訪問者数:

ページビュー:

天皇杯準決勝vsガンバ大阪戦プレビュー 準決勝ながら「天皇杯という大舞台」で国立のピッチに立てる幸せ。双方ともに一部の主力を欠いての臨戦濃厚な中、昨年の天皇杯覇者を相手に、今季J2覇者が、満を持して挑む一戦。

トラックバック(0)
■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村

12月12日、土曜日。ユアテックスタジアム仙台では、J2ベガルタ仙台が、延長戦の末にJ1川崎フロンターレを2-1で下し、クラブ史上初となる、天皇杯準決勝進出を決めた。

その試合終了のホイッスルが鳴ったとき、このような状況が訪れる事には、正直半信半疑だった筆者も、サッカーの神様が成し得るサプライズに対し、驚きの意を禁じ得なかった。

あの感動から、はや2週間。J2優勝を決めたリーグ最終戦から数えれば、既に3週間は経過している。クリスマスも過ぎ、また普段見ているテレビ番組も特番で影を潜めるなど、世の中は既に年末モード一色。例年通りであれば、選手の契約更改・退団・新入団などの話題で持ち切りになる、いわゆる「ストーブリーグ」に突入している時期である。

しかし今季の仙台は、なんとまだシーズンが終わっていない。前述の川崎戦の直後に、長めの5連休を挟んだだけで、チームは再び始動。29日に迎える大一番へ向け、いつも通りの練習を消化してきた。

試合が残っているせいか、筆者の気持ちも、どことなくまだ「シーズン終了」という実感が沸いてこない。あと4日もしないうちに、新年を迎えるのか?本当に?年を越す気持ちの準備もままならない中、このプレビューを書かせて頂いている。

だが、せっかくの機会。準決勝に進出した4チーム以外の選手・サポーターの心境は他所のものとして、今は、大いにこの状況を愉しみたい。

ここで試合直前の状況を伺うと、12月12日の準々決勝からだいぶ時間があったというのに、お互いが一部の主力メンバーを欠く事態に陥っている。ガンバ大阪側は、累積で出場停止のDF加地に加え、正GKの藤ヶ谷が、A型インフルエンザで欠場の見込み。松代が控えているとは言え、今季リーグ戦を長いこと戦ってきた正GKが出られないという緊急事態に。

しかし、影響の度合いとしては、ベガルタ側のほうが大きいか。試合直前の練習中に、左SBの朴柱成が腰痛で練習回避を起こしており、出場は危機的状況。また、右SBの菅井直樹もヒザを負傷してしまい、大阪戦を回避する可能性が出て来ている。

ただでさえ、CB渡辺広大が累積で出場停止な事に加え、両SBまでが入れ替わる事態になるかもしれないのだ。

だがここは、頼もしい控え陣である、田村・一柳のバックアップに期待したい。朴・菅井の両翼が揃えば文句無しには違いないが、田村・一柳が来ても、これはこれで「別な愉しみ」と言う事もできる。朴や菅井に比べ、前線への攻撃の圧力は若干低下するかもしれないが、主力と控えの違いなく、同じ戦術の中で永らく練習してきたメンバーである。連携面においては、些かの不安も感じてはいない。特に田村は、川崎戦でも富田の代わりに「緊急出動」を果たしており、ボランチ起用ながら、日本代表・中村憲剛に仕事をさせない「番犬ぶり」を発揮。再び廻ってくるかもしれない先発出場のチャンスに、一分の隙も無いだろう。

しかしながら、相手は、「あの」ガンバ大阪である。日本代表・遠藤を擁し、寺田・二川・明神など、豪華な中盤陣を揃え、かつ、ルーカスや播戸、チョ・ジェジン、そして、天皇杯準々決勝で、あの鹿島アントラーズから2ゴールを奪った山崎など、贅沢なFW陣は健在。その攻撃力は、「日本の」という基準を既に越え、アジア級の実力に昇華されている。特に遠藤は、今季ACLのMVPにも選出されている。

「相手に不足なし」と言うには、あまりにも強大な実績と実力を誇るチームである。そしてこれは、筆者の勝手な予測に過ぎないのではあるが、強大過ぎる相手の攻撃力と、こちらの最終ラインの主力メンバー離脱の状況を考慮すると、守備面において人数を割いて守る事のできる「4-3-2-1」を選択する可能性もあるかもしれない、と考える側面もある。

「堅守から素早いカウンターで相手の裏を突く」という攻撃の図式は、今季の7連勝達成の時期から培ってきた戦術の大きな特長でもあり、ガンバに対しても有効と考えられるが故に、前掛かりに攻めてくると予想されるガンバの背後を突いて、速攻から得点チャンスを創造するには、もってこいの戦術だからだ。但し、試合の頭から採用するかどうかは不透明。試合の入りでは、いつも通りの「4-4-2」とし、途中から流れを変えるためのオプションとして、4-3-2-1にシフトするかもしれない、という程度の予測である。

