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仙台0-1神戸 惨敗。公式戦3戦連続で前半のうちに先制点を献上し、今節はとうとう無得点。注意していたはずのミドルから、またやられてしまった。覇気無し・為す術無し・収穫無しの今季ワーストゲーム最有力。このゲームをどう見るかで、今後の展開を大きく左右する「逆説的な試金石」の一戦となった。

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あまりにも惨めな負け方に、冷静さを保った状態ですぐにレポートを書く事ができなかったため、筆をとるのを1日置いた。レポートの掲載が遅れた事を、平にご容赦願いたい。

よもや、ホームゲームで、17位の神戸を相手に、このような惨敗を喫する事になるとは、全く想像だにしなかった。

決して、相手を舐めて見ていた訳ではない。相手は、策士・三浦監督率いる神戸。相手を強かに研究する術においては、彼の右に出る監督は少ないだろう。そして、その監督の「罠」に、まんまとハマってしまった。

決して、雪や寒さによる影響が試合を左右した訳では無かった。むしろ、このくらいの寒さは、仙台としては経験済みであり、相手が近畿圏の神戸である事を思えば、むしろアドバンテージを貰ったくらいの状況のはずであった。

この日の先発として選ばれた選手の中に、太田の名前は無かった。あったのは、なんのサプライズも無い、関口の名前。指揮官も最後まで迷った事とは思う。が、試合を左右したのは、太田の先発の有無の部分では無かった。

筆者の目から見て、この日は仙台も神戸も、決して良いパフォーマンスを出せていたとは思えない。気候のもたらす影響かもしれないが、お互いがミスを連発し、とてもJ1の試合とは思えない、低調な展開となった。

ただ、試合の入り方については、雲泥の差があったかもしれない。仙台としては、鹿島戦までの勢いを清水戦で削がれた格好となったため、「もう一度自分たちのサッカーを」との意気込みで再トライした感があるのに対し、神戸は、開幕戦のホーム京都戦以降、直近の5試合を1分4敗と、いきなりの低空飛行を強いられていたため、「なんとしてでも勝利を」の意気込みが強かったように思われた。

その差は、前半の失点という形でいきなり現れる。

清水戦・京都戦の反省からか、守備偏重にも思われた些か消極的な前半。もちろんそれは、決して悪い事ではない。筆者個人的には、もっともっと前半の出だしから攻撃的に試合を運んで欲しかったところだが、ホームの利もあり、また2戦続けて前半に失点を喫している事から、そこを重点的にケアするやり方は、必ずしもワーストな選択肢ではなかった。

だが、その判断は、結果として「裏目」に出る。

前半37分。右サイドバックに入っていた北本から、前線のパク・カンジョへ一気にフィードが出る。それをポストし、詰めてきたFW都倉へ落とした。FW都倉は寄ってくる仙台の選手に囲われる寸前で、良くコントロールされたシュートを、逆サイドのネットへ一気に流し込んだ。

決してその展開は、スピーディなものではなかった。都倉のシュートをブロックしようと思えば、いくらでもやりようはあったと思う。ところが、ファウルで相手にFKを与えるのを恐れての事かどうか判らないが、仙台の選手は、ただ都倉を囲もうとするだけで、勇気を持ってボールを奪おうとする姿勢が無かった。

その「甘さ」を、都倉が見逃すはずは無かった。ペナルティボックスの外側であり、仙台の選手も、まさか撃つとは思っていなかったかもしれない。だが、結局はフリーで撃たれたに等しく、ボールは見事に仙台ゴールに突き刺さってしまった。

その時、都倉を囲っていたのは、前面に渡辺広大、右側に富田晋吾、左側に千葉直樹。渡辺も富田も都倉に近づいたというだけで、ボールを奪う作業には躊躇したか。慌てて千葉が左後方からインターセプトを試みるも、時すでに遅し。

