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第29節vs湘南戦プレビュー 前節敗戦同士で迎える、1位・3位の首位攻防戦。勝てば3差、負ければ9差の「天下分け目」の一戦。カギを握るのは、「湘南の守備のテコ入れ」と「仙台の攻撃のテコ入れ」。

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今季開幕前、手倉森監督が公言した、今季の目標設定。「昨年の悔しさを晴らすためには、完全昇格しかない。J2で優勝して昇格する-」

もし、今節の対戦を落とすような事があれば、この目標は、ほぼ可能性が潰えるだろう。もちろん、今季の残り試合数が20以上残っている事を考えれば、決して可能性はゼロではない。

だが、夏場になっても勢いの衰えない湘南と、理由はともかく夏場に案の定の「加速不良」を起こしている仙台とでは、現状を比較する限り、勝ち点差がここで「9」に拡がる事は、今後、奇跡的な大型連勝の再来があったとしても、現在の湘南に追い付けるかどうかについては、懐疑的な見方をせざるを得ないだろう。

今季のJ2優勝を狙っているのなら、今節は絶対に落とせない星である。勝てば「3」差なのだ。1試合でひっくり返る状況なら、充分に可能性はあると見て良い。

そんな天下分け目の一戦を迎える両チームだが、お互い前節は敗戦を喫し、相見える事となった。湘南は2-0で迎えた後半39分から、2点差を福岡に引っ繰り返される大失態を、ホームのサポーターの前で演じてしまい、仙台は1-1で迎えた後半15分の「魔の時間帯」に、左SBの田村が痛恨のPK献上。互い、悔やまれる敗戦を喫し、僅か中2日で迎える決戦となった。

もちろん、僅か3日前の悔しさを、お互い忘れてはいないだろう。共に勝利を目指して激しい攻防が展開されるのは間違いないが、溜飲を下げられるのは、どちらか一方のチームだけである。ならば、是非とも「勝ち組」のほうに転がり込みたい。相手に隙あらば遠慮なく斬り掛かり、相手を沈黙させるゴールを、1つでも多く奪いとらんと、激しい一戦となる事が予想される。

そんな、試合前から火花が飛び散っていそうな雰囲気を予感させる両チームだが、直近の試合を見ると、お互いに不安要素を抱えた状況である事が確認できる。

まず、アウェイ側の湘南。ここ4戦で10得点と、得点力が爆発している一方で、直近のC大阪戦・福岡戦では、それぞれ3失点。2試合合計で6失点と、守備に陰りが見え始めている。

もちろん、「C大阪戦では香川の個人技にやられた」「福岡戦では大久保に終盤の守備の乱れを突かれた」と、交通事故的な発想を持ち、そんなに悪い事は続かないものと、楽観的な見方で今節に臨むこともできよう。だが、一度憑いた「失点癖」は、なかなか改善できないものだ。

もし湘南側が「そこ」を楽観視しようものなら、梁を中心とした、圧力抜群のMF・DF陣(この表現の理由については後述する)が、容赦なく湘南ゴールを攻略するだろう。

一方、ホーム側の仙台。ここ3戦で5得点とまずまずの数字を残しているようにも思えるが、その実、FWの得点は皆無。5点中3得点は、キャプテン梁のもので、5点中4得点がセットプレーからの得点である事から、「流れからの得点」が完全に不足している事が判る。

5点中、唯一の流れからの得点も、富山戦の開始1分に梁が決めたものであり、如何に「梁におんぶにだっこ」な状況かが見てとれる。これでもし、梁に何かあったらと思うと、背筋に冷たいものが走る想いがしてならない。

湘南に見え始めた「守備への懸念」と、仙台に付きまとう「FWの得点の欠乏」。それぞれを補うのは、湘南の場合は「高い攻撃力」と、仙台の場合は「リーグトップの守備力」となるが、ここは些か、仙台の方が分が悪い。

湘南の「高い攻撃力」は、ここ2試合で現れた「守備への懸念」を凌駕するだけの破壊力を持っているが、対する仙台は現在、3試合連続失点中。しかもここ8試合中、実に6試合で、相手に先制点を許す展開を強いられている。28試合で21失点、防御率 0.8 は、数字上は未だ「リーグトップの守備力」ではあるものの、仙台を知る者ならば、最近の傾向である「序盤の攻勢のうちに先制点を決め切れず、流れを相手に渡して先に失点してしまう」という展開の再来を、どうしても危惧してしまう。

今節、仙台が改善しなければならない「攻撃のテコ入れ」は、まさにこの部分である。

特に、監督から絶大な信頼を得ているFW中島の先発は、今節、最も危惧される「危険な選択肢」だ。

6月24日の第23節・栃木SC戦でのゴール(途中出場)を最後に、それ以降で先発した5試合全てで、得点は無し。ソアレスの負傷離脱の影響もあり、先発を任され続けて来たものの、「枠に飛ばない惜しいシュート」ばかり撃つ中島からは、ゴールの香りがすっかり飛んでしまっている。

本人はもちろん、外すつもりでシュートは撃っていないだろう。だが、最近に限らず、中島のシュートはとにかく「枠に行かない」。しかも、GKとの1対1になると、必ずと言って良いほどGKに当ててしまい、得点に結びつかないのである。この事は、少し前にも書かせて頂いた事があるが、事ここに至っても、改善の様子は見られないのが実情である。

