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仙台1-2G大阪 【今季総括】J2優勝と、天皇杯準々決勝突破の勢いを以て、昨季天皇杯覇者・ガンバ大阪に挑むも、やはり実力の差は大きかった。だが中原の1点で、J1トップクラスにも通用する組織力を証明。大きな期待を背負い、ようやく今季を終了。自信を持って来季へ。

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前半3分。キックオフ直後から、寸断なく続いたガンバ大阪の攻撃。試合を落ち着かせる間も与えられず、その勢いそのまま、ルーカスに豪快なオーバーヘッドで先制を許す。

試合前のコイントス。仙台はサポーターがアウェイ側ながら、前半の自陣ゴールは「ホーム側」。つまり、西日に向かって攻める事になった。あとから得た情報によれば、コイントスで負け、ガンバ側が、「前半は西日を背に受けて攻撃する」方を選んだらしい。

「場慣れしている」としか言いようがない。この時期の国立の午後は、西日がきつく、東側のゴールで守るGKにとっては、視界に日の光が入る。そして後半には、両陣営ともに西日の影響を受けなくなり、照明の下でのプレーとなった。

つまり、西日の影響を受けたのは、仙台のGK・林だけであり、ガンバのGK(この日は、第三GK・木村であった)は、西日の影響は受けていないのである。

この日ガンバ側は、試合の主導権を握るため、前半から徹底して攻撃をし続ける事を確認していたという。つまりは、先にさっさと先制点を奪い、堅守からリズムを作るベガルタの戦法を、根底から崩す策略だったとの事。その思惑は見事にハマり、前述したようなルーカスの先制点が生まれる状況に繋げた。

だが、仙台も黙ってやられるばかりではなかった。先制点こそ奪われてしまったが、そこからは徐々にリズムを掴む努力に努め、裏へ飛び出すチャンスを創れるようになってくる。

しかし今度は、その飛び出しを尽くオフサイドにされ、チャンスを生かし切れない。見ていた限りでは、線審の判定が厳しい様にも思えたが、そこは試合中に学習し、対応する能力も身に付けなければならない事を身に染みて感じた。

前半の最大の決定機は、43分。右CKを蹴った梁のボールを、中島がニアでヘッドを合わせるも、惜しくも左ポストに嫌われる。この後、1分のロスタイムを以て、前半終了。

仙台に得点が生まれたのは、後半13分。直前の12分に、ヒザに不安を抱える菅井を下げ、田村を投入したが、これが好を奏した。後半の立ち上がりからの修正が効いていたのか、それともガンバのスピードに慣れて来たのか、自分たちの攻撃のリズムを奏でられるようになっていたが、投入した田村を起点として、いきなりビッグチャンスが訪れる。

CB木谷からのロングフィードに反応した、右サイドの田村から関口へ繋がり、その関口が華麗な切り返しで、ガンバ大阪・山口を見事に置き去りにし、一気にチャンスメーク。最後は中央の中原へ低いクロスを供給し、これを中原が豪快に「足で蹴り込んで」ゴールを奪った。

その瞬間。アウェイ側サイドに陣取っていた仙台サポーターが、国立で「ホームのような歓喜」を爆発させる。

まさか、まさかの同点弾。関口の見事な崩しから生まれた、J1級のパスワークと得点への流れ。前半3分に許した得点から、追加点を許さず辛抱し、この同点弾に繋げたチームワークは、間違いなく来季への自信になるだろう。

だが、ここで「眠れる獅子」を起こしてしまったのか。プレーの精度・スピードなど、全ての質において、仙台の上を行くガンバは、ここで一気にアクセルを踏み込み始める。そして、中原の同点弾から僅か7分後。再びルーカスに得点を許し、応援のトーンを上げていた仙台サポーター陣営に、ディフェンディング・チャンピオンの貫禄を見せ付けた。

この後、試合は最後まで得点が動く事はなく、1-2で試合終了。ベガルタ仙台の、今季全日程が終了した瞬間だった。

正直、楽に勝てるとは思ってはいなかったし、蓋を開けてみれば、やはりこういう大舞台での経験の差が顕著に感じられた一戦であった。

しかし、天皇杯の準決勝という、この大舞台を、勝敗に関係なく「経験できた」事は、何よりも勝る、大事な糧である。対戦の相手は、あのガンバ大阪で、舞台はあの国立だったのだ。仙台の選手やサポーターにとっては、この一戦は、間違いなく「決勝戦級」の舞台であり、この試合に臨めた事自体、J2優勝とJ1昇格を達成した事と同じくらいの価値がある。

