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このレポートの執筆にあたり、どうしても日曜日の全試合終了後の最終順位を考慮に入れたく、投稿が遅れた事をお詫びしたい。
今節、終わってみれば、湘南の以外なる4連敗により、得失点差で3位に再浮上。しかし、第一クールで3-0快勝とした相手に、試合開始直後から熊本の「違和感のある攻撃」に戸惑い、それが何であるか判らないうちにまたしても先制点を献上するという失態を犯してしまった。
既に各メディアで報じられているが、熊本はこの日、藤田を頂点とする0トップのシステムを採用。FW2枚が左右の高い位置に張り、「藤田有りき」の奇怪なシステムで挑んできたのだった。
これには、観ているほうも面喰らった。トップ下で動き廻る藤田ならまだしも、「トップ上」とも言える前線に常に藤田が居るとなれば、どうしてもそこに注意が惹き付けられる。その辺の「藤田の見極め」が終わっていない前半3分。熊本MF山本が右サイドやや下がり目から挙げたクロスを、中央に走り込んだMF吉井にアッサリと決められる。突出した位置にいる藤田を含めての「異形な中盤ダイヤモンド」とみるならば、そのダイヤモンド陣形の左右2枚の選手だけで、熊本は先制点を奪ってしまった。そこに、藤田は一切絡んでいない。まるで、藤田が囮だったかの如く、熊本は素早いクロスと飛び込みによって、あっさりと先制点を奪い去っていった。
かくして、仙台はまたしても、前半の早い時間帯に先制点を許す展開を強いられる事になった。
だが、熊本が決して「奇をてらって相手を混乱させる」のが目的でない事に、前半が終了するまで判らなかった。実際、熊本は得点後も、高い位置に張って神出鬼没を繰り返す熊本の藤田を有効活用し、3連敗中とは思えない素早い連携の良さで、ボールをどんどん仙台ゴール前に運んでくる。そのパスワークは、絶好調時の仙台が見せるパスワークのそれを彷彿とさせる、観ていて羨ましくなるような、見事な仕事ぶりであった。
その中でも仙台は、個人技2発で前半のうちに逆転をモノにする。前半20分、熊本のGKへのバックパスが高めに浮いたのを、サーレスが見逃さず、果敢にアタック。GKとのハイボールの競り合いを制してボールを見事にコントロールし、最後はヘッドで軽くゴールに流し込むだけという、技ありの新加入初得点を披露。
それまで、熊本の鋭い出足でパスワークを自由にさせて貰えず、とても得点の臭いがしなかった場面において、相手のミスを突いて産まれた同点弾。仙台は、組織で打開出来なかった熊本の守備を、サーレスの個人技だけで引き裂いてしまった。
これで、流れは一変。失い欠けていた「我」を取り戻した仙台は攻勢に打って出て、サーレスの得点までの20分間に熊本が見せていたパスワークを、今度は仙台が披露する。相手のボールにも積極的にアタックし、熊本にペースを握らせない活性化を見せた。
そんな中で得た、前半27分のCKのチャンス。梁の右CKを、誰にも止められない高さでエリゼウが2戦連発となる得点を、豪快なヘッドで決める。前節の甲府戦ではサッパリ決まらなかったCKからの得点だったが、今節、熊本のCB2枚があまり高くないという事もあり、長身選手にセットプレーでの得点のチャンスがある事は、誰しもが判っていた。それを実践したエリゼウ、お見事な得点シーンであった。
前半のうちに逆転に成功した仙台は、その勢いを維持したまま、ハーフタイムに突入。そして、後半開始直後のCKから、今度は平瀬による3点目が産まれる。今度は左側からの梁のCKに、平瀬の代名詞でもある「位置取りの良さ」を活かし、ファーに詰めていた平瀬。良い位置取りに「高さ」が加わり、前半27分のエリゼウの得点同様、誰にも止められないシュートは、熊本の戦意喪失を呼び起こす得点に・・・なると思われた。
