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仙台2-0草津 一言で言えば、"完勝"。鳥栖戦ドローの悔しさを、勝率バツグンのホームで見事に晴らした。平瀬の久々得点、中島の4戦3発となるダメ押し点と、草津・都倉を完璧に抑えての完勝劇。それだけに、平瀬の負傷離脱が悔やまれる。

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この1勝の持つ意味は、果てしなく大きい-。

過去に敗戦経験が一度も無い、相性の良い草津が相手だったとは言え、得点ランキング2位・21得点の都倉を完璧に封じ込め、平瀬と中島の先発・控え両FWがそれぞれきちんと結果を出し、シュート数でも「20対7」と3倍近い数を付け、「草津に何もさせなかった」と言っても過言は無いと感じられるほど、安心して見ていられる内容だった。

残り6戦と、昇格を争っているこの時期に、昇格のプレッシャーなど微塵も感じさせない、こんな強かな試合を完遂できるチームに成長している事など、シーズン開幕前にいったい誰が予想できたであろうか?

草津側は、筆者の戦前の予想に反して、小林竜樹は起用してこなかった。ここで出て来ないという事は、何かコンディション関係の事情もあるのだろう。スタメン発表の時、ちょっとだけ胸を撫で下ろした。ただ、草津には都倉のほか、今季9得点の後藤涼もおり、都倉と2人で今季30得点の「草津の得点源2トップ」は、戦前から決して侮れない空気をチラつかせつつ、試合開始のホイッスルが吹かれた。

前半12分、いきなりFW平瀬が仕事をする。ここしばらく得点からは遠ざかっていたが、サイドで起点になれる彼の頭脳的なプレーは、仙台のFWの軸として揺るぎない存在となっていた。そのご褒美を、得点という形で彼にプレゼントできればと、ここ数節思っていたところだったが、見事に平瀬自身でそれを成し遂げた。アシストを決めた、関口にも感謝したい。

そして、負傷した平瀬に代わって投入されたFW中島も、富山戦からの良い流れそのままに、この試合でも得点を挙げた。草津DFのミスから産まれた得点ではあったが、相手がミスからロストしたボールを落ち着いてコントロールし、なんと「左足」でシュート。ボールはグラウンダー性で、「ゴールの右隅と草津GKのニア」の狭いコースをピンポイントで抜き、ネットに見事に突き刺さった。

以前の中島なら、GKの反応以前に、ポストに当ててしまうか、ゴール枠外側にある「給水ボトル」にクリーンヒットしているかのどちらかだった。それが、どうだろう。富山戦の決勝ゴールを皮切りに、4戦3発の大活躍(天皇杯・金沢戦を除く)。平瀬負傷の穴を補って有り余る出来に、もはや中島を「ノーゴーラー師匠」と罵る事は出来ない。14年目の千葉が「仙台のエース」に推する、若きFWは、ようやく来季の「自分の居所」を、自力で掴み取れそうな状況にまで昇華させて来た。平瀬が今季絶望視される中、まだまだ彼の活躍は必要視される事だろう。

また、守備の面を見ても、明らかに草津を「封殺」していた。草津は、攻撃の起点でもあるMF松下にボールを集め、彼の「散らし」から攻撃を組み立てる印象が強いが、その松下が仙台の素早いプレッシングに手を焼き、ボールの出しどころを探し続ける有様。まさに仙台は、「ボールを草津に持たせている」と言える状況を作り出し、ひとたび草津が攻撃に転じようものなら、そこへ次々とプレッシングを仕掛け、相手からボールを奪い去って、素早く攻撃に転じていた。

その象徴として印象的だったのは、中島による2点目に至るプレーの流れ。中央右サイドで、草津MF熊林のボールに菅井がプレッシングし、これを奪う事に成功。前線へ弾かれたボールを草津SBがクリアしようとしたところを、今度は梁がプレッシングし、そのボールが再び前へ。今度は草津CBがそれをクリアしようとしたボールを、中島が冷静に足でブロック。こぼれたボールは中島のシュートレンジへ「流れた」。相手選手との位置関係のため、中島は右足に持ち変える余裕など無いと悟ったのだろう、そのまま左足で狙い澄ましてシュートを撃つ、という流れだった。

この流れでお判りのように、中島の2点目は、相手の持つボールに対し、積極的に前線からプレッシングを仕掛けた結果、相手のミスをゴールに結び付ける事に成功した好例である。普段なら、なかなかこうはうまく行かないものであるが、この日は、攻撃に参加したそれぞれの選手が、それぞれの位置で「個々にやるべき事をやった」結果である。

このようなプレーは、前節に対戦した、鳥栖の十八番とするところ。前節での対戦でこそ、鳥栖は前半にこのプレッシングサッカーを封印していた様だったが、後半の鳥栖の動きを見れば、彼らの攻撃パターンが「前線からのプレッシング」である事は明白である。そんな鳥栖のサッカーのお株を、そのまま奪って実演してみせたような内容に、仙台の攻撃サッカーの多様性を、改めて感じとる事ができた。

