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富山2-3仙台 予想だにしなかった、シーソーゲーム。"富山の13番" FW長谷川の2ゴールに苦しめられるも、チームを救ったのは "仙台の13番" FW中島裕希の久しぶりのゴールだった。

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前半8分の、梁のスーパーミドルが決まった時、「富山とは、やはり相性が良いのか?」と思ってしまった。だがそのゴールは、決して仙台に楽な展開を保証するものとはならず、むしろ、富山の反撃のスイッチを入れてしまったのかもしれない。

カターレ富山、FW13番・長谷川満、30歳。JFL時代からYKK一筋で、毎年のように2桁得点を記録し、チームを牽引してきた、ベテランエースストライカー。その選手は、今季のJ加盟後、得点が奪えずに「産みの苦しみ」を味わっていた。

その選手に、よりにもよって、J初ゴールと逆転弾の2点を献上。梁のスーパーミドルが吹っ飛ぶ執念に、仙台もまた「昇格へ向けた、産みの苦しみ」を味あわされた。

富山が、堅守・仙台から奪った2得点は、富山のチームとしての成長ぶりを内外に示すものとしては充分なものとなった。ベテランFWの長谷川が1試合2ゴールを決めて一時逆転を果たした事は、富山のサポーターにとっても、大きな意味を持っていたに違いない。

仙台としては、この2失点は、どんなチームにも「決して隙を与えてはならない」という教訓になったと思う。残り8試合、昇格を果たすためには、こういう失点の仕方を引き摺るわけにはいかない。

だが今節に限って言えば、富山のこの勢いを凌駕するだけの気迫と執念が、仙台には備わっていた。富山のFW長谷川に逆転弾を許してから、僅か3分後。梁のセットプレーのFKからのこぼれ球が、ゴール前に詰めていた渡辺広大の目の前へ。落ち着いてこれを胸でトラップし、ノーバウンドで右足一閃。ボールは富山GK橋田(後半5分に交代投入)に反応されたものの、ボールは枠内へ。ラインを越えるぎりぎりか、越えたのか?というタイミングで、富山のFW長谷川がこれをかき出したようにも見えたが、判定はゴールイン。危うく、長谷川に「1点もの」の活躍を許すところだった。

同点に追い付く事に成功した仙台は、素早く「切り札」を投入する。と言っても、既に中原はこの時、平瀬に代わって投入されていた。ここで投入されたのは、ここ19試合でゴールが無く、前節のスタメンでもこれと言って活躍を見せられなかった、FW中島祐希だった。監督の判断。地元での出場機会。復活を期待する仙台サポーターの一部が掲げた「13」のボード。19試合ノーゴールのプレッシャー。そして家族・親類が見守る中での、「全てがお膳立てされた」状況で、自身がゴールを挙げて勝利する事以外、許される道は無かった。

決勝弾となったそのゴールは、後半38分。GK林のゴールキックを相手DFが跳ね返したボールを、中原が頭で前線へ押し戻す。このボールを、左サイドで展開していた中島が、後ろ向きで前方へ、めくらパスを出す。そこには、なぜか関口が。そして中島は、「関口へ出した」パスと同時に、そのスピードを活かし、一気に前線へ駆け上がる。その「空気」を読んだ関口は、相手DF2枚の間を抜く、絶妙のスルーパス。それをトップスピードで受け取った中島。一瞬にして、決定機を作る芸当をやってのけた。

自らが「起点」となり、関口との華麗過ぎるワン・ツーで、富山GKとの1対1との局面を作り出す事に成功。あとはこれを決めるだけだったが、今季の中島は、何度もこういうシーンをモノに出来ず、その結果の19試合ノーゴールだった。

しかし、このシーンでは、中島は「以前との違い」を見せ付ける。GKとの間合いを読み切り、右足でGKの脇を鋭く突くシュート。撃ったボールの軌道は、枠を外れる事なくゴールの右隅を見事に突いた。

