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仙台1-0C大阪 これぞまさしく「ユアスタ劇場」。後半ロスタイムもほとんど無くなりかけたその刻、千葉の高精度なクロスから朴柱成のヘッドが炸裂。0-0スコアレス濃厚な試合を制し、9月以来の首位に再浮上!

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誰しもが、勝利に「期待」はした。だが、このような劇的な展開は、予想だには出来なかったに違いない-。

第49節の第一日(11/21土)。小瀬で行われた、甲府-湘南戦。スカパーを契約の方なら、ほとんどの方がこの試合を「高みの見物」していただろう。かくいう筆者も、その一人だった。

この試合は、2点を早々にリードした湘南が、甲府に2点差を追い付かれる展開も、後半ロスタイムに途中投入のMF坂本が劇的な決勝点を挙げ、敵地ながら甲府を下した。試合は序盤から、お互いが積極的に攻め合い、そして得点を奪い合うという、実にスリリングな展開。最後まで、どちらに勝利が転がり込むかは、まったく予想だにできなかった。

一晩をおいて、迎えた、仙台-C大阪戦。こちらは、昇格争いのプレッシャーからはお互いが解放され、純粋に「事実上の優勝争い」を賭けた大一番を楽しむ身。果たして、昨日にTV観戦で拝見したような、甲府-湘南の、見応えある試合展開はあるのか?劇的な幕切れは?相手はやはり強力な攻撃力を持つ、あのC大阪。やはり、失点はしてしまうのか?などなど、前日に観た「ドラマティックな展開」が脳裏から離れないうちに、時計は既に13:00。キックオフの刻を迎えた。

C大阪は、予想通り、香川をベンチに置く布陣。一部の報道では「仙台戦はスタメンかも」という情報も錯綜していたが、筆者は「それは無い」と予想。その通りの先発メンバーとなり、勝負どころは「香川が入って来てから」と考えてみた。

その香川の居ない前半。

仙台の試合の入り方としては、ホームでありながら、まるでアウェイでの戦いのように、堅守をベースに相手の出方を観る様相。C大阪は、案の定、前節の草津戦で4得点を上げた、MF7・乾が積極的に仕掛けてくる展開。香川がいない分、2シャドーの相棒はFW9・カイオ(この日はMF登録)が務めていたが、やはり「コンビが香川ではない」事が影響してか、C大阪本来の攻撃の迫力は、さほど観られず。

序盤の20分くらいまでは、C大阪に「攻撃をさせておき」、その後は仙台が、徐々にペースを握り始める。22分の菅井のヘッド、23分の関口のループ、26分の梁のFKと、立て続けにゴールを襲う展開。35分には、関口のミドルがバー右に嫌われるという展開もあり、ゴールの予感が少しずつ漂い始めた前半だった。

迎えた後半。C大阪は、香川を頭から投入。

ここから、C大阪が「本来の攻撃力」を取り戻す。香川と乾のコンビはやはり驚異で、幾度となく危ないシーンを2人を中心に創られる。だが、この日の仙台は、香川と乾に仕事をさせないために、いつも以上に積極的に、敵のボールを常にチェックし、自由にパスを繋がせない作戦。香川と乾にボールが渡る回数さえ減らせれば、自ずとC大阪の得点機は減少する。そう信じているかのように、仙台の執拗なチェイシングは繰り返された。

特に、ボランチの千葉と富田の、危険の芽を摘むインターセプトやボールコントロールは見事だった。攻撃参加だけでなく、きちんと本来の「中盤の底」の役目を全うし、C大阪の攻撃陣の好きにさせない展開に持ち込む。

ただ、それは仙台の攻撃陣にも言える事で、C大阪の最近の守備も安定傾向にあり、決してマルチ得点を易々と決められるような雰囲気には無かった。

綱引きのように、押しつ、押されつの展開。だが、後半に香川が入ってからは、仙台はほぼ防戦一方の展開にシフトしていった。

ところが、仙台に一つの「契機」が訪れる。後半の頭から入った香川が、試合中の接触プレーが原因で足を痛め、プレー続行が難しい状況に。やむなくクルピ監督は、香川に代えて、黒木を投入。

この直後から、仙台の「逆襲」が始まった。C大阪としては、おそらく「香川の負傷+勝ち点差2の状況+アウェイである事」を総合的に判断し、逃げ切りに入ったのかもしれない。だが、そんな消極的な相手に、易々と勝ち点1の持ち帰りを許す訳には行かなかった仙台。香川を欠き、再びベストな布陣では無くなったC大阪に、容赦なく襲い掛かった。

後半40分、左サイド後方からの梁の長いクロスに、後半途中から入ったソアレスが飛び出して合わせるも、これは惜しくもキーパーに阻まれる。この後も、セカンドボールをどんどん拾い、決定機を伺い続けた仙台。時折、失ったボールからカウンターを受けてしまうも、落ち着いた守備陣が最後は集中力と体を張り、相手のミスを誘い、すんでのところで敵の仕事を阻み続けた。