ところで、10月に入ってからの、FW中島の「4戦3発」の活躍は目覚ましいところではあるのだが、その中島の10月の活躍の裏で、好調なチームを支えている選手が居る。

MF11・関口訓充。

最近、やけに彼が得点に絡むシーンが多いなと感じ、10月のこれまでの公式戦をちょっと調べてみた。すると、驚くべき状況が浮かび上がってきた。

第43節・富山戦(A) 3点目の中島の決勝点を、中島とのワン・ツーでアシスト。
第44節・横C戦(H) 中島の決勝点をアシストした平瀬の「展開」を読み、平瀬へナイスパス。得点の起点に。
天皇杯・金沢戦(H) 延長戦・前半1分に決勝ゴールを叩き込む。
第45節・鳥栖戦(A) サーレスの先制点をナイスなクロスでアシスト。
第46節・草津戦(H) 平瀬の先制・決勝点を、梁とのコンビネーションでアシスト。

おそらくこれ以外にも、記録上は見てとれない「得点に貢献したプレー」は少なからずあるだろう。彼自身の得点は、天皇杯のものを除けばかなり遠ざかっている事は確かであるが、その反面、チームにとって無くてはならないダイナモとして、きちんと機能しているのだ。10月に入ってのこの貢献ぶりは、梁のそれを既に凌駕しており、梁と共に、仙台の2列目の「ファースト・チョイス」が、彼ら2人である事に異議を挟む余地は、もはや存在しない。

この勝利を以て、気が付けば、ホーム10連勝を達成(ホーム20試合負け無し)。もっとも、単なる記録上の通過点に過ぎない事は百も承知の上での話ではあるのだが、これだけホームで強いと、情報戦として「仙台はホームでは神懸かり的な強さを発揮する」などと、敵陣側メディアが、勝手にアウェイ側チームにプレッシャーを掛けてくれる事にも期待してしまう。「ユアスタでは、勝てる気がしない。」相手に、戦前からそう思わせてしまう事もできそうな記録であるだけに、できれば、今季最終戦まで、この記録は継続したいものである。

そして、今節のレポートの題材として、どうあっても避けては通れない、FW平瀬の負傷について。

筆者が普段の定席としている「自由席南・東側コーナー付近」から、平瀬がボールを追いかけ、そして「自爆」してしまったシーンを、まさに目の当たりにしてしまった。ちょうど、ゴールラインの上に左足を引っ掛けてしまい、その位置の芝が捲れ挙がってしまったのだが、その痕跡が、平瀬の負傷退場の「爪跡」として、あの付近にて観戦していたサポーターの脳裏に焼き付いたに違いない。

試合後の監督のコメントをみると、平瀬はどうも半月板を割ってしまった可能性が。それが本当であれば、リーグ最終戦までの一ヶ月半という時間では、リハビリも含め、とても戦列復帰は難しいだろう。このレポートを書いている時点では、まだ公式発表は無いものの、平瀬の今季の貢献度と現在のチーム状況を考えれば、平瀬にはここで「休息」して頂く事が良いと思われる。

だが、この平瀬の負傷離脱が、チームに「新たな力」をもたらす可能性もある。前節の鳥栖戦で、鳥栖イレブンが、警告累積で欠場を余儀なくされたハーフナー・マイクの分まで頑張ろうと発憤し、仙台の先制点から僅か4分後の同点弾に繋げた事例からも判るように、「主力選手の欠場は、必ずしも戦力ダウンには成り得ない」場合もあるからだ。

例えば、今季の仙台の例で言えば、第一クールのアウェイ富山戦で、FW中島が先制点を叩き出した時のプレーが元での負傷離脱を経験している。あの時は、うまい具合にソアレスが台頭してきていた時だったので、なんとか勝利を重ねる事ができた。が、あの時期と違うのは、今が「昇格レースの最終コーナーを既に曲がり終え、ラストスパートの真っ最中」であるという事だ。主力選手の負傷離脱による影響度は、シーズン序盤のあの時とは、雲泥の差がある。

このFW平瀬の負傷離脱は、今節の完勝劇の代償としては、あまりにも大き過ぎるものだ。彼の経験から来るゲームメイクの素晴らしさを、そのまま取って置き換えられる選手など、いる訳が無い。

しかし、そこは「発想の転換」が必要だろう。この時期に、彼が負傷離脱を余儀なくされてしまう事は、逆に、残ったチームメイトが口を揃えて「平瀬と共にJ1へ」と叫び、今まで以上の力を出して戦ってくれる姿を想像するに難くない。チームをここまで牽引してくれた、FWの軸を失うのは確かに痛いが、その分、2列目の梁と関口が、残ったFW陣との連携を更に深め、平瀬のそれとはまた違った「仙台の攻撃パターン」を繰り出してくれれば良い事である。

