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甲府2-1仙台 試合開始直後と試合終了直前の2失点。勝敗の分け目は「サブメンバーの決定力」。善戦実らず、屈辱の4位に沈む。

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「絶対に許してはいけない、勝ち点3」

そういう試合が、年に何回か訪れる。勝てば上位進出とか、負ければ昇格圏から脱落とか。しかも、後半ロスタイムで、あと何分もない状況の中、相手の「勝ちたい気持ち」に圧され、ほんの僅かな隙を突かれて、ドローや敗戦を喫し、順位の後退を余儀なくされる-。

今節、後半ロスタイムに喰らった國吉のゴールによる敗戦は、まさにそういう意味を携えたものであると言わざるを得ない。

結果論だが、他会場の結果も含めて総合的に見れば、「勝てば首位・負ければ昇格圏外」という、あまりにも両極端な状況であった。まさに、天国と地獄。試合内容を90分トータルでみれば、完全に五分の展開ではあったが、最後の最後に「決定力の差」が出てしまった。

今季初、外国人4名の揃い踏みで臨んだ試合。しかも甲府を古巣とするサーレスが初先発で、ソアレスも中原も控えているとなれば、FW陣の得点に、期待しない訳には行かなかった。朴柱成も完全復帰し、正直、気持ちの中ではどこかで「イケイケ」になってたところは認めざるを得ない。

しかも相手は、主力CB2枚が揃って出場停止。控えのCBも負傷でリハビリ中という事で、「第3の選択肢」である御厨・津田という組み合わせで臨んできた。もちろん、この2名にダニエルや山本秀臣といった主力CBと同じものを求めるのは酷だろう。

ところが、この主力CB2枚の出場停止を受け、甲府の安間監督が採った手段。それが「実質FWの選手5名を先発出場させる」というものだった。

この甲府の先発陣を、試合開始2時間前に見たとき、筆者がこの試合のプレビューで書かせて頂いた、ある1文を思い起こさずにはいられなかった。


> おそらく甲府は、主力CB2枚の穴を、中盤と前線からの圧力を増す事で
> 埋めようとするはずだ。
>
> 「今節、後ろが不安だ。であれば、前線と中盤がいつもよりしっかりし
> なければ-」
>
> という、甲府側の声が聞こえてきてもおかしくはない。つまり仙台は、
> 前線で攻撃を展開する以前に、甲府のいつも以上の圧力に屈し、守備に
> 翻弄されてしまう危険性もあるのだ。


かくして、甲府はこの事を、非常に判りやすい「FW登録の選手で中盤と前線を固める」という手法で具現化してきたのだ。特に、FW片桐をボランチに配する独特の起用。これには、流石に驚かされてしまった。そしてそれは、いきなり甲府側の結果となって現れてしまう。

前半2分。仙台のCKのシーン。ここは仙台側にファウルの判定があり、甲府GK萩が出したボールを、岐阜から移籍してきたばかりのFW片桐(今節はMF登録でボランチ)→FWマラニョン→FWガウボンと、なんとFWだけでチャンスメーク、そして得点。GKからボールが出た瞬間から計測すると、僅か10秒。電光石火のカウンター攻撃が炸裂した。

まさに試合は、甲府の狙い通りの展開に。試合開始僅か2分で、リーグ最少失点の仙台から、軽々と先制点を奪っていってしまった。

だが、失点の時間帯があまりにも早かった事もあり、決して仙台はそこから焦りをみせる事なく、徐々に甲府を押し込む展開をみせる。失点後の数分間こそ、甲府の前線からのチェックや中盤での囲い込みに苦しみ、なかなかボールを前線に運べないでいたが、次第に甲府の攻撃パターンに慣れてきた頃の10分過ぎあたりから、中央やサイドでの崩しを展開。フィニッシュまで持ち込めるようになってくる。