あとは、最終ラインにセンターバック経験者をズラリと並べる三浦采配により、中原の高さと裏への飛び出しは極力抑え込まれてしまい、万事休す。0-1での敗戦となった。

このような攻撃の展開は、むしろ仙台のほうが得意とするパターンだったはずだ。最後方からのロングフィードで前線にボールを収め、そこからの速攻で一気に相手ゴールを陥れる流れは、開幕の磐田戦や、鹿島戦でも見られたもの。まさにその流れを、完全に神戸にお株を奪われた格好の失点シーンとなった。

そしてここに、3試合連続の前半での失点となる「守備面の甘さ」が露呈する結果となった。安易に裏を取られやすく、また、精度の高いミドルには滅法弱い。それは、逆説的に捉え得てみれば、「裏を取る技術やミドルの精度が低い、J2チームが相手」なら通用したかもしれないが、やはりJ1の舞台は、その甘さを許してはくれなかった。ここは恐らく、知将・三浦監督も狙っていたところだったのかもしれない。

実はもう既に、J2で培った堅守など、もはや通用しなくなっているのではないか。リーグの序盤こそ通用したかもしれないが、鹿島に勝った事で相手からのスカウティングが進んだだろうし、結果的に、3試合連続で前半での失点を喫し、そして3戦連続で公式戦未勝利となってしまった。

また、得点を獲られた相手が、昨年までJ2・草津に在籍した、あの都倉賢だった事も、仙台は相手を甘く見たと言われても仕方のない要因である。むしろ、相手は仙台の事を良く知っていたはず。他のJ1のストライカー以上に、厳しいマークを付けるべきではなかったか、と考えている。

ただ全体的に、やはりJ1は、守備にしろ攻撃にしろ、判断の速さがまるで違う。守備に関しては、ファウル覚悟でボールにどんどんアプローチしてくるし、自由にボールを持たせてなどくれない。また攻撃では、こちらの判断が遅いと見るや、パスやクロス、そしてシュートをどんどん積極的に撃ってくる。特に気になっているのは、ミドルシュートの積極性と、その精度だ。

J1のチームとの対戦を7試合(カップ戦を入れれば9試合)を終えて、仙台が他の対戦相手と違うところがだんだんと判ってきた。

まず、やろうとしているサッカーが「序盤はJ1に通用した=J1でやっていける」と勘違いしているのではないか?と思えるようになってきた事だ。

その代表的なのが、失点シーンでの守備面の甘さだ。相手の技術や精度の無さに助けられた、昨年までの守備は、もはやJ1では通用しない。それは、清水戦の大敗以降の失点シーンを見れば明らかだ。

具体的には、一番目に付くのは、やはり「ミドルシュートへの対応の甘さ」である。あれだけの距離から正確にゴールの枠内へ飛ばされたのでは、今の仙台の守備では通用しない。ただ相手を囲い、プレッシャーを掛ければミスしてくれたJ2時代の考え方は、捨て去らなければならないかもしれないのだ。

清水戦で、ヨンセンに許した先制弾の位置を、ちょうど左右ひっくり返したような位置から、都倉に決められてしまった。どちらも、ゴールの逆サイドネットを見事に捉える、精度高いミドルシュート。あれを止める守備技術を持たなければ、今後もやられ続ける事は間違いない。

もっときつく体を寄せて、ボールを果敢に奪取する勇気が必要だ。その際、ファウルによるカードを貰う心配や、セットプレーを与える心配などをしていては、また同じ事の繰り返しになってしまう。相手をフィジカルで突き飛ばすくらいのスピードと、ボールに正確にアプローチするタックルの精度が必要になる。ファウルで自身の出場停止や、数的不利になってしまう事を懸念する声もあるかもしれないが、そのくらいの覚悟を以て守備しないと、また「ミドルで」やられてしまうだろう。

そして、攻撃面の甘さ。やはり一番目に付くのは、ミドルシュートへの消極性と精度の低さである。

仙台の攻撃を見ていると、とにかくミドルシュートを撃たない。もしかしたら、「ミドルを撃っても良い条件を監督から限定されている」のではないか?と勘ぐりたくもなるくらい、ミドルには消極的なのだ。もっとも、決して撃たない訳ではない。ただ、そこに他のチームに見られるような驚異性はあまり感じず、ただ単に「苦し紛れにフィニッシュしただけ」という捉え方すらできるようなものばかりである。

