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前節・横浜FC戦の終了後、現地サポーターから沸き上がった、ブーイングの嵐。彼らの行動が、仙台を応援する者全ての「総意」と言ってしまっても、決して過言に聞こえないくらい、見所のほとんどない、情けない試合内容だった。
相手が最下位とか、最近アウェイで勝っていないとか、連戦で疲れているとか、そういったファクターを全て差し引いたとしても、あの試合の内容では、プロとしてお金は取れない。プロである以上、結果はともかく、それを観る者・応援する者に対し、「手に汗を握る展開」を提供しなければならないのが、プロスポーツ選手の義務だ。
ところが、手に汗を握るところか、試合中に握っていたのは、怒りに満ちた拳のみ。あれだけ注意していたはずの前半序盤の失点シーンが、観る者に対して「負の方向のアドレナリン」を誘発し、噛み合わないプレーを観る度に、脳内の血管が切れそうになった。
おそらく、今季最悪の負け方だろう。0-0で耐えて、何度もチャンスをモノに出来ない中、試合終盤に惜しい失点を喫しての敗戦という展開なら、まだ勝機も観られただろうが、ここ数節は、「まず失点」しかも前半の早い時間帯に先制点を許してしまう事で、守備にも攻撃にも余裕がなくなってしまっていた。
相手がどん底に居ればいるほど、仙台は相手に「元気の素」を与えてしまう悪い癖が、本当になかなか抜けない。そして今節も、チーム内の負傷者が後を絶たず、前節はサブメンバー5名すらも揃えられないような「傷みの激しい蜜柑」愛媛FCを迎える事となった。
この状況は、今の仙台にとっては、最低・最悪のフラグである。どういう星の巡り合わせか知らないが、仙台は、相手の主力に負傷者や出場停止の選手がいると、途端に「勝負弱さ」が見え隠れを始める。まるで、相手に合わせてしまうかのようだ。そんな必要など一切ないのに。手負いの熊だろうがなんだろうが、完膚無きまでに叩きのめして、容赦なく勝ち点3を奪ってしまえば良いのに。仙台というチームからは、どこか「相手に対する、無用な情け」を発する、オーラのような空気を感じてしまうのだ。
だが、それでも試合はやってくる。今度こそ、このような詰まらないジンクスは打破し、自らの特長である「堅守に基づく無失点勝利」を取り戻して、最終クールに向けた自信に繋げたい。
そのためにチームが実践している事は、中3日というタイトなスケジュールの中、選手間・そして監督も含めた、徹底的な話し合い。仲良し色の強い仙台にとって、勝利のために意見を活発にぶつけるシーンは、普段の練習からはなかなか観られるものではないのであるが、聞き及ぶ練習状況によれば、今節に向けては、その色を更に濃くしている様相との事。
これ以上、勝ち点を失うという「傷」を深くしないためには、当然、必要な要素である。特に、最近はエリゼウのところが失点のポイントになってしまっている傾向があるため、そこをまずなんとかしたいと思うが、彼の本来のパフォーマンスを考えると、安易に彼を休ませるのではなく(連戦の中、本当は休養も必要なのだが)、やはりGKや渡辺との守備連携の再確認で打破したい。セットプレーでの破壊力や、普段の守備貢献を考えると、エリゼウには全幅の信頼を置くサポーターは多いことだろう。
良くも悪くも、エリゼウは渡辺広大と共に、今季「代えの効かないセンターバック」という不動の地位を確立しつつある。本来なら、きちんと「頼れるバックアップ」も上手に起用し、小規模なターンオーバーで、選手を休ませながらこの夏場を乗り切りたかったところであるが、ここまでエリゼウと渡辺広大、そしてGK林のトリオで凌いできてしまうと、もう他の組み合わせを試してみたい、観てみたいという気にはならない。なんとか、この「セット」のままで、この苦境を乗り切りたいところである。(但し、渡辺広大の累積がリーチである事を考えると、控えのセンターバック陣にも期待を寄せたいところである)
