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仙台1-0熊本 ソアレス出場停止の中、激減した決定力のチームを救ったのは、"仙台のバットマン" 渡辺広大。文字通り、「飛んで決めた」執念の一発。そして「あの選手」にも、一言。

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その瞬間、明らかに渡辺広大は、"飛んでいた"-。

前半も、時計がもう少しで45分を指そうかという頃、仙台は敵陣アタッキングサードのほぼ中央で、梁がFKのチャンスを得ていた。これを中に放り込んで後方に弾かれ、こぼれたボールが平瀬のところへ。胸トラップでボールを落とし、落ちた瞬間のボールを右足で振り抜く。このボールは辛くも熊本GKに片手一本で弾かれるが。

これで得たCKにて、梁がファーに居た渡辺広大に合わせる。自らのマークを引き剥がすべく、常に動き回ってボールを待つ広大。梁がボールを蹴る瞬間とほぼ同時に走り込み、相手のマークをぎりぎりで引き剥がして、左足でジャンプし、体をほぼ水平にしたまま、ボールをヘッドでゴールへ叩き込む。ジャンプした水平の姿勢そのままで体ごと着地した広大の耳には、終わってみれば決勝点となる貴重なゴールに喜び沸き返る、サポーターの大歓声が響き渡っていた事だろう。

この日、仙台地方の上空は暗雲が立ち籠めていた。あまり喜ばしい天候ではなかったが、雨が落ちてくる様子もなく、サッカーに集中できる気候ではあっただろう。その天候も、試合前の公式練習が始まる頃には、スタジアムの照明に火が入れられ、上空の天候はさほど気にならなくなっていた。少々肌寒い感じもし始めた 16:00、試合はキックオフを迎えた。

この日の課題は、前節でソアレスが先制点を叩き出した、その僅か4分後に喫した失点に代表されるように、如何に相手の攻撃の目を潰す、集中された守備力を維持するかであった。

これに真っ先に答えたのは、先発ボランチの2人。千葉と富田のコンビが、前節以上に中盤で相手のパスを尽く寸断し、熊本にチャンスらしいチャンスを作らせない。ただ、こちらもボール奪取から決定機まで持ち込む前にボールを再奪取されるなど、「中盤での我慢比べ」が続いた。前半は前述した渡辺広大のゴールこそ決まって1-0で終えたが、あとからリザルトをみれば、前半は仙台・熊本ともにシュートは3本ずつという内容だった。

その、仙台の前半の3本のシュートの内訳は、30分の中島・43分の平瀬・44分の渡辺。このほか、20分にFKから平瀬のバー直撃弾もあったが、これはオフサイドの判定だったため、これはシュート数には数えられていないと思われる。

お互い3本ずつの決定機を迎えながら、決まったゴールは仙台の僅か1本。1-0で折り返したは良いが、熊本相手に決定機をこれしか創れなかった不満が残り、その不満解消に期待して、後半の開始を待った。

後半は、先制点を獲って臨めた仙台が、面白いように相手ボールのインターセプトから、サイドを丁寧に突き、何度も決定機を創り出す事に成功する。後半だけのシュート数をみれば、お互いが7本ずつと、実は同数であった事に驚いたところもあったが、内容的には仙台優勢。全て外してしまったものの、相手GKとの1対1のシーンが何度もみられ、そのうちのどれか一本が決まって、最低でも2-0で勝ちたかった試合であった。

特に、今節は梁と関口に、いつも以上の気迫が見て取れた。得点こそならなかったが、チーム全体の運動量の中でも、今節は群を抜いて動き回り、そして得点チャンスにも充分に絡んでいた。梁と関口に訪れた大チャンスのどちらかが決まっていれば、もっと楽な展開になっていただろう。

若干、運にも見放された感もあったが、仙台は、きちんとチャンスメークはできるチームである事が再確認された。そして、得点源のソアレスが居ない試合において、チーム得点の約1/3を締めるセットプレー一本で勝ち点3を挙げてしまったところも、実に仙台らしい勝ち方と言える。