また、その「決して撃たない訳でもないミドルシュート」だが、如何せん、全く精度が無い。どうすればそんな大きなホームランを撃てるのか?と聞きたくなるほど、シュートが枠に行かないのが、仙台のミドルシュートの特長なのだ。

組織的に相手を崩したり、セットプレーの精度の高さからゴールを陥れる、いわゆる「組織的サッカー」は、確かに仙台をJ1に押し上げ、鹿島戦までの躍進の原動力となった。その経験は、自信にしても良いと思う。だが、いざJ1に上がってみると、相手の個人技にしてやられる場面が、昨年までのそれとは比べものにならないくらい、数が多くなっている気がするのだ。

もはや、組織的にサッカーをするというだけでは、J1には通常しないのかもしれない。もちろん、ここで組織的なサッカーを否定したい訳ではなく、今後もそれはベースとして、必要不可欠なもののはずだ。

ここで言いたいのは、組織的なサッカーをベースとしながらも、個人個人の、守備や攻撃のプレーの精度を、もっと向上させなければいけない、という事である。

今の仙台をみていると、局所局所にて、守備面にしても、攻撃面にしても、相手との個人技術の差がどうしても目に付いてしまう。ただ、こればかりは経験の無さ故に、今は仕方ない部分もあるのだが、かと言って、いつまでも「J2レベルの個人技術のまま」では困る。

一刻も早く、各々の選手のプレーの技術レベルや精度を、J1で通用するものに昇華しなければならない。だがそれは、いきなりは無理というものだ。

では、どうすれば良いのか?

やはり、今、目先で一番の特効薬は、J1でのプレー経験が長い、フェルナンジーニョと太田を、積極的に先発で起用する事ではないだろうか。これは決して、中島や関口ではダメだと言っている訳では無い。ただ、連敗を喫してしまい、次はもう、内容に関係なく勝利最優先のこの状況下において、神戸戦と同じ先発のメンツで次節に臨む事は、何の意思表示にもならないのだ。

そこで心配なのは、次節・次々節での対戦が、湘南戦・C大阪戦である事だ。

ご存じの通り、湘南・C大阪は、今季からの同時昇格組。つまり、お互い手の内を良くしっている相手同士の対戦となるのだ。

下手をすれば、「昨年も対戦した相手だから、また同じ顔触れの先発でイケるだろう」と、タカをくくってしまう事に成りかねない。だがそれは、絶対に通用しない。そんな相手の舐め方をすれば、また足下を救われるだけである。

相手が同じ同時昇格組であるからこそ、こちらは、相手の知らない選手を積極的にぶつけるべきなのだ。

その意味において、フェルナンジーニョと太田は、絶対に先発させるべきである。そして、フェルナンジーニョと太田の両名に「J1での戦い方」というものを、実際のプレーでもっと表現して貰いたいのだ。チーム内の個々の選手が、それぞれの個人技を磨き上げるのを待ってはいられない。

次節の対戦相手となる湘南も、ここまでの7試合を1勝2分4敗とし、神戸同様、勝利に餓えているのは間違いない。形振り構わず、勝ち点3を奪いに来るのは目に見えてくる。彼らのその意気込みが「空回り」する事になど期待せず、自力で、こちらは勝てる要素を高めなければならないのだ。

ここで湘南に屈するようなら、いよいよもって危機的な状況に陥る。

奇しくも、昨年のJ2での戦いも、序盤の7試合を3勝1分3敗とした。昨年はそこからの7連勝でなんとか立て直しができたが、今年は年間の試合数が激減し、また舞台はJ1である。昨年と同じ展開を、安易には期待などできない。

形振り構わず、勝利を渇望しなければならないのは、仙台の方だ。相手を見下すような目線で次に臨んだら、かならずしっぺ返しを喰らう。それだけは間違いない。

この7試合を、7連敗したくらいの気持ちで臨まなければ、J1では先は見えない。舞台は既にJ1なのだ。昨年と同じ事をやっていて、勝てる要因などどこにも無い事を、指揮官は理解してくれているのだろうか。




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