後半38分。仙台、再逆転-。

その瞬間、鳥肌が立ったのを覚えている。どうすれば、こんな「劇的」なゴールを演出できるのだ!?中島の地元での決勝ゴールなど、戦前からしてみれば、「理想に近い、ある意味出来過ぎなシナリオ」である。しかも、観る者を決して飽きさせない、息を飲むようなシーソーゲームの結末として、である。

因みに、GK林のゴールキックから、ゴールネットが揺れるまでの時間、僅か13秒。そう、「13」秒なのだ。まさしく電光石火な早業でゴールを決めたとは思っていたが、あとから映像を確認すると、見事に「13」秒でゴールインしているのである。これも、何かの因縁なのだろうか。

終わってみれば、富山8本・仙台9本と、お互いのシュート数が2桁に届かなかった。それもそのはず。システムもプレースタイルも被る「似た者同士」なチームの対戦で、中盤での潰し合いが激しい試合でもあった。そんな中、お互い合わせて産まれた5ゴール全てが、相手の一瞬の隙を突く、見事なゴール。味方のゴールを賞賛すると共に、敵ながら、富山の今季の成長ぶりにも目を見張った。

富山は今季、栃木・岡山と3チーム揃ってJFLから昇格して来たが、栃木の松田監督就任や、岡山の大量の選手補強などの話題の陰に隠れ、こう言っては失礼の部類に属する話ではあるのだが、ある意味、一番「影の薄い存在」であった事は否めない。しかし実際には、現状、栃木の17位・岡山の16位を尻目に、富山は10位と大健闘している。富山は、大きな選手補強もせず、JFL時代の戦力をベースに、今季のJ2を堅実に闘ってきた。その結果、チームとして長谷川の2ゴールを演出し、一時は仙台を逆転するにまで成長した。来季の闘いは、もっと熟成したものになるだろう。頑張って欲しい。

そして試合を振り返れば、富山の "13番" が仙台から2ゴールの一時逆転という大仕事をしたかと思えば、仙台の "13番" も、チームを窮地から救う、これまた大仕事をやってのけた。敵側も味方側も、仕事をするべき選手が仕事をしたと言える。だが、昇格を賭けた闘いという意味で、より大きなプレッシャーを受けていたのは、仙台のほうのはず。それを見事にはね除け、そして19試合ノーゴールのFWが地元で決勝弾を決めるという「演出」は、まさしく「ユアスタ劇場」そのもの。場所こそアウェイではあったが、選手たちが魅せてくれたこの展開こそ、仙台が無類の強さを誇る「ホームでの試合」そのものである。今節、大挙して押しかけた仙台サポーターが、敵地でホームの雰囲気を作り出してくれた事にも感謝したい。

「場所はアウェイ、心はホーム。」

試合前のプレビューで、筆者が書かせて頂いたフレーズである。「我が意を得たり」と思った反面、中島の千両役者ぶりに、正直、脱帽させられた想いも感じた一戦だった。

ところで、中島の「千両役者ぶり」を裏付けるデータがある。

試合翌日のサンスポ紙の掲載記事を読むまでは気が付かなかったのだが、中島が今季ここまで挙げた5ゴールは「全て決勝点」だと言うのだ。

まさかだろう??、決勝点ではなく、先制点やダメ押し点などの間違いではないのか??

と思って、念のため、過去4戦の得点推移を再確認した。

結果、見事に「過去4ゴール全てが決勝点」であったのだ。しかも、5ゴール中4ゴールがアウェイでのもの。FWとしては決して多いとは言えない得点数のなか、全てが決勝点で、しかもアウェイで挙げたものがほとんどという事実は、5ゴールという数字以上に、何か意味のあるものを感じさせずにはいられない。

リーグ戦は、既に終盤。ここのところ、ボランチでスタメン定着しつつあるMF富田の活躍や、控えに甘んじていたFW中島の久々のゴールなど、総力戦の様相も見え始めている。残り8試合。今度は、どんなドラマが待ち受けているのだろうか。

気になる次節は、すぐにやってくる。中2日で、ホーム横浜FC戦。2連勝の勢いをそのままに、無類の強さを誇るホームで、第二クールの屈辱の敗戦のリベンジを。




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