今節は、平瀬がいない事を差し引いても、サーレスを軸としての攻撃がよく嵌っていたと思う。仙台の特長である、パスを素早く繋ぎながら前線に押し上げる攻撃は、中央に不安を残す甲府の守備を、中央と朴のいる左サイドでよく崩す事ができていた。仙台が素早く甲府ゴール前に入れるボールをかわすため、甲府は必死にコーナーに逃げる展開。仙台の素早いクロスはやはり相手を苦しめるようで、前半だけで、なんと7本ものCKを獲得していた。

だが、得点が産まれない。前半のうちに、何本か決定機があったのだが、どれも決まる事は無かった。

後半に入っても、始めのうちは前半の流れを踏襲するかのような出来で、比較的仙台ペースで推移。だが1点ビハインドという事もあり、手倉森監督は後半10分、中島を諦め、早々に永井を投入。関口をFWの位置に上げ、右サイドに永井を配して、永井のテクニックで打開を図る作戦に出るが、それでも得点は奪えない。

その後、後半20分、斉藤に代えて中原が投入される。前節・湘南戦の立役者の登場に、再び奇跡のゴールを期待する目でみてしまう。

ほぼ刻を同じくして、甲府も選手交代。FW森田(今節はMF登録)に代えて、MF林健太郎を投入。これが効き、仙台は中盤でボールを失い易くなり、思うようにボールを前に運べなくなってしまう。直前に仙台は中原を投入していたが、ここから徐々に仙台は甲府にペースを譲り始め、林の投入で落ち着きを取り戻した甲府が、再び決定機を作れるようになってしまう。

特に、後半27分。中盤で甲府のチェックに競り負け、失ったボールを前線のマラニョンに繋がれてしまうと、ガラ空きの仙台ゴール前に、スピードに乗ってただ一人飛び込んできたFW片桐に渡り、最大のピンチに。これはシュートが右ポストに嫌われて、危うく難を逃れたが、このシーンに代表されるように、甲府は林健太郎の投入によって、ペースを完全に握ってしまった。

その直後、甲府はガウボンに代えて金信泳を投入。前線が更に活性化し、中原を投入した仙台と競り合うように、お互い決定機を作り始める。徐々に、試合終盤の緊張感が、その色を濃くしながら漂い始めた。

そして仙台は、最後のカードを切る。後半36分、疲労の見えるサーレスに代えて、復帰したソアレスを投入。流れを考えると、もう少し早い段階でも良かったとは思われるが・・・。

しかし、ここでソアレスは早速「仕事」をする。甲府側ゴール右サイド奥のコーナーポスト付近で、永井が甲府の選手2人からなかなかボールを奪えないでいると、そこへ駆け寄ったソアレスが、あっさりとボールを甲府の選手にぶつけてCKを獲得。一体何本目のCKだろう・・・と思いつつも(あとから確認したところ、これが最後のCKだった)、梁の放り込んだボールはエリゼウの頭を捉え、これが見事に甲府ゴール左隅に突き刺さる。

後半39分、1-1同点。

90分まで、ラスト6分という時間帯での同点弾。筆者も含め、前節・湘南戦の奇跡的な逆転ゴールへの期待が一気に高まった。ピッチ上には、ソアレスと中原。ゴールが決まる可能性は、十二分にあった。

だが、その得点から2分後、甲府が最後に切ったカードによって、仙台は敗戦を喫する事になる。後半41分、FW大西に代えて、MF國吉を投入。後半ロスタイム3分の、概ね1分を過ぎた頃、仙台ゴール前で金信泳をブロックしていた菅井が、なんとまた抜きパスをされてしまう。その先には國吉が。慌ててエリゼウが詰めるも、完全にフリーで國吉が撃ったシュートは、GK林の虚を突いて、ゴール反対側のネットを揺らしてしまった。