ところで、J2の優勝賞金が2千万円であるが、天皇杯のベスト4も、賞金は2千万円である。つまり今季は、2つの大会で、合計4千万円を稼いだ事になるのだ。Jリーグの1チームとして、1季で4千万円の賞金を稼いだ事は、J1のチームでもなかなか成し得ない事。その意味でも、充分な成果を出せたシーズンだったと言えよう。

そして、この大舞台に駆けつけた、仙台サポーター。あくまでも現地での見た目の判断ではあるが、集客・応援の声量ともに、明らかにガンバ側を完全に凌駕。後半13分の中原の得点は、仙台サポーターの応援によってもたらされたと言っても過言は無いかもしれない。試合前の応援の迫力から、試合後の仙台コールの雰囲気までを含め、いったいどちらが勝利したチームなのか。応援を見る限りでは、仙台に軍配が上がったと考える人が居てもおかしくなかった。

もっとも、試合の勝ち負けに対してではなく、今季、こんな大舞台にまでサポーターを連れてきてくれた、選手に対する「ねぎらい」の意味もあったと思う。よくぞ、ここまで私たちを連れてきてくれた。ありがとう、ベガルタ仙台イレブン。そして、ありがとう。木谷選手。今季の退団が決まっているというのに、最後の最後まで、ベガルタの1選手として貢献してくれた。5年前も、J1昇格を決めた大宮から戦力外を言い渡され、J1に上がる事は適わなかったのに、今回も、J1に上がるチームから戦力外を言い渡された。個人的には、木谷をJ1に連れて行きたかった。だがこれも、プロサッカー選手の宿命。移籍先であるJ2鳥栖での活躍に期待したい。

その木谷を含め、チームの今季の活躍をねぎらうかのように、試合後、いつまでもいつまでも、仙台コールは鳴り止まなかった。申し訳ないが、もはや、試合に勝ったガンバサポーターの気持ちや反応など、どうでも良かった。試合後の雰囲気。それは、実際に勝利を手中にしたガンバ側の思惑を他所の物とし、完全に「ベガルタの今季終了の舞台」として、国立はその雰囲気を色濃く出していた。

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手倉森体制の2年目としてスタートした、今季のベガルタ仙台。J2リーグ戦でも、天皇杯でも、それぞれ「考え得る最大級の結果」を残して、来季を迎える事になった。

開幕7戦で既に3敗を喫し、開幕ダッシュに失敗するも、その後に7連勝を達成。苦手だった夏場も乗り切り、宮スタからユアスタに戻った7月からは、ホームでは負け無しを持続し、昇格争いのライバルだった湘南・C大阪を撃破しての首位浮上。最終戦の愛媛戦で、後半ロスタイムにジョジマールに痛恨の同点弾を許すも、C大阪が鳥栖にまさかの後半ロスタイム逆転負けで、辛くも優勝が転がり込んできた幸運。

そして天皇杯では、J1勢を3チームも破り、準決勝まで上り詰める快挙。まさか、今シーズンを国立の舞台で締めくくる事になるとは、夢にも思ってはいなかった。

J2に降格してからの6年間。今での貯蓄を全て使い果たしてしまったような今シーズンの大躍進であったが、ここが決して終着ではなく、これからが新たなスタートである。

皆が、戻りたかった舞台へ。J1。それは、決して「J2仕様の戦い方」が安易に通用するような、決して楽なカテゴリーではない。今季までに培ってきたやり方「だけ」では、絶対に通用しない、厳しいカテゴリーだ。

しかし、元々は「J1でも通用する戦い方」をベースとして戦おうとしてきたチーム。今季の序盤では、それが結果を伴わず、仕方なく「J2仕様の戦い方」に切り替えて、そしてようやく掴んだ、J1の切符。ここへの過程において、J1での戦いを全く意識しなかった訳ではない。それを証明したのが、天皇杯の舞台ではなかったか。J1勢を3チームも撃破し、最後はあのガンバから1点をも奪い、最後まで夢を見させてくれた。

2010年。ベガルタ仙台は、満を持して、J1へ。

決して降格候補とは言われないだけの実力と、潜在能力は備えたつもりだ。その期待に応えるべく、しっかりとした補強と契約更改を行い、そして今は、ゆっくりと休んで欲しい。

私たちサポーターと共に、新たな「J1元年」を迎えよう。2002年のときとは、また別な気持ちで-。




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