しかし、熊本はこの3失点目にもめげず、前半20分までに見せた出足の良さを、失点後から再び繰り出してきた。熊本の攻勢に押し込まれ、なかなか前に出て行けない仙台。その姿は、とても2点のリードを有しているチームのものとは思えない姿であった。
その流れを変えられないまま、後半20分に熊本の追撃を許す2失点目を喫してしまう。自陣で熊本の攻撃を止める事に専念させられていた仙台は、熊本の執拗なアプローチに苦しみ、ボールを自由にさせて貰えない。ボールを奪ってもすぐに熊本の選手が詰め寄り、あっさりとボールを失う展開。しかし熊本側は、仙台から奪ったボールを素早くコントロールし、思うような攻撃を展開していた。
明らかに、仙台の劣勢。時折、後退で投入された中原のシュートも見られたが、「中原の足」に期待できるはずもなく、75分前後の2本の決定機を含め、結局中原は5本打ったシュートを1本も決める事ができなかった。
結局、後半開始直後の平瀬のヘッドが決勝点となり、勝つことはできた。だが、後半だけを見ると、最後の最後まで熊本の落ち着きのあるパスワークに苦しみ、逃げ切るのがやっとという印象の強い、決して後味の良い試合とは言えなかった。
失った先制点から逆転に持ち込み、一時は2点差と優位に立ちながら、なぜあれだけ熊本の攻勢を止める事ができなかったのだろうか。もし、平瀬のヘッドが決まっていなかったとしたら、今頃ゾッとする状況に叩き付けられて居ただろう。
試合の結果と内容を伝える各メディアや、各個人の投稿を見て回ると、一様に見られた言葉。「勝ち点3以外に収穫の無い試合」。それが、現在の仙台の苦境を現しているとも言える。
仙台の失点が止まらない原因は、こういうところにあるのかもしれない。相手の攻勢を奪い返すだけの落ち着きと強かさ。相手のパスワークに翻弄され、自らの持ち味を発揮できない時間が長く続けば、いずれ失点する。それが、ここしばらく見られる、後半15分前後の失点に集約されているのだろう。
止まらない失点を止めるためには、どうすれば良いのか。それにはまず、ボールが自らのものとなったとき、相手以上にこちらが落ち着きを見せなければならないのではないか。ボールを前に繋げられないとき、迷わずバックパスで攻撃の組み立てをやり直すとか、ロングボールを放り込むにしても、空いているスペースを見つけて、そこへの「出し手」と「受け手」の呼吸をきちんと合わせるとか。
試合の終盤ともなれば、お互い体力を消耗し、布陣が間延びしてスペースなどどこにでも出来ているはずである。そこを冷静に判断し、攻撃に活用する落ち着きを持たないと、次戦以降も同じような苦戦を強いられる事になる。
次節、横浜FC戦。直近の8戦では、東京V戦の3得点勝利以外の7試合で無得点という、低迷と言うにはあまりにもお粗末な得点力でここまで推移しているが、だからと言って楽勝という訳には行かないだろう。現在のままの仙台なら、今の横浜FCを相手に、0-1での敗戦すらあり得るかもしれない。息を吹き返してきた東京Vに、2連敗を叩き付けた時の勢いを仙台にぶつけてこないとは限らない。
仙台としては、熊本戦の勝利はさっさと忘れて、熊本の攻勢を許した原因をきちんと分析し、中3日でやってくる横浜FC戦に向けて、今度こそ「内容でも勝る勝利」を手に入れたい。
辛うじて3位へ復帰は果たした。だが、競馬で言えば「首差」程度のリードだ。手綱の扱いを間違えれば、落馬の危険性だってある。
また、最近アウェイの勝利からも遠ざかっている。最後にアウェイで勝ったのは、23節(6月24日)の栃木戦で、それ以後のアウェイ3戦の成績は1分2敗。ホームではなんとか勝てるようになってきたものの、アウェイでもきちんと勝ち点3を積めなければ、昇格レースから一気に脱落しかねない。
横浜FC戦の得点力の無さを甘く見ることなく、しっかりと無失点で勝利するための準備を-。
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