後半ロスタイム1分、2-1。甲府、再び勝ち越し。あと2分とない状況で、甲府に勝ち越し弾を許してしまった。

その後、それこそ「尻に火が付いた」仙台攻撃陣に、最後にして最大の、しかも2度のチャンスが訪れる。

甲府PA内で、ソアレスが豪快なオーバーヘッド。見事に枠を捉えたが、運悪くGK荻の正面だったために、辛くも止められる。直後、流れてきたボールが中原の目の前に。完全にフリーで撃てたにも関わらず、中原はこれをゴール左側へと外してしまった。

直後、試合終了の笛が。この瞬間、仙台の4位陥落と、甲府の3位再浮上が決まった。

18節もの間、守り抜いてきた、3位の座。それをこともあろうに、4位甲府との直接対決で失ってしまった。最悪の結果。試合終了の笛の瞬間、今季これまでに感じた事のない怒りが込み上げ、加減無しでテーブルに拳を振り下ろしてしまった。

 

 

この試合、エリゼウの同点弾で、1-1としたまでは良かった。だが、あとから考えれば、その後の試合運びがいけなかったかもしれない。筆者も含め、この試合を観戦・応援していた仙台サポーターの脳裏には、湘南戦の成功体験がこびり付いていたはずだ。もちろん、選手も、逆転弾を狙って最後まで奮闘してくれたと思う。

だが、冷静になってみれば、勝ち点差1で迫っていた相手に対し、敵地にて、試合終盤ぎりぎりで同点に追い付いたのだ。残り時間を考えると、決して必要以上にリスキーにならず、1-1で終えても良かったのだ。

仙台は、湘南戦の成功体験が逆に仇となり、リスクを犯しすぎた結果、甲府が途中投入した金信泳と國吉の2人の活躍による決勝弾を許してしまった事になる。

もっとも、あの展開において、そこまで冷静に勝ち点1を拾いに行く事などは出来なかっただろう。最後の1秒まで諦めない展開を見たいからこそ、サッカーは面白いのである。しかし、昇格争いをしている相手が、勝ち点で直下、4位の甲府である事を思えば、引き分けでも相手にはダメージがあった。ここで決勝点を許した事は、仙台が現在持つ「昇格圏を争うチームとしての、詰めの甘さ」以外の、何者でもない。

こうして、仙台は実に、第12節・アウェイ草津戦(5月2日)以来の4位に沈む事になった。

今節、首位・C大阪と、2位・湘南が共に敗戦を喫した事を思えば、あまりにも勿体ない試合を落とした。引き分けでも、首位に2差と詰め寄る事が出来たのだ。

しかしながら、仙台の最近の試合内容を振り返れば、既に3位の実力は無かったようにも思われる。ここ5試合においても毎試合のように失点を重ね、しかもそのほとんどが、相手に先制点を献上する苦しい展開。湘南戦は奇跡的に勝てたが、それでも前半45分は湘南の独壇場だった。仙台は、ジャーンとアジエルの居ない湘南からゴールを奪うのに、ラスト10分まで掛かってしまっている。そこから僅か、中3日。サーレスを先発させた以外に変化はなく、CB2枚の出場停止を、なんとか工夫して挑んできた甲府に対し、仙台は湘南戦の成功体験だけを携えて乗り込んでいったのだったが、結果はご覧の通りである。

むしろ、甲府が勝ち点ですぐ下に、コバンザメのように張り付きだしてからと言うもの、いつ甲府に抜かれてもおかしくはなかった。その意味で仙台は、3位に居ながらにして、いつでも4位に陥落する可能性を抱えた「薄氷の昇格圏」だったと言える。前節、朴柱成と平瀬の復帰、サーレスの初出場、中原の覚醒と、戻ってきた主力に支えられての湘南戦の勝利ではあったが、仙台は、今節のこの敗戦によって、改めて「甲府から学ばねばならないもの」が存在する事が判った。

