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仙台2-1湘南 中原、大殊勲の豪快ヘッド2発!ジャーン退場で試合後半の制空権を得た仙台が、逃げ切りを画策する湘南を、後半ロスタイムで仕留める。

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あまりにも、あまりにも劇的過ぎる展開-。

この「非日常的体験」こそが、ユアスタ劇場と言われる所以である。1点ビハインド、後半残り10分から、中原の奇跡的なヘッド2発による逆転勝利。

普通なら、1点をリードした湘南が、退場により一人少ない状況で逃げ切りを図り、0-1で仙台が敗戦を喫してもおかしくない展開である。ところが、その退場者がよりにもよって守備の要・ジャーンであった事が、湘南に災いをもたらし、仙台に劇的な逆転勝利を許す事になろうとは。

前半、明らかに試合は湘南ペースだった。勝ち点差で仙台に6を付け、「引き分けでも上等」の状況で乗り込んできた湘南が、それでも敵地で「勝ちを拾うぞ」と言わんばかりに、積極的な攻撃を繰り出してきた。だがそこに、湘南チーム得点王の中村の姿はない。にも関わらず、仙台は湘南の3トップであるアジエル-田原-阿部の圧力に手を焼き、前半35分、阿部に豪快なヘッド弾による先制点を献上してしまう。

またしても、相手に先制点を献上。一瞬、嫌な空気がユアスタを包む。だが、「前半のうちに失点した事」が、逆に仙台に、修正と打開策を練る余裕を持たせる事に繋がった。後半15分の、あの嫌な時短帯での失点でなかった事が、何故か、救われた感じがしてならなかった。

そして、ハーフタイムで指揮官が採った対応策。それが「平瀬→サーレス」だった。前半、湘南ペースではありながら、平瀬の復帰により「前線でのタメやチャンスメーク」が出来るようになった事を思えば、平瀬は残したほうが良かったと、その時は筆者も思っていた。だが、単純に「点を獲りに行かなければならない」という判断や、平瀬の効力を犠牲にしてでまでも、サーレスの可能性に賭けたかった指揮官の思いが、想像だにしなかった事象の発生を呼び込み、一気に流れを仙台へ傾ける事に成功する。

後半開始1分も経たない頃、湘南サイド左奥にて、ジャーンとサーレスの接触が発生。ジャーン曰く「飛んできたボールをクリアしただけだ」とは言うも、そこに競ってきたサーレスの頭を叩いてしまうような仕草を見せてしまう。その時、サーレスの脳裏には、ブラジル人特有の「マリーシア特性」が浮かんだことだろう。頭を抱え込み、その場に倒れてしまったサーレス。もちろん、本当に痛い訳ではないのは、誰の目にも明らかである。

ジャーンにしてみれば、シミュレーションまがいの行動に見え、納得は行かなかっただろう。だが、ジャーンがその手でサーレスの頭を叩いたように見えてしまったそのシーンを、主審は見逃してはいなかった。

この日、主審の田辺氏は、試合全体的に「湘南寄り」とも言えるジャッジを展開していた。その事も手伝い、仙台は前半の競り合いでもファイルを取られる事が多く、FKを湘南に与えるシーンが目立ち、湘南の攻撃を抑え込むのに手を焼いていた。この試合のリザルトをみると、湘南FK:23本に対し、仙台FK:8本という内容。如何に、湘南寄りの判定だったかが伺い知れる。中には、「どうしてそれが湘南ボールなんだ!?」と、憤慨したくなるような判定も含まれていた。

だが、この「田辺主審の裁定の不可解さ」が、後半開始直後の「ジャーンがサーレスの頭を叩いた」という既成事実を受け、怒りの収まらないジャーンを一発退場に追い込む。

これで、状況は一変。前半、明らかに湘南ペースだった試合の流れは仙台に傾く。それもそのはず、湘南は退場したジャーンの代わりに、DF阪田をピッチに送り込むため、前線のアジエルを後半開始早々に失ってしまったのだ。

この時点で、湘南自慢の3トップは、元から連れてきていない中村、そしてひっこめたアジエルを欠き、田原1枚になってしまった。明らかに迫力を欠く、湘南攻撃陣。それでも、後半の要所要所では、カウンターを仕掛けられ、あわやというシーンも作り出されてしまった。だが、やはり前線の人数が足りないため、ラストパスを出せずに無理矢理なシュートで打開しようとする場面も。