後半ロスタイム突入時、会場内には、「ロスタイムの表示は??」というざわつきが。実際には4分と計時されたようであったが、会場でそれを確認した人は、周囲には見当たらず。結局、手元の時計とのにらめっこで、感覚的に「そろそろ試合終了か・・・」と、半ばスコアレスドローという結果を受け入れる気持ちの準備を始めた、その刹那だった。

試合を動かしたのは、「このチームを絶対に優勝に導く」と固い決心で今シーズンに臨んだ、MF7・千葉直樹。後半ロスタイムの計時は4分だったが、その4分を過ぎてからが、まさにこの日の「ユアスタ劇場のクライマックスシーン」となった。

右サイドの千葉から、C大阪ゴール左に張っていた、DF27・朴柱成にボールを放り込む。そのクロスは見事に朴に合ったが、ヘッドによるその折り返しの先に居た梁が、これを処理し切れず、後方にそらしてしまった。

経過時間を考えると、普通なら、ここで万事休す。だが、梁がそらしてしまったボールの先には、先ほどクロスを上げた、千葉の姿があった。プレーはまだ止まらない。主審は時計を気にしつつも、まだホイッスルを吹かない。「チャンス」は残されていた。

相手のプレッシングを上手にかわし、もう一度、ゴール前へ放り込んだ千葉。その精度は実に見事で、相手DF2枚の間に生まれた、僅かな「エア・ポケット」へ、軌道を描いて飛んできた。

おそらく、C大阪のDF2枚の選手は、ボールの軌道を目で追う事で精一杯だっただろう。本来なら、そのボールに飛びかかり、相手の自由にさせないプレーが求められたはずだ。だが、C大阪のDF2枚は、お互いが近くに居た事もあり、おそらく一瞬、お互いにその仕事を譲ってしまったのだろう。

その判断が、C大阪にとって「間違いの元」だった。

まさに、もう「ヘッドを合わせるだけ」という優しい軌道を描いて飛んできたボールに、合わせたのは、先ほどヘッドで折り返しをしていた、朴柱成。敵のDFに邪魔される事なく、いわゆる「どフリー」状態で丁寧に放ったシュートは、C大阪ゴールの右サイドネットに突き刺さる、値千金のゴールとなった。


この日、最大ボリュームの歓喜。唯一、ユアスタが「揺れた」瞬間だった。


会場内に響き渡る、19,000人の大歓声。いや、C大阪サポーターを1,000人とすれば、18,000人の大歓声か。そして、ゴールを決めた朴柱成を称えるコール。この瞬間、仙台が今季初めてC大阪を破り、首位に躍り出た。

C大阪のGKは一歩も動けず、ただ呆然と、仙台の選手が喜び勇んでピッチを駆け回るのを眺めているしかなかった。

ゴールが決まった瞬間に、時計が指していた時刻は、94分30秒。ロスタイムの掲示が「n分台」の目安である事を考えると、いつ試合終了のホイッスルを吹かれてもおかしくなかった時間帯だった。

まさしく、許された最後の1プレー。そのプレーで生まれた1ゴールは、前日に行われた、甲府-湘南戦の劇的な後半ロスタイムゴールに負けるとも劣らない、素晴らしい結果を仙台にもたらした。

一応、センターサークルからC大阪のキックでリスタートはしたものの、直後に主審が試合終了のホイッスル。事実上、C大阪に反撃の機会は与えられなかった。

試合後に聞き及んだ話によれば、朴は、実はヘディングは全くの苦手だったと言う。その理由も「痛いから」と、さっぱりサッカー選手らしくないものだったようだが、なかなかどうして。千葉の高精度なクロスによる効果もあったとは思うが、きちんと練習すれば、ヘディングでもゴールを狙える良質なサイドバックに昇華できると思うのは、筆者だけだろうか。

後から知った情報では、この日の勝利により、Jリーグ通算200勝・ホーム通算100勝というオマケもあったそうな。「ホーム12連勝」と「ホーム負け無し23試合連続」が、リーグ新記録である事は知っていたが、まさかそんな区切りの一戦だったとは、露にも思わなかった。

もっとも、こういった記録よりも大事なのは、この試合で「首位に立った」という事実。残り2戦を勝ちきる事で、今季目指した「優勝」の2文字を手に入れる権利を得た事に尽きる。

そして、これが一番「心強い」と思えた情報だった。情報源を失念して申し訳ないのだが、試合後のロッカールームにて、選手同士で出た会話の一節。

「優勝へ向け、残り3戦の、まだ一つを獲ったに過ぎない-。あと2つある。」

なんと頼もしい事だろう。あのC大阪を下して首位に立ったというのに、目指すものに対するブレの微塵も感じない、確固たる意志の高さを感じずにはいられない。

確かに、C大阪を倒して終わりではない。選手の、この気持ちを、私たちサポーターも汲み取り、残り2戦。これまでと同じように、選手を後押しし、そして12月5日に「真の歓喜」を、選手と共にユアスタで上げようではないか。




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