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仙台1-1愛媛 まさしく "青天の霹靂"。急転直下、試合終了間際に信じられないドラマが待ち受けていた。後半ロスタイムに痛恨の同点ゴールを許すも、鳥栖が奇跡的に、やはり後半ロスタイムにC大阪を逆転で下す。ドロー終劇ながらも、仙台の今季J2優勝が決定!!

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そのドラマは、後半ロスタイムに待っていた-。

1点リードで迎えた後半ロスタイム。いつもの仙台なら、盤石の堅守で相手の攻撃を尽くはね除け、主審のホイッスルが鳴るのを待つだけの状況だった。だがこの日は、後半途中での千葉直樹の負傷交代や、終盤にエリゼウが傷んでしまうなど、どうしても守備面に難を抱えた局面を強いられていた。

バルバリッチ新監督の下、そのプレースタイルを大きく変化させていた愛媛は、試合のペースこそ仙台が握っていたものの、粘り強い守備で、仙台に先制点をなかなか許してくれなかった。それでも、後半20分に、仙台の今季の大きな武器の一つでもある、セットプレーから、エリゼウが頭で合わせて先制点を奪う事に成功。追加点こそならなかったが、このままバランスを崩す事なく堅守を維持し、試合終了を迎えるのもまた、仙台の今季の特長の一つであった。

だが、後半の頭から投入されていた愛媛FWジョジマールが、堅守のはずの仙台の守備を掻き回していく。先制点こそ仙台が奪ったが、それで愛媛の攻撃と守備の手綱が緩む事はなく、先制点後もチャンスを作り続けた仙台に、追加点を最後まで許してくれなかった。

そして、いよいよ「後半ロスタイム劇場」が幕を開けた。

まずは、「ロスタイム3分」と計時された、ユアテックスタジアム仙台。

愛媛が「がら空きの仙台・右サイド(=朴の守備位置)」から、難なく中央にクロスを入れる。そこには、エリゼウとジョジマールが。いつもなら、相手をはね除けてでもブロックしてくれるエリゼウだが、この瞬間だけは、ジョジマールに競り負けてしまった。前日に足を痛めてしまった影響が、ここへ来て出て来てしまったのかどうか、今となっては判らない。だが、競り負けた事には変わりなかった。

エリゼウの頭越しに、水泳用のキャップを被ったジョジマールのヘッドが炸裂。このまま逃げ切りかと思われた時間帯で、仙台は、痛恨の同点弾を許してしまった。思えばこの失点は、10月からカラーゴールネットに変えてから、ホームで初めて相手に許した失点でもあった。

ジョジマールに失点を許したその刻、計時は 91:04 を指していた。

次に、「ロスタイム4分」と計時された、ベストアメニティスタジアム。

C大阪の1点リードで迎えた、後半ロスタイム。鳥栖はそれまで、何度も決定機を作りながら、C大阪のゴールを割れずにいた。試合終盤に、C大阪の乾が警告2枚で退場となり、流れが鳥栖に傾いていながらも、C大阪のリードを覆せずに苦しんでいた。

何度も何度も、諦める事なく、C大阪のゴールを急襲し続けた鳥栖。岸野監督の鳥栖在籍ラストゲームでもあり、なんとしてでも、有終の美を飾って終わりたかったに違いない。

そして、鳥栖はとうとうC大阪の堅いゴールをこじ開ける。MF高地がボールをエリア内に持ち込むと、GK・キムジンヒョンの動きを良く読み、なんとGKのまた抜きシュートを選択。これに意表を突かれたGKキムは為す術もなく、ボールはゴールの左ポストにヒットしながらも、これに嫌われる事なく、ネットに吸い込まれる。

