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ベガルタサポーターならずとも、この試合がどれだけ「サッカーの試合」として面白かったかは、この試合を見たものには言葉を必要としないくらい、気持ちの入った、素晴らしい内容であった。
試合序盤こそ、お互い様子見の様相で、決して面白い展開とは言えなかった。だが、お互い徐々にエンジンが掛かり始め、試合は次第に「スタティックな内容」から「ダイナミックな展開」にそのスタイルを変貌させていく。
C大阪側は、守備の要であるマルチネスと前田を欠く布陣ではあったものの、攻撃陣は健在。そのため、C大阪の強力な攻撃の圧力を止める事を第一に考え、そのスキを狙ってカウンターで相手を仕留めるというのが、仙台側のプランであった。
果たして実際の展開は、まさにそのようになったと思われる。勝ちたい意識を前面に出して戦う両者だったが、やはりC大阪の攻撃力の高さは、J1でも充分通用するくらいのものを感じた。それを防ぐ時間帯が長く、仙台が攻撃に転じる時間帯との比率は、6:4、いや、7:3くらいの割合ではなかっただろうか。
それでも、さすがにリーグ最少失点のチームである。リーグ最多得点のチームを相手に、林・渡辺・エリゼウが中心となって、C大阪の攻撃を尽くブロックしてくれた。第一クールでの逆転負けの反省からか、C大阪の前線の3枚看板である小松・香川・乾の3人に対し、可能な限りフリーでシュートを打たせない、見事な集中力。仮にミドルを打たれても、林がこれを集中したパンチングなどで、好セーブの連発を見せる。
C大阪としては「なんでこんなにゴールを決められないんだ」と、悔しい思いをしたに違いない。
その中でも凄いと感じたのは、前半だけでCKを8本も与えたのにも関わらず、これを尽くブロックし、危ないシーンは皆無に等しかった事。前田やマルチネスを欠いているとはいえ、リーグ最多得点を誇るC大阪は、セットプレーも驚異である。がしかし、この試合で目立ったのは、セットプレーで小松を徹底的にマークするエリゼウの姿や、そのエリゼウと渡辺の2枚で、エリア内に侵入してくるC大阪の攻撃の選手を上手に挟み、絶対にフリーにしなかった事。「どれだけ攻め込まれても、ゴールを許す気がしない」とは、きっと、こういう事を言うに違いない。
エリア内に侵入してくる選手は、渡辺とエリゼウが尽くブロックする。エリア外から打たれるミドルには、林が集中してこれをはじき返す。いつもの守備のシーンではあるが、今節のそれは、特に気迫がこもっていた。特に凄かったのは、後半7分、C大阪の小松にGKと1対1の場面を作られたシーン。林の集中は、おそらくここがピークだったのではないか?と言いたくもなるくらい、見事にこれをブロック。ギリギリまで状況を見据える冷静な判断が、この日最大のピンチを救った。
そして、仙台としても守備ばかりしている訳には行かない。相手の攻撃のこぼれ球を拾い、素早くカウンターに繋げる意識は、今節は特に顕著だった。
特に、ここしばらく見られなかった、右SBの菅井の攻め上がりには驚嘆した。菅井の攻撃参加の度合いは、そのまま「仙台の攻撃の調子良さを推し量れるバロメーター」と言われる事があるが、ここ数節なかった、積極的な菅井の攻撃参加がこの日は良くみられた事から、如何に仙台の得点への意識が高かったかが伺い知れる。
攻撃面で言えば、前半19分の中島の飛び出しは、完全に1点もののシーンだった。キーパーとの交錯がなければ、決める事が出来ていたと思う。
そして、仙台側にとって、この日最大の「見せ場」が訪れる。後半30分、平瀬に代わって中原が投入されると、直後のプレー再開の仙台側CKのシーンで、中原のファーストタッチのヘディングが、いきなりC大阪のゴールネットを揺らす。最近好調の中原らしい、豪快なシュートであった。
が、このゴールは直前に味方が相手のユニフォームを引っ張っていたという判定で、幻に。
その後もお互いが積極的にゴールを狙い、後半ロスタイムに入っても、最後の1秒までよく集中して守備・攻撃を展開した。
お互い得点こそならなかったが、試合内容だけをみれば、J1のチーム同士の対戦と言われても違和感の無い、そんな展開であったと言えよう。お互い主力を2枚づつ欠いた布陣ではあったが(C大阪はマルチネスと前田が累積で欠場、仙台は朴柱成とソアレスが負傷で欠場)、それを感じさせないくらい、ダイナミックで面白い試合だった。
惜しむらくは、中原のゴールが幻となってしまった事か。ゴール前での混戦は、あの程度のプレーは日常茶飯事なのに、あの時だけなぜ主審はファウルを取ったのか。大変残念な判定であった。
だが、あの幻のゴールが「産まれた」事により、C大阪としては「得点が決められない中、負けなくて良かった」と思っている事だろう。逆に仙台としては、「仕留め損ねた」と考えて良いと思う。
とにもかくにも、久しぶりの無失点を、あのC大阪を相手に達成した。5節ぶりの無失点試合は、続く下位3連戦を前に、無失点勝利を予感させるものとなった。C大阪の攻撃性を封じ込めるために割いた時間を考えると、下位との対戦において、あそこまで守勢に廻らせられる事はまず考えにくい。それを思えば、この日復活した堅守をベースに、リーグ後半戦のスタートを切ることができたと考えて差し支えないだろう。
この日得た勝ち点1よりも、仙台が再び身に付けた「自信」のほうが、何倍も大きな意味を持つ。
そして迎える、次節、ユアスタ開幕。いよいよ、私たちの「聖地」へ帰還する事ができる。
今節の対戦から中2日と、コンディション的には厳しいものの、久しぶりにユアスタで試合ができる事を思えば、疲れなど吹っ飛ぶ事だろう。
そしてそれは、サポーターも同じ想いである。
「やっと、あそこへ還れる」
ユアスタで試合ができる喜びを。ユアスタで試合が観れる愉しみを。
そんな、お互いの想いを抱きつつ、ユアテックスタジアム仙台は、その刻が来るのを待ち続けている。
さぁ、還ろう。私たちの聖地へ-。
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