ここが、冒頭で前述した「梁を中心とした圧力抜群のMF・DF陣」の表現の理由である。平瀬の疲労やソアレスの負傷により、中島-中原の2トップで試合に臨むしか選択肢がない状況において、FWとしてゴールが決められない以前に、攻撃にあまり関与できていない、という問題点がある。ところが、中島・中原抜きでも、仙台のMF・DF陣は、充分に決定機を作り出す能力を持ち合わせているのだ。

その内訳としては、両SBの高い位置取りによる攻撃参加や、CBであるエリゼウが「チャンス」と見るや、セットプレーでもないのに攻撃参加する意識が高い事が挙げられる。実際、仙台のシュート数は決して他に劣っている訳ではなく、何度も決定機を演出する事は出来ているのだ。

ところが、最後のフィニッシュを中島や中原らFWに任せると、尽く枠に行かないのだ。GKに止められるのを危惧して、ゴールの隅を狙っている結果ではあろうが、それを差し引いても、最近はサッパリゴール臭がしなくなってしまっている。これでは、中島や中原に期待しろ、というほうが苦しいだろう。

直近の練習を見る限り、ソアレスの復調は間違いないようであるため、可能であれば、是非とも中島に代えて、ソアレスをここで先発に復帰させて欲しい。

中島には、今一度、自分に足りないものを「外から試合を見る」事で、再認識して欲しい。ピッチの中で、ただガムシャラにシュートを撃つ事だけを考えているようにしか見えない現状を、きちんと見つめ直して欲しいと切に願っている。

「誰がゴールしてでも良いから、チームが勝てればよい」とは良く言ったものだが、現状の仙台からは、後者の「チームが勝てればよい」という下りすら、まともに実現できていない。ここ5試合で1勝しか出来てない状況や、FWがサッパリ得点出来ていない状況を総合的に見れば、仙台に足りないものは「FWの得点力」であり、その点を如何に改善するかが、今節の勝負のカギになってくるだろう。

中島には大変申し訳ないが、ソアレスの復調の状況に問題がないのなら、何が何でもソアレスに先発復帰を果たして欲しい。一ヶ月ほど試合から遠ざかってはいるが、ソアレスの試合勘を危惧するほど、現在の仙台に余裕は無い。とにかく、現状の仙台に足りない「決定力」をソアレスが持っていると判っている以上、「中島<ソアレス」の方程式に異を唱える人は居ないはずだ。

そしてもう一人のFW、平瀬。連戦の疲れからか、ここ2試合はサブにも入らなかったが、この大一番に照準を合わせていた可能性は高い。平瀬に負傷があった訳ではないため、疲労回復目的の欠場と見るのが多勢である。ならばやはり、先発復帰のタイミングは、今節を於いて他には無いだろう。

その他、今節のポイントとしては、チーム今季初の累積出場停止となる、左SBの田村の位置に、誰を起用するのかという点が挙げられる。練習を見る限り、朴柱成にも問題は無さそうなので、ここで彼を先発復帰させるか。或いは、途中出場ながらセットプレーで今季2得点を挙げている、一柳を起用するのか。コンディション的に問題がなければ朴柱成の復帰が待たれるが、もし一柳の起用だったとしても、充分に期待はできる。

最近、田村が「失点の起点」になっていた事もあり、田村においても、試合を外から見つめ直す良い機会だろう。仙台の特長でもある「両SBの高い位置取りと攻撃参加」を実践してくれるのは嬉しい事だが、それも、SBというポジションにおいて、サイドの守備をきちんとこなすという前提があっての事。前節、PKを与えてしまった場面では、守備の仕事をするどころか、結果論とは言え自陣エリア内でPKを献上してしまった事を、ピッチ外で反省し、次にやってくるチャンスに備えて欲しい。彼の力もまた、昇格達成には欠かせない要素である。

この試合の両者の展望としては、湘南は福岡戦の敗戦のショックを如何に引き摺らずに臨み、変わらぬ攻撃力を展開できるか。そして仙台は、得点力が大きく欠乏するFWのポジションを、如何にテコ入れできるか。

仙台としては、ソアレス-平瀬のコンビがここで復帰してくれれば、これほど嬉しく、また勝利に大きく期待できる要素は、他には見当たらない。FWの得点力が回復してこそ、湘南や甲府といった上位陣との対峙に、胸を張って臨めるというものである。サーレスが練習中の負傷で、まだ別メニューである事を考えると、ここでいきなりサーレスに期待するのは難しい。ならば、実績のあるソアレス-平瀬に、ここで先発復帰して貰う以外に選択肢は無いと思われるが、果たしてどうなるか。

試合当日、予想される天候は曇り。高めの湿度が懸念されるも、気温の上昇があまり見られない予報である事や、夜開催である事などから、気候的にはサッカーをするに申し分ない、と言えそうである。

ただ、これだけは言える。この試合が終わったとき、どちらかの陣営の頭上には「晴れ間」が拡がり、もう片方の陣営の頭上には「暗雲」が立ちこめる。この試合の勝者のみが、見えない晴れ間を感じ取り、喜びを素直に爆発させる事だろう。

願わくば、それが、仙台の側であらん事を-。




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