それこそが、サブジェクトにも書いた「サブメンバーの決定力」である。

ここで、決勝点を挙げた甲府の國吉選手の今季得点(全4点)を列挙してみよう。

21節 熊本戦(ホーム) 89分
23節 福岡戦(ホーム) 85分
26節 湘南戦(アウェイ) 82分
30節 仙台戦(ホーム) 89分

全て、途中出場からのものである。出場試合のほとんどが途中投入で、かつここまでの4得点全てが試合終盤のもの。

・・・お判りだろうか?ほとんどの出場試合が途中投入で、試合終盤に得点を決め、しかも今季ここまで4得点というのは、実は中原と全く同じ戦績なのである。

実は、甲府は、中原級の決定力を持つ選手を、サブメンバーに擁していたのだ。ただ、國吉の得点が決勝点になったのは、今季これが初めてであり、あまり目立つ存在ではなかったようであるが、今節、仙台を破って3位に踊り出る事になった立役者であり、甲府にとっては、彼の今後の更なる活躍に期待しているだろう。

・・・一方の中原。最後の最後にやってきた、本人にとって最後にして最大のチャンスを、あっさりと逃してしまった。あれが「頭で決めるべきシーン」であれば、或いは奇跡的な同点弾に結びついたかもしれないが、どうしても「中原の足」には、期待できるものが薄い感が拭えない。

結局、ゴールの狙い方はともかく今節の勝敗を決したのは、これらサブメンバーの決定力の差であった。もし、國吉があの決定機を外し、そして中原があの決定機をモノにしていれば、立場は完全に逆になっていた。その、ほんの僅かな差が、首位浮上を逃し、4位転落を招いた節となってしまった。

さて、長らく甲府戦を振り返ってきたが、終わった事をいつまで悔やんでいても仕方ない。まだ21節残っているのだ。他力本願だったとは言え、首位に勝ち点差3である事に変わりはない。甲府は復調してきてはいるが、湘南は3連敗で、C大阪も1勝1分1敗と、やはり停滞している。上位陣の直接対決目白押しの7月は終わったが、8月も苦しい夏場は続く。

今度は、上位陣がそれぞれ、下位のチームと苦しい戦いを凌がなければならない。

仙台としては、敗戦こそ喫したものの、主力の復帰とサーレス台頭への期待もあり、下位対戦の続く8月こそ、連勝を達成して勝ち点を大きく積み上げなければならない。これはもはや、努力目標という生やさしい設定ではなく、ミッション(任務)である。

まずは、8月1日の熊本戦からの3連戦。中3日で、横浜FC、そして愛媛と、最近は不振の極みに属するチームばかりとの対戦となるが、逆に難しい。それこそ、「仙台に勝ちたい」というモチベーションの高さは、今節の甲府の、それ以上に成りかねない部分もあるからだ。

前述したが、今節、陥落した「4位」という位置は、直下の水戸との対戦成績で(水戸が順位ですぐ下に迫っている!)2勝を挙げている事・甲府との対戦成績で2敗している事から、ここが現在の実力通りの順位なのだろう。

今節、味わった悔しさを、奮起のバネに。ここから、再出発である。J2に陥落して6年。一度も昇格圏の順位シーズンを終えた事が無かったが、今季ここまで3位を維持できたというのも、また仙台の底力の証明でもある。

今一度、昇格圏を目指そう。

私たちは、あくまでもチャレンジャーだ。今年の湘南やC大阪のような、絶対的な強さは持ち合わせていないが、持てる駒をうまく活用し、あくまでも組織的に勝利を目指すサッカーでここまで歩んできた以上、残りの21試合においても、やり方を変えて臨む事はできない。

ただ、やり方を変える必要はなくとも、選手を替える事はできるだろう。疲れている選手・結果を出せていない選手は、思い切って替えるのも「一手」ではないか?

敢えて名前は出さないが、4位陥落をむしろ「転機」と考え、先発に固定されている選手にサブ落ちを勧告するのも一手ではあるはずだ。

それを、決断するかしないか。熊本戦の勝利のカギは、その一点における監督の決断に掛かっているように思えてならない。

まだ、何か大きなものを失った訳では、決して無いのだ-。




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