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この敗戦を受けても、正直、あまり悔しい想いはしなかった。むしろ、試合をテレビ観戦していて、「またか」という、呆れに近い想いのほうを、強く感じていた。
ただ、この敗戦を、安易に感情論だけで語るのは些か早計かと考え、敢えてレポートの執筆を1日延ばし、頭を冷やさせて頂いた。投稿の遅れを平にご容赦頂きたい。
第二クールの対戦では、同じレベスタの地で無得点敗戦を喫した事もあり、リベンジを果たす最大のチャンスでもあった。また、対戦前のお互いの戦況の推移も、第二クールの時と非常に良く似た状況での対戦となった。
第二クールでの対戦(第21節)では、福岡はそれまでの5試合を、1勝4敗と低迷を極めていた。今回も1勝2分2敗と、前回対戦時と対して変わらない状況にあった。
対する仙台。第二クールで福岡と対戦するまでの5試合を、4(連)勝1敗と、福岡の不調さとは完全に真逆の展開であった。そして今回も、4勝1分(3連勝含む)と、第二クールの時と大差ない好調さで臨む事ができた。
ところが、第二クールの対戦の時も、そして今回の対戦でも、結果は無得点で完敗。全くと言って良いほど、第二クールの過ちを繰り返してしまった事になる。
千葉が累積で出場停止だった事を差し引いても、相手に気迫負けする情けない試合展開で、仮に千葉がいたとしても、おそらく結果に大差はなかっただろう。
言い訳にはできないが、やはり、スタジアムのピッチコンディションが影響はしていたのだろう。この日指揮官は、劣悪なピッチの中央を避け、サイドを起点にした攻撃や、ロングボールを主体として試合を攻略しようとした。しかし、放り込みには高さに強い選手が必要。もちろん、平瀬やソアレスにも期待はしたが、やはり、中原を先発させるべきだったと考える。
実際、結果論とは言え、今節は中原先発を強く推すべきだったとするブログや投稿記事を、多数お見受けした。筆者も基本線では、賛成である。
ただ、後半から投入された中原も、相手からの厳しいプレッシャーに遭い、中原に訪れたチャンスの回数は、かなり限定的なものであった。仮に中原先発でも、相当に厳しい展開を強いられたものと推する。
この試合、気に入らないディテールとしては、無得点に終わった事ではなく、2失点のほうにある。リーグ最小失点のチームとしては、得点できなかった試合では、せめてスコアレスドローとして終えて欲しかった。それすらも達成できず、つまらない2失点を、本当につまらない2失点を喫してしまった。
そう思う理由は、2失点とも共に、緊張感と集中力に欠ける展開でやられたものだったからだ。
1失点目。福岡に与えたFKの場面。
MF久藤が、仙台ゴール前のポジション取りが落ち着く前に、素早くボールを放り込んできた。ここが「ミソ」だ。
仙台側のイメージとしては、例えば梁がFKを蹴る際のイメージが脳裏にあり、いかにも「さぁ、これから蹴るぞ」というポーズや展開の中から、ボールが来るものだという感覚があったのだろう。ところが、久藤そんな仕草を省略し、仙台の虚を突いて、素早くボールを入れてきたのだ。そこへ反応する、FW黒部。仙台は、為す術無く先制点を許してしまった。
結局、FW黒部に対しては、ノープレッシャーであった。
「まさか、あんな素早さでボールを合わされるとは思わなかった」という釈明が聞こえてきそうだが、そういう「隙」を福岡に与えてしまった、仙台側のケアレスミスである。言い訳はできない。
2失点目。福岡に受けた、カウンターの場面。
仙台ペナルティエリア少し外側で、MF田中とのボールの競り合いに勝ち、一度はボールを跳ね返したものの、そのこぼれ玉を福岡MF久藤に拾われ、これを再びMF田中へ。ここへのプレッシャーが間に合わず、後方から来る難しいクロスを、田中にワンタッチで難なく決められてしまった。
この時も、MF田中に対しては、ノープレッシャーであった。
この、それぞれ失点の場面において、2つの「共通点」がある。
一つは、ゴールを決めた選手に対し、いずれも仙台守備陣はノープレッシャーであった事。
そしてもう一つは、「MF久藤の2アシスト」だったという事である。
なんと仙台は、久藤一人に、自慢の堅守をあっさりと攻略されてしまっていたのだ。久藤は、仙台の守備の隙を見逃さず、そこへ入れる、もしくは走り込んでいる選手に、ノープレッシャーでシュートを撃たせる、絶妙のクロスを入れたのだ。その結果、僅か7本のシュートで、仙台から2点を奪う活躍をやってのけた。
福岡・篠田善之監督の試合後のインタービューでも、記者が「久藤が攻守のキーマンになっていた」事を監督に聞いている。おそらく、福岡を取材している地元の記者や、サポーターの間でも、久藤がキーマンになる可能性がある事は、予め判っていたかのかもしれない。
失念したが、試合後のどこかのメディアで、福岡側の選手のだれかが、こう言っていたらしい。
「仙台は、きれいにサッカーをしようとし過ぎる印象がある。そんなんでは、泥臭く戦うウチには勝てない-」
そのコメントを観たとき、真に「負けた」と思った。
