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ここ数年、いわゆる「新顔チーム」との初対戦が無かった仙台だが、今節の松本山雅戦にて、それが久々に実現する。過去、一度も対戦した事のない相手。だがその躍進ぶりは、各メディアにて嫌というほど取り上げられ、観るともなしに、目に耳に情報が飛び込んでくる。
松本山雅FC。初めてその名を耳にしたのは、2011年の夏だった。そう、あのDF松田直樹選手の急逝が、大々的にニュースで取り上げられたときである。前年まで横浜FMに在籍した彼は、その横浜FMからの戦力外通告を受け、翌年の2011年に、当時JFL参戦2年目の松本山雅FCへ移籍。同年8月2日の練習中に突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまった。彼の入団時には、J2に上がりJ1へ行くと公言しており、その彼の公言を受け継いだ選手とサポーターが一丸となって、今季、悲願のJ1参戦を果たしている。
地域リーグ参戦から、僅か9年でJ1参入は、スピード出世も良いところだ。選手の頑張りもさる事ながら、それを後押ししてきた、大観衆のサポーターの存在も見逃せない。彼らの後押しがなければ、こんなに早くのJ1参入は実現しなかっただろう。
J2参入の頃から、マッチデーハイライトや各スポーツニュースなどで、松本山雅の大観衆サポーターの圧倒的な応援と、その熱意の凄さは確認済みだ。もし、あのクラブのチームカラーが赤色だったならば、浦和と見誤るくらいではないだろうか。
いずれ、あのクラブとも対戦する事になると思っていたが、早速、その機会が訪れた。それも、彼らのホームで。あれだけの大観衆は、J2出身クラブとしては群を抜いており、またアウェイにもかなりの松本サポーターが訪れている様子だ。松本地域のサッカー熱は、仙台がJ2参戦を経てJ1昇格した2002年の頃のように、大いに盛り上がっている事だろう。
ただ、J1初参入のチームにとって、やはり今季の戦況は厳しい様相。松本山雅は、今季の公式戦10戦中、勝利は2試合で、いずれもアウェイでの勝利。つまり彼らは、今季未だ、ホームでの勝利がないのだ。
当然、今節の「ホーム仙台戦」に、今季のホーム戦初勝利を期している事だろう。が、仙台としても、公式戦で連敗を喫している以上、今節は、引き分けすら許されない排水の陣で臨む覚悟だ。「強者には厳しく、弱者には優しい」仙台だが、今節は、相手を弱者とは思わない。むしろ、ホームの大観衆に後押しされ、持てる力量以上の力を発揮しかねない、危険極まりないチームとの対戦という認識を持ち、打てる手は全て打ち、全力で勝ち点3をもぎ取りに行かねばならない。
相手側で注意しておきたい選手はと言うと、基本的にはやはり、FW9・オビナだろうか。松本山雅のJ1昇格を支えた主力選手が次々と移籍流出していく中、鳴り物入りで今季より加入してきたブラジル人FW。既に30オーバーのベテランだが、今季既に2得点を挙げている。
だが、仙台としては、オビナよりも、もっと気になる選手が松本山雅には居る。それが、FW39・阿部吉朗だ。阿部は、過去何度も仙台戦でゴールを挙げており、「仙台キラー」として、非常に怖い存在として認知している。今季から加入の阿部は、シーズン序盤こそ出番が無かったものの、リーグ第4節の浦和戦でベンチ入りを果たすと、そこからナビスコカップも含めて試合後半での途中交代による出番を得、第5節のホーム柏戦にて、後半アディショナルタイムに今季初ゴールを挙げている。(試合は1-3で柏の勝利)
