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前節、順位を2位タイから4位に落とした仙台だが、リーグ戦では未だ無敗を継続。堅守をベースに無敗を勝ち取ってきた仙台の今節の相手は、今季既に2桁得点の10点を記録し、その自慢の攻撃スタイルを貫く川崎だ。昨年まで仙台に在籍の角田が移籍し、今節は角田の迎撃戦という意味合いも含んでの一戦となる。
川崎との過去対戦成績をみると、仙台のJ1復帰後の2010年以降では、仙台からみて3勝4分6敗で、勝敗では川崎に水を空けられている格好だが、昨年だけをみると2分。スコアも、0-0 と 1-1 という接戦に持ち込み、川崎ご自慢の攻撃陣を黙らせてみせ、2010年以降では初めて、決着の付かないシーズンとなった。一昨年までは、どうしても守備で耐えきれずに複数失点を喫しての敗戦となる事が多かっただけに、渡邉監督の就任以降の2戦で2分、しかもその2戦合計で失点1という結果は、今季の川崎戦を迎えるにあたっての、守備面での自信にも成り得る。
無論、昨年の守備面で結果が出たからと言って、今年も同様の結果を出せるという保証はない。川崎ご自慢の攻撃陣は今年も健在で、リーグ戦5試合で既に10得点は、ガンバ大阪とならんでトップタイだ。得点源の大久保とレナトも健在で、まずは前線の彼らに仕事をさせないための包囲網を敷くところから準備が必要だろう。
ただその反面、川崎といえば、「攻撃は素晴らしいが守備は二の次」というイメージも併せ持つ。川崎の無失点試合を見たという諸氏は、決して多くはないだろう。今季のリーグ戦5試合全てで1失点以上を喫しており、またナビスコカップでも、お休みの予選第2節を除けば、今季絶不調の清水を相手に無失点勝利した第3節の1試合だけで、第1節の名古屋戦では3失点も喫した。(どこかの東北のチームも名古屋相手に3失点しているが、そこには触れないでおきたい)
どうやら、川崎のスタイルである「攻撃能力の高さと守備能力の脆さ」は、今季も踏襲している様相。そして、その守備の脆さの改善を目論み、仙台から角田を獲得したはず。それが、リーグ戦で既に6失点。仙台の3失点から見ればダブルスコアで、その守備の脆さを、攻撃力の高さで補っている印象は、今季も変わらない様子である。
となると、仙台が狙いたいのは、予想される「攻の川崎」vs「守の仙台」の構図の中においても、「川崎の守」を突く鋭い一矢か。川崎の最終ラインは伝統の3バックで、そのスタイルは今季も健在。しかも、仙台から移籍した角田はその中央に君臨。対人に強い屈強な角田が、中央で高い壁となって仙台の攻撃を遮るのなら、仙台は、その壁をどうやってすり抜けるかを考えなくてはならない。少なくとも、「中央で仕掛けるだけ」ではあまり効果は無さそうなので、まずは、相手が3バックのときの "定石" でもある、左右のサイドの裏を剔るような、素早い縦パスから得点機を伺いたい。そのうえで、仙台得意の得点パターンでもある、コーナーキックやフリーキックなどのセットプレーからのゴールを狙うべく、攻撃の面では、きっちりとフィニッシュまで持ち込みたい。
川崎を相手にしたとき、いつも気になるのは「中途半端な攻撃を仕掛けて中盤でボールを失い、そこからのカウンターの逆襲を喰らっての失点」というシーンだ。川崎の持ち味は、中村憲剛を軸とした素早いパスワークで、相手守備を崩して得点を奪う形の「パスサッカー」がベースであるが、中盤で相手からボールを奪ってからのカウンターの鋭さと、そしてシュートの正確性も捨て置けない。攻撃面においては、川崎は既にタイトルをいつ獲ってもおかしくないくらいの秀逸さを誇っている。
だが、そんな川崎が、未だ「無冠の帝王」と言われる所以は、攻撃力の裏に潜む、守備面での脆さにある。川崎の試合は、大概が得点の奪い合いとなるため、観ている者にとっては「面白い試合」になる。
だが、今節は、そうはさせない。得点の奪い合いは、それこそ「川崎の思うつぼ」で、そうなってしまえば、仙台に勝ち目はまずない。現状、公式戦ではウイルソンとセンターバックの2人しか得点者が居ない仙台にとって、そこの得点源をマークされてしまえば、撃ち合いどころか、一方的な展開のワンサイド・ゲームになってしまう危険性をも胎む。
そのため、仙台として狙いたいのは、ホームの試合ながらも、まず川崎の攻撃に耐えうる堅守網を敷き、そこからのカウンターをベースとしたい。そしてそのカウンターのシーンでは、フィニッシュを決してウイルソンだけに頼る事なく、チャンスがあれば、どこからでもミドルを積極的に打ち、可能ならセットプレーに持ち込んで勝負したいところである。そこは、ルーキー茂木にも期待を寄せたい部分だ。
ポイントとしては、中盤でボールを失ったときの、ファーストディフェンスの素早さの重要性だ。これは、今季に渡邉監督が標榜している事でもあるが、「ボールを失っても、そこへすぐに守備に入れば、相手の攻撃を遅らせる」事が出来る。そこの出来如何で、仙台の堅守がホンモノかどうかの評価が二分するのではないか、とさえ考えている。
そのうえで、場合によっては、川崎のお株を奪うようなパスワークから、大胆なサイドチェンジをも盛り込み、手数を掛けずにフィニッシュまで持ち込んで得点機を量産したい。昨年までの仙台なら、決して期待高にはならない様なシーンの妄想ではあるが、今季の仙台の先発陣の顔ぶれなら、それにも期待できそうな雰囲気が漂っている。結果として、攻撃陣はウイルソンしか得点者がまだ居ないが、"川崎の裏" をしっかり狙い撃つ様な攻撃が出来れば、ウイルソン以外の攻撃陣に得点が産まれるのは時間の問題かと考える。
いやむしろ、ウイルソン以外の攻撃陣に得点者が産まれるかどうかが、今節の勝利へ向けたカギとなりそうな気もするのだ。
何しろ、失点の多い川崎が相手である。そこを上手に突き、2得点以上を、ウイルソンを軸に攻撃陣の誰かが獲ってくれれば、勝機は見えてきそうだ。臆することなく、堂々と川崎をホームに迎えたい。
ところで川崎と言えば、仙台の盟友としても知られる。J1復帰以降、リーグ戦ホームゲームでのコンコースはアウェイチームを隔離してしまう事が殆どだが、川崎戦だけは例年、コンコースの隔離はせず、自由な行き来が出来る事でも知られている。今季のホーム川崎戦も、ユアスタのコンコースを一周する事が出来るだろう。
共に、勝てば首位浮上の芽もある上位決戦。短期決戦のファーストステージを生き残るためにも、お互いに落とせない一戦となるが、ホームの仙台は無敗を継続するべく、負ける訳には行かない。まして、今季のリーグ戦ホームゲームとしては2戦2勝中だ。これを "優勝争いの勢い" に換えるためにも、今季の勝利はどうしても逃せない試金石である。
試合当日の予想最高気温は19℃。やや暑いくらいの気候が予想されるが、季節柄、朝晩の寒暖差はまだ大きい。外出中は体感に合わせてこまめに脱ぎ着し、試合当日を楽しく過ごしたいものだ。
今節も、笑顔でユアスタを後にしたいものであるが、果たしてその結果や如何に-。
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