雪崩のように、MF高地に折り重なる、鳥栖イレブン。として、高地がゴールを決めた瞬間、計時は 91:33 を指していた。

計時だけを見れば、仙台は「29秒間」だけ、C大阪に首位の座を明け渡していた事になる。

だがこのとき、ユアテックスタジアム仙台では、急いで追加点を目指す仙台イレブンが、最後の力を振り絞って奮闘中だった。

そして、仙台サポーターはと言うと、ジョジマールにゴールを許した瞬間から、携帯電話などで、鳥栖-C大阪の試合経過をチェックし始めていた。

かく言う筆者も、その中の一人であった。

祈るような気持ちで、携帯で他会場の経過を確認する。先ほどまで、鳥栖-C大阪は、0-1でC大阪が1点リードのまま、スコアが動いていなかった。

「最新の情報が欲しい-」

みなが一斉に接続し始めたせいか、なかなかリロードが終わらない。何度かリロードを繰り返しているうち、とうとう繋がった。そして、目に飛び込んできた情報。

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鳥栖1-1C大阪
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「・・・鳥栖が追い付いている!」

思わず、周囲の人たちに、そう叫んでいた。この刻、ジョジマールによる失点から、概ね1分ほど経過していただろうか。だが、C大阪が再度リードするかもしれない。はやる気持ちを抑え、「まだ判らない」と、改めて周囲に平静を促した。

もちろん、この間も、ユアスタでは試合が続いていた。そして、最後まで決勝点を決められないまま、3分だったはずのロスタイムの計時は、既に5分になろうとしていた。そして、家本主審のホイッスルが鳴り響く。試合、終了-。

その瞬間、落胆の色を見せる、仙台の選手たち。勝つことだけを考え、そして、逃した勝利。C大阪のリードを知って知らずか、優勝を逃した可能性が確定するのを、覚悟していたかのようにも見えた。

だが、ベストアメニティスタジアムでは、C大阪を、更なる悲劇が襲っていた。

同点ゴールを決めたばかりのMF高地が、なんと、同点弾と同じような形で、奇跡的な逆転弾を決めていた。この刻、計時は 94:20。 僅かながら、C大阪にも決勝弾の可能性があった残り時間を喰い潰す、殊勲の大逆転弾で、鳥栖は劇的なリーグ最終戦の勝利を収めていた。

そして、ユアスタでの試合終了後に、話は戻る。

整列し、観客に挨拶する選手たち。痛恨の失点により、優勝を逃した可能性が大きくなっていたであろう事を脳裏に浮かべつつも、客席のざわつきに「異変」を感じ始めた選手たち。

ベンチにて、選手より一足先に、鳥栖-C大阪の得点経過の情報を入手していた指揮官。勝利こそ逃したものの、少なくとも鳥栖が同点に追い付いていた事は知っていたため、選手ほど落胆さは無かった様子だったか。

だが、選手からみれば、ベンチからの情報よりも、客席のあちこちで断片的に喜び沸き立つ姿を見て、少しずつ、状況が判ってきた様子だった。この間、概ね1~2分だっただろうか。

そしてとうとう、場内MCの大坂ともお氏のアナウンスが。

「セレッソ大阪が、敗れました!」

その瞬間。客席のあちこちで、小規模的な火山活動的に見え隠れしていたうねりが、とうとう大噴火を起こす。地響きのような、大歓声。揺れる、スタジアム。仙台、優勝決定!

つい先ほどまで、ジョジマールに失点を許し、一瞬の静寂に包まれていたとは思えない、場の空気の変わりようであった。

こんな、こんな劇的な決まり方が、あって良いものだろうか-。

ジョジマールに失点を許した瞬間、仙台には「追加点の義務」が生じていた。だがその代わりに、鳥栖の執念が、仙台の優勝を後押ししてくれていたとは。

まさしく、青天の霹靂。運命の悪戯。C大阪の選手は、仙台が同点に追い付かれた事を後から知って、なおさら鳥栖に逆転を許した事を、大いに悔やんだに違いない。

後半ロスタイムの、僅か3分~4分の間に、2会場で生まれた3ゴール。それは、優勝を争う2チームの命運を大きく左右する、驚愕の3ゴールであった。

かくして仙台に、初のタイトルがもたらされた。クラブ創設から15年。数々の苦難を乗り越え、地域と共に歩んできた、仙台初のプロスポーツチームは、初めてその手に、「一つの栄光の形」を掴んだ。