J2へ降格した2007年以降、福岡は、ホームスタジアムのピッチコンディションの問題や、チーム内の「ゴタゴタ」に常に巻き込まれ、昨年はシーズン途中で篠田監督が就任した経緯をも持つ。選手の大幅な入れ替えや、改善しない戦いぶり、一向に延びない成績に悩まされ、降格後3年目の今季でも、昇格争いのライバルとはとても言い難いチームだ。判りやすく言うと「J2中位のチーム」である。
だが、そんな中で、歯を食い縛って戦わねばならない選手には、「泥臭い戦い方」というものが、当然のように身に付くのだろう。決して良くないチーム状況、劣悪なピッチコンディションなどの「逆風」の中では、むしろ、泥臭さと強かさは大いに養われる。
翻って、仙台はどうか?生まれかわったホームのピッチ。めったに1万人を割らない、多数のホームでの後押し。指揮官こそ2年目だが、我慢して育ててきた若い選手の頭角により、他チームに比べて安定した戦い方ができている事など、挙げればキリがない。
こんな緩い状況では、口では「厳しい試合」とか「気を抜かずに」とか言っていても、福岡のそれと比べれば、説得力に欠ける。実際、今節は福岡のMF久藤の「抜け目の無さ」に負けたのだ。
残り、12試合。こういうチームは、福岡以外にもあるだろう。そういうチームとの対戦において、仙台が「勝つために」やらなければならないのは、ハードワークを惜しまず、ファウルとカード覚悟で相手の攻撃の目を潰す、泥臭い守備をする覚悟を持つ事しかない。
そう考えると、仙台の特長の一つでもある「警告の少なさ」は、実は優等生の証でもなんでもなく、単に「ファウルを犯す危険性を回避しているだけ」に過ぎないのではないか?とも思えてくる。
確かに、警告が少ない事は、主力選手の出場停止を遠ざける事になり、長期的には良い事だ。だが、肝心な場面では、イエロー覚悟で相手を止めなければならない場合も出てくる。警告を恐れて相手のボールに飛び込むのを躊躇い、結局それが失点の起点になったのでは、そこでイエローを貰わなかった事に、何の価値も見出せない。
覚えているだろうか?今季の東京Vとの最終戦(西が丘)を。前半終了間際にサーレスが2枚目を喰らって退場したのにも関わらず、後半はそれを感じさせない、素晴らしい攻撃としぶとい守備を展開できたではないか。ゴールこそオウンとPKの2点だったが、2-0で勝つに値する、見事な戦いぶりだったではないか。
あの時と今節とで、いったい何か違うというのか?
相手?ピッチコンディション?
否。そういう問題ではない。
「アウェイでなかなか勝てていなかった」という、背水の陣の気持ちの有無ではなかったか?
東京V戦を迎えるにあたり、一応、前回アウェイの徳島戦では1-0で勝っていたものの、そこまでのアウェイ戦は3連敗。それ以前に遡っても、アウェイ勝利は6月24日(第23節)栃木SC戦まで遡る事になる。ホーム6連勝と16試合負け無しの記録の陰に隠れてはいるが、実は今季、アウェイには滅法弱い仙台なのだ。
それがやっと、徳島戦と東京V戦で、共に無失点で勝利を収め、ようやく「アウェイに弱い癖が抜けたか」と思ったのに。忘れた頃に、またしてもアウェイでの弱さを露呈してしまった。
ホームで強いのは、充分に評価できる。だが、昇格を果たすためには、牽いてはJ1で戦うためには、アウェイでもしっかりと勝ち切る、もしくは負けない強さが必要だ。
こんなところで福岡に苦戦を強いられているようでは、残り12試合中のアウェイ戦でも、決して楽な展開などは期待できないだろう。
思い出せ。アウェイ未勝利が続いて迎えた、アウェイ徳島戦に臨んだ時の気持ちを。
思い出せ。アウェイ東京V戦で前半終了間際にサーレスが退場したあとの、後半の戦い方を。
ホームで勝利する度に、アウェイに臨む際の厳しさをいちいち忘れているような気もする。だが、それではダメなのだ。
今節の福岡戦の敗戦が、「忘れかけていた何か」を思い出させてくれたようにも思える。
今季アウェイ戦、残り5試合。甲府・富山・鳥栖・水戸・徳島。特に、次回のアウェイ戦となる甲府のホーム・小瀬では、J2降格となった2004年以降、一度も勝っていない。勝ったのは、遡る事2001年の第3節(3月25日)である。その後、お互いのカテゴリーの違いによる対戦無しの4年間を挟み(仙台は2002年-2003年をJ1で、甲府は2006年-2007年をJ1で)、実に8年間、小瀬で勝利を収めていない。
小瀬で勝てていないというデータは、実は、博多の森(現・レベスタ)でなかなか勝てないというデータ以上に厳しいものだ。昇格争いのライバルとの直接対決という側面以前に、そもそも、今季は甲府に連敗中。その甲府が、勝ち点差1で、すぐ下に迫っている。(対戦成績で連敗中の相手が順位で下にいるというのも、多少違和感のある話ではあるのだが)
もし、「小瀬では2001年以降勝っていない」「今季の甲府戦では2連敗中」というデータを信じれば、仙台が勝てる要素は微塵もない事になる。
勝てる要素を、自らの力で創るしかない。「残り何試合」という展望を脳裏から捨て去り、一戦必勝の想いで90分を戦い抜く事が、勝利を手繰り寄せると信じている。
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