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J1 前期 第15節(通年15節) vs 鳥栖戦プレビュー 奥埜の負傷離脱に加えて、ウイルソンが加療のため緊急離日。フォワードの軸を失った仙台が取るべき道は、ハモン・ロペスを代役とする2トップの維持か、それとも1トップの採用か。もう少しで残留争いから抜け出せる大事な時期の戦力減だが、総力戦で臨む覚悟。逆境を勝ちパターンにするなら、今度こそ、ホームで勝ち点3を。

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 6月2日、ウイルソンの緊急離日がリリースされた。5月30日の神戸戦での受傷の影響により、母国ブラジルへの帰国が急遽決定。直後のナビスコカップこそ、既に「消化試合」だったためにウイルソンの離脱の影響は無かったが、流石に、今節の鳥栖戦への影響は免れない。

 リーグ戦、カップ戦での今季合計6得点は、もちろんチームトップ。今シーズンの序盤でこそ、仙台加入1年目と2年目のときの様な「得点量産のオーラ」を発し続けていただけに、FC東京戦でのPK失敗、その後の得点記録ストップ、そして今回の負傷による緊急離日は、青天の霹靂に近い衝撃を受けた。

 
5連敗の期間中も含めて、1試合での複数失点が止まらなかった仙台だったが、ここへ来てようやく、1失点以内で収まる様になり、無失点勝利も達成できるようになってきていただけに、このタイミングでのチーム得点源の離脱は、見えかけていた「残留争いからの完全脱出」への道筋が、再び迷路へと迷い込んでしまう事態に陥りかねない。
 
そこで、考え得る対策の一つとしては、単純発想で、ハモン・ロペスをウイルソンの代役として、2トップの一角で先発起用する案。但しこの場合、試合後半の勝負どころで、試合の流れを変えたいときの「ハモン投入」というジョーカーを失う事となる。
 
試合の流れを変えられる、という意味では、金園や奥埜もその候補に挙げられるが、金園は前線から守備に奔走してくれる、貴重な先発候補でもあり、安易にベンチスタートとする事が難しくなってきている。奥埜に至っては、現在負傷の影響で、こちらも出場は困難な状況。この他、先日のナビスコカップ川崎戦でも先発起用された、山本や西村は健在ではあるものの、リーグ戦での先発起用に耐え得るポテンシャルを持っているか、というと、残念ながらその点ではまだまだだろう。
 
考え得る対策の別な案としては、思い切って、1トップを採用するというもの。これなら、金園かハモンのどちらかを1トップで先発起用し、残ったほうをベンチスタートとして、後半の要所で投入、というオプションとする事が出来る。ただこの場合、2列目に3枚並べる事となり、誰がトップ下を務めるのか?という悩みが発生する。幸いにして、2列目を務める攻撃的ミッドフィルダーの選手は豊富であり、梁・野沢・茂木・金久保・杉浦と、候補は多い。場合によっては、菅井を2列目の右で先発起用する案も「アリ」だろう。だが、トップ下となると、少し事情が違ってくる。ブンデスリーガ・ドルトムントの香川の様に、トップ下を主戦場とする、司令塔・ファンタジスタタイプの選手が居れば、話は早いのだが、4-4-2のオーソドックスな布陣をベースとする仙台には、そんな好都合な選手は居ない。
 
以前、梁がここを務めた試合があったが、今ひとつ「しっくり来なかった」のを覚えている。それでは、ここで野沢を起用か?ポジション的にも経験が無い訳ではないだろうし、
彼の様な、意外性のあるパサーなら、案外、ハマる可能性はある。だが、絶対的な経験量がない事もあり、これもまた「ギャンブル」だ。
 