対する愛媛。仙台がここ数節見せている「失点癖」を見逃すはずはないだろう。只でさえ、充分なメンバーを揃えられないのだ。0-0で試合が膠着すればするほど、愛媛は不利になる。そうなると、今節の愛媛が採ると思われる手段は、ただ一つ。「早い時間帯に先制点を奪いに来る」事に集約されてくる。
愛媛からみれば、大多数の選手が負傷離脱という困難な状況の中でも、内村や田中俊也といったアタッカーが健在なのは、何よりもの救い。ジョジマールを負傷で欠くものの、第一クールに愛媛ホームで見せられたような勝負強さを、ユアスタという大アウェイの中でも発揮したいと考えているはずだ。
そんな相手をホームに迎え、仙台はまず守備の再構築から入り、そして前節無得点に終わった攻撃陣の立て直しも含め、是非とも「無失点勝利」を成し遂げたい。
前節は、とにかく攻撃面での連携が噛み合わなかった。パスを中盤でカットされたり、プレッシャーに負けてボールを失い、そこから逆襲を受けるシーンを連発してしまったが、それは取りも直さず、パスの出し手と受け手の意識のズレや、パスを出すタイミングの遅れ・迷いによるもの。横浜FC戦でも、パスの出し手は「足下」に出したのに、受け手は「前方のスペース」に欲しかったらしく、何でもない場面でボールをロストする場面が散見。そういうケアレスミスの積み重ねが、得点を産み出すチャンスをも逸し、結果として無得点に至った。
それでも、ワン・チャンスをモノにする勝負強さがあれば、得点は獲れるものだ。だが、横浜FC戦で唯一の得点機と言ってもよいかもしれない、菅井の突破から撃ったシュートがポストを直撃したシーンすらも、これを得点に結びつける事はできなかった。
ならばやはり、得点機自体を増やすしかない。そのために必要な事は、やはり良い守備から繰り出す良い攻撃の再構築である。
愛媛の選手状況、仙台の失点状況を総合的に考えると、愛媛は序盤から積極的に得点を狙ってくるはずである。何故なら、序盤の体力があるうちに得点を獲れなければ、愛媛の得点機はどんどんその可能性を失っていくからだ。サブメンバーに期待できる選手層がない以上、スタメンだけで90分の試合を消化する必要があるかもしれない。(実際、前節は出場停止2名の影響もあり、先発11名だけで一切の交代は無かった。今節は出場停止2名が戻ってくるものの、それでもけが人が絶えないため、3名の交代枠をフルに使うかどうかは疑問視される)
仙台としては、そんな愛媛の思惑を断ち切るような守備の安定さを見せ、そこからスピードに乗った攻撃を展開し、むしろ逆に「早い時間帯の先制点」を奪う展開を実現したい。
ただ、前節までの状況を考慮すると、仙台としては、まず「90分間における失点への配慮」を最優先にしたい。勝っても、失点をしてしまったのでは、課題を先延ばしにしてしまうだけだ。序盤はもとより、少し前まで喫していた「後半15分前後の魔の時間帯」にも充分注意し、甲府戦の時のような「後半ロスタイムでうっかり決勝弾を相手に与えてしまう」なんていう失敗は、今節は絶対に犯す事ができない。
この試合、1-0での勝利が理想だ。2-0や3-0などは、攻撃の展開の中で得られれば良い。先制点を獲れれば、あとは失点へのケアを最大限に行い、完勝劇をサポーターに見せる事が、今節のチームに課せられた「ノルマ」である。
絶対に観たくないのは、失点シーン、得点先制点の献上である。逆転などでもし勝てたとしても、再び失点を喫する事は、勝利の余韻の中で、失点に対する危機感がまた薄れてしまう事にも成りかねない。今節だけは、何が何でも無失点勝利を達成したい。熊本戦のような3-2勝利よりも、1-0勝利を。
だが、必要以上に心配せずに、この試合を迎えたい。サポーターに出来る事は、選手が自らの課題に気が付き、それを自ら克服して勝利に繋ぐ過程の「立会人」となる事だけである。チームが再び「昇格争いの渦中」に飛び込む事を信じて、今は、スタジアムに足を運ぼう。
きっと今節は、納得の行く試合を見せてくれるはずである。
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