GET THE GLORY. 栄光を掴め。

仙台の応援歌の中にも刻まれている、この一節。まさしくこの瞬間、仙台は、文字通りの栄光を掴んだ。
そして、試合が終わるまで、泣き崩れるのを我慢していたかのような空模様が、試合が終わり、最終戦後のセレモニーが終わりかけたころ、ようやく降り出した。まるで、全てが決するまで、降り出すのを待っていてくれたかのようなタイミングであった。

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翌日に行われた、一番町通り商店街のパレード。そして、勾当台公園でのセレモニー。共に、もの凄い人出でごった返していた。師走のこの時期にいったい何事かと、道行く人が足を止め、初めて、仙台のプロサッカーチームがタイトルを手にした事を知った人も多いだろう。

前日の試合後に降り出した雨も、翌日曜日は、朝から良い天気に。気温もそれほど下がらず、外出には気持ち良い気候となった。まるで、仙台の優勝パレードを祝ってくれているかのようだった。

そして、午後からユアスタで行われた、ファン感謝デー。新型インフルの影響により、極力、一般客との接点を減らすイベントが中心となったが(それでも、子供たちとのミニサッカーは開催された)、一部の選手の仮装カラオケでは爆笑させて貰い、愉しい一時を過ごした。大坂ともおMCのご指名で、サブMCを務めた、飛弾選手の明るさが印象的でもあった。

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全てのプレッシャーから解放され、いや、そのようなプレッシャー自体が存在していたのか判らないくらい、最後まで自分たちのサッカーを貫き、仙台の街に、一つの栄光をもたらしてくれた、仙台イレブン。来季は、7季ぶりにJ1に復帰するが、その前に、もう一つのお楽しみが。

言わずと知れた、天皇杯・準々決勝。川崎フロンターレ戦である。

昨年の今頃は、入れ替え戦進出を賭けて、ホームで草津と対戦していた。そして、ジュビロ磐田との壮絶な2試合を繰り広げ、最後に落胆の終演を迎えていた。

その分の悔しさを晴らすかのように、今年は、早々に昇格を決め、そして最終節に優勝をも掴み取り、更に、天皇杯も残っている。サポーターとしては、なんと充実した年末を送れる事だろうか。

今季、天皇杯のプレビューについては、執筆を省略させて頂いていたが、川崎F戦については、改めてプレビューを書きたいと思う。J1残留を争っていた大宮を撃破し、J1中位に居たFC東京を撃破し、そして今度は、ナビスコカップとJ1の2大会で優勝争いを繰り広げ、共に2位に甘んじる結果となった、川崎フロンターレが相手となる。もちろん、川崎は、初戴冠を賭け、死にものぐるいで仙台に襲い掛かってくるだろう。

そんな状況すら、仙台の選手、そしてサポーターにとっては、待ち遠しいオプションマッチである。

必要以上に力まず、いつものサッカーで、川崎をユアスタに迎えて欲しい。絶対に勝ち残りたくて緊張感ピリピリの川崎と、もともとが「ダメモト」で、おそらく相当リラックスして臨める仙台。

案外、仙台のほうが、良い試合が出来る可能性もある。また、ユアスタ開催というアドバンテージも手伝い、サポーターの力強い後押しにも期待できる。

ここまで来たら、純粋に、サッカーを楽しもう。今年の天皇杯は、その結果に関わらず、仙台のJ1での立ち位置を推し量れる、貴重な舞台だ。来季の展望を臨むにあたり、これほど見たいと思う「プレシーズンマッチ」は存在しない。

まずは、選手のみなさん。ほんの僅かではあるが、優勝の喜びを噛み締めつつ、しばしの休養を。

そして、迎える12月12日に向けて、再び、良い準備を-。




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