それほどまでに、守備を気にしなければいけない相手なのか?と、疑問を呈する諸氏もいらっしゃるとは思う。そのご意見には、もちろん「賛成」である。守備ばかりを気にしていては、得点の機会を創造する事など不可能。当然ながら、積極的に攻め込む時間帯は必要。今季は既に、J2優勝、そしてJ1昇格に加え、天皇杯ベスト8という当初の目標すらクリアしている仙台にとって、積極的に攻めに出て、失うものは何もないはず。

むしろ、ガンバは今季、ゼロックス・スーパーカップから始まった「最大6つの戴冠のチャンス」を尽く逃しており、この天皇杯が、今季最後の戴冠のチャンス。準々決勝の川崎と同様、死にも狂いでタイトルを奪いにくると予想される。戴冠という重責を課せられた者だけに襲い掛かる、特殊なプレッシャー。そんなものとは無縁な仙台が、ノープレッシャーで、のびのびとガンバを相手に躍動してくれる事を、強く願って止まない。

川崎フロンターレ戦で、J1チームを相手に手応えを感じたチームが、どれだけ、昨年の天皇杯覇者に立ち向かう事ができるか。決して臆することなく、伸び伸びと戦って欲しい。

ところで、既にご存じの諸氏も多いとは思うが、この試合のために用意された、トップツアーの手配バス。なんと、35台を数え、その総人数も、1450名を越える勢いとの事。この他にも、JTB主催のツアー分や、新幹線・マイカーなどの自力遠征組や、関東圏在住の仙台サポーターなど、多数が押し掛けるものと予想される。最終的には、1万とも1万5千とも噂される、仙台サポーターの「国立襲来」。ガンバ側サポーターも、それなりに押し掛けるものとは予想するが、こと「勢い」という点においては、仙台に一日の長があるだろう。

ユアテックススタジアム仙台で展開される「ホームの雰囲気」を、国立の舞台に持ち込むには、充分な材料と言えるのではないか。国立のキャパシティを以てすれば「チケットが買えない」という方は、おそらく皆無。年末の忙しい時期ではあるが、10年に1度あるかないかの晴れ舞台である。「時間を都合してでも参戦する」という諸氏は多いだろう。

かく言う筆者も、現地参戦させて頂く一人。あのガンバ大阪を相手に、どこまで仙台のサッカーが通用するのか。これは、個人的に思っている事ではあるのだが、大事なのは「勝って決勝に進出できるかどうか」というよりも、来季以降を見据え、どこまで「仙台ここにあり」を全国のサッカーファンに知らしめられるか。6年間の「修行」を経て、仙台が積み重ねてきた成果を、全国が注目する中、余すところ無く披露したい。

もちろん、始めから負けるつもりで臨む試合など、一つもない。やるからには、勝負に徹し、勝利を目指して欲しい。しかし、筆者が期待しているのは、この試合の勝敗の行方よりも、「この試合に臨む事によって、得る事のできる経験値の高さ」である。あのガンバ大阪が、可能な限りのベストメンバーで、真っ向勝負に挑んできてくれるのだ。その意味の深さは「2009年のキャンプ時の練習試合※の比」では無い。

※今季の開幕前のキャンプ中に、ガンバ大阪との練習試合があった。この際は、中島の決勝ゴールにより、1-0で勝利。

そして、もし万が一にも、ガンバを相手に、仙台が勝ってしまおうものならば。

元日の決勝の舞台に立つ2チームを、全国のサッカー関係者は、否が応にも注目し、知り得る事になる。そして「ベガルタ仙台」というチームの存在を、強く認識せざるを得なくなるのだ。それは、単に日本のトップリーグに対する「7季ぶりの挑戦状」という意味に留まらず、仙台という地名のネームバリューの価値向上にも繋がり、牽いては将来的な地元の活性化にも繋がる、大事な要素である。

これは、チーム名に「仙台」の名を冠するクラブだけが引き受ける事のできる、重要な責務だ。「仙台」の地域名をチーム名称に冠しているからこそ、地元は無条件にこれを応援し、また、他の地域においては「仙台の名」が一人歩きする要因にも成り得るのだ。

「仙台」という地域名の誇りに賭けて。今、日本のトップリーグに君臨する、今季最大級の強敵と対峙する。選手・サポーターが一丸となり、相手に臆することなく、90分を戦い抜こう。

平成21年「対大阪・冬の陣」の火蓋が、東京・霞ヶ丘の地で、今、切って落とされようとしている-。




■サッカーブログランキングに参加しています、ご協力をお願いします■
にほんブログ村 サッカーブログ ベガルタ仙台へ
にほんブログ村