仙台としては、まず、今節も先発濃厚なFWオビナに「ボールを入れさせない」「ボールを持たれたら厳しくプレスする」を徹底し、彼らに攻撃のリズムを掴ませないようにしたい。そして、後半の要所で、FW阿部が投入されてきたら要注意だ。「対・仙台戦」において、決して悪いイメージを持っては居ないであろう彼にとって、今節はまたとないチャンスのはず。試合が同点のまま膠着しているときなどは、そういうジンクスめいたものを持っている選手に、以外な活躍の場やチャンスが訪れるものだ。仙台としては、その "危険性" を常に認識し、他の誰よりも、彼に仕事をさせない事に、充分に配慮する必要がある。
振り返って、我らが仙台の注目選手。今週に全体練習へ合流したハモン・ロペスの今節のベンチ入りに期待したい。試合の流れを変えられる選手という意味では、先日のナビスコカップ清水戦で、仙台移籍後初ゴールを挙げたFW金園と、このハモン・ロペスの2選手が、一番手として候補に挙がる。ゴールを挙げた金園の今節のベンチ入りはほぼ確実と読んでいるが、ハモンについては未知数。ただ、ベンチに居るだけでも威圧感タップリな選手なので、コンディションに問題がないようであれば、是非ともベンチに置いて今節に臨みたいところである。
そして、松本山雅といえば、FW山本とDF多々良を抜いては語れない。昨季まで松本山雅に在籍した2選手は、レンタルバックの山本と、完全移籍加入の多々良と共に、今季は仙台にその主戦場を移した。多々良は、右サイドバックの菅井の負傷離脱を受け、同ポジションでの先発出場の座を掴み、先週のリーグ川崎戦で、仙台移籍後初得点を挙げている。また山本は、シーズン序盤こそなかなか出番が無かったが、先日のナビスコカップ清水戦でようやく先発出場の機会があり、62分にウイルソンと交代するまで左サイドハーフのポジションを務めた。
共に、出場すれば、古巣凱旋となる一戦だ。特に多々良は、菅井の劇的な先発復帰でも無い限り、まず今節の先発出場はほぼ確定。J1の舞台で苦しい戦いを続ける古巣が相手ではあるも、全力でこれをねじ伏せる活躍を見せる事こそが、古巣への恩返しになるはずだ。先週の川崎戦で見せたゴールは、まさしく「菅井のお株」を奪うような、積極的な攻撃参加からの産物。今節は、戦い慣れたスタジアムで、伸び伸びと、その本領を発揮してくれるに違いない。
予想される先発の顔ぶれに、大きな違いは無いだろう。気になるのは、前述したハモン・ロペスのベンチ入りがあるかないかくらいだ。先週の川崎戦でこそ、川崎の技術力高いパスワークとラストパスの精度の前に、ホームで煮え湯を飲まされてしまったが、仙台がこれまで蓄積してきた戦い方は、今後もJ1では充分に通用するはず。ただ、如何せん、攻撃におけるラストパスやフィニッシュの精度は、まだまだ他の強豪チームには敵わない。仙台としては、野沢1人に頼る事なく、チーム全体で、攻撃の精度を上げていかなければならないが、大前提となるのは、やはり「チーム全体での攻守の意思統一」と「ゴールへ向かう強い気持ち」だ。少なくとも、ゴールへ向かう強い気持ちの部分については、ルーキーMF茂木が、既にそのプレーで体現してくれている。
果たして今節、公式戦でゴール連発中のウイルソンに続き、攻撃陣の誰かが得点を挙げられるのか。それ無くしては、今節の勝利は考えにくい。リーグ戦におけるウイルソン以外のゴール達成者が、守備陣の渡部・鎌田・多々良だけでは、絶対に足りないのだ。(FW金園の得点はナビスコカップであり、リーグ戦では未だ無得点)
今節の攻撃陣の奮起に期待を寄せつつ、守備陣の攻撃参加や、全員で無失点に拘る姿勢など、ベンチワークも含め、全てにおいて手抜きをせず、全員で勝利を掴む姿勢を見せて欲しい。
ところで筆者は、ここしばらく都合が付かずにアウェイ遠征を我慢してきたが、どうしてもアルウィンの雰囲気を味わいたく、どうにか都合を付け、今節に参戦させて頂くに至った。
久しぶりのアウェイ参戦である。遠征を堪能すると共に、帰路は是非とも、笑って帰仙したいものであるが、果たして、試合の行方と、その結果や如何に-。
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