この試合における最大の収穫は、決定力不足の中においても、全員が連動して決定機を演出する事で、充分に得点の可能性はある、という事だ。今節こそ渡辺広大のセットプレー一発のみの得点に留まったが、ソアレス抜きでこの「内容」である。仙台をスカウティングする相手チームの担当は、仙台の総合力の高さに、毎度のように舌を巻いているに違いない。

ところが、その中において「納得が行かない」部分もある。元々、試合前からあまり期待していなかった、久々先発のFW中島の出来。今季、彼には大きな成長を期待し、望みを持って彼の活躍を待ち続けて来た者の中の一人として、敢えて厳しい意見を言わせて頂きたい。

もはや、試合感不足というレベルでは言い訳の効かない、どうしようもないくらいの動きの悪さだった。全般的に運動量が足りない、ボールを引き出す時の動き出しが悪い、セットプレーなどのチャンスに自分のマークを剥がそうとしない。なんと言うか、一言で言えば「消えていた」。唯一撃ったシュートは、左サイドの朴からのナイスなグラウンダー性のクロスをノートラップで撃ったものだったが、相手GK正面で止められてしまう不運。まだ、枠にシュートを飛ばしただけ、以前よりはマシだったかもしれないが。

また、前半から頭部流血?の影響か、ピッチの外で治療するシーンも散見。せっかくチャンスを貰って出場しているのに、出血の治療で時間を浪費。前半はまだ1本のシュートを撃てたから良かったほうだったが、後半も同じような状況でピッチ外に出ている始末。何のために先発したのだ?と思っていた矢先、中島の治療中に、ボールがゴール前まで持ち込まれ、フォワードにとって最大の決定機も訪れていた。だが、その場面に中島は居ない。出血は治療しなければならないルールがあるとは言え、あの決定機に中島が居なかった事で、どんなにがっかりさせられた事だろう。

そして、もっとがっかりさせられた事がある。試合後の指揮官の、中島に対するコメントだ。

「中島はこうやってまたいろいろな経験を積んで成長している過程だと思うし、あともう少しでゴールに近づいているんじゃないかという気配を感じます。温かく見守ってほしいところです。」

全く結果も出せず、チームの勝利に貢献したとお世辞にも言えない選手に対し、あまりにも温情的過ぎやしないか?

確かに、サッカー選手としては、それなりに動けていたし、攻撃にも守備にもそれなりに絡んでいた。だが、2006年にチームに加入し、今年で4年目となるFWの選手が、この程度の出来で、果たして許されるのか?

正直言えば、今季の中島には、もう期待していない。昨年までは、肝心なところで勝利に絡む得点を挙げてくれたりもしていたが、今年は昨年以上に、出番での活躍を見ることができない。このままでは、来季の彼の居場所が、仙台でなくなっている可能性もある。

だが一方で、中島に「このまま終わって欲しくない」とも思っている。中島の現状を考えたとき、まず必要になると思われる事は、「現在の指揮官の下を離れて、もう一度チャレンジする精神を持って欲しい」という事だ。

現在の手倉森監督の下では、中島は甘やかされ続けるだろう。監督は彼を仙台に完全移籍までさせてまで、仙台での活躍に期待していたが、中島は年々「悪くなっていく」一方だ。もし来季、J1の舞台で闘う事になったとすれば、今季のJ2でもあの程度の出来では、J1では全く通用しないと言っても過言はないだろう。

リーグ終盤というタイミングでもあり、1選手の去就に関する話は、今はこれ以上は避けたい。だが、リーグ戦が終われば、嫌が応でも再燃する話である。その時、中島が「来季も必要な戦力だ」と言われるくらいの輝きを取り戻せるのか。それを示せるだけの出場機会が、今季巡ってくる事は、果たしてあるのか?

中島に限った話ではないと思うが、チームの昇格争いと共に、静かに、各選手の来季の居場所を賭けた戦いは、もう既に始まっている。だがまずは、今季の昇格達成を、中島も含めた全選手と、全コーチ陣と、そして全サポーターの力で成し遂げよう。残り9戦。昇格へのカウントダウンは、少しずつその足音を大きくして来ている。




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