それでは、「4-3-2-1」はどうだろう?3ボランチという意味では、仙台は「4-3-3」オプションも、以前から練習しており、ボランチの出来る選手は多い事から、フォーメーション的には何とか収まりそうだ。また、この場合の2列目は、いわゆる「2シャドー」となり、1トップの廻りを衛星的に動き回る役目となる。奥埜が健在なら、間違いなくここで起用したいところだが、「無いものは強請れない」ので、ここは思い切って、野沢と梁を2シャドーで起用してみるのも一案か。これなら、「4-3-3」でも「4-3-2-1」でもOKだ。
 
・・・と、色々と勝手に妄想してみたが、ウイルソンと奥埜を欠いて臨む事に変わりはなく、ベンチスタートさせる選手の選抜も含めて、監督はギリギリまで悩む事だろう。幸い、今節はホームゲームだ。「まず遠征帯同させる選手」の選定作業が不要となるため、試合日当日のメンバー申告のタイミングまで悩む事ができる。
 
更に、今節の相手となる鳥栖の側にも、悩ましい状況が発生している。現在鳥栖はリーグ戦2連敗中で、その間のナビスコカップ甲府戦でも、0-0で勝ちきる事が出来なかった。特に、前期優勝へ向けてひた走る浦和をホームに迎えた前節において、後半だけで6失点してしまい、その衝撃は計り知れない。ここへ来てリーグ戦連敗を喫している鳥栖は、チーム苦境の立て直しの意味も込め、仙台が大の苦手とする「引いて守ってカウンター」を徹底してくる可能性は充分にある。前線に、鳥栖の絶対的エースである豊田が君臨している以上、例えカウンターベースのサッカーでも、彼らに得点機は充分にあるのだ。
 
絶対に、彼らに引いて守らせてはいけない。仙台にとっても、この一戦は、残留争いとの決別への布石となる、重要な一戦なのだ。また、ホームで勝ち点3を挙げられていない期間も、もう2ヶ月を越えている。引き分けでは許されない状況に成りつつある現状、今節の勝ち点3の奪取は絶対的ミッション。ウイルソンも奥埜も居ない上に、彼らに引いて守られてしまっては、仙台は、打てる術の殆どを失ってしまう事になりかねない。
 
そこで、やはり重要なのは先制点。点さえ先に獲ってしまえば、嫌が応にも彼らは前へ出て来ざるを得なくなり、必然的に、その裏を攻撃に使える様になる。だが逆に、先制点を奪われてしまうと、彼らはこれ幸いと、ガッチリ引いて守り、カウンター狙いになってしまう。そうなったら仙台は、カウンターを受ける覚悟で、単純な放り込みを繰り返すパワープレーに終始するしかなくなってしまう。当然、それで得点が獲れる保証はどこにもない。
 
もし、先制点が獲れない様なら、そのまま試合終盤まで0-0で引っ張り、最後まで勝利の可能性を残しつつ、終盤のパワープレーでの1点に賭けるしかないが、この一戦では、そこまでお互いに、スコアレスで引っ張るとも思えない。
 
共に、これ以上の敗戦を喫したくない状況であり、守り合いの中でスコアレスの時間が長くなりがちな展開も予想されるが、以外にも、こういう試合は、早い時間帯で点が動いたりするもの。何事も、予想通りに行かないのがサッカーの面白さであり、醍醐味だ。セオリー通りのサッカーばかりやっていたら、常勝軍団になど、成れる訳がない。相手の意表を突く様なプレーをチラつかせてこそ、勝機も見えてくるというものではないだろうか。
 
その意味において、先日の蜂須賀のスーパーミドルは、再び停滞し始めた攻撃陣への、大きな一石を投じる事となったはずだ。
 
勝たなければならない重要な一戦だからこそ、意外性のあるプレーが求められる。
 
試合を、もっと楽しめ。
シュートコースが見えたら、例え遠目のミドルでも、ガンガン打っていこう。
息つく暇さえない、観る者を釘付けにするような、ダイナミズム溢れるサッカーを。
 
そういうサッカーをやってみせて、そして、離脱中のウイルソンと奥埜に、メッセージを送ろう。
 
「早く戻って来い。面白いサッカーをやろうぜ!」



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