守備陣からは高さのあるジャーンを欠き、攻撃陣からはスピードとテクニックのあるアジエルを欠いた湘南からは、既に「首位の貫禄」は感じられなかった。只でさえジャーンを欠いておきながら、更にアジエルを引っ込めてしまった反町監督からは、「逃げ切り」の文字しか読み取る事はできなかった。

必然的に、仙台は攻勢に出る事になる。まずは数的優位の状況で、後半5分~15分までの約10分間の様子を見たが、サーレスなどが惜しいシーンは作るも、ゴールが産まれない。それでも、サーレスは持ち得る能力を如何なく発揮し、フィニッシャーとしての期待感だけでなく、前線でのタメも出来る事を証明。彼が90分稼働できるようになれば、どんなにか凄い戦力増強になるのだろうかと、改めて思い知った。

そしてやってくる、選手交代の時間帯。前節までに、2試合連続で先発出場しながら得点が適わなかった中原を、この日、ほとんど消えていた中島に変えて投入する。

この時点で、仙台の攻撃プランはシンプルなものになった。

ジャーンという防御壁を失った湘南に対し、中原という飛び道具を投入した事により、制空権は仙台のものとなった。これにより、前線で待ち構える中原を目掛け、どんどん高いクロスを入れる仙台の選手たち。もちろん、放り込み一辺倒では相手を揺さぶれないため、時折パスを繋いで、最後はサイドハーフやボランチの位置からもフィニッシュを試みる。

偶に、繋ぎのミスからカウンターを許す場面も作られたが、中村もアジエルもおらず、田原+αだけの湘南攻撃陣では、リーグトップの守備力を誇る仙台のゴールをこじ開ける事は、もはや不可能に近いものがあった。

そして迎えた、後半35分。それまで何度も観られた、左サイドの朴柱成からのクロス。中原の高さを活かすため、わざとループ性の高いクロスを入れた朴。ピンポイントで入ってきたボールを、中原は湘南守備陣2人を地面に置き去りにして、あまりにも高すぎる位置から、実にスピードに乗った速いヘディングシュートを撃つ。ボールはGK野澤の反応をあざ笑うかのように、逆サイドのゴールネット内側を揺らした。

その刻、ユアスタが揺れた。待ちに待った、1-1同点ゴール。平日にも関わらず集まった、14,346人の目の前で、逃げ切りを図る湘南に追い付く、貴重なゴールとなった。

だが、引き分けでヨシとするのは湘南のほう。勝ち点差を6離されている仙台としては、このままでは終われない。この日、久しぶりに掲げられた白布地の弾幕メッセージが、最後まで諦めない気持ちを、選手に与えてくれた事だろう。

「勝たなければならない-」

勝ち点差を考えると、同点弾では満足できない仙台。逆転勝利を目指し、更なる攻勢を仕掛ける。

そして、後半ロスタイム4分の掲示を1分も過ぎたころ、後方のエリゼウと、前線の中原の目が合った。エリゼウから中盤を省略し、後方から中原にピンポイントで、縦に高いクロスが入る。いつもなら「苦し紛れの放り込み」にしか見えないそのロングクロスを、中原はまたしても見事に高い位置で合わせ、そしてそのボールはゴール右側寄りのクロスバーの下を叩き、そのまま地面に突き刺さった。

その刻、再び、ユアスタが揺れた。逆転弾、まさかの後半ロスタイム。2発とも、中原のヘッド。5試合ぶりのFWの得点。時間帯を考えると、仙台に奇跡的な勝利をもたらすには充分過ぎる、値千金のゴールであった。

試合はそのまま、仙台が2-1で逃げ切り、湘南に勝ち点差3と迫る、上位追撃の狼煙となる貴重な1勝を挙げる事に成功した。

この試合、引き分けは負けに等しかった。今節、他会場の結果を踏まえると、引き分けは4位陥落を意味していた。次節がその4位・甲府との直接対決である事を考えると、あまりにも意味の大き過ぎる1勝であった。

今節、内容全般を観ると、パスミスや連携の乱れから、攻撃が寸断したり、あわや失点という場面も数多く散見された。だが、相手が首位・湘南であり、この試合に復帰した平瀬や朴柱成の活躍が、停滞していた仙台の攻撃性への喝入れとなり、更にサーレスの目処も立った事を思えば、ジャーン退場というアドバンテージを貰った事を差し引いても、充分合格点な結果ではなかっただろうか。

