾われ、それを豪快に叩き込まれてしまい、悔しいドローで終わった仙台。
試合は、終始仙台ペースで進んだ。公式戦3連勝中と、好調の波に乗っていたマリノスの敵地へ乗り込み、迎えた第5節。過去5年間、仙台が無敗を継続する日産スタジアムでの対戦は、指揮官とサポーターの期待通りに、マリノスの攻撃陣を無失点で封殺し続ける、忍耐強い守備を披露する仙台が、守備面で主導権を握る展開で進んだ。
攻撃面では、カウンターを中心に試合を組み立てる。奪ったボールを素早く前線へ送り、ウイルソンへ預けてチャンスメークする攻撃の形は健在。また、期待のルーキー・茂木はこの日も運動量豊富で、攻撃に絡む意識の高さが良く見て取れた。前半30分。アタッキングサードで、富田からの横パスを受けた野沢が思いきりシュートを放つ。これは相手DFに体でシュートコースを消され、ボールが上空へ跳ね上がったが、茂木がこのボールの落下点へと素早く走り込み、ノートラップで、逆サイドの奥埜に合わせるべく折り返した。タイミングはドンピシャリで走り込んできた奥埜だったが、ジャンプしてもボール1個分高さが足りず、シュートには至らず。ただ、こういう連携攻撃は、昨年までの仙台にはなかなか観られなかったシーンであり、日本のトップリーグの試合らしい、ダイナミズムが感じられる好プレーだった。
また、仙台移籍後初の日産スタジアムでの凱旋試合となった、GK六反も、古巣相手の放ってくる枠内シュートを、次から次へ、キッチリとセーブしていく。マリノスはどうして、こんなGKをベンチに置いておいたのだろう?と疑問視するくらい、六反のセーブには助けられた。
スコアレスで迎えた後半。
待望の先制点は、攻撃の際の不意の「こぼれ球」から産まれた。21分。PA内右サイドで、横浜FMのMFファビオのクリアボールが梁の背中に当たると、そのこぼれ球が、詰めてきたウイルソンの目の前へ。ただ、すぐに目の前のDFにシュートコースを消されてしまったため、ウイルソンはセンタリング供給を選択。このボールの軌道は、相手に触られない絶妙な弧を描き、なんと、フリーで攻撃参加していた、鎌田へと繋がった。
これを鎌田、トラップする事なく、ダイレクトで右足を振り抜く。ボールを吹かさないように、右足を畳むようにしてボレー。鎌田の右足から瞬発力を貰ったボールは、横浜FMゴールのバーの下を豪快に叩き、GM榎本の背中に当たり、そのままゴールイン。
後半22分。横浜FM0-1仙台。
鎌田は、ナビスコカップの名古屋戦での2得点目に続き、今度はリーグ戦でも得点を挙げた。センターバックながら、セットプレーでもないのに、なぜあの位置に居た??まるで、菅井のお株を奪うような、積極的な攻撃参加の姿勢が、この日の先制点奪取に繋がった。
「やっぱり、このスタジアムは相性が良い!」
このとき、そう感じた仙台サポーターは多かったに違いない。
鎌田のゴールを境に、動き出す試合。双方ベンチワークが慌ただしくなり、マリノスはなんと、センターバックの栗原を下げ、フォワードの矢島を投入してきた。攻撃の圧力が増すマリノスに対し、仙台は、後半38分の武井投入まで、ベンチワークは様子をみた。その後、前線のウイルソンを金園に代え、最後はAT突入後の2分に、茂木に代えて蜂須賀を投入。明らかに「このまま逃げ切り」のサインだった。
だが、最後の最後で、仙台に悪夢の失点シーンが訪れる。自陣で跳ね返したクリアボールがやや小さく、しかもその落下点には、先ほど、仙台の「先制点の起点」になった、マリノスMFファビオの姿が。そのファビオに、豪快なダイレクトボレーを打たれてしまう。スピードに乗ったその被シュートは、仙台ゴール枠内へ一直線。GK六反も良く反応し、右手には当てたものの、その手をも弾き飛ばし、仙台ゴールへ、豪快に突き刺さってしまった。
後半AT3分。横浜FM1-1仙台。
鎌田のボレーもスーパーゴールなら、ファビオのボレーも、またスーパーゴールだった。普通、あの場面では、トラップしてからシュートを放とうとするか、或いはノートラップで打ったとしても、大概は、吹かすか逸れるかして、枠を捉え切れないものだ。だがこのときだけは、しっかりと芯を捉えて打たれてしまい、結果、失点に至った。
時間帯を考えれば、あの失点シーンさえ防げていれば、1-0 で勝っていただろう。
最後の最後で、ああいうシュートを打たれてしまった点については、もう少し「試合の締め方」というものについての改善の余地はあるはず。少なくとも、ああいうハイボールの落下点へは、誰かが体を寄せて自由にシュートを打たせないようにするべきで、あのときは、一瞬、それを行うのを躊躇していた。人数は揃っていただけに、勿体ない失点でもあった。
実は、もしあのまま 1-0 で終われたとした場合、勝ち点を 11 へと延ばし、その結果、浦和とFC東京に片を並べ、同率首位3チームの一角として5節を終われるはずだった。そう思うと、非常に勿体ない失点劇ではあったが、これもサッカーである。
だが、終わってみれば、やはり日産スタジアムでは負けなかった。それも、敗戦寸前の中から勝ち点1を拾った訳ではなく、あと1分というところまで、公式戦3連勝中と好調だったマリノスを押さえ込んでのものだ。最後の失点シーンこそ悔やまれるが、あの失点シーン以外は、間違いなく、渡邉監督のゲームプラン通りだったはずで、その点については、今後のリーグ戦への自信となっているに違いない。
順位こそ、前節の2位タイから4位へと下がったものの、首位との勝ち点差2はそのまま維持。一つの勝利で、首位にも成れれば、中位へと転落する可能性もある、戦乱のファーストシーズン。3連勝と気を吐くガンバ大阪には抜かれてしまったが、今は気にする必要なし。
正直を言えば、今は、どんな相手でも、負ける気がしない。
サポーターの皆さんもきっと、そう思っている事だろう。それだけ今季のチームからは、上位躍進へのポテンシャルが感じられるのだ。
このまま、仙台らしい "春闘" を、J1の舞台で繰り広げたい。
「次」へ。そして「頂」へ。
共にまい進しよう。仙台。
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