幸い、中島の復調も含め、仙台のFW陣は、まだ「ソアレス・サーレス・中島・中原」の4枚を廻す事ができる。その気になれば、3ボランチ・1トップの布陣も使えるだろう。案外、これはこれで面白い状況かもしれない。

必ずしも、平瀬の負傷離脱が、即、仙台に危機をもたらす訳ではない。むしろ、仙台が更に「化学変化」を起こす可能性すらある。残り5戦、いよいよ目が離せなくなってきた。

今節の試合後のピッチに目を向ければ、この時期に命日を迎える「戦術君」を弔うボードが、あちこちで見受けられた。彼も、今季の仙台の活躍を、天から喜んで観ていてくれている事だろう。また、勝ったからこそ、偶然この日が誕生日だったエリゼウの「ブラジル流誕生日祝い」にも華を添えられたというもの。勝てば天国、負ければ地獄の昇格争いの中、こんな事を楽しむ精神的な度量(敢えて「余裕」とは言わない)を持つ仙台サポーターに、改めて歓心させられる。

リーグ戦に再び目を向ければ、非情にも、中3日で次の戦いが待っている。次もホーム、今度は札幌戦だ。一部の選手に、新型インフルエンザの感染患者もおり、必ずしもベストメンバーではないらしいが、それは向こうの事情であり、仙台としては、遠慮なく「勝ち」に行かせて頂く。

ここで、昇格へ向けた「皮算用」を整理しておこう。昇格を決定付けるためには、「残り試合数」と「4位との差」を勘案しなければならないが、現在、3位・湘南と4位・甲府の勝ち点差が「2」しかなく、一試合で状況が大きく変化する可能性がある。よって、暫定的に「現在4位」の甲府との差だけに話を絞ってみたい。

仙台が「自力で」昇格を決するには、あと4勝1敗(勝ち点12)、もしくは3勝2分(勝ち点11)を積み上げる必要がある。

現在、4位の甲府は勝ち点を88としているが、仮に、残り5試合を全て勝利し、勝ち点15を積んで「103」まで延ばしたとしても、仙台が4勝(勝ち点93+12=105)、もしくは3勝2分(勝ち点93+11=104)まで積んでしまえば、甲府の昇格は消え、仙台の昇格が決定する。

もし、3勝1分1敗(勝ち点10)としたとしても、現在、得失点差で甲府とは+9差(仙台+38、甲府+29)であり、総得点数でも+9差(仙台76、甲府68)であるため、仮に勝ち点で並ばれたとしても、俄然有利な状況に変わりは無い。

そして、最短の「Xデー」は、11月8日のアウェイ(準ホーム)水戸戦。仙台が第47節札幌戦・第48節水戸戦を連勝(勝ち点99)とし、甲府が同2戦を1分1敗以下(勝ち点89)で終われば、勝ち点差は+10となり、残り3試合で甲府が仙台を抜く事は出来なくなる。つまり、上位3位以内が確定し、昇格が決定する。

そこで気になるのが、甲府の今後2戦の対戦カードであるが、これがまた興味をそそられる。

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第47節(10月25日)アウェイ鳥栖戦
第48節(11月08日)アウェイ福岡戦
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なんと甲府は、九州アウェイ2連戦なのだ。しかも、次の相手はあの「鳥栖」であり、昇格へ最後の望みを賭けて、鳥栖が甲府に猛然と襲い掛からんとする勢いは、想像するに難くない。また、福岡はリーグ終盤のここへ来て復調の兆しがあり、直近6戦を、なんと3勝3分の負け無しで推移している。その中には、首位・C大阪との壮絶0-0ドローも含まれており、しかもこの6戦を、なんとトータル「1失点」で凌いでいるのだ。

今月末の天皇杯3回戦を挟んで、日程が空くとは言え、甲府にとってはあまりに厳しい連戦。下手をすれば、ここで2連敗も考えられなくもない。

いずれにせよ、仙台としては、札幌戦・水戸戦を確実にモノにし、「人事」を尽くして「天命」を待つ身。チームとしては、目の前の「次の相手」を叩く事のみに集中し、サポーターとしては、いずれ訪れるであろうその「瞬間」を、指折り数えながら待たせて頂くとしよう。

2008年12月13日に、皆で噛み締めた「あの」悔しさ。あの時に流した悔し涙を、誰一人として、忘れてはいない。あの時、私たちは、敢えてお互いの言葉にする事もなく、共に誓った。

「このチームと共に、絶対に1年で昇格を決める。力の限りの声援を以って、サポートする。」、と。

その誓いが、もうすぐ、報われようとしている。




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