ミスや連携の乱れなどは、練習でまた修正すれば良い。だが、勝ち点3だけは、練習で取り戻す事はできないのだ。

何はともあれ、仙台は、首位・湘南に勝った。4位・甲府と5位・東京Vの一騎打ちを、4位・甲府が征した事により、上位4強による3枠の争いが更に激化した事を考えれば、勝つ以外に選択肢の無かった今節、あまりにも大きなな勝ち点3を、手中にした事になる。

一晩明けて、勝利の余韻に浸りつつこのレポートを書いているが、ここで、忘れてはならないポイントを書いておこう。

それは、今節大活躍の中原の陰に隠れ、その存在すら忘れられかけている、中島の出来。途中出場ながら2得点を挙げ、スーパーサブとしてなら物凄い威力を発揮する事を「再証明」した中原と違い、中島は今節も先発の座を与えられながら、中原と交代するまでの約60分間、全く消えていたとしか言いようがない。

中島先発と聞いたとき、本人には大変申し訳ないが、きっと今節も大した活躍は出来ないだろう、と冷静に考えていた。鳥栖戦のレポートでも、そう書かせて頂いた。中島・中原は、先発としては落第点だと。

そして中原は、サブから出直し、見事に結果を出した。スーパーサブとしての地位を、中原は間違いなく手中にしている。先発はまだまだだが、彼のような存在が、昇格を果たすには絶対に必要な要素である。

残る、中島。サーレスに目処がたち、ソアレスも練習では申し分ない動きが出来ている事から、次節・甲府戦では、平瀬、中原、ソアレス、サーレスのFW4枚を帯同する可能性が高い。今度こそ、中島の先発の座は安泰ではないだろう。そもそも、今節ですら危ぶいと思っていたくらいだ。

だが、中島はこれで終わる選手ではない、とも思っている。今は先発を外れるべきだと真剣に思っているが、昇格には彼の力も絶対に必要だ。前線へ飛び出すあのスピードに追い付ける選手は、せいぜい関口ぐらいなものである。

ところで、後半戦の途中で、スタジアム北側のスコアボードの表示が消え、白煙を上げていた事に気が付かれた方も多いだろう。筆者も、現場で目撃した一人である。

だが、その事と、サポーター自由席の中央に「ぽっかりと空いた丸い空間」の意味とが、脳内ですぐに繋がった人は少なかったのではないか。始めは筆者も、サポーター自由席有志の、何らかのパフォーマンスか!?と誤解してしまったくらいなのだが、実はスコアボードの電気回路が試合中にショートを起し、そのために白煙が上がったとの事だっため、念のためにスコアボード下の観客に移動をお願いした結果なのだそう。

湘南からみれば、前節・福岡戦での「お茶事件」に続き、ユアスタでの「スコアボード事件」を受け、何らかのケチがついて廻っている印象を受けただろう。だが、仙台の側からしてみれば、湘南のお茶事件のように、ホーム側チームに影響が出る事なく、試合が速やかに進行できた事を有難く思う。クラブを始め、試合運営スタッフ陣には、この場を借りて感謝を申し上げたい。

さぁ、7月も残り1試合。いよいよ甲府戦である。多くを語る必要も無く、勝ち点3のみが「求められる結果」である。

今節も試合を回避したソアレスや、それぞれ45分だけの出場となった平瀬・サーレスらの、甲府戦での活躍が期待される。甲府はマラニョンが好調である事や、守備の要でもあるダニエルと山本秀臣が共に出場停止である事を考慮すると、仙台としてはやはり先発陣に、外国籍選手を1枚は入れたい。もはや、中島先発が機能しない事は、指揮官の目にも明らかだろう。

またしても、僅か中3日での試合となるが、今の仙台なら、主力陣がリカバリーできる時間さえあれば充分だろう。何より、湘南を撃破した勢いが薄れる前に、甲府に乗り込めるのは好材料である。

ここを勝利で凌ぎ切ったとき、仙台は、昇格圏争いの渦中のどの辺に位置している事だろうか。

ここで言える、間違いない事実は、ここ何節か勝ち点で食い下がってきた甲府を、突き放す絶好の機会だという事だけである。

私たちは、まだ何も手にしていない。だが、その「手にするべきもの」への距離を縮める事はできる。

2位・首位進出への可能性を高めると共に、4位との差を拡げられる、最大のチャンスだ。何が何でも勝たなければならない。

今節の、劇的勝利の余韻を愉しむのはこのへんにして、いざ、甲府戦へ-。

 


 

#後半、電気回路のシュートにより白煙があがり、故障で表示が消えたスコアボード。安全のため、直下のサポーターが周辺によけたため、謎の「丸い空白地帯」がスタジアムに現れる

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